SAO-絶剣と怪物狩り   作:小説大工の源三

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お待たせしました。
週一投稿間に合わねぇ……


新たな武器

シュバルトside

 

 泡狐の噛みつきや、爪の引っ掻き攻撃を盾を使い、真正面から受けずに、攻撃の威力を外へ逃すように住なす。ユウキ達が無事に撤退し、復帰する時間を稼ぐ。

 ヘイトがユウキ達には向かない様にダメージを与えられる時には刃の通る部位を攻撃する。

 

「この……!」

 

『キシャァァア!』

 

 僕は剣で爪を打ち払い、盾で受け流す。それを繰り返していると、武器の耐久が危うくなったのか、『ガギリ』と嫌な音を立てる。

 

「やばっ…!」

 

 流石に一人で怪物の相手をし、攻撃を受け続けたことで耐久値が大きく削られていた。

 

「……武器を変えるしかないか…っ!」

 

 僕はクイックチェンジで、両手剣を取り出す。ガードができる武器を選択した。今ストレージにはテリー達が使うような盾を持っていない。その中で選択肢は両手剣のみとなる。

 

「盾と違って、ガード能力が弱い…!」

 

 防御スキルである《武器防御》のスキルはモンハンスキルにしっかり内蔵されている。それの熟練度も上げてはいるものの、《盾防御》のスキルの方が高い。ガードで軽減できるダメージ量も違う為、先程よりも、ダメージが多くなる。

 

「おまけにあのスキル(・・・)を使おうにも、こいつ相手にはまだ早い……」

 

 あのスキルは手数が増える代わりに、守りが甘くなる。

 

「今できるのはこの両手剣でどこまでやれるか、だな」

 

 こちらが中々倒れないことにイライラしたのか、泡狐が威嚇の時よりも大きな咆哮を上げ、背鰭が赤く染まった。どうやら怒り状態に移行したようだ。

 

「うへぇ……こりゃやばいな…」

 

 突進を避け、噛みつきを往なし、引っ掻きを弾き、水圧レーザーを躱す。シャボン玉はスキルで受けて、逆にバフに変える。

 

「…泡対策……伝えておけば良かったな……」

 

 これは明らかに僕のミスだ。名前からの判別したとは言え、大泡状態で身動きすら取れなくなるとは思わなかった。

 

 攻撃の回避を繰り返しているうちに、ユウキ達のHPが安全域の緑に回復しているのを確認する。

 

「……とは言えこのままだとまた同じことを繰り返す可能性もある。ユウキ達には悪いけど、やるしかないか…!」

 

 僕は新たな狩技、《獣宿し【獅子】》を発動し、赤い血の色をした炎のエフェクトを纏った大剣を下から上に振り上げ一回転し、泡狐の顔面に一撃をぶちかます。

 

「ふーっ! ここから…!」

 

 僕は昂る感情を理性で抑えながら、両手剣を一度納刀し、泡狐から距離を取る。このままでは昂った感情のまま無駄な攻撃をしてしまう。

 

 獣宿し【獅子】は次に当てる攻撃の威力を増加させる、狩技だ。無駄に通常攻撃で消費するのはいけない。

 奴の行動をしっかりと観察し、大きなダメージを与えられる瞬間を見定めなければならない。

 

「はぁ…! ふぅ…!」

 

 獣宿しの副作用なのか、興奮状態が続く。視界がどんどん赤く染まっていく。不味い、早めにこれを解放しないと、暴れ出しそうだ。

 

 そう考えていると、泡狐が大技発動の前振りらしき構えを見せる。それに合わせて、僕は大剣を上段に構え、《震怒竜怨斬》を発動。泡狐は大きく飛び上がり、こちら目掛けて尻尾を叩きつけ、着地と同時にぐるぐると3回ほどその場で回る。

 隙だらけのその顔面に、獣宿しによって初披露時よりも威力の上がった一撃を喰らわせる。

 

『キシャァァァァア!?』

 

 とんでも威力に泡狐が大きく怯んだ。

 おまけに頭部の立て髪のような部分が砕けたのかボロボロになっている。

 

 獣宿しが解放されたことで、興奮していた頭が冷水を浴びたように冷えていく。

 

「……これを使うのは確実に一撃を喰らわせることができるタイミングだね。さて……ユウキ! ミト! ラヴィナス! 後よろしく!」

 

 泡狐の背後から3人がSSを発動させて飛びかかっていた。

 

「ここです!」

 

