ハイキュー!!に転生した転生者(女転生者)たちが原作に存在しない女子高に行き、原作キャラと世界大会で戦うまで   作:春さん

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烏野VS伊達工の観戦と奇行具合

 

 

 

 

「ん〜〜〜」

 

 

 

頬杖をしながら漫画の一コマのように動きを()る彼女たち。

自らが培ってきた、このTheアニメっぽい緑の(まなこ)に青や橙など様々な色でジッと伊達工との試合を目を皿のようにして見ているのは三年主将の佐崎(さざき) 彼方(かなた)に次期主将がほぼ確定している二年の鷹見(たかみ) 理央(りお)。そしてまだ主将補佐でしかない一年の九條(くじょう) (すず)だ。

とっくにバレーボールに魅了されている彼女らは今、烏野と伊達工との試合を観戦している。勿論女子の予選の試合が終わった後で、だ。この後も予選は続くので見れても一試合か二試合ちょいだが、まだバレーは続くので楽しみでもあった。

時間も惜しいので本題に入ろう。

来蘭高校の全員でここに来ても良かったのだが、流石に次も試合だし全員が全員行くわけにも行かなかった。

ということで世間から常識人と謳われている三人と監督、そしてマネージャーだけが観戦者として見ているという状況である。

 

「普通の速攻だけで変人速攻はまだ使って来てないわね。実際には見たことがなかったけれど…どんな感じなのかしら」

「速くないと困りますよ凛華(りんか)さん。張り合いがないと彼女らは面白くありませんから」

 

監督である(しじみ) 凛華に佐々木(ささき) 優菜(ゆうな)がそう会話をしていると、密かな彼らのサインと共に変人速攻と呼ばれるものが行われた。

 

ヒュン、

バシュ、と音だけを残した()()

 

それは、まさに突風のようであった。

10番のすばしっこさに9番のコントロールの繊密さ。それが合わさって、変人速攻がこの場に披露された。誕生した過程を、私たちはとっくに知っている。

サインと呼ばれるものに気が付いたのは彼女らだけであろう。彼女らも原作で見なかったら密かにあるそれには気付かなかったであろうし、そのサインがバレたら困るのは烏野だろうからここでは言わないが、少なくとも変人速攻するタイミングを観客や他の同業者は判っていなさそうだ。相も変わらず彼らは面白いことをするなと彼女らは心の中で思った。

セッターとスパイカーの信頼がなければ出来ない”それ”は彼女ら以外のここにいる誰もが反応すら出来なかった。いつの間にか伊達工のコートには、ボールが叩きつけられていた。

なにをやったのかまだ理解できていない会場はまだ静寂だ。同時に、優菜は改めて見ても目を瞑ってよくバレーが出来るなと感心する。コート上は情報の塊だと言うのに、彼はまだそれを知らないのか。

彼女らでも彼らがやるモノ(変人速攻)を学習するにはそこそこな時間が掛かっていたのだ。それなのに一カ月かそこらでモノにした主人公たちはやはり化け物だと感じる。*1

現に変人速攻が決まったからか会場が沸き上がっている。

「すげぇあの10番!上がったぞ!!」

 

そんな声がここまで届いている。

 

 

 

沸いている会場に紛れながら彼女らは分析…いいや、長くバレーをしてきた本能からの推測をする。

 

「素早く動く10番は警戒の対象にしやすいだろう。伊達工はそれだけに気を取られて周りが見えていない。沼にハマれば抜けるのが厳しくなる。」

「バレーは視野を広くする競技であり、そうしなければ簡単に点を取られる世界だ。あれはもう駄目だろうな。」

 

冷静に呟く二年の鷹見。

すると、蜆が口を開いた。

 

「新しい監督がそうしたのでしょうね」

 

烏野の新たな監督の繋心が狙っている10番マークは、蜆はとっくにお見通しであった。蜆凛華は前世でもバレーの監督だったからこれぐらいは当たり前だ。

いや、だったではない。言葉を訂正しよう、今でもそうだ。だからこそ、それくらいは容易に予測できる。監督にも経験の差というのはあるので。

 

「まあ、それくらいしか方法がありませんからね」

 

蜆の言葉に反応をしたのは優菜。

この二人はこれでも長い付き合いだ。来蘭高校のマネージャー、監督になってもう5年もの月日を一緒に過ごして来た。

■■が…いなくなっても、尚。だからこそ、彼女らは阿吽の呼吸のように返事が出来る。

()()()()何時(いつ)何時(なんどき)()()()()()()()()()()()()()()括り(関係)()()()

彼女ら二人の関係値はただそれだけなのだから。

 

「そうね。最初に10番の力を見せつけて、エースにマークをさせる。そうすればエースは10番だけを標的にして、鉄壁の壁は簡単に開けるようになる。」

「認識をしてから守るその伊達工の対策はとても良い事よ。けれど、10番を無意識にマークをしてしまったらどっち道伊達工の鋭さはなくなるし、妨害にもなる(後手に回ってしまう)。」

