ハイキュー!!に転生した転生者(女転生者)たちが原作に存在しない女子高に行き、原作キャラと世界大会で戦うまで   作:春さん

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そうはならんでしょ、と誰かが言った。……なっとるやないかい、と誰かがツッコんだ。

 

 

 

「「「強化合宿?!」」」

 

「因みに、来蘭高校もユース合宿に見学に来るそうです。勿論月島さんの疑似ユース合宿にも」

何人で来るかはわかりませんが…と付け足す武田。

 

「来蘭高校?」

「来蘭高校?!」

 

上がったのは2つの声。

疑問の声と、驚きの声だ。

 

「影山、なにか知ってんのか?!」

「知ってるも何も…強豪校なんだよ」

 

来蘭女子高校。

前回大会で女子バレーの全国大会1位、そして世界大会で2位の功績を取った強豪校。

来蘭高校が高校を初めてから殆ど今まで連続して全国の切符を取っているので、來蘭高校の女子バレー部と言うだけで他の女子高と高校には邪険にされる。だからこそ、來蘭女子高のバレーの名前を出すのは、他校にとって禁句となっているのだ。そうなる程、彼女らは強いという証明にもなる。

 

 

「來蘭高校の開校は1950年だ。全国大会は三年に一回、世界大会は四年に一回。」

 

 

彼は、ビデオの中の彼女たちを見続けながら話始める。

 

 

「全国大会で優勝し続けているということはつまり世界大会に出ているということでもあり、15年連続世界大会1〜3位を争うような高校ということになる。」

「実際に俺たちは來蘭高校に行ってきたことがあるが1年2年3年ひとりひとりが全国と世界に行くだけの力があっただろ?守備のリベロ、司令塔のセッター、アタックを防御するブロッカー、それが誰でもスパイクの練度・技術が個性がありながらも段違いだった。質が違うと一目で判るんだよ。」

 

あそこに行ったなら観客と会場の空気感だけで理解出来る。

"アレ"は、化物だと。

画面の彼女たちは今も得点を上げ続けている。

 

ダンッ!!!!!と会場に響き渡った踏み込みがビデオの中で現れる。2000年にあった日本大会での、踏み込み。あれは今"白鳥の踏み込み"と呼ばれている。

広げられた翼。たしかに、あれは白鳥と呼べる物だったのかもしれない。あの時の俺は運良く会場にいれた。だからこそ今も覚えていられる。

背中のウェーブ、高く飛んだ小さな背中。そして、白い髪。

きっと白鳥と呼ばれる由来はそこにあったのだろう。

 

これまで驚いたこともあるし観察したこともある。当たり前だ、引退したとはいえ過去俺は監督だった。ただ__あれ以上に鳥肌の経つ経験は、今でもしたことがない。…いいや、これからもすることはないんだろう。

 

それぐらい、衝撃だったのだ。

あの基礎的にすぎない踏み込みは。

 

「今さっきリベロ、セッター、ブロッカーと役割を言っただろ?あの高校の恐ろしいところはこれだけじゃない。全員が全員リベロ、セッター、ブロッカーを理解してそれを個人個人使えるということにも恐ろしさがある。なんでも使えるからこそ誰もが司令塔になるし守備するし防御する。だからこそ、本当に誰が誰になるのかがわからない。」

 

セッターとして出ていた奴がリベロとして出ていることなんて稀でもない。あの高校では当たり前のことだ。基礎的な事でも数分、数時間、数年積み重ねれば繊細な技術となる。塵も積もれば山となるとはこの事だな。

 

「しかもそれ(役割)にもそれぞれの人物が弱点なんてものはなく中途半端でもない。観客から見ればとても綺麗な、バレーをやっているこちらから見れば恐ろしい程の完成度。全員が全員攻撃と防御が出来るように鍛錬していて、來蘭女子高にいるバレー部全員の観察力が異常に高すぎる。選手とマネージャー、さらに監督含めてな。それに伴い息が合う確率が断然に高くなる。つまり優勝する確率も上がっていくってこった。俺ぁ來蘭女子高なら女子だけじゃなく男子が相手でも十分やっていけるだろうと思っている。比喩じゃねぇ、本当にだ」

 

 

 

「……それだけ恐ろしいんだよ、あの高校は」

 

 

 

