あっ、最初に言っとく、キャラ崩壊注意やで。
まぁ誰が崩壊するとは言わないけど…一言だけ言わせてくれ。
咲夜さん推しの皆さん、本当に申し訳ない(申し訳ない)
「それじゃあ、今説明した通りにお願いするわ。くれぐれもサボらないように」
「「「はぁ~い!」」」
メイド服の女性、十六夜咲夜の号令に小さめの箒やちり取り等の掃除用具を持ったメイド妖精たちが返事をし、そのまま妖精たちは各自の持ち場へと飛んで行った。どうやら、これから紅魔館の掃除を行うようである。
そんな妖精たちを見送った後、咲夜自身もモップを持ち、自分の持ち場となる掃除場所へと歩みを進める。
咲夜は紅魔館のメイド長。他の妖精メイド達に指示を出す、現代で言う所の管理職の立場であった。しかし、いくら指示を出す立場と言えど全く現場に出ないというわけにはいかない。紅魔館は幻想郷でも1,2を争うであろう巨大な建物だ。現場の働き手が何人いたって足りるなんてことはないのだ。
それに、現場に出て他のメイド達がちゃんと働いているかどうかの監視もしなければいけない。部下である妖精たちはその性質上自由奔放な性格だ。基本的にはちゃんと働いてくれるが飽きっぽいし、他に興味が沸いてしまえばそちらに気を取られてしまう。そんな妖精たちを管理し、必要あれば声を掛けたり指導したりするのは、結局現場に出た方がやりやすいのだ。
通常業務もする。部下達の管理・指導もする。両方やらなくてはいけないのが管理職の辛い所である。悲しい事にそれは現代でも幻想郷でも変わらないのであった。
しかし、十六夜咲夜にとってそれはあまり苦ではなかった。
何故なら、それらは全て自分が仕える主、レミリア・スカーレットの為であるから。
いくら定期的にカリスマブレイクしようが、引く程のシスコン具合を見せようが、偶に厨房からプリンを盗み食いして怒られてようが関係ない。レミリアは咲夜にとって唯一無二の主であり、彼女に仕える事こそが咲夜の喜びなのだ。
(あぁ、今日もお嬢様の為に働ける。これ以上の幸せはないわ)
自分が行っている事が敬愛する主の為になっている。そう考えるだけで咲夜は幸せを感じる。
そこには邪念は一切ない、まさに従者の鑑であろう。
(掃除に洗濯にお食事…全てはお嬢様の為に。……あぁ、でも欲を言えばもう少しやれることを増やしたいわね。お嬢様に直接『あ~ん』で食べさせたり、入浴の時に身体を隅々まで洗ったり……)
………うん?
(後は寝る前に御本を読んであげたり、オムツを交換したり……あぁ、お嬢様はそこまで幼くないわね。はぁ…なんで私はお嬢様が生まれた頃からメイドとして仕えていないのだろう。どうせならお嬢様が赤ちゃんの頃からお仕えして、私なしでは何も出来ないくらいに全部やって差し上げましたのに…)
……あのぉ?
(あ~この間パチェリー様が読んでいらっしゃった本…テンセイ物だったかしら?みたいに私も転生してタイムスリップ的な事になって赤ちゃんの時のお嬢様に仕える事が出来ないかしら?……いや、それなら従者よりもママの方が良いわね。そうすれば私がお嬢様を産んで、一生ママ離れなんて考えられない程にデロッデロに甘やかしてさせ上げられる。………いや、そもそもすでに私はお嬢様を産んでいたのでは?そんな記憶がある気がしてきたわ)
………邪念など一切ないのであるッ!!!
「………はっ!こんな事している場合じゃないわ!この後も仕事が山程あるんですから」
もうそ……空想に耽っていた咲夜は頭を軽く振るい、トリップ状態から抜け出す(HENTAIメイド長なんていなかった。いいね?)
