隙間旅行ハイスクールD×D 間違っても神様ではありません(凍結 作:只今更新凍結中
その後の話をしよう。
イッセーの契約の話になるが、どうも初回の人とは契約は取れなかったらしい。
だけどかなり評価は良かったらしく、その後もちょくちょく召喚されるとか……
そして新しく行った先の契約者、僕はちょっとした興味で同行させてもらったのだが……
漢の娘。
いや、娘って言っていいのかな?戦国というか、そう……世紀末でも生きていそうなほどの威圧を放つ魔法少女の格好をした「漢」だった。
願いは魔法少女にして欲しい。だが言わせて欲しい。
異世界に行けるほどの力あるならもう魔法使えてるじゃん!!!
色々とぶっ飛んだ状況だったけど話は合い、やはり契約は取れなかったがちょくちょく召喚……
何かと言いながらもイッセーは相手方からは好評で、リアス先輩も評価に困るほどらしい。
そんな毎日。在り来たりで、時折イッセーが暴走して。
イッセーがシスターの話をしてふたりの悪友が暴走して。
何やらはぐれ悪魔の討伐を見学?したらしく、そこで自分の駒が兵士であると絶望したような相談をされ……とりあえずチェスでのコマの特性と合わせての感想を伝え……
そんな在り来たりの日常のはずなのに……
「……!!!」
僕は屋根を飛ぶようにして駆ける。
直感。だけど余りにも悪感のように感じた直感。
イッセーが危ない。僕は脳裏にそう感じた瞬間部屋を飛び出し、直感のままに走っていた。
「血の……臭い!!!」
そう遠くはない。近づくほどに濃くなる血の臭い。
僕は屋根を飛び、臭いの発する家の窓を突き破るように飛び込んだ。
そこにあった物。それは壁に貼り付けにされるように釘で打ち付けられた男性。
その体は刃物によりズタズタにされており、隅に女性の死体もあった。
そして足を、いや見た感じ太腿を何かで撃たれたイッセー。
壁に叩きつけられるように抑えられた服を破かれた金髪のシスター。
シスターを抑える血の臭いをまとった白髪神父?
……犯人というか敵はこの神父だな。
「おやおや、これはこれはまさかのびっくり窓からの登場ですか!?
と言いますかどちら様?家に入る時は玄関からと教えられなかったんですかね~???」
「確かに土足で入っちゃったね。てかそれだとアンタもでしょ?
僕はそこで蹲ってるイッセーの友達だよ」
「あ、明久……なんでここに……」
「直感っていうかな。とりあえず、遅かったみたいだけどね」
僕は神父を視界に入れたまま返事をすると、神父はシスターの少女を突き飛ばすように離しヘラヘラと笑う。
「アーシア!!」
シスターさんの名前はアーシアさんというみたいで、どうもイッセーと知り合いのようだ。
「なるほどなるほど。要するにあ~くまさんと契約してるような下賎の汚物ってことですね!!??では私、フリード・セルゼンと言いますと言う事で神父らしく清めてあげましょうか~?代金はてめえの命ですがね~!!」
ひらひらと銃と剣の柄を振りこちらに嘲笑う神父、フリードに嫌悪を抱く。
言ってることが意味不明だし、あの目……殺すことに快感を見出してしまっている狂気の目。
「これは、アンタがしたのか?」
「あ~それ?イエスイエス。俺ですよ~悪魔を召喚する常習犯だったみたいだし?
それなら殺すしかないっしょ?
