SAO-絶剣と怪物狩り   作:小説大工の源三

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FGO終章完遂いたしました
とても良い旅でした……
藤丸立香とマシュ・キリエライト。そしてカルデアに関わったスタッフの皆様がより良い未来を歩めることを祈りながら自分は小説を書きます。


ボス攻略

シュバルトside

 

 ─12月31日─

 

 僕達はドライア率いる、ジャスティス・ウォーリアーズの抜け駆け攻略阻止の為、第五層のフロアボスを倒す為に集まった。

 裏ではアルゴとの情報のやり取りも済ませ、現在、マナナレナの街で最終確認をする為に攻略メンバーが集まるのを待っていた。

 

「しかし、アルゴが参戦するとはね」

 

「オレっちを除け者にするつもりカ?」

 

「君、ステータスの振り分けが戦闘向けじゃないでしょ」

 

 彼女のステータスは筋力にはほとんど振らず、敏捷と器用に振られている為、重い防具は装備出来ず、武器も軽い物しか使えない。その為使える武器種は短剣とクロー、細剣くらいだ。

 

「第一層の隠しボスのことを忘れたのかヨ」

 

 ジト目でこちらを見るおヒゲの情報屋に、僕は困ったように肩をすくめる。

 

「五層は区切りの層だからね……なるべく前には出ないでよ」

 

「そのつもりダヨ。オイラは足の速さでボスの動きを見て隙を伺うヨ」

 

 と、金髪少女は言うのだった。

 

 数分もすれば、テリー達も集まり、攻略メンバー16人が揃った。

 

「遅刻なし……それじゃあチーム分けをする! Aチームタンク部隊はハフナー、シヴァタ、オコタン、ローバッカ、ナイジャン、リーテンの6人でB隊のアタッカー部隊はテリー、キリト、フィリア、アスナ、エギル、ウルフギャングの6人残りのメンバーがCチーム遊撃部隊、僕、ユウキ、ミト、アルゴ、ネズハの5人で行こうと思う。今回のボスは、βだとデカいゴーレムだから、スイッチローテがやり易いように、タンクを固めることにした。複数人で防いでダメージを分散する為にね。アタッカー部隊と遊撃部隊でタンクの回復時間を稼ぐのが基本戦法になる。質問がある人はいるかな?」

 

 青組のハフナーが手を挙げる。

 

「戦法に質問はねぇが、アタッカーと遊撃を混ぜなかったのはなんでだ?」

 

「役割固めだよ。タンクと同じ理由」

 

「わかった。簡単な理由を聞いて悪かった」

 

「いや、小さなことでも聞いてくれる方がいい。この作戦はかなり綱渡だから。踏み外しはしたく無い」

 

 不安になる皆を少しでも鼓舞する為に声を張った。

 

「……みんな、今回は抜け駆け攻略阻止の為に集まってもらったこと、本当に感謝する。ぶっつけ本番のボス攻略、不安になることは多い。それでもこのアインクラッド百層全てを攻略する為に、僕達はこの第五層のフロアボスを倒さないといけない。それはとても難しいもののはずだ」

 

 ここで僕は一度区切り、集まってくれた十数人を見る。

 彼等は緊張した面持ちでこちらを見つめる。

 

「それでもここに集まってくれた皆となら、フロアボスを倒せると思っている。皆の命、今日だけ、僕に預けて欲しい」

 

 そう言い切る。

 今回のフロアボス攻略の責任者は僕だ。彼らの明日は僕の選択で決まる。故に生半可な覚悟で挑むのは許されない。

 

「もとよりそのつもりだぜ!」

 

 ハフナーの声を皮切りに、彼らはやる気に満ちた声を上げる。

 

 士気は充分みたいだ。

 

「それじゃあ、フロアボス攻略精鋭部隊出陣!」

 

 総勢18人の最小レイドが第五層の迷宮区へと出発するのだった。

 

─────────────────────────

 

 今、僕達は迷宮区の扉の前で休憩をとっていた。

 おやつとしてユウキ達がマナナレナの街で買える、巨大なロールケーキを食べていた。主街区で食べれるブルーブルーベリータルトと同様の名物スイーツだ。

 各々、美味そうに食べている。エギル達兄貴軍団はそれはもうワイルドに手づかみで。すごい似合う食べ方だ。

 一方、FWKの面々はハフナーとオコタンが会話しており、反対にシヴァタとリーテンの2人は完全に恋人同士の距離でロールケーキを食べていた。

 

