転生した結果なんか強くなったビーストの話   作:模造品ザギさん

5 / 5
さて、ワタクシサジテリオ勇者になるためにアルトの竜(コバル)に乗せてもらって
なんとか魔王撲滅協会の所に向かっている!正直この鱗だらけの下等生物は嫌いだ!


魔王のかげ

 

   「はっ!私、寝てしまいましたっぁぁぁぁぁぁぁぁぁ...」

 

   「サジテリオォォォォォ!???」

 

    コバル(竜)の鱗に足を滑らせたサジテリオ。

  

   「大丈夫ですよ!私この程度の高さなら落下してもへいキヴォォ!!」

 

    アルトは慌てて竜と共に地上へ着陸した。

    降りてすぐ、サジテリオは腕をピンと伸ばし、親指を立てていた。

    そして、ゆっくりと起き上がりながらコバルの背中に乗ろうとした。

    

   「いや、サジテリオ!このままじゃ死んじゃうって!」

   

   「私の実力を魔王根絶協会の奴らに見せなくては...!」

 

   「あぁもう!」

 

    アルトはサジテリオを竜から引きずりおろし、

    口の中に薬草や回復薬をねじ込み無理やり飲み込ませた。

 

   「これで完治するはず...下手に動かないでよね全く...」

 

   「おぉぉ...感謝するぞ...」

    

   「...それにしても、この不気味な平原に降り立つのは初めてだな~。

    人の気配というやつも感じられないし...辺りもかなり殺風景。不安だなぁ。」

 

   「へっ...たかが薄汚れた草の生えた場所でしょうが。

    その程度で勇者なんてのを名乗れるなんて!私なら...」

 

    サジテリオは枯れ木をゴンと殴り言った。

 

   「拳一つでこんな所抜け出しますよ。」

 

   「...ンゴゴ?」

 

   「サジテリオ!早くコッチに!」

   

    先程殴った枯れ木がゆっくりと振り向く。そして、サジテリオに赤い目を光らせる。

    サジテリオは気付くことなくそのまま殴り続ける。

 

   「アルトも小心者だったのか!なら、ここで私の本当の実力を見せて...」

 

    アルトは剣を持って飛び出し、枯れ木の怪物を切り倒した。

  

   「オゴ!?オゴ...オゴッゴ...」

 

    怪物は切り倒されてから動かなくなった。

    そしてアルトは言った。

   

   「危なかった...ったく、サジテリオも気を付けてよね。さ、乗った乗った!」

 

    アルトは竜に乗り、サジテリオを待っていた。

    その時、サジテリオが竜に向かって走り出すと、サジテリオは突然転んだ。

    そして、枯れた大樹の枝に吊るされた。

    

   「な、なんじゃごりゃあぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

   「ゴゴゴゴゴ...ギガゴ...ギギ...(絶対に...殺す...覚悟...)」

 

   「この下等生物は何を言ってるんだ?」

 

   「グルガガガガガ!!(下等生物は貴様の方だ!!)」

 

    大樹の怪物は吊るしたサジテリオを投げ縄の様に回し、5回回すと地面に叩きつけた。

 

   「サジテリオ!頑張って耐えてくれ!!」

 

   「あぁあぁあああぁぁああぁあぁぁあぁあぁ!?」

 

    大樹の怪物は突然、振り回すのをやめ、顔が真っ青になったサジテリオを見て嘲笑った。

 

   「今だ...!セイクリッド・ディアスラッシュ!!」

 

    アルトの持つ剣が黄金に輝き、その剣を大樹の怪物の根元に突き刺した。

    すると、刺し後から光が溢れると根元が膨れ上がり、爆発を引き起こした。

 

   「...!」

 

    しかし、大樹の怪物はバランスを維持し続けアルトを睨んだ。

   

   「ゴゴグギグ...ガルガ...(やりやがったな...倍返しだ...)」

 

    そして、アルトの方へと枝や根を伸ばしていく。

    アルトの目の前に幅3mにもなる巨大な根が振り下ろされた。

    地面が割れるような轟音が響き渡り、サジテリオの意識が戻った。

    

   「な、なにが起こって...!」

 

    サジテリオの視線の先にはボロボロになったアルトが吊るされていた。

    そして、その近くにはずっと火炎ブレスを続けるコバル。

  

   「...ゴギガゴグル(うっとうしい竜め)」

 

    大樹の怪物はコバルに向けて枝と言う名の丸太を投げつけ、コバルを撃退した。

  

   「...ゴゴギガガガグルルルル(コイツもその程度か)

 

    大樹の怪物はアルトを振り回しながら爆笑した。

    そして、サジテリオも爆笑し始めた。

 

   「...ガゴギルル...ギゴグググル(何がおかしい?仲間がやられてんだぞ?)」

 

   「まさか...まさか!アルトがこの程度だと思うと笑いが!ハハハハ!」

 

   「...ゴグルルギ...ガゴルゴギガ(その笑い気に入った!オマエも魔王様の配下につけ!)」

 

   「ハハハハハ!ほんと!笑いが!!ハハハハ!」

 

    サジテリオはずっと笑っている。

    

   「...ゴゴゴゴグ(オマエを連れて帰ることにしたよ)」

 

    大樹の怪物はアルトを縛り上げ、口を大きく開いた。

 

   「お前はその肉を喰うのか!!ならこの私にも...」

     

    その時だった。サジテリオの脳内から誰かが訴える。

    「守り切る...!」と。聞いたことのある誰かの声が...

