皆様のおかげですぜ…ほんまにありがとうございます。
さ、3時なら流石にみんな寝てるやろ…バレへんバレへん……
『貴方用の食料が尽きそうだから調達してくるね。いい子で待ってるんだよ♡』
そう言って幼子を愛でるように頭を撫でるルーミアが洞窟から出て行って数分後、俺は洞窟から少しだけ顔を出してルーミアが戻ってこないか確認していた。
……よしっ!完全にどっかに行ったっぽいな!!
「……はぁぁぁぁぁ…しんどかったぁ~…」
彼女がすぐに戻って来ない事に安堵した俺は、その場に尻もちをつくように座り込んだ。
それも仕方がない事だ。ここ数週間、四六時中ルーミアがベタベタと俺に密着してくるんだぞ?休まるもんも休まらんわ!
……しかし、ずっとこうしているわけにもいかない。
約束の日――満月は明日まで迫ってきているのだ。
おそらく、今を逃したら脱出の機会は2度と来ないだろう。
これがラストチャンス、絶対に逃げ切ってやる…!
…………でもなぁ…
「……どこに、逃げたらいいんだろ?」
逃げた後のプランが全く思いつかないのである
…はいそこ!俺を無能扱いしない!!
結構計画練る時間あっただろってぇ?…ずっとルーミアに密着(意味深)されてたんだぞ!そんなん考えてる場合じゃないわぁ!!
…はっ!一人コントやってる場合じゃなかった!!
…まぁ、ルーミアも理由の1つなのだが……1番大きな理由は土地勘がない事にある。
まず、大前提として最終目的地は博麗神社とする。外の世界に帰りたいときはそこを頼るって東方の二次創作でよくある描写だからね!
そして博麗神社はもちろんの事、幻想郷は有名な場所や建物の立地などは大まかな場所設定などはあるのだが…実際に来てみるとそれが全く分からないのだ。
というか、知ってる場所が遭難していた森とこの洞窟しかないのにどうやって脱出の経路考えろと?
つまり、この洞窟出た瞬間、だだっ広い幻想郷を当てもなく彷徨うって事だね!………無理ゲーすぎて草も生えない…
それに、おそらくルーミア以外の人を食う妖怪も徘徊しているだろう。そいつらと遭遇したらBADエンド直行だ。………無理ゲーにクソゲー要素が追加されたんだが…
…しかし、このままここで考えあぐねていても、俺はルーミアにいつ殺されてもおかしくはない状況は変わらない(食われるor腹上死的な意味で)
どうせ死ぬなら、生存確率がワンチャンでもある方を選んでやる!
そう考えながら、俺は再度洞窟から顔を出し、辺りを見渡す。
先述した通り俺には幻想郷の土地勘はないが、実はある程度ゲームで見知った景色が見えているのだ。それを目印にしてけば博麗神社まで近づけるって寸法よぉ!!
えっ、博麗神社まで行かなくても、そこで助けを求めればいだろって?
……………それができれば一番いいのだろうが、それは無理だろう。
まず、俺は湖側の景色に目をやる。
海と見間違いそうになるほどに大きく、透き通っている湖。そのずっと先に、小さく建物が見えた。
その建物とここは距離があるという事が見てわかるのだが、この距離でもわかる程に建物は赤く…いや、紅く染まっていた。
おそらく…というか確実にあれは『紅魔館』だろう。
紅魔館とは、吸血鬼『レミリア・スカーレット』を主とする館である。
吸血鬼。その名の通り人間から血を吸い取る鬼。つまりレミリアにとって俺は食料同然なのだ。
あそこに近づいたら、それはもう丁重に持て成されるだろうな。もちろん鴨葱として。
それにレミリア以外にもフィジカル最強格の門番やらDIO様みたいな能力使うメイドやらガチモンの魔女やらなんでも壊す金髪ロリやらやべー奴の博覧会みたいな場所だぞ?ゲームでは攻略したキャラ達だけど、生身で会ったら流石に殺されるって!絶対行きたくない!!
