SAO-絶剣と怪物狩り   作:小説大工の源三

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GWの仕事が忙しくて執筆の時間が取れなかった……
すまない


毒蜘蛛討伐

シュバルトside

 

 翌日。あれから二度寝をして、2時間。浅いながらも、眠りから目を覚ます。

 

「ふむ……」

 

 やっぱりあんま寝れてないや。どうしたら熟睡できるのやら…

 

 そんな事を考えながら、荷物を整理し、司令官から〈毒蜘蛛討伐〉の依頼を受注する。

 名前の通り、この依頼では毒の状態異常を付与する、敵mobが出現する。

 解毒ポーションが必須である。

 この前、僕が作ったポーションの中に毒を弱らせるポーションがあるのだが、あんな物は流石に麻痺耐性ポーションのように活躍は全くしないだろう。

 弱らせるなら最初から解毒した方がいいのだから。

 

「ポーションの数は……ポーチに4つ、ストレージに12…これだけあれば問題ないか……」

 

 僕は他のメンバーにも確認すると、各々十分な数を持っていた。

 

「キズメルは解毒薬は持ってる?」

 

「念の為、幾つか待ち合わせはある…が、基本的に必要ない。私にはこれがあるからな」

 

 キズメルがレザーグローブを脱ぎ、右手の人差し指に嵌められた指輪を僕達に見せる。

 

「それは?」

 

「私が近衛騎士に叙任された折、剣と共に女王陛下より賜ったものだ。10分に一度、解毒のまじないを支えるのだ」

 

「毒対策があるならよかった」

 

 そう言ったものの、とんでもないレアアイテムだった事に内心、とても驚いている。どのレベルの毒にまで効果があるかわからないが、もしレベル5のリーサル毒にも効果を発揮するならば、URクラスのレアアイテムだ。

 

「そんな顔をされても、これを譲る訳にはいかん。第一、この指輪は、我らリュースラの民の血に僅かながら残る魔力をまじないの源泉としているゆえ、おぬしら人族には使えなよ、恐らく」

 

 キズメルがそう言うと、キリトは焦ったように首を振った。

 

「い、いや別に、欲しいだなんてこれっぽっちも思ってないよ。キズメルに解毒の準備があるなら、それでいいんだ」

 

「そうよね。君もいちおう男なんだから、女の子に指輪を強請るような真似はしないわよね?」

 

「も、もちろんですとも……って、なんだかその言い方だと、逆は許されるみたいな……」

 

「別にそうは言ってないわよ! と私がいつ貴方に指輪を強請ったのよ!」

 

「べ、別に俺もアスナの事とは言ってないだろ!」

 

 2人が言い合っているのを僕達は呆れたように眺める。

 

「お前ら、夫婦漫才してないで、周りに注意しろよ」

 

「「誰が夫婦だ/よ!」」

 

 息ぴったりのツッコミ。2人の相性は良いのかもしれない。

 

 そんな事を考えながら、森を進んで行くと何かが近づいて来る。

 

「キリト、アスナ。歓談中に申し訳ないが敵襲だ」

 

「話の途中だがスパイダーだ!」

 

 僕がそう言うと、全員が武器を構える。

 

 現れたのは4匹の蜘蛛だ。名前は【Thickt Spider】と表示される。

 

「直接攻撃は牙の噛みつきだけ!ただ尻から発射される糸に触れると、動きを阻害されるから注意して!」

 

 僕の声に皆が了解の意を示し、飛びかかってくる毒グモの牙を避けたり、カウンター気味に攻撃をくり出す。

 ユウキのスラント、ミトのソロウが毒グモの腹部に命中し、吹っ飛び後ろの木にぶつかり、衝撃ダメージでスタンする。

 その隙を逃すような真似はせずに、僕は拳を振り下ろす。

 体術SS閃打で丁度、HPを削り切る。

 

 いやはや、モンスターハンタースキルは色んなスキルが統合されているから、便利だ。

 このスキルを持つプレイヤーが増えれば攻略も進むのだろうが、アルゴに聞いた所、クエストに挑戦した者はいたが、クリアした者は誰1人いないそうだ。

 残念に思うものの、それだけ難しいクエストなのだから仕方がない。

 

 そう思いながら、僕はCアックスの盾で受け止めながら、毒グモの頭にレイジスパイクを放ちその身体を貫く。

 

「シュバルト、貴殿のその武器……もしや伝説の狩人…グラインガー殿の教え受けたのか?」

 

「キズメルが知ってるなんて、そんなに有名なんだあの人」

 

「ああ、あの老人は我らリュースラの民が尊敬する数少ない人族だ。その昔、この地が大地にあった時代から狩人達は狩人達しか使えぬ技で、その地に闊歩する怪物を狩っていたのだ」

 

 アインクラッドが大地にあった時代?