いつもレミリアの為に誠心誠意尽くす彼女であるが、今日は一段と張り切っていた。理由は先ほどのレミリアの話、能力が不調という件である。
あの話を聞いて咲夜は自分の不甲斐なさに腹を立てていた。自分にもっと力があればレミリアお嬢様の問題を解決できていたのかもしれない、と。
しかし、それはIFの話。今の自分ではどうにも解決できないという事は咲夜自身が一番理解している事だ。
それならばせめて自分の今できる事、いつもの業務でお嬢様を支えよう。それが私がお嬢様のお役に立てる一番の方法だと咲夜は考えていたのであった。
「えぇっと、あそこの掃除が終わったら次はあそこで…あぁ、でもその前に一回妖精メイド達がちゃんと働いてるか巡視を挟んだ方が良いわね、目を離すとすぐにサボるんだからあの子達…。掃除が終わったらお食事の準備にお洗濯に………」
「あっ、咲夜これから洗濯するの?なら私の枕カバーもお願いして良い?そろそろ交換したかったんだよね」
「えぇ、もちろんです妹様。後で交換に伺いますね………えっ?」
今後の業務予定を整理していた咲夜であったが、突如として掛けられた声に一瞬だけ思考が停止する。
「ん~?どうしたの、咲夜ぁ?」
思わず声のした方向に目を向けると、そこには己の主の妹であるフランドール・スカーレットの姿があった。
「妹様?何故こちらに?先程お出掛けになられたのでは……」
フランの姿を見て咲夜は内心少し驚いていた。
それもその筈である。フランは先ほど『人里に甘味を食べに行く!』といってレミリアにお小遣いをねだっており、今は屋敷に居ないものとばかり思っていたのだから。
実際に咲夜も美鈴を連れて屋敷を出発したフランを見送っているし、まだ出発してから数十分しか経っていないはずだ。こんな短期間で人里まで行って帰って来れる存在なんて、盗撮癖のある自称幻想郷最速の文屋くらいなものである。
「うん、行こうとしたんだけどねぇ…なんか急に気が変わったから帰ってきちゃった!」
咲夜の問いにそうあっけらかんと答えたフラン。その反応を見て咲夜は『あぁ、いつもの事か』と頭の中で思った。
フランは500年近く生きている吸血鬼であるが本人の性格はそんな事を微塵も思わせないくらいに若々しい、悪く言えば幼いとも言えるものであった。
そんな幼さからか『飽きた!』と言って物事を途中で投げ出したり、逆に突拍子もない思いつきで何かを突然始めるといった事は珍しくはなかった為、咲夜もいつもの発作が出たのだろうという認識であったのだ。
「そうでしたか…では、これからいかがいたしますか?このままお部屋にお戻りになられるのでありましたら後でお飲み物をお持ちいたしますか?」
「あっ、ちょうど喉乾いてたんだよね。後でお願~い!それと、咲夜にお願いがあるんだけど――――」
「それは……構いませんけど、何かあったんですか?」
「いや、特にはないんだけど…私が帰って来たのがお姉様にバレるとちょっと面倒と言うか…分かるでしょ?」
フランの言葉に咲夜は内心『あぁ…』と納得した。
咲夜から見ても、レミリア・スカーレットという吸血鬼は姉妹愛が強い…というか重度のシスコンであった。その様子はフランが外出する前の反応を想像して貰えると一番わかりやすいと思うが、毎回あのような感じでフランに接しているのだ。
フラン自身は別にそんなレミリアを嫌っているというわけではないが、毎回あんなにベタベタと構われては流石に鬱陶しいと感じてしまうのも無理はない。というか『あの子がこんなに早く帰って来るなんて…どこか具合が悪いに違いないわっ!早く医者を呼びなさいっ!!』と話を大事にするレミリアの姿も想像に容易い。
そのような理由から帰宅した事を秘密にして欲しいと言ったフランの気持ちも何となく察せてしまう咲夜なのであった。(ちなみに咲夜自身はレミリアにそこまで構われるのむしろ“come here!!”である)
「…事情は分かりました。しかしお嬢様に嘘は付けないので『特別こちらからは話さず、聞かれたら答える』程度の事しか出来ませんよ?」
「それは仕方ないね、いいよ~。それじゃあ私部屋に戻るね~」
そう言って咲夜に背を向けるフラン。
そんなフランの背を見送っていると咲夜は「あっ」と思い出したかのように声を出した。
「そう言えば妹様、美鈴は門番の仕事に戻ったのですか?」
それはフランの付き添いで一緒に外出した同僚についての事。
外出が中止という事は門番の仕事に戻っているはずだが…彼女はよくサボって業務をほったらかしにする事がある。戻っているのならば一度会って釘刺しだけでもしておいた方が良いだろう。
「―――――あぁ、美鈴なら帰ってきてないよ」
フランは背を向けたまま静かに答えた。
その言葉は咲夜にとって予想外なものであった。
「………? それは、どういう事でしょうか?」
咲夜は訝し気にフランに問いかける。
何故フランの付き添いで出掛けたはずの彼女が帰って来ていないのか、と。
咲夜の言葉に、フランはゆっくりと振り向きながら答える。
「ちょっと、特別なお仕事を頼んだからね♡」
頬を桃色に染め、目を細めながらそう言ったフランの妖艶な表情に、咲夜は思わず見惚れてしまった。
??「ちょっとなんですか今回!?トランクスも城之内君も彼の唯一無二の妻である早苗ちゃんが出てないじゃないですかッ!!こんなの次回予告詐欺ですうぅ!!」
次回予告が本当だといつから錯覚していた?(というか緑の巫女さんについてはマジで知らん)
にしても咲夜さん、なんでこんなやべーキャラになっとるんや…
う~ん、これ書いてる時に何かしたんかな?
書いてる時にBGMにボヘミアン・ラプソディ流して
休憩中にスーパークリークの育成して
ポケポケでルザミーネデッキ使って
ふしだらな家元の同人誌見て
ダイヤちゃんにブヒって
………全く心当たりがないな。事件は迷宮入りや。
ストックは……まだあるな、うん。
ここまでご拝読ありがとうございました