娼館に行くか、ナンパをするか……。
あなたは町を歩きながら悩んでいた。
娼館を借り切って全員を食うのは楽しい。
だが、当日に突然貸切るのはあまりよろしくない。
基本的に金で解決できるわけだが。
娼館側にも、娼婦にも迷惑がかかる。
娼館には健全に運営されていて欲しいし。
女の子たちには心安らかでいて欲しいものだ。
そのため、事前に交渉をしておいた方がどちらにとってもよい。
今日は借り切らずに複数人の娼婦を買うくらいに抑えるのが妥当なところだろう。
ナンパをする場合は相手の見極めがむずかしい。
相手の強さ次第でどれくらい楽しめるかが違って来る。
やはり強い方がスタミナと言う意味でも優れている。
並みの娼婦では日付が変わる頃には疲れ切ってしまうが。
腕利きの冒険者ならば朝まで元気なことも多い。
やはり、相手も元気で楽しめたほうがいい。
それに、あなたはここに来るまで7日ほどの旅程で来ている。
つまり、出発前夜を含めて8日間も禁欲している。
このたまりにたまったマグマの如き性欲。
これを発散するのに娼婦相手で足りるだろうか。
複数人買えばなんとかなるとは思うが……。
できれば腕利きの冒険者をナンパしたい。
まずは色町に向かおう。
そして、腕利き冒険者を見つけたらナンパ。
見つけられなかったら娼館に行く。
娼館では買えるだけたくさん買う。
足りなければ、ちょっと相手には無理をさせることになるかも。
まぁ、詫びと迷惑料としてお小遣いはたっぷり弾もう。
そのように考えながら、雑踏の中をあなたは進んでいく。
時刻は昼時を幾分か過ぎた頃合いであるから、ナンパの時間はたっぷりある。
およそ3~4時間と言ったところだろうか。
それまでに釣れなければ娼館と言うことだ。
しばらく町中の冒険者たちの強さをつぶさに観察する。
やはり、冒険者たちが集う町と言うこともあり、なかなかに腕利きが多い。
平均的なレベルが高いし、上位層と思われる者たちの質も高いようだ。
スルラの町で見かけた最も強い冒険者でも、この町では平均くらいのものだろうか。
ふと、あなたは道行く冒険者の中に、華やかな集団を見かけた。
女性だけで構成された冒険者パーティーだ。
なんとも華やかである。ぜひあそこに混ざりたい。
男女混合パーティーが多い中で、女性だけのパーティーは実に目立つ。
しっかりした重装の鎧を纏った金髪の少女。
その少女に顔立ちの似通った軽装の剣士と思われる少女。
弓を背負った黒髪の少女に、
そして呪術師だと思われる独特の服装の少女がいる。
あなたの眼は、その集団の一番最後にいる少女に釘付けだった。
黒髪に黒目の、これと言った特徴のない、ただ整った顔立ちの少女だ。
珍しいことに眼鏡をかけており、それが印象的な雰囲気を漂わせている。
そして、信じ難いほど膨大な生命力を内に秘めている。
とりあえずかわいい。すごくかわいい。いますぐにヤりたい。
おそらく同じパーティーなのだろうが。
明らかに実力が不釣り合いである。
あなたがこの大陸に来てから見かけた誰よりも強い。
生命力量からみてそれは間違いない。
単純な生命力の強さだけで強さは測れないが。
強い者は誰しも強大な生命力を持っているものだ。
生命力準拠で考えれば、あの『銀牙』を1人で薙ぎ倒せるくらいは間違いなく強いだろうか。
あなたはあの少女を今晩の獲物に決めた。
あれほどの生命力だ。スタミナも凄まじかろう。
1晩どころか1週間連戦しても問題あるまい。
メアリとしたような1週間をかけてというのではなく。
1週間ブッ続けでヤりまくる感じのもいけるだろう。
あなたは一直線にその少女へと向かう。
少女はあなたに目線を向けられた段階で気づいていたらしく、あなたに顔を向けていた。
君かわいいね。いっしょに遊ばない?
あなたは率直にそのようなナンパをした。
少女はビックリしたような顔をした。
この大陸でナンパをすると、おおむねそのような反応をされる。
この大陸ではあまり同性愛は一般的ではないからだろう。
「え、ええ~と……もしかして、私に言いました~?」
戸惑い気味に、その少女はぽやぽやとした口調で答えた。
喋り方までかわいい。もうたまらない。最高である。
もちろんあなたはこの少女に向けて言ったので、力強く頷いた。
「あの、もしかして~、これは、ナンパと言うやつでしょうか~?」
もちろんそうだ。
むしろ、これでナンパではない方がおかしい。
あなたは懐から金貨を取り出し、それを見せつける。
夕飯を思う存分ごちそうするし、遊ぶ代金も自分持ちだ。
「私、こういうナンパされるのってはじめてです~……」
「そりゃまぁ、普通はナンパって男が女にするものだからな……」
鎧を纏った金髪の少女が、あなたがナンパした少女にそのように答えた。
あなたも女をナンパする女はこちらでは見かけたことがなかった。
「え~と……じゃあ、全員に夕食をごちそうしてくれるなら遊んでもいいですよ~」
「えっ、カイラ、いいの?」
「ええと、まぁ、はい。せっかくごちそうしてくれるそうなので~」
では決まりである。あなたはカイラと呼ばれた少女に、どこの店だろうが奢ると力強く宣言した。
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