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これから見るのは、
■■が彼らと出会うことのなかった世界。
■■がSAOにログインしなかった世界。
■■が少し違う世界に転生した世界。
そんな可能性の世界。
今宵、そんな世界で彼らが出会う。
これは、一夜の夢のようなもの——
……………………………………………………………
新生アインクラッド22層 ログハウス 夜
——————ふと、目が覚めた。
「ん……ふぁ~~」
「あ、起きた」
「おはようキリト君」
「おはようございますパパ」
「おはよう……」
アスナとユイから掛けられた言葉に反射的に返して俺は思う。
「…何でALOにログインしてるんだっけ?」
そもそもいつ、ログインしたっけ。
「あんた寝ぼけてんの?最近この層で発見されたダンジョンの攻略に行こうって話になったんじゃない」
……ああ、確かにそんな話をした気がする。
そのダンジョンがどうやら午後の7時から午前5時のあいだしか入れないからこの時間に集まろうってなったんだったか。
「悪い、結構寝てたか?」
「大丈夫ですよキリトさん寝てたって言っても10分くらいですから」
「それにちょうど全員集まったところだしね」
今回のダンジョンは出現時間が夜の時間なので社会人のクラインとエギルも参加だ。
「それにしても、今回のダンジョン結構謎が多いですよね」
「たしか、森の中に扉だけがポツンと立ってるんだっけ?」
「そうみたいです」
「にしても、いままでこんなタイプのダンジョンALOで見たことねえよなぁ」
「条件を達成しないと入れないダンジョンはあったが夜の間しか入り口が出現しないダンジョンっていうのもはじめてだな」
先ほども言った通り今回のダンジョンは夜の決まった時間帯しか入ることができない。
というのも先ほどエギルが言った通りこのダンジョンの入り口は入ることのできる時間以外はまるで
そして時間になるといつの間にかそこに現れる。
実に不思議だ。
そして、このダンジョンの内部情報についてだが……あまりにも少ない。
ダンジョン攻略をするにあたってリーファが少し調べたのだがほとんど何もわからなかったらしい。
わかったことは、このダンジョン内では転移系のアイテムは使用不可。飛行不可能。ダンジョン内外からフレンドへのメッセージも送信不可。ということだけ。
肝心のダンジョン内部の情報が全くないのだ。
「ここまで情報がないことなんてあるの?挑戦した人達って結構いるのよね?」
「そうなんだよね…全くと言っていいほど情報がなくて……あ、でも一つだけ気になること聞いたかも」
「気になること?」
「えっと、確か、”死神に遭った”とか」
「死神?」
何か死神をモチーフにしたモンスターでもいたのだろうか?
「ま、これ以上考えてもわかんないか。よし!それじゃ、ダンジョン攻略いっちょ頑張ろう!!」
「「「「「「「おー!」」」」」」」
そう意気込んで俺たちはダンジョンの入り口がある森へと向かった。
「──これがダンジョンの扉?」
ダンジョンの扉が出現するという森の奥地まで来た俺達は、その扉の少し前で止まっていた。
「ほんとに扉だけが立ってるわね……近未来的なのが」
その扉はこの場にはそぐわない。いやALOのようなファンタジー系のゲームには合わないモノが。
「これ、SFとかそっち系のやつでよく見るタイプのやつですよね」
「ああ、どっからどう見てもそっち系だろうな。なんだってこのデザインにしたんだ……」
明らかに鉄でできているであろう近未来的な引分戸。
「まあ、とりあえず入ろう」
俺が扉の前まで行くと自動で開き、俺を先頭に中に入っていく。
「中は普通だな」
意外というべきか扉をくぐった先には今までののダンジョンと変わらないようなデザインになっていた。
アインクラッドの迷宮区に少し似ているか。
「皆んな、転移結晶はどうだ?駄目そうか?」
俺の言葉に全員がインベントリを開いて確認する。
