SAO-絶剣と怪物狩り   作:小説大工の源三

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皆様大変お待たせしましたちょっと執筆意欲ゼロ期間が続きまして……前に上げたR18も、大分前に書き上げていたものを投稿しただけなので……




渓流と銀髪の少女

テリーside

 

 第十三層のフロアボスを危なげなく討伐した俺達は、解放された第十四層の地へ、足を踏み入れた。

 シュバルトはユウキ、ミトと共にアルゴへ攻略報告等をすると言い、ノーチラスも、火山で起きたことを確かめる為に、シュバルトへ着いて行き、その彼を心配して、ユナも行った。彼らと合流するまでは、俺が主導でこの層を攻略することになった。

 

 俺がメインで行ってた、砂漠や火山と違う、渓流のフィールドを目にする。

 

「森に向かってだ、シュバルト達はともかく、火山とか行ってた俺達は久しぶりに見る光景だな……」

 

「木の匂い……懐かしいね」

 

 フィリアも同意見のようで、深呼吸をして背伸びをする。

 その時に強調される中学生にしては実ったそれに、目が行きそうになるが、急いで目を背ける。幸いバレなかったようで、何も言われずに済んだ。

 

「副団長! これからどうしますか?」

 

「とりあえず前に進むしかないだろうな」

 

 主街区に行き、転移門を開けねばならない。

 そう考え、とにかく主街区を目指そうと前に進もうとした時だった。

 

「あぁ……薬師様がおっしゃられた通りだ…! 旅人が現れた!」

 

 目の前にクエストNPCが現れたのだ。

 

「あー…すまない。一体どうしたんだ?」

 

「驚かせてしまってすまない。俺はこの辺りで病人の治療にあたっている薬師様の弟子なんだ。その薬師様が『門より来る旅人の、最初の者達こそ大いなる力を持っているはず』とおっしゃったのだ。その通り待っていた甲斐があったよ!」

 

 薬師……つまりは医者か。その弟子が出てきたばかりのプレイヤーを待っているとは、どう言う事だ。

 キークエストの予感がする。

 

 俺は薬師に何があったかを聞くことにした。

 

「何か困り事か?」

 

「流石、異国から来た旅人だ…俺に頼み事に来たって、すぐにわかるなんて……」

 

「そりゃまぁ、俺達が来るのを待つやつなんか何かある人しかいないだろうしな」

 

「そうか……それで本題なのだが、薬師様は森の精霊に祈りを捧げる儀式も取り仕切っていてね。頼みたいのはそっちの方なんだ」

 

「「「「儀式?」」」」

 

「まずは、この先の西の方まで来てくれ。詳しい話はそこでするよ」

 

 そう言ってクエストNPCはフィールドの森の奥へ行ってしまった。

 

 どうしたものか。この後、主街区にも行かなければならないが、今のクエストを放置することもできない。

 

「副団長。僕達3人で主街区の転移門を開けてきますか?」

 

 リクがそう提案する。主街区までであれば、3人でも大丈夫だろう。先のボス戦でも彼らのヘイトコントロールは上手く、危険域に落ちたプレイヤーの危機を救ったのだ。

 彼らの実力ならば問題ないだろう。

 

「それなら頼む。俺たちはクエストを進めてくる」

 

「了解です。2人にも伝えてきます」

 

 リクがジークとソーキの2人に伝え、そのまま主街区まで続いているであろう、道を進むのを見送る。彼らの姿が見えなくなったのを確認し、俺達はクエストを進行させる為に、指定された場所まで足を進めた。

 

─────────────────────────

 

 そして指定された場所に辿り着いた俺達は辺りの様子を伺っていると、男性の悲鳴が聞こえてきた。

 

「た、助けてくれ!」

 

 キノコmobに襲われる薬師の弟子だったようだ。

 

「どうやら、俺達よりも先にキノコ達の熱烈な歓迎を受けたみたいだな」

 

「早く助けないと!?」

 

 俺達は武器を抜いて、キノコ共を攻撃し始める。

 最初の方に現れるmobなのもあり、対して強くなく、初級のSSを喰らわせるだけでも倒せるのだが。

 

