転生した結果なんか強くなったビーストの話   作:模造品ザギさん

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勇者サジテリオ爆誕!?

 

   それは、村の修復作業をサジテリオ一人で行っている時だった。

   サジテリオに近づいてきた気の小さそうな村人がサジテリオに向かって言った。

 

   「手伝ってくれるのはありがたいんだけど...何これ...?」

 

   「あぁ、これですか。これはあなた方にピッタリの私デザインの新居!

    小さいですが、あなた方にはこのくらいで十分でしょう。この美しい三角の屋根。

    そして、美しい曲線のある入口...もしかすると、あなた方には少し豪華すぎたかもしr」

 

   「犬小屋に住めってのかぁぁぁぁぁぁ!!」

  

   「ぎゃぁぁぁぁ!」

  

    蹴り飛ばされた。

    サジテリオは瓦礫の山にぶつかり、気絶してしまった。

    ...それから数時間後、サジテリオが目を覚ます。そして言った。

 

   「おや?またベッドの上ですか。私は何を...」

   

    サジテリオは大きくあくびをし、ベッドからゆっくりと降り、立ち上がった。

    すると、ドアの開く音がした。

  

   「...むっまたあのかと...テノアか...?」

 

   「やっほー。調子はどうだい?」

 

    正体はアルトだった。彼は右手には瓶。左手には樹皮でできた籠を持っていた。

 

   「あの時の人間じゃないですか!村の修復を手伝ったおかげか私、力が...」

 

    彼はサジテリオに近づくと、籠の中から紙切れを取り出し、サジテリオの額に貼った。

 

   「なっ、何をするっ...ん?」

 

    一瞬で視界が真っ白になり、そこからうっすらと人影が見えてきた。

    その人影はサジテリオの脳に直接話しかけた。

  

   (私は魔王根絶協会のものです。今、私はサジテリオさん。

    あなたの脳に直接話しかけてます。あなたの活躍とやらをテノアから聞きました。

    高レベルかつ変異個体のオークをたった一人で倒したのだとか。

    この功績と優れた能力。協会の皆はあなたを勇者の一員にしたいと。

    良ければ額の紙を強く握ってください。もし何か事情があって無理だと思うなら、

    その紙を2回破ってください。私はサジテリオさんが勇者になることを信じてます。)

 

    人影は消え、視界が元に戻った。

    そして、額に貼ってあった紙がヒラヒラとサジテリオの掌に落ちた。

 

   「サジテリオ!おめでとう!それで、どうするの?」

  

    サジテリオは何も返さず、前を見てぼーっとしていた。

    アルトはサジテリオの目の前に移動して言った。

 

   「おーい?聞こえてるー?」

 

   「ふっふっふ...私の実力がようやくわかったようですねぇ...いいでしょう!」

   

    サジテリオはギュッと紙を握った。すると紙から光が溢れ、

    その光がサジテリオの手にまとわりつく。

 

   「ぎゃぁぁぁぁぁ眩しいぃぃぃぃ!!」

   

    腕にはひし形の宝石の付いた煌びやかな指輪が生成されていた。

  

   「む?何が起きたと?」

    

    手首に違和感を感じサジテリオは手の方を見ると、リングがしっかりと付いていた。

 

   「美しい...美しいぞ!!これぞ、私のイメージカラー!...何か懐かしい。」

 

   「これで今日から君も俺たち勇者の一員さ!...聞いてる?」

 

   「これで強く...美しく...すべてを超越する存在に…」

 

    アルトは首を傾げて鞘を床に突いた。

    コンコンと音をたてると、サジテリオは音に気付くとはっとなり、彼の方を見た。

    

   「やっと気づいてくれた。その指輪の使い方教えてあげるよ。」

 

   「はっ!この私にそのような教えは不要!余裕ですよ余裕。」

 

    アルトは再び首を傾げ、今度は少しにやけて言った。

 

   「俺が教えたら自分で使いこなすより強くなれ...」

 

    サジテリオはアルトの目の前まで一瞬で迫り寄って来た。

 

   「強くなれるのか!この私がもっと!」

 

   「そうだよ。じゃ、まず指輪を軽く叩く!するとね、ほら。」

  

    軽く叩いた結果、その指輪から光が発生しステータス画面が表示された。

  

   「俺のステータスはこんな感じ。

    

     Lv43 体力 20,000 攻撃力 6,000 

               魔力 3,000 防御力 1,900 素早さ 4,000

       

    他にも魔法攻撃とかいろいろな技を使えるんだよねー。

    それじゃあサジテリオも同じような動作をやってみ!自身のステータスが分かるから!」

 

    サジテリオは己の指輪を軽く叩いた。

    すると、同じく光が発生しステータス画面が表示された。

 

   「流石私サジテリオ!現段階でも十分な強さ!」

   

   「確かに。

 

     Lv26 体力 800 攻撃力 100 

              魔力 29,000 防御力 230 素早さ 1,600

    

    魔力だけはずば抜けて高いけど、他のところは...見た感じだと勇者の中でもワースト...

