SAO-絶剣と怪物狩り   作:小説大工の源三

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皆様お久しぶり大根です。

難産でした今話。

いい石の日だそうで。
宝石って良い石ですよね。


誕生日と特訓

ユウキside

 

 そうボス攻略のあった今日12月27日はボクらのリーダー、シュバルトの誕生日なのだ。

 大変なことに彼のプレゼントを持ち合わせていないのだ。

 

 攻略があったとは言え、今になるまで忘れていたのは不味い。

 多分シュバルトは別にいいとか言いそう…いや、確実に言う。あの精神状態だと間違いなく誕生日のことを後回しか放置する筈だ。

 それはそれとして、

 

「ど、どうしよう……」

 

「どうしようって言っても……」

 

 どうしたらいいかわからない。

 

「ここが五層で良かったな」

 

「五層……? ああ、なるほど」

 

「間に合うかもねそれなら」

 

「どう言うことなの?」

 

 アスナの疑問に答えたのはキリトだった。

 

「ここ五層のテーマは遺跡なんだ。つまり、遺物の拾いができる」

 

「でもこのまま探すのは大変よ。丁度ここで遺物拾い初心者へのお助け要素があるんだけど」

 

 お助け要素?

 ボクの疑問は用意される料理によって少しずつ解消された。

 

 ウェイターのNPCがテーブルに並べた紫色のタルト。

 どうやらこれがお助け要素のようだ。

 

「これは?」

 

「ブルーブルーベリータルト。マジック効果は食べてからのお楽しみ」

 

 キリトに勧められるままにボク達はタルトを食べる。

 

「……美味しい。ブルーベリーの酸味の甘みがいいね」

 

「タルトの生地もさくさくしてて、カスタードの濃厚な味とマッチしてる……」

 

 タルトを食べ終えると、HPゲージの下にぱっちりお目目のバフアイコンが点灯していた。

 

「テリー、これ何?」

 

「ユウキ、床とか見てみろ」

 

 言われるままにボクは辺りを見渡す。

 先程まではなかったものが視界に映る。

 

「なんかキラキラ光ってる……」

 

 ボクは光るものを手に取る。

 

「……コイン?」

 

「そう、それが遺物だ。カルルコインって名前だなそれは」

 

「へー……じゃあこのバフはそう言った遺物が見つかりやすくなるってことなんだ」

 

「β時代だとここで遺物拾い祭りなんかが開かれてたものね……」

 

「ああ、遺物はコインだけじゃなくてな。アクセサリーや宝石も「宝石!?」やっぱり食いついたか……」

 

 フィリアがテリーに勢いよく肩に掴みかかった。

 

「私、探してくる!」

 

 そう言って彼女は一目散に街を駆け抜けてしまった。

 

「おい! ここはフィールドと圏内がわかりにくいんだぞ! あーもう…! すまん、俺はフィリアを追いかける!」

 

 テリーもそのままフィリアを追いかける為に、駆け抜けていった。

 

 2人ともステータス振りはAGIメインに振ってるけど、どっちの方が速いのかな?

 

 そんな事を考えながらボクは席を立って辺りを見渡す。

 正直、お宝探しはワクワクする。しかもこんなファンタジー的な世界でのお宝探しは現実世界でやるものよりも、未知への探究心で心が躍りそうだ。

 

「ボク達も遺物拾いしようか」

 

 街中を隈なく探索することとなった。

 

 

─────────────────────────

 

 あれからバフが切れるまで、ボク達はコインや、指輪、宝石、ネックレスなどのアイテムを街の至る所から探し集めた。

 集めたものは鑑定士のNPCに見せることで、ネックレスなどのアクセサリー系アイテムのマジック効果が判明したり、宝石みたいな換金物をcolに変えてもらったりできる。

 

「いっぱい見つかったね」

 

 机の上に並べられた古ぼけた貨幣や宝石、指輪や腕輪などの装飾品。

 貨幣は金貨のような物は価値が高かったが、青銅貨は価値が低く、第一層で狩をする方がいいくらいだ。それでも宝石は高値が付いた。

 