「いかんせん数が多いな……」

 

「これじゃあキリがないよ!」

 

 更に一部のキノコから胞子が撒き散らされてしまう。

 

「キリト君! 胞子のせいで離れた所からもモンスターが!」

 

「くっ…! 囲まれて袋叩きにされたら不味いな……! テリー! 一旦、ここから離れて二手に分かれよう!」

 

「そうだな……このまま袋にされれば死だ。合流は余裕ができたら連絡する!」

 

 そう言って俺はフィリアと、キリトはアスナと共にこの場を離れてやり過ごすことにした。

 

「どこまで行くの?」

 

「一本道だ…!」

 

 広い場所はまた囲まれかねない。ならばローグライクゲームのように一本道で迎え撃つ方がいい。

 そう考えて、良さげな場所を探して走っていた時だった。

 

「テリー! 前から何か来てる!」

 

 自分の索敵範囲外から何かが来ていることに、聞き耳スキルで聞き取ったフィリアが警告する。

 

 挟撃されるのは1番不味い。

 

「まさか先回り「先回りされましたの!?」され……はい?」

 

 目の前に赤いコートを羽織った、銀髪ツインテールの少女が、俺達と同様に、キノコ達に追われていた。

 

「そう言うわけではありませんのね…… あなた達があのエネミーの群れを連れてきてしまったのでしょう?」

 

「いや、あんたも俺達みたいに追われて来たんだろ?」

 

「もしかして、私たちみたいに胞子で集まったエネミーから逃げてたの?」

 

「いいえ、逃げてなどいませんわ。有利な地形に移動しただけですわ。まさか、同じような方達と衝突するとは思いませんでしたけど……」

 

「なら、こっちに着いてきてくれ! 狭い通路で迎え撃つ!」

 

 俺は謎の少女を新しく連れて、通路へ走り、そのままキノコ達を迎撃する。

 狭いとは言ったが、エネミーが回れ込まれない程度の狭さで、俺達の武器を振るには、充分な広さがある通路だ。幸いにも俺達の武器は片手剣、短剣で謎の少女が持つ武器は血のように赤い片手剣だ。

 

「俺が真ん中で2人は左右を頼む!」

 

「了解!」

 

「任されましてよ!」

 

 俺達はSSを駆使して無双ゲーのようにエネミーを蹴散らしていく。その戦闘中、俺は少女が振るう武器の驚きの特殊能力を目にしてしまった。

 少女がエネミーを切りつけると、減っていた彼女のHPゲージが回復し、更には刀身に赤いオーラを纏っているのだ。

 直ぐにでも、その剣の事を聞きたかったが、俺は目の前の敵を蹴散らすことに集中する。

 

─────────────────────────

 

 なんとか追いかけてきたキノコ達を倒し、減ったHPを回復する為にポーションを飲み干す。

 

「ふぅ……何はともあれ、協力感謝する」

 

「こちらこそ、助かりましたわ」

 

「それで一つ聞きたい事がある」

 

「なんですの?」

 

「その剣、エネミーを切った際、HPを吸収していたよな?」

 

 そう問うと、少女は気づかれると思っていなかったのか、驚いた表情になる。

 

「まあ! その目は節穴ではございませんでしたのね!」

 

 間違いなかったようだ。

 

「お話しをする前に、お互いの名前を名乗りましょう。(わたくし)の名前はサーニャ。以後お見知りおきくださいませ」

 

「私はフィリア」

 

「俺はテリーだ。よろしくサーニャ」

 

「何処かで見覚えのある顔だと思いましたわ。貴方達、攻略組の方ですわね」

 

 どうやら俺達はそれなりに有名人になったようだ。

 

「それと、出会って早々に呼び捨てで呼ばないでくださる?」

 

「あー…すまん」

 

 確かに初対面で呼び捨ては失礼だったな。

 

「まぁいいですわ。歳もそこまで離れてはいないようですし」

 

 怒られずに済んだようだ。

 