「......駄目ね、そもそもアイテム自体が取り出せなくなってる。メッセージも使えないわ」
「こっちもです」
「私も。あ、けど武器だけ取り出せるみたい」
『きゅるぅ…』
事前の情報通り使えないらしい。
俺も確認したところ同じく武器のみ取り出しが可能だった。
「ねえ、マップが表示できないんだけど表示できる?」
「マップが表示されない?」
リズがそういうので俺はマップを表示しようとするが……だめだ何度やっても表示されない。
普通、ダンジョンであれば中に入ればマップに現在位置を表示して探索していくごとにマップが埋まっていくものなんだが。
「だめだ表示できない。そっちは?」
「こっちもダメだ。ったくどうなってんだ?」
「そうか、ユイ、ここのマップにアクセスしてみてくれないか?」
「それが、何度やってもアクセス出来ないんです。マップデータが取得出来ません」
「ユイでもアクセスできない......?」
俺達の顔に困惑が混じる。
今までは初めてのダンジョンでもユイがマップデータを取得して道案内をしてくれたから難なく攻略ができた。
でも、今回このダンジョンのマップデータにアクセスができない。
今までこんなことはなかった。
何かがおかしい。
「ねえ!みんな!私たちが入ってきた扉が!」
「ッ!無くなってる…」
アスナの言葉を聞いて、さっき入ってきた扉のほうを振り返ると。
さっきまでそこに確かにあったはずの扉がまるで
「おいおい、ここから出るにはここを攻略するしかないってか?」
「どうする?キリト君」
「………とりあえず進んでみよう。どちらにしよここにいてもどうしようもない」
「それもそーだな、行くだけ行ってみようぜ」
もしかしたらこのダンジョンをクリアしたら出れるのかもしれないと考えながら俺たちは進んで行く。
内部は入り組んだ迷路のようになっていて所々に少し広めな広場のようなものがある。
そして、進先々でモンスターが出現するのだがそのどれもが旧アインクラッドのモンスターなのである。
「さっきのモンスター確か第74層のモンスターだよね」
「その前は第27層と第55層のモンスターだったな」
「SAOのモンスターばかりだな」
「しかも、まだALOには実装されていない階層のモンスターばっかりですね」
「どうなってんだよキリの字?」
「わからない……ユイ、ダンジョン内のデータにアクセスできないんだよな?」
「はい。何度やってもアクセスできません。すいません……」
「だいじょうぶよ。ユイちゃんは悪くないわ」
「ああ、ユイじゃなくてこのダンジョンが悪い」
「親バカ……」
とはいってもモンスターが多少出るだけでそれ以外には何もない。
トラップどころかトレジャーボックスの一つもない。
そして出現するモンスター自体も特別強いというわけでもない。
このダンジョンのことを話しながら通路を道なりに進んでいると広場のような空間が見えてきた。
そこに人影が見える。
「誰かい——」
———殺気。
見るだけで、
感じるだけで
死を錯覚するほどの。
鋭く、凶悪なモノが浴びせられる。
アレは何だ。
アレは
息が、詰まる。
頭の中で無数の羽虫が飛び回るかのように、本能が警報を発しこれ以上進むことを拒絶している。
みんなも同じようでその場で固まったかのように動かない。
いや、動けない。
こんなこと今まで体験したことがない。
SAOでボスに挑むときでさえこんなことはなかった。
死銃でさえこんな殺気は放っていなかった。
すぐ先から感じるとてつもなく凶悪な殺気。
”アレには関わってはいけない。”
”今すぐ引き返すべきだ。”
頭の中で防衛本能が結論を出す。
だが……
「——行こう」
頭の中で渦巻く警告を無視して覚悟を決めてみんなに声をかけて通路を進み広場に出る。
広場にいた人の姿がハッキリと見えてきた。
綺麗な黒髪、女とも男ともとれる中性的な顔。
背にまで伸びた後ろ髪をゴムで束ねて一房にしている。
身長は俺よりも5cmほど高いだろうか。
服装はグレーのシャツに黒のズボンに黒のスニーカーとシンプルなもの。
