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旧三沢塾ビルから吹き飛ばされた御坂美琴は、大の字で床に倒れていた。
どこかの倉庫の内側だろう、学校の体育館よりもずっと広い空間に自分がいることを確認する。
天井の部分に開いた大きな穴は、どうやら無自覚のうちに咄嗟に身を守って自分が開けたものだろう。
「……なに、これ?」
むくりと起き上がりながら、美琴は率直な感想を漏らした。
倉庫の中に並べられているのは、コンテナだとか缶詰だとかそういった日常的なものではなかった。
兵器の群れ。
巨大なコンテナのようなミサイルポッド。巨大ビルを両断してしまえそうなブレード。世紀末で持ち歩くためのような火炎放射器に、美琴の代名詞である超電磁砲、存在を然るべきところに伝えれば国際問題にもなりそうな兵器群が、それを運用するための弾薬、燃料、整備機材と一緒にワンセットで鎮座していた。
しかも、
(これ……嘘でしょ? 戦車に乗っけたり装甲服にアタッチメントするようなものじゃない、
学園都市の暗部に詳しくない美琴でも解る、あまりにもゲテモノすぎるトンチキ兵器。
それを目の前にして、彼女の口には興奮の色が浮かんでいた。
御坂美琴は兵器を好むわけではない。大抵のことは自分の体と能力だけでなんとかしてしまえるのだから当然で、兵器についてはただ電気使いの嗜みとしてハッキングで扱うことが出来る程度だ。
けれど、今の彼女は知ってしまっている。
自分の超電磁砲を一蹴するような怪物が世界には存在していると。
自分の体と能力だけでどうにも出来ないものをどうにかするには外付けの何かに頼る。それが普通の人間の当然だ。
だから、御坂美琴はチラリと思ってしまった。
これがあれば、金色の少年という怪物に対抗できるかもしれないと。
そしてシステムの中身を覗き込み、
(────!)
その中の、未知の世界に圧倒された。
そんな彼女ですらも、何を書いているか理解できない未知のロジック。
学園都市第三位が心の底から希求していた、科学の外側にある新世界。
本来ならもっと慎重な判断を持って手に取るべきだったもののはずだった。
しかし、今の御坂美琴は理外の怪物である金色の少年に鎧袖一触された直後。
一刻も早く今すぐにでも戦う力が欲しくて欲しくて仕方がない!
なので、彼女は悩まなかった。
未知の部分はコアのところだけ。兵器としての防壁類は全て自力で解除できる。
過去最高の速度で研ぎ澄まされていくハッキング。
新たな主に引き取られた機械は自ら分解再構築を行って、乙女の装甲としての姿へと変わっていく。
「待ってろバカ! アンタが戦っているところまで、絶対に私は追いついてやるから!!」
ジェットを吹かして音速を超える速度で地上を離脱。
偶然と勢いで引き起こされた
………。
……………。
…………………。
……………………。
そして、御坂美琴が飛び立って行ったあと、そこに残されたものがいた。
木原脳幹。ゴールデンレトリバーでありながら、並の天才を上回る知能を持つ木原一族の最上位。
学園都市統括理事長アレイスターの意を汲んで、邪神を今から討滅しようとしていた
『………しまった』
木原脳幹は誰にともなく呟く。
ここで前提を再確認しよう。木原脳幹は超高知性ゴールデンレトリバーである。
それが並大抵の天才を上回る知能を持ち、学園都市統括理事長から無二の友人と扱われていようと、そのボディは犬である。
犬であるということは、犬の本能を持ち合わせているということである。
そして突如ここに飛び込んで出て行った御坂美琴は
彼女の体の周りには常に微弱な磁場が発生しており、そのせいで動物に避けられる可哀想な女子中学生である。
『すまないアレイスター』
つまり。
知性レトリバー木原脳幹が本能的に一瞬怯んでしまったその間に。
『
『………なんて?』
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