一繋は瞳の裏の彼女たちを思い浮かべる。

セッターを支えるリベロ、ブロッカーを支えるセッター、リベロを支えるブロッカー。

あの高校の連携度はピカイチだった。

少なくとも、現時点での女子バレーでは。

 

 

「…來蘭女子高は、それだけヤバイのか」

一繋の孫、烏野男子バレー部顧問である烏養繋心は静かにそう問う。

 

今まで彼が__烏養一繋がそこまで評したことはなかった。老いても監督であったその手腕だけは確かだ。

__だからこそ彼は信じられなかった。その当時は。

彼女らの事を恐ろしいと、質が違うと言ったことが。

 

 

「どれだけそれ(・・)を普段から引き出せるように鍛錬しているのかが見れば判る(・・・・・)んだよ、俺にはな。個別でなにかを極めてもそれだけ(・・)になってしまう。俺ぁそれで十分だが來蘭女子高の監督がそれを許さねぇ。」

 

脳裏に来蘭女子高の監督が思い出される。

ほんわかとした雰囲気とは対照の鋭すぎる指摘、そして選手に考える力を育んでいる頭の良いあの監督を。

 

 

全員が全員(・・・・・)すべてを(・・・・)出来るように(・・・・・・)する。文字通りな。 そのお陰って言っていいか分からねぇがお陰としよう。そのお陰でリベロやセッター、ブロッカーの弱点を補強してるから、だからこそ強いんだろうよ。この場(來蘭女子高のバレー部)にいる誰もが出来るからこそその気持ち(強みと弱み)がわかる、ってヤツだ。」

 

一つを極めるだけでも努力が必要不可欠なバレー。

それでもバレー選手を育てている彼女に俺は監督としてある種の尊敬を出来る。あの鋭い目は、過去になにかを失っている目でもあるのだから。

 

だがそれはそれとして────

 

「お前も見たらきっと來蘭女子高のヤバ(おかし)さが判るだろう、お前があの女子高を見た時監督として成長しているのなら(監督)の本能が”あぁ(・・)コイツらは(・・・・・)ヤベェ(・・・)”と示してくれるだろうさ。実際 "アレ" を見た時俺は鳥肌と寒気が奔ったからな」

 

今でも思い出せるあの光景。余りにも完璧すぎる、あの風景。

──ああ本当に。悪寒しかしねぇな。

 

まあ一繋(いっけい)さんがそう("コイツらはヤバイ")思うのは間違ってはいないだろうね。だって彼が観に来てたその時期は──

 

(連勝途切れさせたら怒られる連勝途切れさせたら怒られる連勝途切れさせたら怒られる連勝途切れさせたら怒られる連勝途切れさせたら怒られる連勝途切れさせたら怒られる連勝途切れさせたら怒られる連勝途切れさせたら怒られる連勝途切れさせたら怒られる連勝途切れさせたら怒られる連勝途切れさせたら怒られる連勝途切れさせたら怒られる連勝途切れさせたら怒られる連勝途切れさせたら怒られる連勝途切れさせたら怒られる)

 

(監督怖い監督怖い監督怖い監督怖い監督怖い監督怖い監督怖い監督怖い監督怖い監督怖い監督怖い監督怖い監督怖い監督怖い監督怖い監督怖い監督怖い監督怖い監督怖い監督怖い監督怖い監督怖い監督怖い監督怖い監督怖い監督怖い監督怖い監督怖い監督怖い監督怖い監督怖い監督怖い監督怖い監督怖い監督怖い監督怖い監督怖い監督怖い監督怖い監督怖い監督怖い監督怖い監督怖い監督怖い)

 

(やらないとヤバイやらないとヤバイやらないとヤバイやらないとヤバイやらないとヤバイやらないとヤバイやらないとヤバイやらないとヤバイやらないとヤバイやらないとヤバイやらないとヤバイやらないとヤバイやらないとヤバイやらないとヤバイやらないとヤバイやらないとヤバイやらないとヤバイやらないとヤバイやらないとヤバイ)

 

全国大会&世界大会間近である意味全員が全員文字通り死ぬ気でやってんだもの。ちなみにこの内心は過去の先輩方ね。

しかもちゃんと体調管理を選手側がしてるから体調は崩さないって言う。だから大会のときは万全の状態で出れんだね。まあ逆に精神がおかしくなりそうなんですけど。

なんかもう内心見て思うけどバレーのこと考えすぎて頭イッちゃってるよ、監督が怖すぎて。監督めっちゃほんわかしてんのにね。なんならもうめっっちゃ温厚なのにね。

温度が激しすぎて知ってる人(・・・・・)ならすっごい風邪引くんじゃない?しらんけど。(ハナホジ)