その上から紺色の羽織風の膝くらいまであるロング丈のアウターを羽織っている。
そして右手には刀が握られている。
黒曜石のように真っ黒な刀身で血のように赤い茨の波のような波紋の黒刀。
その切先は下へ向けられこちらに向けられていない。
「——見つけた」
鋭い眼光がこちらを捉える。
「動くな。おまえで百人目だ」
獲物を見つけた肉食動物のような目でこちらを、いや、
「…君は、プレイヤーじゃないのか?」
「うん?プレイヤー?何のことか知らないし、それにどうでもいい。俺は単にオマエの首が欲しいだけだ」
目の前の人物。
彼女……いや、
「……つまり、キリトをあんたに差し出せば私たちはどうでもいいってこと?」
「ああ、用があるのはそこの黒い奴だけ。大人しくしてれば手は出さないさ」
シノンが聞くと彼は答える。
どうやら彼は俺だけが狙いらしい。
「…キリト君があなたに何かしたの?」
「いや、別に何も。初対面だし。てか、おまえらがどこの誰かなんて興味はないんだ」
「……ならなんでキリトを狙うのよ?」
心底興味の無さそうに言う彼に疑問を持ったリズが彼に聞く。
そうだ、なんで興味のない相手なんかに……
「敵とか味方とか憎いとか愛おしいとか、そういう面倒な動機はないんだ。ただ、おまえみたいなのを百人殺せばここから帰れるらしくてね」
目の前の人物は淡々と少し煩わしそうに説明する。
「悪いが死んでくれ」
刀を握りなおしながら
あの眼に見られていると悪寒が止まらない。
「ここは居心地が悪いんだ。さっさと夢から覚めたいからあっさり殺されてもらうぜ」
彼も右手の刀の切先をこちらに向けたまま刃を上に向け自身の顔の近くで構える。
アニメやゲームなどでよく見る構え方。たしか、霞の構えだったか。
「話し合いでどうにかって感じじゃないな」
「どうみても最初からそんな感じでしょ。アレ、殺人鬼とか魔神とかの類よ」
すぐに自分たちの武器を抜き構える。
一触即発の状況。
先に動いたのは彼だった。
彼が少し踏み込んだ瞬間。
目の前に彼が現れた。
「ッ!」
頭めがけて一直線に突き出される刃。
体勢を崩しながらもギリギリの所で弾く。
「…へぇ……」
そこにシノンの射撃が飛んでくるが、彼は躱して距離を取る。
「大丈夫キリト君?」
「ああ、何とかな…」
「何よ今の!?全く見えなかったわよ!?」
そこそこ離れていたはずなのに、瞬きしている間に距離が詰められていた。
全く見えなかった。
速さだけならアスナと同等かそれ以上なんじゃないだろうか。
「仕留めたつもりだったんだけどな……いいぜ色男、興が乗った遊んでやるよ。お前は
青い瞳でこちらを視ながらそう言う、彼。
「——いくぜ」
————剣劇の火花が木霊する。
戦闘を開始して数分。
繰り広げられている攻防は、はたから見れば互角に見えるだろう。
だが、実際のところは違った。
「くっ……!」
振り下ろされる漆黒の刃。
躱しきれずに剣で受けて後退する。
「うおおお!」
「はあああ!」
左右からクラインとリーファが同時に斬りかかった。
それを彼はなんてことないように受け流して斬り返した。
躱しきれずにかすり傷を受けて2人は距離をとる。
——強い。
彼はこの数分ヒーラーに徹しているアスナを除く全員と打ち合い。
時折飛んでくるシノンの援護射撃すら難なく対処しながら
それどころかまだ余裕があるように見える。
対してこちらはそんな余裕はなかった。
俺に関してはエクスキャリバーを装備して二刀流を解禁している。
なのに何度挑んでも攻めきれず。
連携して攻撃してもやんわりと受け流され、逆にこちらに鋭い剣技が振るわれる。
彼の振るう剣は疾く、鋭く、何より
彼の剣の腕はこの場にいる誰よりもはるかに上回っていた。
この場の全員を相手しながら剣を振るうだけの技量がある。
だが、剣の重さ威力は俺のほうが上だ。
一撃、決定的なものをいれることさえ出来ればまだ可能性はある。
だが、どうしてもあと1歩が踏み込むことが出来ない。
踏み込もうものなら確実に一撃を受けるというのが嫌でもわかる。
