隙間旅行ハイスクールD×D 間違っても神様ではありません(凍結 作:只今更新凍結中
会合する
明久はボーッとたくさんの書物のある空間でその本達を眺めていた。
本は宙に浮き、次々とページがめくれていくが明久は唯々ぼーっと眺めるようにし、
「これも違うか……この書物個人情報とかあるし別のにしよう。これは……」
明久は宙に浮く本の内容を全て読み、理解していた。そしてその中から一冊を取り、残りをすべて片付ける。
「……駒王学園。元女子高なんだね。ふむ……この世界の悪魔、「元72柱」グレモリー家が管轄してるのか……
どう考えても巻き込まれること決定かな」
明久は部屋にあった生徒手帳、制服と一緒についていた手紙に書いてあった転校する駒王学園について調べていた。
「何かわかったかい?」
「ごめんね無月、いつもなら紫とかに頼むんだけど……ある程度わかったし、これ以上調べるのはやめとこうっと」
明久はその部屋……『 』の本棚にそれを戻し、無月は椅子に座りながらお茶を飲んでいた。
「別にいいよ。お茶飲む?」
「いや、いいよ。町なみも自分の目で確かめたいし……」
「わかったよ。それじゃあ
「?」
無月の笑顔の一言に明久は疑問符を頭に浮かべるも、まぁ、いいかと判断し目を閉じる。
再び目を開けるとそこは自分の部屋で……
「Zzzz」
「すぴぃぃぃ……」
何らやら不可解な犬のような生き物とORTが明久の膝を枕にするように眠っていた。
「仕方ないな」
明久は困ったように苦笑し、弾き飛ばしたのかはだけていた毛布をORTにかけ直し、犬のような生き物、ナイアの肩を揺する。
「起きて、ナイア」
「……う、ん……終わったのか?」
「ごめんね。終わったし、買い物行くから」
「わかった」
ナイアは形を崩し、まるで明久の影に潜るように溶け込んだ。
明久はORTを起こさないように動かし、手さげを持つと玄関に向かう。
「しかしこの家デカいよな……」
そんなことを考え外へと向かうのだった。
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「日曜日なのに集合させてごめんなさいね」
夕方……魔法陣の描かれた部屋で赤……いや、美しい紅とも言える長髪を持つ女性が困ったように微笑む。
窓から見える敷地内には校舎があり、彼女が着る服は駒王学園の制服。しかしその制服が包む肢体は高校生とは思えぬ色香を発していた。
「いえいえ、部長の頼みですもの」
まぁ、それは部長と呼ばれた紅髮の女性に微笑む黒髪の女性もだが。
「そうですよ。子猫ちゃんは契約でいませんが、どうかしたんですか?」
金髪のイケメンとも言える男性は微笑む。もしここにほかに一般女性がいれば百合でもない限りは顔を赤く染めて見惚れていたかもしれない。
「はぐれ悪魔の討伐の依頼よ、一命は取り留めたけど主殺し未遂ね」
女性は送られてきたであろう書類を広げ、二人はそれに目を通す。
「ボーン4つ消費ですか」
「えぇ、でも本当に迷惑ね。人の領地に侵入するなんて」
「ですね。まだ被害の報告はありませんが早急に解決したほうがいいでしょう」
「えぇ、私の……グレモリーの管轄する領地に侵入したことを……」
嘆息した女性、いやリアス・グレモリーが言葉をつなごうとした瞬間足元に赤い魔法陣が浮かび上がった。
「これは……」
「……まさか部長が直接呼ばれてるってことですかね」
「本来私が呼ばれるなんてそうそうないんだけど……」
「大丈夫ですよ。はぐれ悪魔は僕たちに任せて、部長は行ってください」
「そうね……悪いけど後のことは任せたわ朱乃、祐斗」
リアスはそう言って紅い光に包まれ消えた。
後に残った二人は資料を纏め行動する。この数刻後に起こる出会いを予期せぬまま。
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「ふう、ある程度探し回ったけど肉は遠いけどあっちのほうが安いか」