 

 

 

時は過ぎ、数日後。

烏野高校は偵察と見学をしようと女子バレー部と來蘭女子校バレー部を観に来ていた。

ちょうど試合も終わったばかりだったので熱気が暑い。

しかしその熱気が心地よくもあった。

 

最初に烏野の女子バレー部が来て惜しくも敗退に終わり、少ししてから來蘭バレー部がアップを始める。

 

ピーーーと、ホイッスルの音が鳴った。

どうやらこれから試合が始まるようだ。烏野女子バレー部の次であったのは知らなかったので早いなと思いながらも彼女らの試合を見始める。

 

 

 

「あれが來蘭女子高か…」

 

 

 

ダンッ!!!と空高く、高く高く翔ぶ5番。

 

配られた──手作りなのだろう──チラシを見ると、すぐに名前が判った。

 

──涼凪(すずなぎ) (れい)。168センチ体重59キロ。

  リベロではあるがその力と俊敏さで11番から5番に昇格した人物。

  体力と持久力が高い事で有名で6時間ぶっ通しで速く疾く動けるとの噂。

 

相手にとってはその身長と俊敏さ、そして体力と持久力はたまった物じゃないだろう。

 

「すっげぇーー!!」

 

隣の目を輝かせた人物は日向翔陽。

3ヶ月前にバレー部に入部してきた人物で身長は162センチ、体重は51キロである。

 

「おい、そんなに興奮すんな。見えねぇ」

そう日向を咎めた人物は影山飛雄。

同じく3ヶ月前にバレー部に入部してきた人物で身長は180センチ、体重は66キロである。

 

(日向)の目を捉えられているのは──

 

「6番か」

 

またチラシを見てみる。

 

──依千野(いちの) 誄歌(るいか)。153センチ51キロ。

  この中でも一回り背が低い。

  日向と同じ在り方のようでその実全く違う。身長が低いがブロッカーとして活躍。

  ジャンプ力は日向とも引けを取らない。

 

…いや、もしも俺達烏野高校のように様々な高校が見に来たと察し全力を出していないならば今の日向の上を行くだろう。さっきも軽々と25センチ近くを跳んで見せたのだ。

そして、それ以外にも様々な種類の選手の数々。

無表情無口の威圧的な選手、それと対して元気な選手、そして──

 

 

 

 

 

 

「次も取るよ、みんな」

 

 

 

 

 

 

それを纏めあげる、1年(・・)の選手──九條(くじょう) (すず)

そう、この県大会に出てきた選手は信じられないかも知れないが一人の2年生以外は全て(・・)1年生(・・・)だった(・・・)のである(・・・・)

來蘭女子高校の生徒によるとこれは恒例行事のようなもので、昨年の2年生もこの洗礼(1年生で県大会に出場)にあったのだそうだ。

そこで途切れればお終い。後が(全国に)出られなくなるだけ。

とてもとても強い、プレッシャー。

 

けれど1年生達は──

 

「誄歌!」

 

それだけで誄歌と呼ばれる人物はライトの方向へ向かう。

 

「瀬奈」

 

九條の真横には、瀬奈と呼ばれる人物が空中でジャンプをしていた。

 

ダァンッ!

 

1得点を取ると同時に鳴るホイッスル。

15-25。來蘭女子高校の、勝利であった。

 

(他校の生徒は來蘭女子高校が恐ろしくて堪らないというのもわかる気がする)

 

烏野高校の3年マネージャー、清水潔子は内心でそう思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──点を取ってくれるだろうと、入れてくれるだろうと言う無条件の信頼。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(1年生全員が信頼をしていてそれに全員が応え続けているだなんて、恐ろしい)

 

それ(信頼)に応え続けることの難しさ。

ほんのすこしだけ、それを清水は知っているから。

これより上の…言うなれば澤村たちと同学年の選手たち(2、3年生)がまだ蔓延っているという事実。

その事実にマネージャー含む3年生全員に背中に冷たいものが奔る。

 

 

 

バレーは団体競技。

けれどバレーの高校はそれぞれ指針が違う。

 

 

 