 ラヴィナスは短剣5連撃SS、《マーシフルマシナリー》で縦に素早く3回切りつけた後に。2連突きを喉元に喰らわせる。

 短剣固有のクリティカル効果の高さを活かし、弱点クリティカルによる大ダメージを与える。

 

「はァァァア!」

 

 続いてミトが両手鎌2連撃SS《ライテスネス》で赤く染まった背鰭を右下段から左へ斬り上げ〆字に左下段から右上へ斬り飛ばす。

 

「いやァァァア!」

 

 そしてユウキの片手剣4連撃SS《バーチカル・スクエア》を頭に叩き込み、泡狐が再び怯む。

 

「「「シュバルト(さん)!!」」」

 

 震怒竜怨斬の硬直から解放された僕は、隙だらけになった、泡狐の首筋に両手剣2連撃SS《リミック・エルプション》を放つ。下段からの斬り上げ、縦斬り叩き付けが喉を切り裂く。

 

『クラギャァァァ……』

 

 体力ゲージが0になり、フロース・ザ・フォックスは死に間際の咆哮を上げ、全身をポリゴン片に変えて砕け散った。

 

─────────────────────────

 

テリーside

 

 足を切断された俺は雷狼から距離を取り、欠損が治るのを待つ。

 その間も、仲間達が攻撃を続けている。

 フィリアが俺に変わって指揮を取り、ソーキが一人でタゲを受け、サーニャが攻撃を止めずに立ち回っている。

 逸る気持ちを抑え、どうするかを考える。

 

 動きを見切るんだ。

 奴の一挙一動を、雷の細やかな反応を全て覚える。

 

 そして遂に俺の失われた右足が戻る。

 軽く動かして調子を確かめる。

 

「よし……いけるな…」

 

 俺は落ちた武器を取りに走る。

 声を上げて俺が回復したことを伝えれば、雷狼にもタゲを向けられかねない。フィリア達が引き付けている間に武器を取り戻す。

 

「すまん皆! 足は治った! 復帰する!」

 

「了解!」

 

「ここからまた俺がメインでタゲを受ける! 3人は攻撃に集中してくれ!」

 

 青い雷を纏う奴の正面に立つ。バチバチと音を立てる稲妻が俺を威圧する。

 

「おおっ!」

 

 その圧に臆することなく、俺はレイジスパイクで肩の辺りを突き刺す。

 奴もこの程度で怯む事はなく、俺を振り払う。

 

「期待値はそこまで高くないが……使うか…!」

 

 ポーチから青い液体を取り出し、それを刀身に塗る。これはシュバルトが調合で作った片手剣専用のアイテムの一つ、減気の刃薬というものだ。

 これは片手剣の斬撃属性に打撃に似た属性を付与するものだ。

 頭部を殴れば、気絶するモンスターに気絶値を溜めることができ、それ以外を切れば、スタミナを削ることができる。

 まだ種類はあるが、今回はこれともう一つ、別の刃薬を使う。

 

「ここだ!」

 

 俺はSSを使わない通常攻撃で雷狼を切り刻む。

 胴体を切られ続けた奴は、刃薬の効果で疲労状態に入る。

 その大きな隙にソーキが背中に向けて曲刀4連SS《ダルード・ルーネイト》で背中の帯電していた甲殻と体毛が破壊され、溜まっていた電気が全て放電される。

 

「このまま頭を切る!」

 

 大きく怯んだ雷狼の頭をホリゾンタル・スクエアとバーチカル・スクエアで切り刻む。

 減気の刃薬で気絶値を稼いだことにより、奴は後ろに後退しながら気絶した。

 俺はポーチから別の赤い刃薬を取り出し、減気の刃薬のように刀身に塗る。会心の刃薬。武器の真クリティカルの発生確率を上げる物だ。シュバルト曰く30%ほど上がるそうだ。

 

「今だ!」

 

 俺達はこれ以上ない隙に全力攻撃を叩き込み、遂に俺達はスパーク・ザ・ウルフを討伐することができたのだった。

 

「ふぅ……犠牲者0……なんとか無事に終えたな」

 

「そうだね……テリーは足もう大丈夫なの?」

 

「ああ。問題ない。義足になったわけでもないからな」

 

 俺は足の調子を見せるように足首を回す。

 

「とりあえず戻るか」

 

「了解っす」

 

「わかりましたわ」

 

 俺達は主街区へ戻るのだった。

 

 

─────────────────────────

 

ユウキside

 

「ふぅ……倒した……みんなお疲れ様」

 

 そう言ってシュバルトは武器を背中に吊り下げる。

 