 前にもキズメルが大地から切り離されたと言っていたが、シナリオライターはどんな風に設定したのだろう。

 そう考える僕を差し置いてキズメルは話を続ける。

 

「大地から切り離された今、その技を使う者は日に日に減っていき、今ではグラインガー殿ただ1人となってしまったのさ」

 

「へぇー……そんな歴史が……」

 

「……減った歴史にはその技術を悪用する者もいたからとも聞いた……シュバルト。その力、正しき行いの為に使ってくれ」

 

 僕を見るキズメルに対しての返答は、

 

「それはもちろんだよ」

 

 の一択だ。

 悪用なんてするものか。スキル開発者としても、1人の人間としてもだ。

 

「と言うかシュバルト君その武器、どこで手に入れたの?」

 

「モンハンスキルを獲得したら、イベントマークみたいなのが出て、その場所で作ってもらった。多分スキルが無いと入れない」

 

「へー…」

 

 そうこうしているうちに、蜘蛛の巣のある洞窟を発見する。

 今回のエルフクエストはエルフ偵察兵の遺品を発見すること。もう一つが、その大元である女王蜘蛛と戦う。

 というわけで、この巣に女王蜘蛛がいるとは限らないので、一度野営地に戻って、再び巣を探さなければならない。

 

「………私、天然系ダンジョン好きになれそうにないわ」

 

 浅い水溜りを嫌そうに、レザーブーツで踏むアスナが呟く。

 

「せめてもう少し明るけりゃなあ……」

 

 迷宮区ダンジョンならば灯りとなるカンテラや蛍光石などが設置されていて、灯りに苦労はしない何、この手のダンジョンは自分で灯りを持ち込まなければならない。

 

「一応、カンテラは持ってるけど……」

 

「と言うかよく持ってるな……」

 

「レアアイテムだから数は少ないけどね」

 

 人数分はない。

 

「とりあえずβ組が持っておくか」

 

 僕はテリーとミト、キリトの3人にカンテラを渡す。

 

「キズメルは?」

 

「私は松明がある。それはシュバルトが持っておくべきだろう」

 

「わかった」

 

 そしてしばらく歩いているとユウキが肩を叩いてくる。

 

「ねぇ、シュバルト。このダンジョンって、前に言ってたインスタンスマップなの?」

 

「いや、ここは反対のパブリックだね」

 

「因み今、ボクが別で受けてるクエストもここに行く必要があるよ」

 

「じゃあ、ここにディアベル達も来るかもしれないんだね」

 

「そう言うこと」

 

 ユウキの質問に答えていると、キリトが立ち止まる。

 

「キリト君?急に立ち止まってどうしたのよ」

 

「……アスナ、俺たちが三層に来て、何時間くらいだっけ」

 

「いっぺん寝てるから、大体、14時間くらいじゃないかしら」

 

「……ちょうどそれくらいか」

 

「何がちょうどなのよ?」

 

「主街区で受けられる重要クエストのキースポットなんだよ」

 

「あー…ならそろそろ来るかもね」

 

 ミトの言う通り、微かな金属音が耳に入る。その証拠に聞き耳スキル持ちのフィリア、前にいるキズメルも足を止める。

 

「皆、我々の他にも訪問者がいるようだ」

 

「ああ。多分、知り合いだろうけど……誰かわかるまで顔を合わせるのは避けておきたい」

 

 少し嫌な予感がする。

 

「ほう…実は私もだ」

 

 と言うことで、僕達はそれぞれ、別れて隠れることとなった。

 腰につけているカンテラはストレージにしまい、マントを持ってたりする人はその内側へ、僕はユウキとキズメルと共に隠れる。

 その際、発生した《隠れ率(ハイド・レート)》は脅威の95%。指輪といい、黒エルフのまじないはすごい。

 