その一撃は確実に命をとる一撃だ。
防御することも、ましてや反撃などできるわけがない。
相打ち覚悟なら可能性はあるかもしれないがそれはできればしたくない。
それに、あんなものを見たらできれば攻撃を受けたくはない。
「—ダメ。やっぱり再生しない…」
「クソ、どうなってんだ」
少し前、エギルが斧ごと両前腕を切り落とされた。
一瞬の出来事だった。
エギルが斧を振り下ろそうとした瞬間。
一瞬で両手斧は3分割され前腕が切り落とされていた。
だが問題はそこじゃない。
問題なのは
アスナの回復魔法のおかげでHPは回復したのだがなぜか腕だけが再生しないのだ。
エギルはもう戦えない。
これは彼のスキルなのかそれとも別の何かがあるのか。
どんなトリックかはわからないができるだけ彼の攻撃は受けたくない。
「……どうした来ないのか?」
……こちらを挑発しているのか。
それとも単なる疑問か。
彼は刀の切っ先をこちらに向けてそう言った。
「ハァ!」
俺は両手の剣を構えて斬りかかる。
1撃、2撃、3撃と2本の剣による連撃を彼めがけて振るう。
彼はそれを刀で往なしてこちらに刃を振るう。
絶え間なく常に鋼同士がぶつかり合う音が響き渡る。
ソードスキルは使わない。
使っても確実に無駄に終わってしまいスキルの硬直時間で隙をさらしてしまいそこを斬られる。
「ハァッ!」
「…………」
押している。
彼が俺の剣を受けながら後退している。
……このままいけるか?
「…そろそろ終わりにするか」
彼がボソッとそういったのを俺は聞き逃さなかった。
剣にかけていた力を利用して受け流されて足を払われる。
「ッ!」
すぐに体制を直そうとして、今にも俺を斬らんとする一刀が視界に入る。
速い。
回避は……間に合わない。
「ハァァァ!!」
「ッ!」
彼が横から飛んできた何かに急に吹き飛ばされた。
誰かと思ってそちらを見ると後方にいたはずのアスナがいた。
「キリト君大丈夫?」
「あ、ああ、ありがとうアスナ」
どうやら杖から武器を変えてこちらまで突っ込んできたらしい。
……本当に、今のはヤバかった。
アスナが助けに来てくれなかったら確実に斬られてた。
「ったく、ヒーラーが剣もって突っ込んでくるってどうなってんだよ……」
彼はぼやきながらゆるりと立ち上がる。
そこにクラインが刀を構えて突っ込んでいく。
「うおおおおお!」
「…………」
それに対して彼は深く最初の時と同じ構えをとる。
全く動く素振りはない。
「秘剣」
「おらあ!」
「ッ!クラインまて!」
クラインがソードスキルを放たんと刀を振り上げる。
俺は、嫌な予感がして咄嗟に声をかける。
そして、次の瞬間——
「
───クラインは、四つの肉塊に変えられていた。
「──は?」
クラインだった四つの肉塊がポリゴンになって消滅する。
刀が音を立てて地面に落ちる。
その場に残ったのはクラインの刀と刀を振りぬいた彼。
一体、何が起きた?
…………いや、いや。
まさか、いや、でもそれしか考えられない。
彼は。
彼はクラインが刀を振り上げたその瞬間、
それしか考えられない。
「まず、一人。次は……オマエだ」
「ッ!」
彼は近くにいたリーファに狙いを定めて刀を構える。
リーファはさっきので足がすくんだのか少し震えている。
ッ!マズイ!
「おい!」
俺は剣を構える。
「俺が、相手だ」
「……いいぜ、そういうの嫌いじゃない」
彼は刀の切っ先をこちらに向ける。
「キリト君、私もやるわ」
「アスナ、でも……」
「大丈夫、二人なら」
アスナが隣に来て剣を構える。
「話は、終わったか?じゃ行くぜ」
「「ッ!」」
お互いの剣と剣がぶつかり合い火花を散らす。
お互いにお互いの隙をカバーしあいながら、俺とアスナは連携して連撃を叩き込む。
「チッ」
彼は未だに俺たちの攻撃を一度も受けていないが、攻撃を捌くことに必死で後手に回っている。
確実に、押している。
「アスナ!」
「うん!」
俺が前に出て彼に向って二刀流による連撃を叩き込む。
疾く、疾く!疾く!