「指輪はシュバルトはつけないよねきっと」

 

 彼はボク達のギルド印章(シギル)を左手に、ヨフィリス子爵にもらったりエルフの指輪を右手に装備しているので、指輪の装備枠は埋まっている。

 なので、必然的にネックレスや腕輪になる。

 

「これとか良さそうだね」

 

 ボクが拾った緑色の宝石が嵌められた腕輪と白い石に鎖が通されたネックレスを手に取る。

 腕輪には《器用さ(DEX)》に+5の補正がかかり、ネックレスにはスキル成長速度を上げるマジック効果がついている。

 

「彼、スキル上げ大変だろうから、それは絶対喜ぶわね」

 

「だよね。ミトは何にするの?」

 

「私はこれよ」

 

 ミトが手に取ったのは紫色の宝石が使われたイヤリングで索敵補正のマジック効果がついている。

 

「モンハンスキルでモンスターに襲われることが増えるだろうし、少しでも発見が早くなればいいと思うし」

 

 索敵スキルは上げ得だけど、上げるのはちょっと手間がかかるから、少しでも補正で上げられると、シュバルトも安全にフィールドを散策できそうだ。

 

「みんなはどんな物にするのかな?」

 

「装備品はエルフクエストで揃ってきてるからあまりプレゼントはないかもしれないわね……」

 

 そうこうしているうちにキリト達も戻ってきた。

 

「お帰り」

 

「2人は何にしたの?」

 

「私はお菓子の詰め合わせにしたわ。遺物拾いでcolが溜まったからこの層の名産品を買って袋に」

 

「俺は……その……両手剣にした……」

 

「キリト……」

 

「しょうがないだろ……リアルじゃそんなことなかったから……」

 

 どうやらキリトのリアルはぼっち系男子のようだ。

 

「まぁ……使用武器が増えるのはいいことだと思うよ?」

 

「シュバルトもそろそろ使用武器増えてくるだろうから……」

 

 2人して精一杯のフォローをするが、気まずい空気は変わらなかった。

 そしてテリーとフィリアの2人を待っていたのだが、中々帰って来る気配がない。

 

「遅いな2人……」

 

「まぁお宝探しが好きなフィリアだからね……しょうがないよ」

 

 多分テリーは振り回されてる。あっちこっちに動き回るフィリアを追っかけてて、まともに遺物拾い出来てなさそうなのが想像できる。

 

「メッセージは……送れないから多分ダンジョンまで行っちゃったっぽいね」

 

 終わったら説教されてそうだ。

 

「とりあえず明日に向けて用意しないとね」

 

 ボクは不要な遺物を売って二層で売っているお高いケーキの資金に換える。ミト達からも残りの換金したcolを受け取る。

 

「ボク二層のケーキ買って来る」

 

 持ち帰りは出来るみたいなので急いで買ってこよう。

 

 そしてテリー達が戻ってきたのは日が上り始めた頃だった。

 

─────────────────────────

 

シュバルトside

 

 やれやれ、アルゴと一緒にフィールドで情報集めていたらいつの間にか日が変わっていた。

 まぁこの層の序盤モンスターの情報は集め切ったし、新しく手にした槍のスキルもある程度上がって、一石二鳥どころか三鳥だ。

 

「さてと……そろそろ戻らないと」

 

 アルゴは攻略本を作っているだろうし、僕は宿で寝ようか。

 そして寝過ごした訳だが。

 

「しかもメッセージ来てる……」

 

 内容を要約すると、どうやら何かやるみたいだ。

 

「行った方が良いよね……」

 

 指定された場所へ向かう事にした。

 

「ここって確か、ブルーベリータルトが食べられる所だよね……」

 

 僕が中へ入ると、破裂音と共に紙吹雪が舞い散った。

 

「「「「誕生日おめでとう!」」」」

 

 え? どういう状況?

 

「誕生日…?」

 

「シュバルト、昨日何月何日?」

 

 昨日?