紅魔館から逃げるように反対側に顔を向けると、見上げる程の大きな山がそびえ立っていた。
見るからに雄大な自然であふれ、緑の他にも鮮やかな赤や黄色で染まっている個所もあるようだ。
多分、ここが風神録の舞台である『妖怪の山』だろう。
もしそうだとしたら、この山の頂上にも博麗神社とは別の神社が建っており、そこに住んでいる『東風谷早苗』や他の2人の神も人間にも友好的だった記憶があるので、そこに助けを求められたらどんなにいいだろうか?
…しかし、この山は名前の通り天狗や河童、一部鬼などが住み着く妖怪の総本山的な場所だ。恐らくこの森の中とは比較にならないくらいに妖怪で溢れているのだろう。
そんな場所に無防備に突入するとか自殺行為だって!絶対その辺の野良妖怪に食われる運命だって!!
このように、現在の俺は前門の虎と後門の狼という状態だ。逃げ場がマジでない。
だが、ゲーム内の記憶ではこの両者は人里からも比較的近かったような覚えがある。
幻想郷では、人里は安全圏として描かれることが多い。
それは、妖怪や神が存在するためには人間の恐れる心や信仰心が必要とされているため、人間が絶滅しないように不可侵領域を作る必要があった等、様々な理由があるそうだ。
加えて、人里には外から迷い込んでくる人間…外来人を保護するための建物や制度があったはず。よそ者の俺が突然現れたとしても、悪いようにはされないだろう。
つまり、博麗神社に行けなかったとしても、人里に行ければ勝ち確定なのだ!
……まぁ、ゲームでは移動シーンの詳細とかはカットしてたから正確ではないかもしれないが、それでも希望は見えてきた。
後はここからの景色とゲーム内の記憶マップ(うろ覚え)を当てはめて、俺の天才的頭脳で距離を逆算して………あれ?なんか想像より距離あるっぽい?計算間違ってる?…ここはこうだから…あー…計算式、どうすんだっけ?…う~ん?
…………まぁ、何とかなるやろ!!(適当)
…だってしゃーないやん!こちとら学生やってたのしばらく前やぞ?数学なんて忘れるって!!
というか早くしないとルーミア帰って来ちゃうじゃん!?その瞬間、俺の死は決まったも同然じゃん!?
こ、こうなったら一か八かで走り抜けるしかない…!
多分妖怪とか夜行性の奴多いし、だいたいの位置あってれば人里着くだろ!
悩んでる暇あるなら行動!駄目で元々、人生はギャンブルZOY!!
俺は心の中にデデデ陛下を憑依させ、洞窟から飛び出した。
「イクぞおぉぉぉぉぉ「おわっ!?な、なんだぁ!?」おぉぉぉおおぉ……ん?」
勢いに任せてヤケクソ気味に洞窟を飛び出した瞬間、入り口の真横から聞こえて来た声に俺の足は思わず止まってしまう。
「…………お前、人間か?」
足を止めた俺に向かってくる声に反応し、反射的にそちらを見てしまう。
「なっ…!?」
声の主を確認した俺は、無意識に息を漏らした。
そこにいたのは、一人の少女であった。
氷の様な冷たい色の髪。
活発そうな性格が滲み出ている顔。
透き通るような純真な目。
その少女と実際にはあったことはないのだが、俺はその少女の名前を知っていた。
「チル…ノ…!?」
今回は少し短め。本当はこのくらいの文字数でゆる~くやってたいんだけど、なんか書きたいこと多すぎて文字数オーバーするんよなぁ…
本当はバレずに更新したいという心。
このまま日刊上位とか狙えるかもという承認欲求の心。
2つの心が私の中で戦っている…!
とりあえず書き溜め分は放出してみるか……
ここまでご拝読ありがとうございました