 今回、ボクはシュバルトの足を引っ張ってしまった。

 いきなりの大泡を喰らい、身動きを封じられ、隙だらけになったボク達は怪物からの大きな一撃で、回復して体勢を整えざるを得なくなってしまった。

 

 彼の手助けをして、彼を守る筈が、逆に助けられ、守られてしまった。

 

「ユウキ?」

 

「…っ! ど、どうしたの?」

 

「なんか浮かない表情をしてたから、何かあったのかなって」

 

「だ、大丈夫だよ…!」

 

 ボクは即座にそれを否定する。

 これ以上はシュバルトに心配をかけるのは良くない。

 

 ただ、ボクは気になったことがあった。

 シュバルトが震怒竜怨斬を撃つ前に使った狩技だ。最初はそういうエフェクトの狩技かと思ったけど、何か違う気がした。

 あの狩技を使ったあと、シュバルトの雰囲気がまるで獲物を喰らおうとする獣のように感じた。

 今は元通りだけど、もしあの状態が続いていたら、獣の雰囲気に呑まれてしまうのではないか。そうなったらと思うと怖かった。

 

「ねぇシュバルト」

 

「どうしたのユウキ」

 

「さっき君が使った新しい狩技……あれってどんなものなの?」

 

 ボクは後悔しない為にも聞くことにした。

 

「あれは獣宿し【獅子】って言って、次の攻撃の威力を倍増させるんだ。効果発動中はちょっとオーラが出てたり、目が赤くなるけど…悪影響はないよ」

 

「そうなんだ……だからあのモンスターにすごいダメージを与えられたんだね」

 

「まぁ、上手く攻撃を見切らないと自滅必死の大技だけどね」

 

「……次からは君にそれをさせないようにボク、もっと強くなるから」

 

 これ以上、シュバルトを危険な目に合わせてたまるもんか。

 

 ボクはより一層の特訓とレベル上げをすることを決意する。

 

「……ん? アレ? なんかクエストとは別になんかログが出てる……?」

 

「何か出たの?」

 

「うん……なんか第二層のアリストテレスの工房に迎えって……武器関連?」

 

 そのことにボクは一つ、思い当たることがあった。

 

「ねぇ。もしかしたら、シュバルトがモンハンスキルを取った時に手に入れた素材で武器を作ってくれるようになったのかも」

 

「……確かあの時、僕にはまだ早いって言ってたっけ……」

 

「うん。だから、今回のモンスターを狩猟したから、条件を満たしたんだと思う」

 

「ストレージの肥やしになってたこの素材達はようやく日の目を見れるのか……」

 

「早速作ってもらいましょう。正直、私も気になってたから」

 

 ボク達が話していると、その内容についていけてないラヴィナスがこちらを見ていた。

 

「あ、ラヴィナスはこの話、初めてだったね」

 

 シュバルトがモンハンスキルを獲得した当時のことを簡単に説明する。どうやら彼女はモンハンスキルのことは攻略本で知っていたが、詳しいことは知らなかったようで、唯一の使い手のことも、今日初めて知ったようだ。

 

 というか話していなかったんだ。確かに話すタイミングはなかったような気がする。

 

「どうやらテリー達も終わってるみたいだから一旦、主街区で合流しよっか」

 

 そう言うことで、ボク達も一度主街区にて休息と報告を兼ねて戻ることとなった。

 

 

─────────────────────────

 

シュバルトside

 

 主街区に戻り、週間で借りている建物にいるテリー達と合流する。

 

「テリー!」

 

「よう。そっちも終わったんだな」

 

「うん。ちょっと大変だったけどね」

 

「ああ言うのは苦戦するのは当然だろう」

 

「それでなんだけどさ……」

 

 僕は新たに出現したクエストログのことを話す。

 

「……なるほどな。俺も着いてきて良いか?」

 

「それは構わないよ」

 

「フィリアはどうする?」

 

「私はちょっと用事があるからいいかな」

 

「わかった」

 

 そう言うことで僕、ユウキ、ミト、テリーの4人で第二層よアリストテレスの鍛冶屋へと向かった。

 

「く、暗いな……それに深いな……」

 

「確かに初めてきたらびっくりするよね」

 

「私達も初めて来た時は驚いたもの」

 

 足音が響く暗闇の階段を降りていくと、変わらず壁に篝火が灯された扉を視認する。

 

「ここなのか……」

 

「どうやって暮らしてるのかわからないけどね」

 

 僕はそう言いながら扉を開ける。

 

「お久しぶりです」

 

「久しぶりじゃな坊主」

 

「ええ。それで頼みがあってきました」

 