    サジテリオの目の色が変わった。

 

   「大切な...仲間は死なせてたまるもんですかぁぁぁぁぁぁ!!」

   

    サジテリオの腕に生成された波動斬が大樹の怪物を切り倒した。

    

   「はっ!私は一体何を...?」

 

    ゆっくりと倒れていく大樹の怪物。

    すると、遠くから翼をバタつかせながら飛んできたコバルが

    枝ごと落ちていくアルトの周りに絡みついた枝をブレスで焼き払い救出した。

 

   「おい!竜!私を助けてくれぇ!おーい!おーい!!おーあぁぁぁぁああぁぁあぁ!!!」

 

    サジテリオは助けてもらえず、そのまま落ちて行った。

    ...そして意識を失った。

 

   「サジテリオ、お前またやったな。」

 

    サジテリオが目を覚ました所。そこは広い病室だった。

    目の前には花束を持ったテノアが立っていた。

 

   「貴様はあの時の下t...テノアさんじゃないですか!」

 

   「何か言った?」

 

    テノアは背中の鞘から剣をチラつかせた。

    サジテリオは息を飲み、「いえ、なんでもないです...」と言った。

 

   「よし。ところで、お前なんであんな所に血だらけで倒れてたんだ?

    ...まさかだと思うが、四天王の一角を一人でやったんじゃ...?」

 

   「ん?四天王の一角?私はクソデカい木のバケモノを斬っただけだ!」

 

   「あー、四天王の一角だー。まーたやってるよサジテリオは!」

    

    テノアは鞘を背中から降ろし、手に持つと鞘の先を床にドンドンドンドンと叩きつけた。

    

   「私サジテリオの活躍がうらやましいんでしょ?なんと惨めな!ヒャハハハハ!!」

 

    テノアは無言でサジテリオの脳天を鞘で思いっきり殴った。

    

   「病室で安静にしてるんだな。」

 

    テノアが花束を置いて病室から出て行くと同時に傷だらけのアルトが入ってきた。

    

   「サジテリオ、あの時はごめん。俺一人で助けられなくて...」

 

    突然、アルトは泣き崩れ、失神したサジテリオの腕に抱きついた。

 

   「俺が...もっと強ければ...サジテリオに迷惑なんて...迷惑なんて...」

 

    アルトは立ち上がり、手拭いで涙を拭くと、

    サジテリオのベッドの下に野菜をびっしり置いた。そして、病室を去って行った。

 

   「...私サジテリオ...私...誰...サジテリオ...」

 

    と言いながらまた失神した。

 

    

    ...魔王の晩餐会にて、60もの魔王が集まるこの日。

    

ムルク「今日はメデタイ日だ。はしゃぐ奴ははしゃいで喰うヤツは喰え。」

    

    彼の名は魔王ムルク。勇者に対抗するため魔王協会を設立した魔王。

    この日は晩餐会。重要なことが発表される日。

 

デルモ「最近の勇者は弱くなったなぁ...うちの四天王はずっとゲームしてるよ。」

 

 ガイ「はっ!俺のとこの四天王の大樹のリギツラなんて...

    今日何モンかにやられたばっかだってのによ!誰がやったんだよ!」

 

フェン「お前の所の四天王は最強クラスだろ?やっぱり(自称)をつけ忘れて...w」

 

 ガイ「黙れ!ハーレム四天王のフェンが!貴様は女に溺れすぎなんだよなぁ??」

 

フェン「黙れよガイ?お前の四天王だって獣クセェじゃねぇかよ!」

 

 ガイ「んだとぉ?消し炭にしてやろうか?」

 

フェン「やれるもんならやってみろよ!!」

 

ジモン「落ち着け。もうすぐ発表される。」

 

    ステージの上にログナが立つ。

 

ログナ「えー、これからはこのログナが司会をさせてもらう。

    ...では、発表と行きます。えー、それは...えー...それはー...」

 

 ガイ「読めねぇのかよ...」

 

ムルク「...はぁ。」

 

ログナ「えー...それは、えー...あーっちょっ!」

 

    ムルクがログナから紙を取り上げた。

 

ムルク「...」

 

フェン「...?」

 

 ガイ「どうした?」

 

ムルク「誰だ?もう一人の方の魔王は。」

   

    ムルクが全体に向けたカンペには読めない字で魔王の名が書いてあった。

 

???「俺だ。」

 

ムルク「...では紹介しよう。新入りの...魔王リチリオンだ。」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。