 

「えっと……12月27日だけど……ああ……僕のか」

 

「お前……」

 

 テリーが呆れたような顔でこちらを見る。

 

 しょうがないじゃないか。しばらく忙しかったんだから。誕生日が近いなとは前に思ってたけど、ボス攻略やら情報集めやらで記憶の彼方に行っちゃったんだよ。

 

「まぁ、俺達もこの街に来てから思い出したからな……という訳だ、お前に誕生日プレゼントだ」

 

 一斉にオブジェクト化されたプレゼントを渡される。

 テリーからはCアックスの時以外でも使える盾(ミドルサイズ)を、フィリアからは宝石を、キリトからは両手剣、アスナからはお菓子の詰め合わせ、ミトからはイヤリングを、そしてユウキから腕輪とネックレスをもらった。

 

「……その、みんなありがとね」

 

 何というかむず痒い。盛大に誕生日を祝った貰ったのは久しぶりだからか、顔が熱い。

 

「それじゃあケーキ食べよっか」

 

 ユウキがそう言うと、ホールケーキがテーブルのど真ん中に現れる。

 

「うお……ホール…高かったでしょこれ…」

 

「遺物拾いで手に入れた収入とプラマイ0だから」

 

 そんなに拾ったんだ。

 

「だからシュバルトが多めに食べて良いよ」

 

「ならお言葉に甘えて多く食べるよ」

 

 この後、用意されていた料理をお腹いっぱい食べた。

 貰ったプレゼントはどれも有用的で、とても嬉しい。これでまた先に進むことが出来る。

 

─────────────────────────

 

 誕生日会を終えて、次に何をしようかと考えたのだが、特にすることがなかった。

 それに雨まで降ってきたので、どうしようかと悩んでいた。

 

「とりあえず、俺は遺物拾いの最中に受けたクエストを消化してくるよ」

 

「この雨の中で?」

 

「大丈夫、屋内で出来るクエストだから」

 

 キリトはウィンドウを可視化してアスナに見せる。

 

「この《迷子のジェニー》は女の子のペットを地下墓地で探すやつだし、《悪趣味な収集家》は特定の遺物を拾い集めるやつ。んで《三十年の嘆き》ってやつは地下墓地のどっかに彷徨っている悪霊を──」

 

「にぇっ!」

 

 キリトの言葉が言い切る前にアスナが勢いよく彼の口を手で押さえた。

 モゴモゴと続きを言うキリトの口が止まった位にアスナは手を避ける。

 

「……今の、にぇっ、ってなに?」

 

 長い沈黙の末アスナが口を開く。

 

「…………ロシア語の『NO』よ」

 

「テリーさん判定は」

 

 ロシアのクォーターの彼に問う。

 

「まぁ発音が甘いが確かに『Нет』って言ったな」

 

 どうやら確かにNOと行ったようだ。

 もしかして彼女、幽霊苦手な人?

 確認の視線をミトに向けるが、彼女は知らないのか、肩を竦める。

 苦手ならここのクエストはあまりお勧めはしないが、当人はキリトについて行く気満々のようだ。

 無理をして変な事にならなければ良いが。

 心配になったテリーが同行し、その同行にフィリアもついて行った。

 

「さてさて、僕らはどうしようか」

 

 エルフクエストを進めるのも良いが、流石に人数が揃ってからの方が良いし、この人数で出来ることと言ったら街を歩くことだが、この雨ではあまり出歩きたくない。

 

 どうしたものかと考えていると、正面に座っているユウキが何か大事なことを話そうと口を開く。

 

「ねぇ、シュバルト。三層の時にPKに襲われたんだよね?」

 

「うん、モルテって言うやつにね」

 

「2人ってSAOの決闘(デュエル)の経験ってあるの?」

 

 その質問はYESだ。βの時はキリトやテリーと攻略が進まない間はよくやっていた。

 勝率はまぁ、僕が1番だ。SSを知り尽くしている訳なので、初動を見切ってSSを弾き、その隙に攻撃をするのがいつもの戦法だ。

 最初の頃はそれで勝ち星をつけていたが、慣れてきた2人は次第に後隙の大きい連続SSを使うことがなくなり、純粋な剣技勝負になっていった。

 