明久は買い物袋をぶら下げ帰っていると突如違和感を感じる。
「これは……」
「結界だな。そう遠くない場所ではられてるぞ」
「いや、それもだけど!!」
明久はそちらへと目を向けた。その茂み。
しかし明久の眼ははっきりとそれを写していた。
「君は、誰?」
「ただの人間かと思って姿を隠したが……貴様、まさか悪魔の使いか!!!」
空間が歪み、そこには人と狼を足したような生物、人狼だった。
そう明久の感じた違和感、いや殺戮衝動はそれが原因だろう。ただ妖怪?にしては気配がおかしい。
「悪魔の使い?なんのこ……」
「トボけたふりをするな!!!」
人狼は鋭い爪の生えた腕を振り払う。
明久はそれを跳ぶようにして回避すると木が両断され、地面に大きな爪痕のような亀裂か入った。
「ちょっとま!?危ないじゃないか!!」
「避けるか。ただの人間ではないな、なにかの術で化けてるのか?」
「いきなり人外扱いか……(泣」
明久はいつものことながら扱いのひどさに少し涙を溜める。
はは、何言ってるのさ。目にゴミが入っただけさ……
しかしこの人狼さんの話から予測して、
1つ、多分違和感からして彼は妖怪ではなく悪魔。
2つ、どうも彼はなにかしたらしく悪魔に追われている。
3つ、人間と見て隠れたことから人に危害を加える気はないと思われる。
4つ、勘違いで僕に敵対意思が向けられている。
災厄なパターンだな……てかそれだとその追っ手の悪魔にはと合わせするってことだよね?
と明久は考えながら次々と繰り出される攻撃を避ける。
「くそ!!無理やり悪魔にされて、今度は追っ手……ふざけるな!!!」
「……」
人狼の攻撃は焦りの表情に合わせるように乱雑になっていく。
その攻撃、言葉から明久は少し表情を崩す。
「無理やり……か。しかし追っ手か~って気配が近づいてくる……今から巻き込まれたくないな……」
「じゃあどうする?」
明久の体を這うように蛇の姿を取ったナイアが質問をしてくる。
明久は考える。
1姿を変える。 これは色々と人をやめてる気がするよな~
2早急に対象も抹消する。 危険人物か僕は!?
3何かで顔を隠す。
……3が妥当だな。
「ナイア。姿って生き物じゃないものにも変えれる?」
「……ふふふなるほど。任せろ」
明久の考えを読み取ったのかナイアは嗤い、姿を変える。
次の瞬間、明久を鈍銀色に似た輝いを帯びた黒いマントのようなものがまとい、仮面が顔全体を覆う。
それは白を基調とし、口元はなく目の部分のみガラスのように変わった空虚の道化のような仮面だった。
「なんだ、その姿……
「『残念だけど違うかな』」
ナイアのおかげか明久の声はまるで音が割れたように変化していた。
そして駆け出した明久に人狼は爪による斬撃を振るう。神器のようなものを持っている、だからこそ手を抜けないと判断したんだろう。
「グオオオオオオオオ!!!!!!」
無数……いや、高速で振るわれた腕からまるで壁を連想されるような斬撃の衝撃波が襲いかかった。
「『ふうぅぅ……清舞・撫子』」
円。流れるように描かれた円にそうように衝撃は明久を中心にそらされ、公園に多大な斬撃痕を残す。
「『これで終わりだよ』」
-徹・羅漢撃-
流れるように懐に潜り込んだ明久の抜き手は、自身の最大の技をそらされ言葉が出ずにいた人狼の胸を貫いた。
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「何がどうなっているのでしょうか……」
副部長である朱乃さんのつぶやきに僕は返事することはできなかった。
黒い人影……その存在が僕らの探しているはぐれ悪魔と戦っていた。
駒4個を消費して悪魔化したという人狼。最後の攻撃は僕もあの近距離で放たれれば避けることに専念しなければ難しいかも知れない。
しかしあの彼?はその全てをそらした。まるで流水だった。
音もなく振るわれた両腕に斬撃の壁は霧散するようにそらされ、流れるように抜き手がはぐれ悪魔の胸を貫く。