「……良い方法を思いついたものね」

 

彼らの今出来る打開策は蜆が言ったその一つだけであろう。その対策案をしなければ負ける可能性だって有り得る。

けれどそれだけでも、彼らには十分だ。

少なくとも今も監督業をしてい(育てる立場であ)る彼女には、そう感じた。

 

「あの烏野の感じ…。次は10番以外……5番とかに回すんじゃないですか?」

 

今の烏野と伊達工の状況を鑑みて名指ししたのは5番……田中。九條が5番と言った次の瞬間、セッターである影山は日向───を囮にして、田中にトスを渡した。あの時あの状況、彼の中ではあれが最善だと思ったのだろう。

彼…日向翔陽が最強の囮を象徴するならば、尚更。

 

「綺麗にライトの方向へ行きますね。あれは1点入りそうです」

 

ポツリと呟くのは来蘭高校マネージャーの優菜。

瞬間、田中龍之介が打ったスパイクは一直線に伸びていった。しかもリベロに拾われることもなく、コートのギリギリでだ。

影山が投げたあのトスは、高すぎることもなく低すぎることもなく丁度いい塩梅だ。あのコントロール力を彼女らのように自身だけで動かせるようになれば、世界にも通じるだろう。これからの成長が怖いものだ。

 

佐崎たちがジッと試合を目をさらして見つめて話しているのが気になるのか、隣から黒髪と赤の眼鏡の人と金髪の人…そして烏野バレー女子の人々がなにか視線が送ってくる。が、そんなものは普段のバレーで大勢の人数が彼女らを見ることは普段通りではあるので、佐崎は気にしないことにした。やはりバレーをしている人間…いや、来蘭高校という特定の人間は精神が図太かった。それはそうだ、精神が図太くないとあの高校では特にやっていけないのだから。*2

 

閑話休題。*3

烏野女子バレー部は聞いてみる感じほぼほぼ確定。で、そこにいる黒髪の人は確信は持ってないけどもしかするとって感じか。まぁ私たちの正体気付かれてても気付かれてなくてもどっちでも良いっちゃいいと思うんだが…まぁいいか。監督の指示でいつか会うのは確定してるけどまだ時期じゃないってことで会ってないだけなんだし。

どうせバレー続けてればまた会うし会えるかな。

 

「試合も終わりそうだしそろそろ帰りましょうか。」

「今の実力も見れましたしね」

 

「そうですね、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

彼女…九條の言葉にいち早く振り向いたのは二年の鷹見。続けて三年の佐崎や蜆、優菜も九條を見た。*4

 

「お、ようやくなの?九條」

「はい、先輩。まぁ()()()()いても、行動できないと意味はないんですけどね」

 

そんなことを話しながら出口の方に向かっていると、後ろから笛の音が聞こえる。この数カ月オモテ(演技)でも常識人として一年を纏める役割をし、そして未熟ながらもバレーを経験し、やっと()()()()()()ようだ。()()()()()()()()()だと言うことは、彼女自身が知っているだろう。なんせ彼女はまだ高校一年。彼女は先の者(強者)たちをよく観察して、洞察して、苦悩している所を余す所なく自分の糧になると解りながらよく見てきたのだから。

出口で振り向くと、どの高校が勝利したのかが判った。九條は思わずと言ったように笑みを浮かべる。

 

「九條」

「はい」

 

言葉は要らない。九條たちは烏野が勝利しているその光景を背景にして、その場を立ち去った。

 

 

 

 

ピッ、ピッ。

 予選が終わった汗だらけの彼女は飲み物を選ぶ。

 

一部であるものの、彼らの成長を見た彼女。

自販機で鼻歌を歌いながらなにを飲むかを決め150円のお金を入れた。

 

ガコン。

 下から選んだ飲み物が出てきて、手慣れたように取る。

 

お釣りはなかった。金額が丁度だったからだ。

キャップを開ける。

やはり試合途中は熱気溢れているからか、どうしても喉が渇いて仕方がない。これは万国共通だろう。

買った飲み物を飲む。自販機のものはいつでも新鮮で冷たくて気持ちがいい。今の夏ではピッタリだ。

熱くなったら冷たい飲み物を飲む。これも万国共通だろう。

それにしても───

 

「成長が楽しみだな、日向翔陽(10番)影山飛雄(9番)は。」

 

彼らと早く試合してみたいなと思いながら彼女はお茶を飲んでいると、声が掛かる。

 

「そろそろ行かないと間に合いませんよ、先輩」

 

それは九條であった。

普段ならば転生者で上下も関係なく敬語もない二人だが、今は仮にも人目のある所だ。流石に自重したのだろう。そう思った鷹見はキャップを閉めてお茶をポケットに仕舞いながら「わかってる」と返事をしたのだった。

 

 

 

それでは早速日向翔陽と影山飛雄についてだが。

先程も見たが日向はバレー中、あのように目を瞑り続けている。まだ理解ってはいないから。

 

 

これから日向翔陽は青葉城西に敗北する。

 