「シュバルト……ディアベル達だったらどうする?」

 

「とりあえず僕が出て、少し話すさ」

 

「了解」

 

「静かに。もうすぐ前を通る」

 

 10秒ほどして、金属鎧ががちゃがちゃと鳴る音が聞こえる。そして、ディアベルの爽やかイケメン声と違い、野太い声がダンジョンの中に響く。

 

「何故だ!何故、宝箱が全て開けられている!」

 

 隣にいるユウキが顔を顰める。

 やってきた人物が友好的な関係ではなかったからだ。

 

 名前を知らないが、ボス攻略の度に騒いでいた男だ。

 顔を合わせれば、何か難癖つけられそうだ。

 連中の姿をチラリと見る。野太い声の主はガッチリとした鎧に身を固め、大きめの両手剣を背中に背負い、その後ろには鎖頭巾(コイフ)で頭をすっぽりと覆い、やや大きめのスケイルアーマーを装備し、武装は珍しい片手斧にラウンドシールドだった。

 他のメンバーは標準的な武装なので割愛する。

 

「ぐぬぅ…!早くギルドを立ち上げねば!我らの正義こそが正しいと言うことを証明するのだ!」

 

 野太い声の主は何か焦っているようだ。

 

「そんなに焦っちゃダメですよ〜」

 

 片手斧を装備したもう1人の声はのらりくらりとしたような感じがする。

 

「ディアベル達はこうしている間にもクエストを進めているのだぞ!」

 

「ドライアさ〜ん。でも焦って大事なもの見落としたら元も子もないですよ〜」

 

「貴様はもう少し緊張感を持て!」

 

 と、声を荒げながら洞窟の奥まで、駆け抜けていった。

 

「わかってますって〜」

 

 もう1人の声の主もそれに追従するように奥へと走っていき、残りのパーティーメンバーもいなくなったところで、僕達は陰から姿を出した。

 

「今のは…」

 

「2連続でボス攻略後に騒いでた人だな……」

 

「顔合わせたら確実にいちゃもんつけられるな……」

 

「なんか…モンスター相手より緊張したよ……」

 

「同感」

 

 それぞれ、先程の連中に対しての感想を呟く。そんな僕達の言葉を聞いたキズメルは6人パーティーが去った方向を伺っていた方から振り向き、言った。

 

「先ほどの小隊に、知っている相手でもいたのか?」

 

「うん。まぁ、あんまり友好的とは言えないけどね」

 

「ほう? この城に暮らす人族は、長く平和を保っていると聞いているが」

 

「剣を向け合うほどじゃないよ。あくまでも敵対しないだけでね」

 

「なるほどな。私の所属するエンジュ騎士団と、王都を警護するビャクダン騎士団のようなものか」

 

「素敵、騎士団に樹の名前がついてるのね。他にもあるの?」

 

 アスナが華やいだ声で質問する。

 

「あとは、重装部隊のカラタチ騎士団がある。そちらともあまり仲がいいとは言えないが」

 

「へー。なら、入れてもらうならボクはエンジュ騎士団がいいなぁ」

 

 ユウキの発言にキズメルは苦笑しながら答える。

 

「残念ながら、人族がリュースラの女王から、騎士の証たる剣を授けられた例はないと聞いている……だが、そなたらの勲功大なることを考えれば、女王への謁見くらいならばあるいは……」

 

「ホント!? なら、もっと頑張らないと!」

 

 フィリア達は前向きなのだが、クエストの全貌を知る、β組は思わず目を逸らしたり、苦笑いをしていた。

 もしかしたらβと違って行ける可能性はないわけでは無さそうだが、あまり期待はしない方が良さそうだ。

 

「よーし、それじゃそろそろ行こっか!」

 

 気合いを入れている彼女達には悪いけど、この事は黙っておくとしよう。

 今の連中の目的地は地下二階だが、一階の蜘蛛より強いが流石にやられるような事はない筈だ。

 僕は、メニューウィンドウを開き、地図を確認する。その時、キズメルと眼が合った。

 

「……人族の使うまじない、久しぶりに見たな」

 

「ま、まじない?」

 

「うむ。ほとんどの魔法を失った人族が、いまに伝える数少ないまじないの一つ、《幻書の術》であろう? 知識のみならず品物までをも幻の書物に収めるという……」

 