はぐれ悪魔は人の姿に戻り灰のように散っていき、彼は自身のものだろうか?袋を持つとその場を立ち去ろうとする。
「少し、お待ちになっていただけますかしら?」
朱乃さんは物陰から出ると彼にそう声をかけた。僕もそれに習い朱乃さんの横に立つ。ただいつでも動けるように剣に手を添えて。
彼は立ち止まりゆっくり振り返る。その顔は仮面で覆われ、覆うマントの色から僕はクラウン(道化)を連想した。
「『何かようかな?』」
機械的、いや聞き取りに集中していなければ聞き間違えそうな不可思議な声。だが話は通じるようだ。
「……私はここを管轄する悪魔、リアス・グレモリーの眷属姫島朱乃ですわ」
冷静に、いや相手の動向を読み取ろうとするように朱乃さんが自己紹介をした。
彼はただじっとこちらを見ているだけだった。
「先に貴方が相手をしたはぐれ悪魔について謝罪致しますわ。……お手数ですが貴方についてお聞かせしてもよろしいかしら?」
「『……そうだな……君たちについては認識している』」
彼の言葉に僕たちは警戒を強める。しかし彼は腕を上げ困ったような仕草をとり、
「『しかし存在を認識してるだけで出会うのは初めてだ。こちらもいきなり襲われてね、済まないが反撃をさせてもらった』」
「そうですか……ところで失礼ですが何者か確認してもよろしいですか?」
「『何者も……買い物帰りに襲われたただの人間だよ』」
「ただの人間……ですか……その仮面、とってお顔を見せては頂けないのですか?」
「『すまないね。君たちはどうかわからんが、彼は悪魔に無理やりされたと言っていた。故に警戒させてもらう』」
無理やり?
僕は朱乃さんと視線を合わせる。彼の言葉が本当ならあとで調査が必要かもしれない。
「『……心配しなくても君たちになにか干渉する気はない。こちらもただ静かに暮らせることを望んでるからね(まぁ無理だろうけど……)』」
なんだろう?一瞬彼からあきらめのような声が聞こえた気がした。それに不思議と哀愁が漂ってるようにも見える。
「『故に済まないが失礼する』」
「あっちょっと待ってく……」
僕が止めるよりも早く、彼はマントを翻し忽然と消えた。
「……どうしましょうか」
「魔法……ではないようですわね。これでは追いかけ様もありませんわ」
まるで狐に化かされたような、しかし確かにあった会合は終わりを告げた。
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「いや~ナイア、助かったよ」
僕は仮面の形をとるナイアにお礼を言うと仮面の表情が笑みを浮かべる。
「構わん。しかし明久の演技、見ものだったぞ」
「どうせ下手ですよだ」
「まさか、褒めているんだ。なんせ
ナイアはそう言うとマントで持ち上げていたものを前に持ってくる。
それは何を隠そう、先程まで戦っていた人狼の人間の姿。
「まぁ無理やりって話だし。原因も取り除いたけどどうするかな」
幻術を使っていたので彼らにはまるで灰になったように見えていただろう。
僕は手に持っていた
「あいつらの反応から奴らにも色々といるようだしな」
「調べごとも増えるな……どうせ巻き込まれるのは決定事項だろうし。
……彼らがいい人?であることを願うよ」
「確かに明久のギャグ補正なら巻き込まれは必須だな」
ナイアはケラケラと笑う。
そんなギャグ補正はいらん。笑い事じゃないしね。
「彼女が目覚めたら送り返すとして、それまでどうするか……」
僕は視線を感じ、言葉を切るとそちらに目を向ける。
そこには公衆便所。そして近くのベンチには青いツナギを着たいい男が……
嫌な汗が頬を、背を伝う。頭の中で緊急信号のように警報が鳴り響く。
やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい!!
「……やらないか?」
「!!!!!!」
その時、この世界に来て最大の危機を僕は体感した。
時系列としては一誠が殺された日です。