「ところで提案があるのですけれど、先程のように度々エネミーに囲まれて足止めをされていては探索が進まないでしょう? そこで、腕の立つ護衛が必要ですの。あなた方なら信頼ができますわ。ご同行願えて?」

 

 どうやらパーティのお誘いのようだ。

 彼女に対して少し気になることもあるが、クエストの途中だ。キリト達がどうなっているかは、わからないのでクエストの事を伝えてから、判断しよう。

 

「そうだな……俺達はクエストの途中だが……」

 

「それなら、お付き合い致しますわ。腕試しに来た途端に胞子を浴びて、クエストを受けれませんでしたもの」

 

「それは助かる。ひとまず安地まで行こう。薬師の弟子が何処にいるかわからないしな」

 

「そうですわね。ここは落ち着きませんもの……またキノコ達が湧いてきても困りますし。私はお二人の後を着いて行きますわ。エスコート、よろしくお願いいたしますわね」

 

 

─────────────────────────

 

 先へ進んでいると、フィリアが辺りをキョロキョロと見渡し始めた。

 

「どうしたフィリア?」

 

「誰かに呼ばれた気がしたんだけど……」

 

 彼女がそう言うので、俺も索敵範囲に何かいないか探す。するとキノコ型モンスターが道端からのそりと、姿を現した。

 

「敵ですわ!」

 

「あー、もうしつこい!」

 

 俺達が戦闘体勢に移った途端、目の前のキノコが喋り始めた。

 

「待ってくれ!?」

 

「イベントモンスター!?」

 

「だから違うって! 俺だよ、俺!」

 

 キノコ型モンスターの皮がつるりと脱げて、中から見覚えのあるNPCが姿を現した。

 

「アンタは……薬師の弟子か」

 

 どうやらキノコ型モンスターに化けてやり過ごそうとしていたようだ。

 

「ふう……息苦しいし、走れないし、前はよく見えないと……緊急時とは言えなりきるのは楽じゃないな」

 

「き、着ぐるみだったの!?」

 

 あまりにも精巧な作りで騙されたフィリアは驚いていた。

 

「ああ。これも薬師様に教わった技術だよ。モンスターそっくりの皮を作って、儀式に使うんだ。これを被れば襲われるずにすむのさ! まあ……さっきみたいに間違われるのが玉に瑕なんだけどね」

 

 どうやら、俺達を待っている間は脱いでいたようだが、再び囲まれてしまい、また着た結果、俺達に間違われたそうだ。

 

「あの……こちらの方がクエストとか依頼主ですの?」

 

「お、新しい助っ人さんか? うん、そうなんだ。旅人さんに《森鎮めの儀式》を手伝って欲しくてね。その為に、キノコ共からごく稀に採取できる《彷徨い茸の燐火》が必要なんだが……」

 

「それなら私がいっぱい持ってるよ」

 

 そう言ってフィリアがストレージからアイテムを取り出し、薬師の弟子に手渡す。

 

 相変わらずのリアルラックだな……

 

「おお! 流石は異界渡りの旅人さんだ! 頼んで良かったよ」

 

 アイテムを受け取った彼はそのままポーチに仕舞い込む。

 

「これなら次の頼み事も問題無さそうだな。とは言え……これを獲るのは苦労しただろうし、十分に疲れを取ってからだ。俺はここで待っているから、準備ができたら声をかけてくれ」

 

 そう言って再び着ぐるみを被り、道端まで移動していった。

 

「さてと……一旦、キリト達やウチのギルメンと合流するか……」

 

「そうだね……サーニャはどうする?」

 

「私もご一緒しますわ」

 

 俺達はリクから伝えられた情報通りに主街区へと向かうのだった。

 

 

 

 

 





テリー
渓流の攻略序盤を先導。
副団長だからね。ちゃんとできるよ、ドラ6テリーだとそんなイメージが湧かないのだが。

フィリア
幸運の女神はキチンと回収している。流石ですね。
その幸運が羨ましい。

サーニャ
SAOIFプレイヤー募集により生まれたゲームオリキャラが本作に参戦。
今後どんな活躍になるのか……


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