転生した結果なんか強くなったビーストの話   作:模造品ザギさん

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私サジテリオ、まぁまぁ人気なのに驚きです!
今や私こそすべてにおいて愛され、全てにおいて最強なビーストなのです!
異論は認めませんよ!?


たたかえ!サジテリオ!ニゲルナアアアアア

 

   あれから、1時間後...

 

   「ふぅ...このくらい喰えば、この私も最強になれる!今に見てなさい…」

 

   サジテリオは総重量800ℊもの草を胃の中にぶち込んだ。

   そのため、腹部は大きく膨らんだ。

   前かがみになり、ゆっくり立ち上がると村の方へと戻って行った。

   その頃、村では...

 

   「グルォアアアアアア!!」

 

   巨大化したスライムが暴れ回っていた。

   

   「こいつ、スライムのくせに強い...」

  

   村の兵士である男はそのスライムの肉体を斬り刻むも、あっという間に再生される。

   

   「クソ!勇者様が来るまで...あと6分ほどか...俺が足止めするしかない!」

 

   兵士は村を守るため、必死に攻撃をし続けた。

   その時だった。スライムの胴から巨大な腕が生成され、兵士を掴む。

   

   「ぐ...離せぇぇ!」

  

   兵士が剣をスライムの指に刺し、切断しようとするも異常な再生力で切断できない。

   するとスライムは兵士を自ら口に近づけ、丸のみにした。

 

   「アボ...タヅっ...」

 

   飲み込まれた兵士は為す術がなく、徐々に溶かされていく。

   皮膚が変色し溶け始め、1分もかからず骨と鎧だけになってしまった。

   その光景を家の影からサジテリオは見ていた。

 

   「なんだあのスライム...下等生物を丸呑みにしたうえ一瞬で溶かすなんて。」

    

   サジテリオは足元に転がっていた石ころを投げつけてみた。

   石ころはスライムの体内に吸収された。と思いきやすぐに跳ね返ってきた。

  

   「痛いっ...」

 

   石ころはサジテリオの腿に当たり、声が出てしまった。

 

   「グ?ンンン?」

  

   スライムは音に気付くと、サジテリオの方へと寄って来た。

   そして、家を片手で薙ぎ払うと、そこには口を押えたサジテリオが居た。

   ゆっくりとスライムの方を向くサジテリオ。

   顔面蒼白になっていたサジテリオは言った。

 

   「...バ...バレたあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

   「グオァァァァァァァァァァ!!」

   

   サジテリオはとてつもない速さでスライムから逃げた。

   そして、村にある石倉庫の中へ隠れた。

 

   「はっ!なんで私は逃げてるんだっ!あんな下等生物如きから...情けないぞサジテリオ!」

 

   そして、石倉庫から出ようとすると突然腹痛に襲われた。

 

   「な、なんだ...この痛み...は、腹が...なんだ?毒か?私の身に何が!?」

  

   サジテリオは倉庫の床にうずくまり、のたうち回った。

 

   「この下等生物になってから色々弱くなりすぎだ...ぐぬぉぉ...」

 

   「お、おい、早く逃げねぇとお前もあのデカブツの餌食になっちまうぞ!」

 

   村人がサジテリオを発見した。

  

   「頼む...私のこの腹の痛みを...治してくれぇぇぇぇ」

 

   「腹の痛み?あぁ、腹痛か。...早く付いてこい」

 

   サジテリオは村人に案内され、すぐ近くの家の中へ入って行った。

   

   「ここにあるから、早くスッキリしてくれ」

 

   「ス、スッキリってなんだ...?」

 

   「...そんなことも知らねぇのか?...あぁもう」

 

   村人はサジテリオのズボンやパンツを脱がせ、無理やり便器に座らせた。

   そして、早口で言った。

 

   「腹に力を入れればいいんだよ。マジでデカブツが来ちまうから急げ!!」

 

   そういうと、村人は扉を閉めその場を後に逃げ出した。

 

   「腹に...力だと?ぐぬぉおおおおおおおおおお!!」

 

   大声を出しながら踏ん張っていると、スゥゥゥ...と何かの抜ける音がした。

   次の瞬間、サジテリオは天に召されたかのような表情になり言った。

 

   「なんだ...この解放感...サジテリオ、もう死んでも良いです!!」

 

   「ドォォォン!」

 

   あのスライムがサジテリオの居た家を破壊した。

   便器に座っているサジテリオの顔は再び白くなった。

 

   「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

   ズボンをはかず、尻も拭かず、サジテリオは全部出し切ってから逃げた。

   そして、サジテリオは近くにあった穴蔵に逃げ込む。

   そこには何人もの村人が隠れていた。

   