 そう言われれば、メニューを出す仕草は魔法以外の何者でもない。

 そのことに納得し、キズメルに確認したことを話す。

 

「その幻書に描いてある地図だと、まだ向こうを調べてないみたいだから。そっちを探そう」

 

 未踏破のエリアへと足を進める。

 2つあった小部屋のうち1つ目の部屋にいた蜘蛛を難なく倒す。そして奥の壁際で瞬くささやかな光を発見した。

 武器を納刀してから、拾い上げると、それは木の葉を象った銀細工だった。根元のところにオパールのような白い宝石が輝いていた。

 それは、キズメルの左肩に輝くマントの留め具と同一の物だ。

 

「……エンジュ騎士団の徽章だ。この洞窟を調べていた偵察兵のものだろう。持ち主は、もう生きているまい……」

 

 沈んだ声を出すキズメルに、、徽章を差し出したが、彼女は小さくかぶりを振った。

 

「それは、シュバルトが司令に渡してくれ。ひとまず、報告に戻ろう」

 

「……解った。僕が預かっておくよ」

 

 徽章をポーチにしまい、クエストログの更新を確認し、入り口へと足を向けようとした時だった。

 男達の叫び声が奥の方から聞こえてきたのだ。

 

「やべえ……! あいつ階段上ってくるぞ‼︎」

 

「走れ走れ! 入り口まで逃げるぞ!!」

 

 金属の音の後に、枯れ木が軋るような、大型mobの咆哮。

 

「なんだあの化蜘蛛は!あんなのがいるなんて聞いていないぞ!」

 

 ドライアと呼ばれた男が引き返して逃げようとしているのだろう。

 

「どうするのシュバルト!?」

 

 どうしたものか。

 ドライア達が遭遇したのはおそらくエルフクエストの次の標的、女王蜘蛛だろう。

 であるなら、先に討伐しよう。

 ラッキーだと思って倒そう。

 

「やってくる化蜘蛛を倒そう」

 

「了解!」

 

「連中が通り過ぎたら、後から来る蜘蛛をこっちに引きつけて戦おう。すぐそこの大部屋なら広さは充分足りると思うから」

 

 全員が頷いたのを確認すると、僕は地図を確認。連中の移動経路を予測する。

 

「みんな、こっち!」

 

 そうして連中の移動先に着くと、それぞれ窪みに身を潜め、通り過ぎるのを待つ。

 

「十字路だ! 出口どっちだ⁉︎」

 

「さっき通っただろう! 真っ直ぐ進め!」

 

 ドライア達が僕の視界を横切った。先頭で走る片手斧を使うプレイヤーは斧をくるくるさせているが、他の5人らは必死の形相で走っている。

 彼らの姿が見えなくなった2秒後。彼らを追いかけていた化蜘蛛が奥から姿を晒し出す。

 

「そらっ!」

 

 僕は右手に握り締めていた小石を、蜘蛛の顔めがけて投げつける。

 

『キシャァァァァア!』

 

 複数ある目玉の一つに命中し、化蜘蛛の怒りの雄叫びを上げる。

 【Nephila Regina】とHPバーの上に表示される。

 

「タゲ取り成功……戦闘開始だ!」

 

 その声と共に全員が武器を抜く。

 

「脚の突き下ろし2連撃は、先端が震えた脚から来る! 外側に避けないと2発目を喰らうから気を付けて!」

 

 と、言った側からその攻撃が来る。

 右前脚が震えるので、僕は左へと飛ぶ。そして追撃の2発目が来るが先の右前脚が邪魔をして、僕を捉える事はできない。

 

「ソードスキル1本!」

 

 7人のSSは女王蜘蛛のHPバーを大きく削り、4割強ほど削る。この人数もあり、楽に倒せそうだ。

 その後も攻撃を殆ど躱わされた、女王蜘蛛は僕の斧の一撃がトドメとなり、その身体を爆散させた。

 

 

 





話の途中だがスパイダーだ!

FGOより
話の途中だがワイバーンだ!

シュバルト
毒蜘蛛討伐のパーティーリーダーとなった。
モンハンスキルはアインクラッドにおいて歴史あるスキルだと知った。

キリト
パーティーリーダーがシュバルトに変わったので今回は影が薄い。
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