「……76層《アークソフィア》……」
俺は今日76層の主街区《アークスフィア》に転移してきた。
街並みはそれなりに綺麗だな。
ストレージを開いてアイテムを確認。
案の定アイテムとスキルが文字化けしておりほとんどが使い物にならない。
秋水は問題なかったが。
それらのアイテムを削除し、とりあえずフィールドに出てモンスターでも狩るかと思い転移門から歩を進める。
少し歩いたところで頭の中に変な音が響いた。
俺は立ち止まり周囲を見渡し音の発生源を探すがその間にも音は大きくなっていく。
(なんだこの音……不快だな)
この音はいうなればノイズのようなものか。
「……なんだアレ」
空を見上げた俺はそこにおかしなものを見つけた。
その部分だけがバグを起こした画面のように大きな大きな穴を作っている。
そしてそこにゆっくりと黒い影が現れそれはやがて人の形を映し出しそのまま落ちてきた。
すぐ下にいた俺は両腕を広げすぐに受け止める体制に入り難なく受け止めた。
「…女?」
落ちてきた人物は全体的に細身で色白の肌、顔立ちは整っていて華奢な体つきの少女だった。
(俺と同じ、もしくは歳下か……それにしてもこいつ何処かで……)
いや、そんなことはどうでもいい。
それよりもこいつをどうするかだ。
俺は今、他から見ると女を横抱きにしている。
それにここは転移門の広場だ、こんな状態でいればあらぬ誤解を生む可能性が大きい。
そしてこいつは、起きる感じがしない。
どうしたものかと俺が悩んでいるとき、2人こちらに急速に接近してくるのを感知しそれはもうここに到着する。
「!あなたは」
「シキ!」
「………」
大体予測はついてはいたが案の定この2人、キリトとアスナだった。
「なんでお前がここに?」
「……別に、俺がどこに居ようと俺の勝手だろ」
「そんなことよりも!その人……」
アスナが俺が抱えている人物に注目する。
「お前たちもさっきの見てたんだろ」
「ええ、遠くから見えたから急いできたの」
「俺たちじゃ間に合わなかった。シキがいてくれて助かったよ」
「…別に」
「んっ……」
どうやら目が覚めたらしい。
腕の中で女は周りを見渡した後、俺を見て状況を確認した後、すぐに飛び降りた。
「…………」
そして俺の方を敵意を持って睨んでくる。
「お、落ち着いて!確かに目を覚ました時に目の前に知らない男の人がいたらそうなっちゃうのは分かるけど、この状況について説明させてくれないかな?」
「……」
アスナの説得で少しだけこちらに向ける敵意が減った。
「彼が空から落ちてきた君を助けてくれた結果で何も悪意があったわけじゃないんだよ」
「……本当?」
「ああ」
「……」
「とりあえず、何であんなところから落ちてきたのか聞きたいんだけどいいかな?」
「……私、ここに来た前後のこと全然覚えてなくて…空から落ちてきましたなんて言われてもはいそうですかって納得なんて出来ない」
その言葉に2人が言葉を失う。
「本当に何も覚えてないのか?」
「……自分の名前くらいは」
「そうか、ならここが何処かも分からないか」
「…ええ」
「……説明任せる……」
俺は説明するのが面倒くさくなりキリトに丸投げする。
キリトは一瞬、こいつマジか。みたいな顔をしていたがすぐに説明を始めた。
ここがソードアート・オンラインというゲームの中だと言うこと、今の現状など。
だがいまいち彼女にはピンときていないようだ。
どうやら本当に全て忘れてしまっているらしい。
「とりあえず自己紹介しよう。俺はキリト」
「私はアスナよろしくね」
「……シキ」
「朝田詩乃よ」
「この世界で名乗る時は、自分のアバターで名乗るんだ。右手をこう振ってみてくれ」
キリトがジェスチャーすると彼女も同じ動きをしてウィンドウを出す。
「……シノン、それが私の名前みたい」
その名前を聞いてものすごい驚いた。
シノンこと朝田詩乃は、原作においてファントム・バレット編で登場したヒロインでその容姿と性格から根強い人気を誇るキャラであり本来はこのSAOに参加していないはずである。
(……そういえばこんな展開があった気がする)
SAOのゲームでこのような展開があったことを思い出した。
俺が転生したこの世界はSAOのゲームの方の世界、ならこういうことは起こりえるのだろう。
「とりあえず俺たちと一緒に来ないか、その方が安全だろうし」
「…そうさせてもらうわ」
「なら決まりね。みんなにも紹介しないと」
シノンはこの2人と行動を共にするらしい。
なら問題はないだろう、俺もそろそろ行くとしよう。
「よかったらシキも一緒に来ないか?」
突然そんなことを言ってきた。
「……ごめんだね、俺は群れるのは嫌いなんだ」
「だけどこれから先今よりも強い敵がどんどん出てくる。ソロじゃきついことだってあるはずだ」
「お願い私たちと一緒に来て」
「………………」