   「きゃああああああああ!!」

 

   「しっ静かにしろ!あのスライムが来てしま...」

 

   「下を...履けぇぇぇ!!」

 

   サジテリオはそこに居た女性に強烈なビンタを受け、そのまま追い出された。

 

   「...あの下等生物めが...次会ったときは絶対殺してやりましょうよ...」

 

   「ギュラララララ...」

 

   ふと上を見ると、そこにはスライムがよだれを垂らしてサジテリオを見ている。

 

   「・・・あれ、私また死ぬの?」

 

   「ヴェロァァァァァァ!!」

 

   そのスライムはサジテリオを右手でギュッと掴み、こう言った。

 

   「と......さ...ん...ブルル...」

    

   「へ?父さんと?この私が?」

 

   すると、そのスライムはサジテリオをギュッと抱きしめた。

   そして、ぺろぺろとサジテリオの頭を舐めた。

  

   「私はお前なんかの父さんになった覚えなど...って痛ああああああああ!」

 

   強酸性の唾液サジテリオの頭部をじわじわと溶かす。

   しかし、サジテリオの息子だと思い込むスライムは気付くことなく舐めるのをやめない。

 

   「サジテリオ、これホントに死んじゃうからやめてぇぇぇぇ!!」

 

   サジテリオが助けを求め叫んだその時だった。

   そのスライムの腕が千切れ、サジテリオは開放される。

 

   「どあぁっ...あ、あれ?私サジテリオ、助かった!?」

  

   人影がサジテリオを横切った。

 

   「これでもくらええええええ!」

 

   若者がそのスライムの弱点らしき核を突き刺し、スライムは叫んだ。

   そのスライムは形を留めれなくなり、徐々に土の中へ浸み込んでいった。

   

   「ふぅ...それにしても...さっきのスライムデカかったな...」

 

   「お前、誰だ...?ま、まさか私と同じ元ビーストか!?」

 

   「ん?あぁ、俺は勇者ってやつ。ビーストってのはよくわからないが、俺は違うと思う。」

 

   その勇者は若々しく、20代前半という感じだった。

   

   「それより、あんた頭のとこ大変な事になってるじゃないか。」

 

   「はっ!そうだった、溶かされたんだった...」

   

   勇者はポーチの中から薄緑色の液体を取り出し、サジテリオの頭にぶっかけた。

   

   「ぎゃあああああ染み、染みるぅぅぅぅぅぅ!!」

 

   「結構深かったけど、もう大丈夫。そろそろ治ると思うよ。」

 

   「お、お前...いいヤツすぎやしないか?...私サジテリオ...感激...」

    

   そう言っている間に頭のケガは完全に治り、溶けた髪の毛も再生していた。

   

   「よし。それじゃあ、俺はここの村の修復を手伝わないとな。」

 

   「ちょっ、ちょっと待ったあ!」

 

   サジテリオは勇者の前に立ちはだかると、こう言った。

 

   「名を教えてくれないか?勇者という者よ。私、とても感激しましたので。」

 

   「あー、これ名乗った方がいいやつかなー、まぁいいや。

    俺の名はアルト・リ・ラレグロ 。さっきから言ってくれてるけど、

    君は サジテリオ って名前を持っているんだね。助けられて良かったよ。」

 

   「そうです!私はサジテリオ。強くなるため、最近雑草を食することに励んで...」

 

   「ちょっ...雑草って草原とかに生えてるあの?あれなら俺たちには消化できないよ。」

 

   「ふぇっ?」

 

   「消化できない草なんか食べても、栄養はほとんど取れないし、それにお腹壊すからね。」

 

   「そうか...私が腹を下した原因って...雑草の...!おのれぇぇぇぇ!」

 

   「まぁまぁ、雑草に罪は無いんだから...さて、そろそろ修復とかやらないとね~。じゃ!」

  

   「はっ!アルトさん、また会えたら会いましょう!私に強さの秘訣教えて下さい!!」

 

   「人の手伝いとかをすれば強くなれるよ!!」

 

   アルトはサジテリオの方を振り向いて大きく手を振って、村の修復にへと行ってしまった。

   サジテリオは目をキラキラと光らせ、アルトに向かって大きく手を振り返した。

 

   「私は強くなってみせる...絶対...全てにおいて頂点を目指す!!」

 

   と言い、サジテリオは村の修復を手伝うため、瓦礫を拾い集め始めた。

   夕日がサジテリオを暮れるまでずっと暖かく照らし続けた。

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