幻影の狂剣士   作:izuki

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第七話 黒の剣士VS神聖剣

 俺は今日発行された新聞を見ていた。

 

『軍の大部分を全滅させた悪魔!』

『それを撃破した二刀流の50連撃!』

 

「”50連撃”は流石に言い過ぎだな。」

 

 俺は新聞の内容を見てそう呟いた。

 今日は迷宮区に潜らずに宿屋の部屋のベットに横になっていた。

 なんとなく今日はこうしたい気分だった。

 

(にしてももうそこまで進んだか……)

 

 案外早かったな。

 明日あたりにはヒースクリフとの決闘(デュエル)か。

 ヒースクリフはゲーム中最強ギルドの一角《血盟騎士団》の団長を務める。

 団長といっても実際の攻略や部隊の指揮は副団長のアスナが担当しているが、彼自身、ゲーム中で初発見されたユニークスキル「神聖剣」を操り、桁外れの防御力を誇る最強クラスのプレイヤー。

 だがその正体は茅場晶彦。

 このデスゲームを作り出した張本人であり。

 SAOのダンジョン、浮遊城アインクラッドの最上階100層でラスボスとして待っているはずの存在しかしプレイヤーたちの様子をより間近で観察するためにプレイヤーを装いゲームに参加。

 血盟騎士団をボスである自身に対抗するための勢力として育て上げている。

 そんなヒースクリフ対キリトの試合が明日くらいにあると思うんだが……

 まあいいか。俺には関係ないし。

 そんなことを思っていると突然ノーチラスからメッセージが送られてきた。

 内容は……

 

『明日、75層主街区《コリニア》のコロシアムで行われる。神聖剣対二刀流の試合を見に行くんだがシキも一緒に行かないか?』

 

 俺は普段メッセージを取り合ったりはしてない。

 だがたまに一緒に素材を取りにいかないかと誘われたりするくらいだ。

 さて、どうするか。

 観戦に行く気はなかったんだが……まあいいか行くとしよう。

 俺はノーチラスに返信のメッセージを送った後少し眠ることにした。

 

 

 翌日、七十五層の主街区《コリニア》のコロシアムにやって来た。

 第75層の主街区《コリニア》。古代ローマ風の構造となっている街で、転移門前にはコロシアムがある。

 

「火噴きコーン10コル!10コル!」

「黒エール冷えてるよ~!」

 

 そして今そのコロシアムの入口付近には露店が並んでおり、完全にお祭り状態となっている。

 想像の10倍くらいうるさい。

 来なけりゃよかった。

 

「シキ~~!」

「すままない、遅くなった」

 

 俺が来なければよかったと後悔していると、転移門の方からユナとノーチラスが来た。

 

「……いや、問題ない」

「にしても結構盛り上がってるね」

「ああ、本当にな」

「……黒の剣士と神聖剣の試合だからなこうもなるだろう」

 

 ユナとノーチラスが露店で飲食するものを買いった後、コロシアムの入り口でチケットを買いコロシアムに入る。

 中は人でいっぱいっぱいになっていた。

 指定された席に座り始まるまで待つことにする。

 

「シキはこの戦いどっちが勝つと思う?」

「……さあね、どうでもいいよ」

「……俺は団長が勝つんじゃないかと思う。今までどんなに強力なボスを相手にしてもHPバーをイエローまで落としたところを見たことがない。黒の剣士の二刀流は確かにすごいけれどあの防御を敗れるとは思えない」

 

 この試合の結果を俺は知っている。

 結果だけで言えばヒースクリフの勝利だが、あれはキリトの速さに耐え切れなかった結果システムのオーバーアシストを使い勝利している。

 逆にいえばアレ使わされた時点でヒースクリフは実質キリトに負けている。

 それにヒースクリフのHPバーがイエローまで落ちないのはシステムによる保護がかかっており、イエローより下がらないようになっている。

 

「この勝負、黒の剣士の剣が盾を貫くか、ヒースクリフの盾が剣を防ぎきるか、だな」

 

 キリトとヒースクリフがそれぞれ控室からコロシアムの中央に歩いて出てきた。2人が出てきた途端、コロシアム中は一気に盛り上がった。

 うるさい。

 こんなことを考えている間にもデュエルのカウントダウンが始まる。

 勝負の内容は定番の《初撃決着モード》だ。

 さっきまで歓声に包まれていたコロシアムは一気に静まり返る。

 キリトは背中の鞘から2本の片手剣、ヒースクリフは十字の盾の裏から1本の長剣を抜いて構える。

 カウントダウンが0になり、デュエルが始まった。

 先に攻撃を仕掛けたのはキリトだった。

 2本の剣による攻撃を何回も叩き込む。

 対してヒースクリフはそれを全て十字の盾で軽々と防ぎ、長剣で反撃する。

 キリトはそれを2本の剣で防ぎ、続けて来る長剣による攻撃を防ごうとする。

 しかし、攻撃してきたのは長剣ではなく、十字の盾だった。

 盾自体にも攻撃判定がありキリトが少し吹き飛ばされる。

 

(あれが《神聖剣》…………)

 

 実物を見るのはこれが初めてだ。

 《神聖剣》剣と盾を使う二刀流と言ってもいい。

 攻撃力はもちろん高いが注目すべきはその防御力であり。

 現にキリトの二刀流による攻撃を的確に防いでいる。

 そして何よりこのスキルはまだ明かされていないことが多い。

 2人の戦いは激しさを増していく。

 火花が激しく散る。

 互角の戦いを繰り広げていた2人だったが、キリトが少しずつヒースクリフを追い詰めていく。

 キリトが二刀流スキル16連撃《スターバースト・ストリーム》を発動させる。

 これをヒースクリフは盾で防ぐがだんだんと受けきれなくなっていき。

 ついに盾で防ぎきれなくなり、最後の一撃が襲い掛かろうとする。

 誰もがキリトの勝ちだと思っただろうその時だった。

 時間が止まった。

 正確にはヒースクリフの動きが加速し弾かれて大きく逸れたはずの盾が恐ろしいほどの速度で自分の前にもってきていた。

 まるで世界が止まったと思えるほどの速度で防御動作を終えたヒースクリフは余裕を持ってキリトの一撃を受け止め、受け流す。

 ソードスキルを放った直後であるキリトは大きな隙を晒し、そしてその隙をヒースクリフが見逃すはずもなくそのまま一撃を受けた。

 キリトとヒースクリフの頭上にウイナー表示が浮かびあがる。

 試合終了。

 ヒースクリフが勝利した。

リメイクするって言ったらどうします?(ストーリーは基本変わらない)

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