━━例えば白鳥沢。

その中の主要人物、牛島はとても火力の高い選手だ。

だから相手選手は苦戦をする。

その苦戦をさせる為にはセッター、リベロ、スパイカー、ボールを全てを繋げなければならない。

 

 

 

だからバレーは、団体競技なのだ。

 

でも……相手が牛島のように一人だけが攻撃をする、ではないのだ。來蘭女子高は個人個人が目立っていて、団体として1個人1個人が規格外。

それがバレーをやっている人間にはわかる。立ち回り方も全てが完璧でなんと言ってもあの九條篶さんは1年でありながらもケアが見落しがないほど完璧。

 

失敗があっても切り替えが上手いしなんなら次に繋げようとする、だから相手には恐ろしい。何度やっても折れないから(・・・・・)

 

完璧なバレーが今ここに成り立って(・・・・・)しまっている(・・・・・・)のである。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……恐ろしいな、來蘭女子高校は……」

主将、澤村は冷や汗を垂らしながらそう呟いたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さてさて、時は戻りバレー部初日まで遡る。

前回、全員キャラを演じることになった1年生。

いったいなぜ数日後のようになったのか。それがこの話でわかる。

 

では、どうぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どんな確率なの?!?!」

「もうしょうがないと割り切ろう。いやほんとに」

「ちなみに私達2、3年生もそれやって全員キャラ演じることになったからね」

 

1年生は乾いた笑みを溢し、

 

「「「「マジかよ、私達悪運強すぎるでしょ」」」」

 

と言った。

 

 

「本当にそれね。ハハッ」

普通ならば一人二人欠けてもおかしくはないのにどんな奇跡(私達にとってはとてもいらない)が起きたらここにいる全員が演技することになるのだろうか。

 

 

 

2、3年生は光のない笑みをした。

 

 

 

「まず涼凪(すずなぎ) (れい)さん。

 貴方は頭脳系を演じて下さい。指導者は2年の小薙 (こなぎ)さん、3年の露衣(ろい)さんです、彼女たちも頭脳系を演じています。

 理論や理屈を構築をするような設定なのでちゃんと筋を通す為にバレー以外でも様々なことをやることになりますがまぁ頑張ってください。」

 

そう指示をするのは來蘭高校マネージャーの佐々木(ささき)優菜(ゆな)

前回を読めばわかるが彼女は途中から前世の記憶を思い出した転生者である。ここだけの話、彼女の前世の過去はバレーに関係していた。ならば今世もバレーをやれば良いのではないか?という質問も少なからずあるだろう。

しかし、彼女には彼女なりのマネージャーになった訳があるのだ。それを私が言うのは違うだろう。

ということで、ここで言うのは辞めておこう。話が進めば自ずと分かってくる。お預けにするだけだ、いつかわかる。

 

さて、では話は現在に戻そう。

 

「……ハイ」

優菜の言葉に肩をビクッと揺らし小さく返事をする麗と呼ばれた少女…いいや、女性。

その少女は前世社畜であった。強者(部長)に淘汰されるだけの人生。それが彼女(少女)であった。

まあその彼女は前世のバレーには全くの無関係。バレーをやるのは小中高以来である。

さて、ここで少しの疑問が出てくる。

麗と呼ばれる少女がなぜそんな縮こまって返事をしたのか。

優菜は前世の部長にとても似ていた。拒否権がないのも本当にとてもよく似ていた。まあだから反射的に縮こまってしまったのである。

まぁこんなことはどうでもいい、次に行こう。

 

「次に橋口(はしぐち) 瀬奈(せな)さん。

 貴方は活発系を演じて下さい。指導者は2年の榛菜(はるな)さんと星那(せいな)さんです。彼女たちも活発系を演じています。

 活発系ではありますが真面目な所は真面目、ふざける所はふざけるとタイミング等もお二人から聞いてください。ちなみにタイミングを間違えてしまうとその場の空気が地獄になりますので学んで下さいね」

 

「分かりました……わかりたくないですけど」

呆れて遠くを見ながら現実逃避している少女。この人も前世は女性である。

その少女は前世バレーではないが、運動系の競技をしていた。金メダルを取ったこともあるし、その世界の彼女は有名人であった。もし彼女と同じ世界の人間がここに居たら驚いていることだろう。