 僕はモンハンスキル獲得クエストで手に入れた、素材を出す。

 

「これでCアックスを作ってくれますか?」

 

「……いいじゃろう。お前さんもヒヨッ子を卒業しとるしな」

 

 そう言うことで、アリストテレスさんに僕はリオレガスのCアックス《炎斧アクセリオン》を作ってもらった。

 

「おお……」

 

 僕はそれを手にして軽く剣を振る。

 リオレガスの顔を思わせる大きな盾。吐き出される炎を思わせる刀身の色。奴の鱗がふんだんに使われたこの武器は子供心を刺激させる。

 

「今のお前さんなら振り回されることもないじゃろうて」

 

「ありがとう。それじゃあユウキも倒した泡狐の素材で武器作る?」

 

「ボクはいいよ。シュバルトもそれで作りたい武器あるんでしょ?」

 

 そう言ってユウキは拒否する。

 

 確かに泡狐の素材を使った武器に欲しいのがあるが、ボクとしては武器を受け取って欲しい。ミトもここで武器を作るのだし。

 そう言えば、リオレガスとは別に乱入で来た番竜のリオレギスの素材があった。

 

「ならユウキ。こっちを使って武器を作って」

 

「……いいの?」

 

「この先作らなかったら余しちゃうだろうからね」

 

「なら、お言葉に甘えて」

 

 そう言うわけで、ユウキも武器を作ることとなった。

 素材を渡し、武器を作っていく。

 

「よし……出来たぞ」

 

 リオレギスの緑色の鱗を思わせる細身の刀身。毒々しい棘。

 

「プリンセス・エスパーダ……」

 

「なんと言うか……名前と相反する見た目だね」

 

「でも性能はすごいね……」

 

 そう、高い攻撃力に、ダメージ毒の属性が付いてる武器だ。

 

「さてと、私も作ってもらっても良いかしら?」

 

「おう、今の儂は気分が良い。いくらでも作ってやる」

 

 そう言うことでミト新しい両手鎌を作ってもらった。

 

「オーデイシアス・シックル…」

 

 僕らの武器とは違い、見た目はシンプルな両手鎌だ。

 ミトは新たな鎌を手に取り、軽く振る。

 

「これ……前に使ってたヴァリアブル・シックルと同じ機構がある……」

 

 まさかのスパイダーウーマン・ミト復活である。

 

「んじゃ、俺の番だな」

 

 そしてテリーも先程倒した、スパーク・ザ・ウルフの素材を使った片手剣を製作する。

 

「スパーク・ザ・エッジ……」

 

 青い刀身に黄色の刃が特徴的だ。盾も合わせて作ってもらったようで、剣に似たデザインだった。

 

 その後にもう一つ僕は武器を作ってもらった。お披露目がいつになるかはわからないが、強い武器なのは間違いない。この武器種の熟練度を上げる必要があるが、問題はないだろう。

 

「ふぅ……良い仕事をしたわい……そうだお前さん達、十三層のディノス・ファリアにいる研究者の娘を知っとるかね?」

 

 十三層の、と言われ、思い出すのはお守りをクエスト報酬でくれた彼女が脳裏に浮かぶ。おそらくは彼女だろう。

 

「はい。彼女からお守りをもらいました」

 

「おお。それなら話が早い。儂にはその力を解放させるのは無理じゃが、たしか、五十層にいるマカ錬金という術を使う者がいる。そやつならばお守りの力を解放することができるじゃろう」

 

 五十層……遠いな。

 

「教えていただきありがとうございます」

 

「うむ。これからも精進するのじゃぞ」

 

 彼の鍛冶屋を後にするのだった。

 

 

 




フロース・ザ・フォックス

みんなご存知タマミツネ。
まだ消散剤がないので大泡状態になってしまうと身動きが取れなくなってしまう。
流石にそこまで拘束されるとは思わず、ピンチに。

スパーク・ザ・ウルフ

お手の怪物、ジンオウガ。
小細工が少なく一撃一撃が重たいのでまともに喰らえば大ピンチ。

狩技

獣宿し【獅子】
下から切り上げる様に両手剣を振り回した後、剣から放たれていた血のような赤いオーラをその身に宿し、次の一撃の威力を増加させる。
効果発動中は金色のオーラが身体から立ち上り、目が魔物のように赤く発光する。

どうやら副作用で興奮状態になってしまうようだ。

刃薬

MHXにて初登場。
使ったのは減気と会心の二種類。
今回はテストということでテリーだけに渡している。
いずれは攻略本に載せて使用できるプレイヤーを増やすつもりである。


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