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世界は一面真っ暗闇。燃える三眼だけが空にあり、それ以外は何もない空っぽで伽藍堂の暗黒空間。
あらゆる位相が剥がれ落ちた無の中に、彼らだけがいる。
暗黒神話の深淵を記された書、獣の咆哮ことアル・アジフ。
暗黒神話の深淵をそれから学んだ禁書目録、インデックス。
北欧の魔神、位相の改変に耐性を有しているオティヌス。
世界の基準点、幻想殺しを右手に宿した上条当麻。
世界最強の魔導書の主、マスター・オブ・ネクロノミコンたる大十字九郎。
そして────今回のヒロイン、邪神に未だ玩弄されている拘束着の少女エンネア。
世界は今や正真正銘、彼らが演じるオペラの舞台。
ここから先が最終楽章。真なる邪神との最終血戦。
『さあ、待たせたね待たせたね楽しみだったよ本当に待ち遠しかった!
魔人の鍛造なんて邪神の力を使って後で幾らでもすればいい。それより今は君が大事だ!
今こそ這い寄る混沌たる
燃える三眼がこちらを向く。
世界そのものが震えるような響きを声として、宇宙規模の
「生憎だけどなナイアさん! 俺は大人なんで仕事が明日もあるんだよ!
迎えに行けなかった同棲幼女を、お家に連れて帰るっていうお仕事がな!」
そして、
「九郎さんだけじゃねえ、俺もいる!
エンネアを助けたいって気持ちは、邪神にだって邪魔させねえぞ!」
『は、はは、ははははははは────』
ちっぽけな人間たちの言葉を聞いて、世界を包む闇が鳴動し出した。
凝縮。圧縮。深海のように暗く。ブラックホールのように暗く。集まっていく闇。闇。闇。
その闇の中から手が伸びる。
その闇の中から足が伸びる。
集まった闇が人の形をとる。
集まった悪が鋼の形をとる。
それは悪鬼。
それは機械。
それは邪神。
────
「全長60メートルといったところか。啖呵を切ったはいいが、あれを相手にどうする人間」
十五センチのオティヌスに問われ、上条の顔が少しだけ引き攣る。
その一方で、大十字九郎とアル・アジフは顔を見合わせて頷いた。
「あちらの相手は我ら、だな」
「だから上条。エンネアの方は任せたぜ」
遂に顕現した暗黒神話の世界の脅威に対し、狩人たちが立ち上がる。
そう、ここからが彼らの真なる見せ場。
邪神の悪意に立ち向かうための、大いなる力がここにある。
「憎悪の空より来たりて───」
九郎とアル、二人が伸ばした手の先に魔法陣の光が灯る。
その向こう側で、巨大な何かが鳴動する。
「正しき怒りを胸に───」
それはかつての世界で人間が人間の為に作り上げた、邪神相手の対抗手段。
人間よりは巨大でも、神にとってはちっぽけな、それは最弱無敵の
「「我等は魔を断つ剣を執る!」」
それこそは、人類たちが持つ希望!
誰もが胸に抱くはずの、愛と勇気と理想の具現!
「「汝、無垢なる刃――デモンベイン!」」
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