「ハアア!」
「ッ!」
二本の剣で下から切り上げる。
それを防いだ彼の刀が上に弾かれる。
「スイッチ!」
後ろへ下がった俺と入れ替わるようにしてアスナが飛び出す。
「ヤアアア!」
「ッ!」
アスナのOSS《スターリィ・ティアー》が放たれる。
放たれた神速の5連撃は、全て刀で受けられてしまう。
だが勢いまでは完全に殺しきれなかったようで少し後ろへ下がり距離が空く。
そこに飛び込む。
「スイッチ!」
右手の剣が赤い光を帯びる。
片手剣単発重突進ソードスキル《ヴォーパル・ストライク》
「セアアア!」
「シィッ!」
一直線に放たれたソードスキルは刀で軌道を逸らされ受け流される。
このままだとスキル発動後の硬直時間で隙をさらしてしまう。
今は見えないが恐らく彼は俺を斬ろうと刀をこちらに振るおうとしているだろう。
——繋げてみせる!
左手の剣が青い光を帯びる。
スキルコネクト。
ソードスキルを連続に使うことにより硬直をなくすシステム外スキル。
振り返りながらソードスキルを発動させる。
案の定、彼は刀を横なぎに振るおうとしていた。
「ハア!」
片手剣水平四連撃ソードスキル《ホリゾンタル・スクエア》
左から右へ一撃。
無理に軌道を変えた刀で受け流される。
すぐに切り返して右から。
それも刀で受け流されてこちらに向けて漆黒の刃が振るわれる。
それを間一髪で躱して左から右下に斬る。
ギリギリのところで刀で受け流される。
素早く右から左上へ斬り上げる。
それもギリギリのところで防がれる。
ソードスキルのエフェクトが走る。
「まだだ!」
間髪入れずに右手の剣でもう一度《ホリゾンタル・スクエア》を発動させる。
右から一撃目、左から2撃目、右下から3撃目、左上から4撃目。
「グッ!」
ソードスキルのエフェクトが再び走る。
またもや、全て刀で受けられてしまう。
だが、先ほどまでのような余裕は彼からは感じられない。
——ここで、畳みかける!
「ウオオオ!」
左手の剣が赤い光を帯びる。
片手剣三連撃ソードスキル《シャープネイル》
左から右下、右から薙ぎ払い、左下から右上へ切り上げる。
最後の一撃を防いだ時、刀が打ち上げられ、彼の体制が崩れた。
——今だ!
右手の剣でソードスキルを発動させる。
剣は赤光を帯びて一直線に彼目掛けて突き放たれる。
「ハアアアアアアアアアアア!!!!」
「グッ」
放った全身全霊の一撃を彼は打ち上げられた刀の刀身を左手でつかんで無理やり正面に持ってきて刀の腹で受けた。
勢いよく後ろへ吹き飛ばされ、床を数回バウンドした後、踏みとどまって体を起こす。
「くっ、うっ……やるじゃないか、オマエ、今のは効いたぞ」
そう言いながら右腕を抑えながら立ち上がる。
その時、一瞬だったが彼の姿がブレたように見えた。
「……チッ、また意識がブレだした。また飛ばされるな、こりゃ」
まだやるか、と思っていたら彼は懐から鞘を取り出して刀を収めた。
彼の姿が薄く透けて見える。
「……ふん。けどまあ、今のは悪くなかったぜ色男。スッキリしたんで礼は言っとく」
彼の姿がどんどん薄くなっていく。
「次があるなら、今度はもっと楽しませてくれ。おまえたちなら俺を殺してくれそうだ」
スゥー、と彼は空気に溶けるかのようにして消えていった。
残された俺たちは危機が去ったという安心感と何だったんだろうという疑問。
「っ?」
視界が一瞬ぐらついた。
視界がぼやけていきものすごい眠気に誘われる。
そのまま導かれるがままに瞼を落とした。
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……
——————ふと、目が覚めた。
リメイクするって言ったらどうします?(ストーリーは基本変わらない)
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して欲しい
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しなくていい