「なら、ボクに対人戦を教えて!」

 

 ユウキは勢いよく頭を下げる。

 

「最低限自分の身も守れるようにしたいから……」

 

「わかった……確か、街の西に広めの屋根のある遺跡跡があったからそこで練習しようか」

 

 本当は圏内の方が良いが、雨は降っているし、そもそも街にはそんな広い場所がない。

 

 移動にはそれほど時間がかからず、目的地に辿り着いたので、ストレージから余っているアニールブレードを取り出してユウキに手渡す。

 

「? なんでアニールブレード?」

 

「普段使いの武器だと強すぎるからね。その剣、耐久振りだから」

 

 僕のも同じようにそこら辺の街で買った剣を耐久振りで強化した物だ。

 

「それじゃあ、決闘申請するよ」

 

 僕はメニューウィンドウを操作して初撃決着で申請し、それをユウキが了承する。

 

 目の前にカウントダウンタイマーが出現する。

 そしてタイマーが0になり、それと同時にユウキが切り掛かってきた。

 

─────────────────────────

 

ユウキside

 

 ボクから挑んだ決闘、シュバルトに勝てるとは思っていない。だけど、彼に自分が守られるだけの女の子じゃないってことを証明してみせる。

 

 そう意気込み、数字が0になったと同時に剣を振りかぶりながら走る。

 

「はぁっ!」

 

 シュバルトはそれを半身で避け、返しの水平斬りでボクのお腹付近を狙うので、彼の右手を押さえて後ろに回り込む。

 背後にいるボクに対して彼は、左足でボクの腰を踏みつけようとするのでアニールブレードの腹で防御する。シュバルトは踏みつけた勢いでボクとの距離を離す。

 

「やぁっ!」

 

 ボクは右袈裟斬り、左横一文字、2連突き、逆袈裟斬りとシュバルトに反撃させないよう攻め続ける。

 それでも彼はそれら全てを見切ってしまう。

 こう言った経験の差はやはり歴然だ。ボクがすぐに追いつける領域ではない。

 連続SSを使うのは無しだ。彼にそんなことをすれば、すぐにパリィされて無防備な状態のボクにSSを叩き込んでくるだろう。

 

「うりゃあ!」

 

 次は攻撃のタイミングをずらしながら、胴体だけでなく、足元にも剣を振るう。

 

「おっと…」

 

「せい!」

 

「ふっ…!」

 

 ここで単発SSを仕込む。連続技は止まらなくなるからダメだが、単発なら強攻撃くらいの威力に後隙もほとんどない。

 受け止める彼に圧をかけていく。

 

「ほいっと」

 

「わぁっ!?」

 

 だが、攻めることに意識を回しすぎて、シュバルトが足を引っ掛けてくる事に気づくのが遅れた。

 何とか足を浮かせて回避するが、片足というアンバランスな状態で近接戦は不味い。受け太刀すれば体勢を崩されやすい上に、2回目の足元攻撃に対応できない。

 

「お?」

 

 ボクはシュバルトの攻撃を受け止め、その勢いで左足一本で大きく跳躍して、彼の攻撃範囲から出る。

 

「片足であそこまで飛べるんだ……」

 

 シュバルトが目をぱちくりとさせながらボソリと何か呟いたがよく聞き取れなかった。

 

「それじゃあ、こっちから行くよ!」

 

 彼が突っ込んで来る。

 ボクは咄嗟に上段から攻撃が来ると思い、剣を構えるが、彼は攻撃せずに通り抜けてしまう。

 

「しまっ!」

 

「そこっ!」

 

 反射的に前に飛びつつ、剣を後ろに回して防御するも、突き攻撃には運任せも良いところで、剣を掠らせただけで、背中にサクリと剣が刺さる。

 前に跳んだことが功を奏したのか、クリーンヒット扱いに成らず、デュエルは続行となった。

 