ちなみに隣の言葉は聖なるお方のありがた~い言葉をお借りして『悪いことはおしおきよー』って書いてます」
悪魔払い……じゃないな。リアス先輩の言ってたはぐれ悪魔祓いってことか。
フリードはお腹を押さえて笑い、
「ってことで悪魔と契約するようなゲスにプレゼントフォーユー」
「明久、気をつけろ!!その銃、発砲音がしないぞ!!」
こちらに銃を向けるフリードはイッセーが銃のことを叫ぶと同時に引き金を引いた。
そして、
『パンッ』
「「……へ?」」
「いきなり撃って来ないでよ」
僕はその銃弾を右手で弾くようにしてかき消す。
光の力を圧縮して銃弾のようにうちだしてるのか。しかしいかせん光力が低いな。
「おいおい、これは驚き通り越して発狂もんですぜ?な~に抵抗してんだよ!!」
フリードは光の剣を構え斬りかかってくる。
こっちはイッセーの回復とこの殺された家族の埋葬とかしなきゃいけないから構ってる暇はない。
明久はその剣を左手で手首を弾いてそらし、そのまま掴む。
そして流れるように接近すると背中を胸元あたりに接触させ強烈な踏み込みによる衝撃を徹した。
「ぐふっ!?」
フリードは肺の中にある空気を全て押し出されたかのように呻き、明久はその前のめりになったフリードの襟を掴むと一本背負いの要領で、
「チェスト!!!!」
自身が飛び込み、割れた窓から外に弾き飛ばした。
__________
「ふう、これでよし!!」
「……ははは、俺めっちゃ苦労してたのに」
イッセーは飛んでいったフリードを遠い目で見ると、足の痛みに蹲る。
すると近くに魔法陣が浮かんだ。それはグレモリーの紋章で、
「やあ、兵藤君……助けに来た……けどもう終わったのかい?」
「へへ、遅いぞ色男。まぁ明久がやってくれたんだけどな」
「大丈夫、イッセー。ごめんなさい、まさか契約者の所にはぐれ悪魔祓いがいるなんて……
明久もありがとね」
「いや、それはいいですけど……」
僕は窓の外を見る。なんかこちらに向かってきてるな。
「―――ッ!部長、この近くに堕天使のような気配がここに近づいていますわ」
……朱乃さんは何かを感じ取ったようにそう言うと、リアス先輩は手を開いてその場に魔法陣を描いた。
「ぶ、部長!!アーシアを!!」
「無理よ。この魔法陣は眷族しか転移されない。だからその子は無理なの。そもそも彼女は堕天使に関与している者。だったら尚更よ」
「なら俺は残り……」
「……イッセーさん」
アーシアさんはイッセーに近づくと抱きつき、
「私は大丈夫です……だから行ってください」
「だ、だけどあいつらに……」
「イッセーさん、大丈夫です。またきっと……会えます」
アーシアさんは涙を流しながら、でも笑顔を浮かべた。
その表情にやはり渋るイッセー。……忘れられてるよな。僕はイッセーを掴むと魔法陣に向けて投げ飛ばした。
「ぐほっ!!??」
そんな悲鳴を上げるイッセーをリアス先輩と朱乃さんが受け止める。
「……明久先輩?」
「ちょ、明久何すんだよ!!!」
「彼女は僕に任せといてよ」
「え……」
「大丈夫、イッセーの知り合いなんでしょ?ちゃんと助けるから」
「……頼んだぞ」
「ごめんなさい、明久」
「いえ、僕にも逃走手段はあるので」
魔法陣を通れないのは何もアーシアさんだけじゃない。僕に向かってすまなそうに謝罪するリアス先輩に笑いながら答える。
「……気をつけるんだよ」
「なに、倒しても構わんだろ?」
「……明久先輩、それは死亡フラグです」
「でもわかってたらフラグにはならない!!!」
祐斗の言葉にボケると子猫ちゃんからツッコミが帰ってきた。しかしな、そんな心配そうな目で見られると困るな。
「大丈夫だよ。まだ子猫ちゃんとの約束も果たしてないしね」
「……5ホールで手を打ちます」
「アーシアを頼んだぞ!!!」
イッセーが叫ぶと同時に彼らは転移した。
さて、アーシアさんも連れて帰るとして。やることをしないといけない。