ちゃんと前書き書きますね〜。
特に深夜テンションで書いたので、ぜひぜひ高揚を5スタックぐらい抱えながら読んで欲しいッス。
都市中央の狂乱と喧騒から離れた、23区の端の端。
外郭と都市を隔てる線路の前に、乱雑に板を繋ぎ合わせて建てられた小屋があった。
店にはグラスを持った丸っこい妖精のイラストが描かれた吊り看板が下がっていた。
ギギ...と軋むドアを開けて4人で店の中に入る。
店の中は薄暗く、蛍火のような淡い緑色の光が天井から落ちていた。
「いらっしゃい」
暗い灰色のフードを顔が見えなくなるほどに深く被った店主はカウンターに寄り掛かりながら、しゃがれた声で言った。
「席はカウンターの前だけだ。」
「一人ずつ座りな。」
先客二人の隣に順番に座っていき、光を浴びてぼんやりと光る棚の酒瓶を眺める。
「あら?」
まだ注文していないのに店主はグラスを四人分置いた。
「そこのおっさんからだ。」
横を見ると、椅子が潰れないか心配になるほどの巨体で恰幅の良い中年と、枝のように細く高い長身の男が居た。
「ヒック。君達も酔いたいだろう?俺の奢りだ!グイッと!さあグイッと行ってみよう!」
中年は豪快に笑いながらカウンターを叩き、店全体が軋む音と共に不穏に揺れる。
崩れないだろうか?
色々と不自然ではあるが、私達の目的は酒を飲むことだ。
貰ったのならありがたく呑むだけだ。
グラスに視点を落とすと、奇妙な物が置かれていた。
グラスの緑色の液体はゼリーのようにドロドロとしていて、ぷくぷくと気泡が上がってくる。
その液体の中にぬめりと光る質感の固体が浮いていることに気づいた。
その形状に気づいて一瞬たじろぐ。
ぷっくりと膨らんで、丸っこい形。
例えるならば....緑色の赤子の手。
「これはこれは...」
まともな神経ならば絶対に飲まないだろう。
だが、私達は美食を求める者。
目の前の未知の味に背を向けるなどあり得ない。
「いただきますわ。」
グラスを引っ掴み、一息に流し込む。
粘液が猛烈な臭気と共に口内に満ち、食道を流れていく。
「ぐっぐっぐっ....」
「ぷはぁー!」
「美味しいですわ〜〜!!」
吐きそうな匂いと粘つく粘液の中に病みつきになる味が隠れている。
まるでゴミの山から出てきた金塊のような。
高揚感が湧き上がり、世界がグルグルと回転し、体の中で薪が燃えているような熱を発する。
「はぁあぁあ...」
「はははは!!良い飲みっぷりだ!」
「どうだ、一つゲームをしないか!?」
「げーむれすか?」
私はふわふわとしながらも受け答えする。
「うふふふふ、今ならなんでもかへそうな気がしますわ」
「ハッハッハッハ!ルールはシンプル!
2チームに分かれてじゃんけんをして負けた方が妖精酒を一杯飲み干す!」
「ひょっとして私も含まれてます?」
長身の男が言う。
「先に全員潰れた方が負けだ!」
無視して中年が言う。
「勝った方が相手の飲み代奢りだ!」
「乗りますわ!」
「「じゃーんけーん!」」
「「ポンッ!」」
「ぐぁーー!!負けてしまったぁぁ!!」
中年はわざとらしく大げさな反応をする。
「おじさまのちょっと良いとこ見てみたい!」
私の掛け声と共にバッチリ出来上がった三人が言う。
「「「「「そーれ!イッキ!イッキ!イッキ!」」」」」
中年は大ジョッキで妖精酒を飲み干し恍惚の表情を浮かべる。
「まだまだの〜めるぞ〜?」
「次!次私やる!」
酔っているせいかいつになくテンションが高いジュンコが前に出る。
「「じゃーんけん!」」
「「ポンッ!」」
「うわっ!負けたぁ!」
バンッと音と共にジュンコの前に大ジョッキが置かれる。
「ふ、ふーん!?結構多いじゃん?」
「せーの!」
「「「「「ジュンコさんの!ちょっと良いとこ見てみたい!」」」」」
「「「「「そーれイッキ!イッキ!イッキ!イッキ!」」」」」
ジュンコはジョキをごくごくと流し込むが、
だんだん顔が青くなっていく。
「オ゛エ゛ェ゛」
咄嗟に口を覆ったものの、隙間から酒が爆ぜたように飛び出し、
嗚咽と共に膝をついて胃の内容物をぶち撒けた。
「「「「「「あっははははwwwwww」」」」」
「ハハハハハハ!!!1人脱落!呑むと吐くのは酒の花だな!」
「ほらぁ!次来ぉぉぉい!!」
....
......
........
「はぁ、ちょっと飲みすぎたかな」
長身の男が赤い顔でため息をついた。
「ハッハッハッハ!黄色い子はタフだなぁ!」
「うふふ、決着はつかずじまいでしたね。」
「それにしても、残念なものです。」
「素敵な店でしたのに。今日で店仕舞いですわね。」
「うーん。おかしいなぁ。」
「どこから気づいてたんだ?」
中年の肌が溶け落ち、緑色のゼリー状の肉体が露わになる。
ボトボトと体から粘液を滴り落としながら、変わらない笑みを浮かべる男は、背に飛ぶにはあまりにも小さい蝶のような羽を持ち、腹には巨大な口が開いていた。
「妖精ですわね。御伽話の中だけの物かと思っていましたが。」
突如飛んできた鞭のような攻撃をメイスで弾く。
それはするすると縮んでいき、長身の男の腕に収まった。
彼も緑色の体に巨大な口を持っていた。
「はぁ、狩るのがめんどくさくなりそうだな。」
店主が顔を上げて私達の方を向く。
フードの中は暗い闇と、無数の黄色い目がこちらを見ていた。
「美味しい物を食べに来たと思ったら美味しいものは私達だったみたいですね〜」
アカリが武器を持ちながら呑気に言った。
「まぁ、酒代だと思いましょうか。」
今日の僻地はやけに騒がしかった。
あと2話ほどあるのだ。
数少ないリンバス成分なのだ。
御職業は?(展開の参考にするかもしないかも。)
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管理人(プロムンユーザー)
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先生(ブルアカユーザー)
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その他(どっちも知らない)