 

青葉城西に敗北するとその敗北を生かして目を瞑らないようにするだろう。

となればこれからはちゃんと目で見て脳で判って情報過多なコートを理解し続けていかなければならないだろう。試合はやればやるだけ新しい行動(モノ)が来るのだから。

 

今度は三年主将と3人の二年で青葉城西との試合を見に行くことが確定している。私は今日行ったからローテーションまではまだ行けないが、DVDはどうにかあとで入手しようと思っている。…まだ時間はあるが、これからが楽しみだ。

 

「鷹見」

 

声が掛かる。同じ二年の小薙(こなぎ)は普段あまり動揺もしないしなんなら演技で活発だが、今現在は恐ろしい程に真顔だ。普段から引っ付けている演技が取れかかっている証拠*5であり証でもあった。

 

「それで?」

「…ん?」

「どうだったの?生の日向翔陽は」

 

その言葉に、鷹見は冷静沈着の皮を剥いで推しがいた*6感想を述べた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「推しはそこに存在した………日向と言葉にされてるだけあって太陽加減が最高でした。」*7

「マジで羨ましい」*8

 

 

 

 

 

 

 

オマエらの冷静沈着*9と元気*10を剥いだら唯のオタクが出てくるだけじゃねぇかいい加減にしろ。

ちなみに普段から演技しろとの命令を受けているが、どうしても今だけは不可能だった。なんせ推しがそこに存在していたので。*11

というか一年と三年の反応も大体推しを見に行くとかで舞い上がって行けなくて血涙流してたり、どうにかこうにか日向が同じ空間に居たということを証明して欲しくて日向と握手してないのにも関わらず握手をしたり、言葉じゃない言葉を発していたりと……奇行が目立った一日だった。*12

(マジでコイツら…)と有能なマネージャーの演技を剥いだただの優菜*13は思ったし、蜆もこの奇行を無視してもう通常運転を再開している。*14

主人公に相対するこの日は仕方がないと思っていたとのことだ。*15

常識人である主将は常識人じゃないし、止める役割ももう果たしていないようだ。相変わらず来蘭女子バレー部はいつも通りであ(頭が可笑しか)った。

来蘭高校は今日も平和である。*16

 

 

*1
世間から化け物と呼ばれる高校に化け物と呼ばれた日向たちはモノホンの規格外だった。

*2
ここで密かに訂正すると、あそこで精神が図太くないと鬼畜メニューが来たりするので死ぬからでもある

*3
考えたくもないことを彼女は思い出したので忘れることにした

*4
鷹見は喜々とした表情だし、佐崎はまた一歩噂が尾鰭ついて来蘭女子高が化け物と呼ばれるだろうなぁと勘で思った

*5
取れかかるではなく取れてるの間違いである

*6
どうでも良すぎる情報だが、鷹見と小薙の推しは前述の通り彼 日向翔陽である。推しになった理由はいざとなると目力が恐ろしいからだ(鷹見評)とかバレー馬鹿過ぎるから(小薙評)だとか。

*7
どこの作文?てか日向と言葉にされてるだけってナニ??????

*8
そしてこの切望の眼差しである

*9
演技

*10
こちらも演技

*11
大抵のオタク(転生者)は遠目からでも見れたと歓喜しこんな感じだ

*12
なんなら奇行しか目立たない一日だった

*13
ある意味レアキャラ

*14
最初は焦りもしたが日向たちを見れるとなり転生者らが奇行に走りすぎてもう慣れた

*15
▼ 蜆 は 諦めた !

*16
(白目)




プロット見直しが大変だったけれどもほぼほぼ完了しました。プロット見直し自体は2日3日で終わってたんですけど、書こう書こうとちまちま書いてたらほぼ5ヶ月が経ってました。これ現実?そして書いたと思ったら5000字ちょいって…と自分が書けなさすぎてやべえってしてます。おかしいなぁ書きたいやつは書けるのになぁ。でも結構長く書けたからいっかぁって自分を納得させてます。
現在語学能力を上昇させている所です。
お気に入り登録としおり、感想…できれば評価をして頂けますと普段の日常で励みになります。返信は忙しすぎてできませんが作者はメチャメチャ喜びますしハイテンションになります。(いつものこと)
次は二月の中旬に投稿できたら上々かな。
書きたい物リストを書き終えるまでは死ぬ訳にいかんのでね。アンケご協力お願いします。

〜書きたい物リスト一覧〜
・烏野VS青葉城西との観戦
・来蘭女子高校のバレーor普段の日常回
・他校が訪問した時の来蘭高校の案内(かきかき中)
・来蘭女子バレー部定例、地獄の1週間(来蘭は一カ月)強化合宿をやらされついでにとばかりに誘いが来て付き合わされる烏野を筆頭とする高校。で、絶句する及川。そりゃ強いわと納得する音駒。(かきかき中)
・とっても稀で珍しすぎるシリアス(これは途中ですがほぼ展開を書き終えてます)

彼女はこの先も?

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