    それに...魔法攻撃が無い?Lv不足とかの問題もある...ならLvしだいで変わる。」

 

    サジテリオはきょとんとしてじっとステータス画面を眺めていた。

    

   「私...Lvとかいうのを上げればもっと強く...ハハハハ!最高ですねぇ!」

 

    アルトは急に自身のステータス画面を閉じ、言った。

 

   「そろそろ勇者集会があるから、行くよ!」

 

   「ゆ、勇者集会?」

   

   「それはそこに着いたら教えてあげるからさ。行こー!」

    

    サジテリオはアルトの後を付けると、彼は外で何かを言った。

    すると、魔法陣が現れそこから竜が現れた。

 

   「サジテリオ!乗るよ!」

 

   「おぉぉ?(...こんな下等生物の背中乗りたくは...いや待てよ...

    乗れるという事は竜が私より立場が下。自由に命令ができる!)私乗りますよ!」

 

    そう言い、サジテリオはアルトの召喚した竜の背中に乗せてもらった。

    

   「はっはっはぁ!今となれば私の方が立場は格上!貴様にできることなど...」

 

    竜は身体を大きく揺さぶり、サジテリオを振り落とした。

    

   「へぶぉっ!何をするこの下等生b」

 

   「グオァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

    竜の咆哮でサジテリオはあっという間に縮まりかえってしまった。

    その後の事...上空では...

 

   「いやぁー、やっぱりコバルに乗って飛ぶのは楽しいね!サジテリオ!」

 

   「あー、はいはい。そうですか...いい加減背中に乗せてもらえますかね...」

 

    サジテリオは竜のコバルの前足に掴まれ、下半身宙ぶらりんの状態だった。

    

   「コバルが許したらね!コバル、いい加減許してあげて...ほらもう反省してるし。」

 

    すると、竜はアルトを見るとため息をつき、サジテリオを手放した。

 

   「ぁぁぁぁぁああああああああああああ!!う゛っ!」

    

    急下降した竜は落下中のサジテリオを背中で受け止めた。

    

   「反省した?」

 

   「も、もう二度とこんなのには乗りたくありません...ぐふ。

    ...ん?

    そういえば、私どうしてまたベッドの上で眠っていたのですか?」

   

   「あー、それはねー…」

 

    今から5時間前...

    サジテリオは村人たちに囲まれ、気絶している間に縛られていた。

 

   「ちょっちょっと!何してるの!」

    

    すると、女の村人が言った。

 

   「コイツは私に向かって下半身を見せつけてきた変態よ!」

 

    それに続くように...

 

   「コイツが俺の家に逃げ込んだせいで家が粉々にされた...」

 

   「コイツ、犬小屋を造って私達の家だとか言ってた...」

 

   「コイツ...やっすい金で支払い済ませようとしてきた...実質食い逃げだ!」

    

    村人たちのサジテリオへの不満は限界を迎えていた。

    そしてアルトが言った。

  

   「彼は俺と同じ勇者に選ばれました!」

 

    すると、村人たちはざわめき始め、サジテリオの方をじっとみつめた。

    村人の1人が言った。

  

   「本当なんだろうな?いくら強くて優しい勇者さんでも嘘ついちゃ...どうなるか」

 

   「今回は俺が金やらなんやら出すから!今回は...今回だけは見逃してやって!」

    

    突然、頭を地に付けた勇者を見た村人はさらにざわめく。

    そして、さっきの村人が近づいて勇者の肩を叩いた。

 

   「もういいから頭上げな...今回はコイツの悪行は忘れてやるから...

    その代わり...コイツを立派な勇者にしろ。さもないと...ヒドいぞ?」

    

   「分かった!...俺は絶対サジテリオを立派な勇者にして見せる!」

 

   「よし!じゃあ皆、コイツを開放するからな!勇者!しくじんなよ!」

 

    村人はサジテリオを解放してくれた。

    アルトの眼にはうっすらと涙が浮かんでいた。

    話を今に戻す...

 

   「こんなことがあったわけで...」

 

    サジテリオの方を見るとぐっすりと眠っていた。

    アルトは微笑み、サジテリオに布を掛けてあげた。

   

   「なんだか...子供の世話してるみたいだな。」

   

    2人を乗せた竜は大きく翼を広げ、青空を飛び掛けていった。

 

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