正直俺一人で戦かう方が楽だし効率がいい他の人と組んでも邪魔になるだけ。
だが……………はぁ。
「…今回だけだ」
「ありがとう。じゃあ着いてきてくれ」
キリトに案内されたのはカフェ兼宿屋のような場所。
「おう、戻ったのか。……そっちの2人は?」
「それについてなんだけど他のみんなはいるか?」
「あっおかえりー二人とも」
「おかえりなさいキリトさんアスナさん」
カフェに入るとまずカウンターに黒人の大男、エギルが出迎える。
どうやらここはエギルの店らしい。
その次にキリトたちに声をかけたのはピンク髪ショートヘアの女と頭に小さいドラゴンを乗せたツインテールの少女。
「そっちの人たちは?」
「何かあったんですか?」
そして今聞いてきたのが金髪のポニーテールの女と黒髪ロングヘアの女の子。
順に鍛冶屋ことリズベット、ビーストテイマーのシリカ、キリトの妹ことリーファ、そしてキリトとアスナの娘のユイ。
(やはりこの二人もいたか……)
リーファはシノンと同じように本来このSAOにいない人物。
こいつは原作フェアリィ・ダンス編のヒロインで本来は《ALO》こと《アルヴヘイム・オンライン》という妖精を題材としたゲームのプレイヤー。
そしてユイ。この子も本来この場にいない人物。
見た目だけだとただSAOに巻き込まれた子供に見えるが実際は違う。
その正体はSAOのメインシステム《カーディナル》の《メンタルヘルスカウンセリングプログラム》《試作1号》。
つまりはAIである。
SAOがデスゲームとしてスタートを切った事で、茅場及びカーディナルには「不要になったもの」とその権限を制限されゲーム内に干渉する事が出来なりバグを蓄積させていった。
そんな時にキリトとアスナを偶然目にした事で「会ってみたい」という情景が芽生え、様々な障害を覚悟でアインクラッド内に実体化し原因不明の記憶喪失の少女として二人に保護された。
詳細は省くがその後訪れた隠しダンジョン内に置かれていたGM用コンソールに触れたことで記憶を取り戻し、キリトとアスナを追い詰めていたボスモンスターをGM権限で消去したことでカーディナルシステムにエラーとして検知され消去されそうになる。
しかしキリトがコンソールを操作し、なんとか消去寸前のユイのデータを自分のナーヴギア内に移動させることに成功、アイテムの形で休眠することになった。
そんな二人が今この場にいる。
やはり今のSAOはおかしい。
キリトは5人に先ほどのことと簡単な自己紹介と状況について説明した。
「一応シノンには、記憶を取り戻すまでは俺達と一緒に行動してもらおうと思ってる」
「いいんじゃない。記憶喪失の人を放っておくなんてできないし」
「私も賛成です。 先ずはこの世界に慣れることが重要だし、この世界について知識が豊富な人が近くにいるのが良いと思います」
「私も賛成よろしくねシノンさん」
「ええ…よろしく」
全員がかなり親切そうな雰囲気で、シノンは軽く驚いた。
「ユイ、彼女のことで何かわからないか?」
「はい、調べてみますね」
目を閉じる。
それも数秒ほどで終わると少し険しい表情で語り始めた。
「終わりました……結果から言うと、シノンさんのIDはつい先ほどログインされたもののようです。ですが作成記録が見当たりません。状況から考えると外部からなぜかログインしてきたとか…」
「そうか……ありがとうそれだけでもわかれば十分だ」
キリトがユイの頭をなでる。
「にしてもあんたがあの《幻影の剣士》ねぇ……」
「……なんだよ」
リズベットがこちらを見てくる。
「あの、《幻影の剣士》って何ですか?」
「ああ、そっかリーファは知らないわよね」
リーファはシノンと同じくSAOに途中からログインしてきたプレイヤーのためこの二つ名を知らない。
「シキ君の二つなでね。たしか、誰もからの剣を追えなくて一瞬で敵を倒すことから付いた二つなが《幻影の剣士》」
目の前で説明するのはやめて欲しい。
その呼び方好きじゃねぇし。
「それで、お前さんはどうするんだ?」
「……どうもしない。俺は行かせてもらう」
「待ってくれ」
店を出ようとしたところを、キリトに呼び止められる。
なんだと思い振り向くとキリトはウィンドウを操作している。
すると俺前にウィンドウが出てきた。
(フレンド申請……)
「フレンド登録しておかないか、これから先情報交換とかもすることがあるかもしれないし」
「……わかった」
フレンド登録し俺は店を出る。
出遅れた分はやっとかないとな。
リメイクするって言ったらどうします?(ストーリーは基本変わらない)
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して欲しい
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しなくていい