 あの2人そう言う関係なのか。

 また一つこのゲームをクリアしなければならない理由が増える。

 

 ウチのメンバー+ネズハは、学校の休み時間のような雰囲気で穏やかにロールケーキを楽しんでいる。

 そんな光景に僕は少しだけ、罪悪感が湧いて来る。

 ユウキ達に言われたように僕が全て悪いわけではないのだが、それでもこの光景は僕自身の所為なのだ。

 今、迷宮区までは特に危険に陥りるような事もなく、順調に進むことができた。

 迷宮区前の迷路も、外壁を登り迷路の上を通ることであっという間に攻略出来た。

 とは言え、警戒をしなければならない。もしかしたらこの攻略作戦もPK集団が見ているかもしれない、最悪のパターンであればこの作戦すら奴らの計画の内なのではないか。

 そんな疑問が頭に浮かんでいる。

 

「シュバルト?」

 

 長考しすぎていたのか、ユウキが僕の顔を覗き込んでくるまで、気が付かなかった。

 

「ユウキ? 何かあったのかい?」

 

「ううん。シュバルトが静かだったから、どうしたのかなぁって」

 

「なんでも「なんでもないはなしだよ」……」

 

 先手を打たれてしまった。ここ最近は単独行動を許されないのもあって、機敏を読まれているのだろうか。

 

「この状況もPK集団の思惑通りだと思うとね……」

 

 奴らの手のひらの上だと考えてしまう。ここで失敗して、壊滅させることが狙いなのでは? と考えてしまう。

 

 不安に駆られる僕の頬を両手ユウキが包む。

 

「なら、覆そう。あんな奴らの思い通りにならないって証明してやるんだってさ」

 

 黒い瞳は僕の眼を真っ直ぐ捉える。

 

「そうだね……弱気になってたみたいだ……ありがとうユウキ」

 

 気合いを入れ直す。

 大きく息を吸い、ふぅっと吐き出す。

 

「行くか……」

 

 そのまま迷宮区を進んでいく、アルゴが足で稼いだ情報のおかげだ。出現する敵mobも苦戦せず、仕掛けも殆どが意味を為さなかった。彼らのレベルも高く、装備の強化もきちんとされているようで、与ダメからそれがわかる。

 

「ネズハ。あのゴーレムの額にある紋章が見えるかな?」

 

「はい!」

 

「アレがこの層のゴーレム系の弱点だ。フロアボスにも同じようなものがついている」

 

「つまり、僕のこいつ(チャクラム)なら」

 

「そう、アルゴから聞いた情報だとボスはデカいゴーレムらしくってね。βと変わっていなさそうなんだ。君の力が必要になる」

 

「第二層のようにやれば良いんですね!」

 

「うん。だから頼むよ」

 

「了解!」

 

 だが、何が起こるかわからないのがこの製品版SAO。とんでもない仕掛けがあるかもしれないのだ。

 そうしているうちに、ボス部屋前にまた辿り着いてしまった。

 

「みんな! この先はフロアボスだ。何が待ち受けているかわからない。ひとまず責任者であり部隊長の僕が軽く偵察をしてくる。異論はあるかな?」

 

 それに待ったをかけたのは金髪の少女だった。

 

「オイラが行くヨ」

 

「いやいや、流石にそれは」

 

「もしかしたら階段が迫り上がって入り口を完全に閉められるかもしれないダロ? でもオレっちならすぐに逃げられル」

 

「こればかりは譲れない。君が行くのなら2人で行こう」

 

「むゥ……わかったヨ」

 

 アルゴと2人で行くこととなった。

 

「みんなは入り口の警戒を頼む」

 

「ああ」

 

「シュバルト、アルゴ、気をつけてね」

 

 残りのメンバーに見送られながらボス部屋へと入る。

 

「暗いままか……六層への階段もない……」

 

「ボスが出てくる気配もないヨー」

 

 暗いボス部屋を2人で歩いていると、部屋の中央に四角のラインが僅かに拡縮しながら、青白く光っていた。

 

「……」

 

 金髪の情報屋はそのラインに、恐る恐る近寄る。

 

「……アルゴ?」

 

「とりあえず、踏んでみるヨ」

 

 彼女はそのラインを踏む。1秒、2秒、3秒、4秒…そして5秒か経過したところで、辺りが青い灯りに染まり、淡く光っていたラインからとても強い光が放たれ、目が一瞬だが瞼を閉じてしまった。