「ならこれはどう…?」

 

 今度はステップを踏みながらの攻撃だ。

 一気に距離を詰めたかに思えば、後ろに下がり、前に詰めるフェイントをかけられて、剣を透かされてしまう。

 

「ふう……すごいねユウキ。僕の攻め手をここまで回避するなんて」

 

「はぁっ…! はぁっ…! こっちは必死だよ…!」

 

 息も切れるほど激しく動いているボクに対して、シュバルトは回避行動が最低限とは言えステップの動きは激しかったはずなのに、息を切らしていない。

 

「なんで余裕そうなの?」

 

「正直この世界での呼吸ってそこまで重要視されてないんだよね。自分の肉体を動かすのに現実(リアル)の肺を通じているわけじゃないし」

 

 理屈は確かにそうだけど、そこまで適応出来ない。

 

「まぁ、長い間仮想世界にいた弊害だねこれは」

 

「それ大丈夫なの?」

 

「……さあ?」

 

 それ絶対に大丈夫じゃない反応だよね。

 

「それで、続ける?」

 

「もう、良いかな……これ以上やっても無理だと思うし」

 

 それにシュバルトが体術スキルを使っていないから、本気で迫られたらボクは確実に即負けだった。

 

「そっか、なら中断するよ」

 

 シュバルトはメニューをタップして、決闘を中断する。

 

「ミトはどうする?」

 

「シュバルトがいいなら」

 

「ならやろうか」

 

 2人は武器を抜いて、向かい合わせに立ち、睨み合う。

 シュバルトはボクの時と違い、エルフクエストリワードで貰ったエルブン・スパイラル・スピアを、ミトはヴァリアブル・シックルで、本気の決闘をするようだ。

 

「はぁっ!」

 

 シュバルトが距離を詰め、槍で薙ぎ払い、それに対してミトは、鎌の根本を地面に突き立てて、棒高跳びのように身体を宙に浮かせて躱す。

 彼女の着地地点を予測したシュバルトが連続突きを繰り出す。

 ミトは踊るように突き攻撃を躱し、鎌を軸に横に回りながら蹴りを放つ。

 

「ふぉっ…!」

 

 シュバルトは上体を逸らして躱す。

 攻撃が途切れたタイミングでミトの反撃が始まる。

 

「はぁっ!」

 

「くっ…!」

 

「そこっ!」

 

「なんの!」

 

 ミトの激しい斬撃がシュバルトの防御を崩そうと襲いかかる。

 『ガギギギッ』という、耳を裂くような金属音が鳴る。

 高速で回転するミトの鎌は不規則に斬撃を放つ。

 

「慣れない槍でやるから反撃できないんじゃないかしらっ?」

 

「さぁ? 甘く見ないで欲しいな」

 

 シュバルトも先程のミトと同じように棒高跳びの様に槍を地面に突き立てて飛び上がる。

 そして落ちるままに槍を回す様に振り下ろす。

 

「よいしょお!」

 

「くっ!」

 

「そらそらそらぁ!」

 

 着地と同時に槍を下から上へとかち上げ、更に横にぶん回し、お返しと言わんばかりの攻撃を続ける。

 

 ボクの槍のイメージはチクチク突いていく武器という物だったが、使える人が使うとここまで激しい攻撃が出来るのだと驚いた。それと同時に、毛色の違う武器を扱うシュバルトに、ボクは異常だと思った。一つしか歳が変わらないと言うのに、ここまで実力差があるというのはおかしい。

 彼の身に何があったらここまでの戦闘能力を得るまでに至ったのだろうか。

 

「まだまだ!」

 

「これはどう?!」

 

 ボクが考えている内に攻める側が再び入れ替わる。

 今度はミトがヴァリアブル・シックルの可変機構を駆使する。鎌の刃のパーツを真っ直ぐに伸ばして、薙刀の様な形に変える。

 

「ちっ…!」

 