なんせ、彼女はその運動系の競技を続けずにこのバレーの高校に入ったのだから。

彼女は最初から記憶を思い出していた人物だった。だからその運動系の競技を続けるのかと思っていたが…予想は外れたようだ。

辞めた理由は優菜と似たある訳があるのだが…それもまた次の機会にしよう。さて、次に行こうか。

 

「次に依千野(いちの) 誄歌(るいか)さん。

 貴方は無口無表情系を演じて下さい。指導者は2年の流花(るか)さんと3年の(うみ)さんです。

 無口無表情でもちゃんと分かる人には分かると区切りをしてもらうのでこれから表情筋を殆ど家でもまったく動かさないでください。口調も制限してください。

 諸々のことはお二人に聞いてくださいね。」

 

「わか、りました…………」

こちらも瀬奈と同じように遠い目をしながら受け入れる少女。前世彼女は歌手の卵だった。本人は気がついていないしなんなら卵のままで死んだのだが。

それがとても残念で仕方がないが、今世でも一応ネットで歌を投稿してるらしい。だから完全に死なせたということではないことを把握してもらおう。

今現在はそんなに再生数は行っていないが多分後々発掘する卵だ。彼女は少しだけハイキューを読んでいたので余り内容は知らない。

未来でこっち(バレー)を選ぶのかそっち(歌手)を選ぶのかは神のみぞ知ると言うことだろう。

さて、最後の人物に移ろう。

 

「次に九條(くじょう) (すず)さん。

 貴方は常識人枠としてそのままで居てもらいます。しかし、重要な場面ではしっかりとした発言をして頂きますし、四人(・・)を励ます言葉を届けても貰います。

 そして一番重要なのは、貴方には1年生ながらこれから來蘭女子高等女子バレー部の次々期主将になってもらうということです」

 

「……は?」

余りにも理不尽な言葉に呆然とする篶。

そう、この理不尽を告げられた人物は前世アニメを観るだけのニートであった。ただ食っちゃ寝をして死んだだけのなにも努力すらしていない者。本人は死因すら分からないそうである。しかし私こと文字書きは(コイツ)の前世を知っているので話そうと思う。

コイツの前世の死因は酒を飲んでうっかり屋上から地上に飛んだ馬鹿者である。馬鹿だろ?すんごく馬鹿だろ?お前らもなんないよう気をつけてな。

篶がバレー部に入ろうと思った理由はハイキュー!のようになりたい…いや、なりたかったから。

前世から篶はバレーが大好きだった。ニートになった理由にもちゃんとした訳があるのだ。まぁその話も時間がないのでまた今度にするのだが。

で、話を戻す。

そんなバレーを少し知ってる人間でニートだった人間が、次々期主将????は?????

 

 

しかし、優菜は言葉を止めない。

 

 

「徹底的に次期主将の2年理央(りお)さんと現在主将の3年彼方(かなた)さんにしごいて貰いますので、覚悟しておいてください」

 

ふぅ、と一旦息をつく優菜。

ここまで息を吸ってはいれど深く深く呼吸を吐いてはいなかったので数秒の間が空いた。

その間も新入生たちは呆然としていたり遠い目をしていたり…言うなればめちゃくちゃであった。

 

「はい、ということで諸々の説明は以上です。副主将も決めてもらいたい所ですがその話は後でにしましょうか。

 今は頑張って力付け、女子バレーの全国大会で16連勝してくださいね」

 

「「「「()?」」」」

前回の女子バレー部の説明聞いてなかったのか????

……いやまあそういえばあの圧の中全員聞き流してたわ、そうだった。こういう所みな転生者だよなぁ……(白目)

ちゃんと説明聞いておけよバカタレが。

 

「この來蘭女子高は開校からこれまで女子バレー全国大会15連勝1位の記録があるんだよね。負けたら連勝の記録が途切れる。つまり今までの功績がパァ。

 ……頑張って途切れないようにしてね!私達もそれ受けたから!!」

補足としてにっこりとそう言い放つ主将…彼方に大きな体育館に5人分の大声が響いた。

 

 

「「「「はぁ〜〜〜〜〜!?!?!?!?!?」」」」

 

 

2、3年にはとうに見慣れ(てしまっ)た光景である───。

 

 

 

 




お待たせしました。申し訳ない限り。

2025.6.17追記
設定変更につき微修正しました。

2025.6.21追記
設定変更により前の文章に戻しました。微修正しました。
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