 

「くっ……!」

 

 これがいけなかった。視界が塞がったその時、ラインを踏んだ彼女の足下にサークルが広がっており、下から何かが来るのがはっきりわかる。

 咄嗟に彼女はその場を跳び除けようとしたが、ゴーレムの手がサークルの中から生えてきたことで、バランスを崩し、尻餅をついてしまい、そのまま持ち上げられてしまった。

 

「アルゴ!」

 

 彼女を助ける為に跳ぼうと足に力を入れるが、

 

「来るな、シュバルト!」

 

 巻き添えを嫌ったアルゴに止められてしまう。

 

「くっ…!」

 

 高く高く持ち上げられた彼女はそのままゴーレムの手に握られてしまう。それと同時に何かが破壊されたエフェクトと共に青いパーティクルがキラキラと飛び散る。

 パーティーメンバーのアルゴのHPゲージはまだ緑ゲージのままだ。だがじわじわと減ってきている。

 

「このっ!」

 

 僕はゴーレムの手を切り付ける。しかし手はぴくりとも動きはせず、「ダメか」こぼす。

 通常攻撃では通じないと判断し、2連撃SSを試す。

 

「これならどうだ!」

 

 ホリゾンタル・アークで腕を切りつけると、今度のは効いたのか、痛みに耐えられなくなったゴーレムの手が開き、そこからフードつきマントが無くなった、アルゴが上から落ちて来る。

 

「アルゴ!」

 

 落ちてきた彼女は猫のように、くるりと空中で身を翻し、華麗に着地する。

 

「いやーびっくりしたナー」

 

「それはこっちのセリフだよ!」

 

「おワー!? オレっちのマントが!」

 

 そう言うアルゴに、僕は装備しているコボルト・ファー・マントを外して被せる。

 

「わぷ……良いのカ?」

 

「僕より紙装甲なんだから使いなよ」

 

「悪いナ」

 

 そんなやりとりをしている内に、ゴーレムの腕が引っ込んでいく。

 

「とにかく、一旦外に出るy「シュバルト! 下!!」

 

 僕の言葉を遮るようにアルゴが叫ぶ。

 先ほどと同じように足下にサークルが現れる。今度は遅れず腕を躱す。

 

「下! 下!」

 

「2本目か!」

 

 親指の位置を確認すると、どうやら左腕のようだ。

 手を躱して、走っていると、頭上からのサウンドエフェクトが耳に入る。

 アルゴの腕を掴み、上から降って来るナニかを回避する。

 

「ちぃっ! 今度は足だ!」

 

 スタンプによる衝撃波をジャンプで躱す。

 

「腕が2本あるってことハ!」

 

「当然足も…!」

 

 再び頭上からのSEを聞き、どこから来るか視認して、先ほどと同じように躱す。

 次の攻撃に備えて身構えるが、攻撃が止まってしまった。

 

「どういうことダ…?」

 

「アルゴ、足下を見てくれ…」

 

 僕の言う通り下を見るが、よくわかっていないようだ。

 

「僕らの足、偶然だけど、床のラインを踏んでないんだ」

 

「おオ……」

 

 今の情報でこのボス戦の作戦はある程度固まってきた。パーティ編成を役割で固めて正解だった。

 目の前に出ていたゴーレムの手足が引っ込んでいく。

 

「どうやら、ラインが踏まれないと手足は引っ込む見たいだナ」

 

「うん、このギミックを逆手に取れば、被害ゼロも、可能だ」

 

「とにかく、下にいるメンバーに伝えないとナ」

 

 そう考えていると、下から階段を登って来る足音が聞こえてきた。

 

「───おいっ、大丈夫か!?」

 

 ハフナーを先頭に残りのメンバーがボスフロアへと登ってきた。それぞれの足が次々とラインを踏んでしまう。床と天井にターゲットサークルが出現した。

 

「なんだ、まだボスは出ていないのか──」

 

 という、シヴァタの拍子抜けしたような声を、僕は大声で上書きする。

 

「総員! 回避! 上と下から攻撃が来る!」

 

 僕の叫びを皮切りに第5層のフロアボス戦が始まるのだった。

 

 





シュバルト
フロアボス攻略のレイドリーダーとして、この場に立つ。
色々な不安を抱えながらも、ユウキの言葉で前を向く。

えー、大変お待たせしました。
来年もよろしくお願いします。

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