 シュバルトは攻め返すことは難しいと判断したのか、後ろに跳ぶ。

 距離が出来たことで、攻め手を変えようとした彼を逃すまいと、ミトは鎌の根本を捻る。そうすると根本部分が鎌の持ち手から離れ、それをモーニングスターの様に振り回し、シュバルト目掛けて投げつける。

 

「危なっ!?」

 

 首を傾けて、避ける。

 しかし、伸びた鎖でシュバルトを捕縛しようと鎖を操る。

 

「ぬおお!?」

 

 驚いた声を出しながら、巻きつこうとする鎖から逃げる。

 

「そんな使い方あるんだね…」

 

「まぁ使う機会がそこまでないけどね」

 

 ミトは鎌を元の姿に戻す。

 あっという間に鎌の変形機構を使い熟している彼女もすごい。自分ならこんがらがってただ振り回しているだけになりそうだ。

 

 再び嵐の様なやり取りが始まる。

 シュバルトの突きをミトは鎌を高速で回転させて防ぎ、反対にミトの斬撃を穂先で弾く。

 単発SSや2、3連続の後隙が少ないSSの応酬、ボクの時は違うレベルの武器と武器のぶつかり合い。

 いつかボクもここまで行けるのだろうか。

 

「ふぅ……」

 

「……ここまでにしましょう。練習なんだし」

 

「そうだね。これ以上は練習じゃなくなりそうだ」

 

 シュバルトが「アイ、リザイン」と言ったことで、決闘は終わった。

 

「さてと……街に戻ろっか」

 

 武器をキリトから貰った両手剣に変えた、シュバルトにボク達はついて行き、街へ戻る。

 

「ミトすごいね、シュバルトと五分五分なんて」

 

「……五分なんかじゃないわよ」

 

「え?」

 

「本気で来られたら、私なんか相手にならない。使ってた武器が槍なのもあるけど、彼の本気武器は片手剣でもCアックスでもない筈よ」

 

 ミトの話にボクは更に驚いてしまう。

 

「そうなの?」

 

「ええ、多分短剣使ってる方が強いし、多分その先がある筈」

 

 その先。もしモンハンスキルを作った理由が含まれているのだろうか。

 

 ボクの疑問は攻略組が壊滅的事態に陥るその時に晴れるのだった。

 




腕輪
器用さ補正+5
ネックレス
スキル成長速度アップⅠ
イヤリング
索敵補正+4

なんの気なしにアクセサリーのプレゼントの意味調べたら腕輪とネックレスに独占欲の意味がありました。
……自分がpixivに上げてるヤンデレユウキのこと思い出しましたよ。
アレ小説初心者時代に書いたもんだから色々酷い内容なんだよね()


ユウキ
VR空間への適性はシュバルトと比べると上である。
まだまだ経験の差で白星を上げることはできなかったが、片手剣一本ならシュバルトを超える素質を持っている。
原作でもメディキュボイドを使っていたとは言え、反応速度は高く、原作主人公のキリトも認めるほど。

シュバルト
誕生日会後ユウキの特訓に付き合うことに。
両手槍の戦闘方法は突きによる中距離戦と操虫棍の様に四の五考えずに力任せに、ぶん回していく近距離戦の2種類。操虫手に入れたら手がつけられなくなる。
対人戦はSS中心の戦いをするプレイヤーにはほぼほぼ負けない。
純粋な技術で攻められようとも、SAO以前に師事を受けていた者からの手解きによって戦闘スキルも鍛えられている。
正直に言うと異常そのものである。

ミト
長物の両手鎌でシュバルトとやり合うレベルだが、本気では勝てないと本人は思っている模様。
実際はどうなのかわからない。

テリー
遺物拾いではしゃぐフィリアを追いかけて行った。
予想通りだったので追いつくことはできたので、説教をしていた。

フィリア
お宝大好きトレジャーハンター。
案の定大はしゃぎしてしまい、テリーに怒られてしまった。



作者としてはキリトとユウキ、2人の反応速度は同レベルだと思っており、例のスキルはどちらに与えられるかは僅差だと考えている。
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