SAO-絶剣と怪物狩り   作:小説大工の源三

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大変お待たせしました。

そして今回、少し長くなります。
申し訳ない。

気軽に読める量を心がけてますが、今回、区切る場所がうまくいかずに……ズルズルと……


儀式

ノーチラスside

 

 僕達はシュバルト達が別件で離れている間、キークエであろう薬師のクエストを進めていた。

 素材集めはmob狩りがメインになるので、レベル上げを並行して行える為、こちらとしては一石二鳥だ。

 その際に、FWKとJWのメンバーと会った。彼らはボス攻略に参加できるほどのレベルがない為に、こうしてトップ層に隠れて(FWKは問題ないがJWは知られると不味い為)協力しあっているそうだ。

 僕としてもレベルはこちらを裏切ったりしないので、彼らを咎めることはない。誰だって死ぬのは嫌だし、僕だってそうだ。

 

 

「これで終わりなのかなぁ…?」

 

「だと思うよ。これ以上は流石にくどくなるだろうし」

 

 僕達はその素材を薬師に渡す。

 薬師はこれで素材は大丈夫と言い、これから儀式を行うと伝える。

 どうやらこの層に最初に足を踏み入れた僕達のギルドには重要な物を、それ以降のプレイヤーには、物量作戦のように必要数が多い物を依頼したそうだ。

 なるほどと、思っていると後ろから声をかけられた。

 

「貴方は?」

 

 問いかけた人物の姿は、所謂《野武士》と言う言葉が似合いそうな男だった。

 

「オレ様はギルド《風林火山》のリーダー、クラインって(モン)だ。アンタらのギルドマークを見るに……龍歴院の新メンバーか?」

 

「そうだが……もしかしてウチのメンバーの顔見知りなのか?」

 

「おうとも。アンタらのギルドに所属しているキリトってやつのな」

 

「そうなのか。自己紹介が遅れた。僕はノーチラス、隣のがユナだ」

 

「よろしく〜」

 

 そう言うと、クラインがジッとユナを見る。

 

「ノーチラスよう……隣の嬢ちゃん、すごいべっぴんさんじゃねぇか」

 

 確かにユナの容姿は綺麗だが、本人の前で言うか。

 

 どうやらこの男、軟派な性格をしているようだ。それはそれとして親しみやすいとも言える。

 

「どうもありがとう。クラインさん」

 

 褒められたことに満更でもないようだ。

 後ろにいるメンバーもクラインに自己紹介を始める。

 

「しっかしキリの字がここまでの人数に囲まれてるのをみてオレは安心したぜ」

 

「キリトと何かあったのか?」

 

「実はな──」

 

 どうやらクラインはこのSAOが始まったばかりの頃に、キリトがβテスターだと見抜いたことで教えを乞うたことで知り合ったそうだ。

 デスゲームになってしまった時も、キリトがクラインを連れて行こうとしたが、彼にはリアルの友人達とも落ち合う約束をしていたことで、そこまでの人数の面倒を見ることができなかったキリトがクラインを置いて一人で先に進んだことで別れたとのこと。

 なので、先に行った彼が心配だったようだが、僕達といる事を知れて安心したと言ったのだ。

 

「あの時は、ホント生きた心地がしなかったぜ……」

 

「ああ……僕も怖かった……あの日キバオウさんがβテスターの事を伝えていなければ冷静にもなれなかっただろう……」

 

「だね……でもそのβテスターって誰なんだろうね? 今度聞いてみよっか」

 

 そう言うと後ろでジークがいつ手に入れたか不明なカードをシャッフルしているかと思えば、その内の一枚を取り出し、それを読む。

 

皇帝(ジ・エンペラー)の正位置……ね……今回だと、リーダーって所か……意外と近くにいるかもな」

 

「なんでぇそら?」

 

 クラインがそう言う。

 

「タロット占いだ」

 

「ジークは昔からこう言うの得意と言うか当たるんですよ」

 

 リクが言うにはタロット占いはリアルでもよくやるそうで、的中率もほぼ100%らしい。ただあまり占いに頼るのも良くないので高頻度ではやらないとのこと。

 

 近くにいる……か……もしかしたら団長かも知れないな。

 

 そんな事を考えるが、今はクエストを進めなければいけないので、後で覚えていたら聞くことにしよう。

 

 僕は薬師に儀式は今からできるのか確認すると、それは可能だと言った。しかし、その儀式で焚く香は森の魔物を興奮させたしまうそうで、儀式が終わるまで、僕達は防衛戦をしなくてはならない。

 ただ香を焚く場所から離れている所に薬師の弟子が魔物を誘導しているそうなので、防衛対象が近くにいると言うことはないようだ。

 

「それでは皆様憂愁の渓流の東、その滝の中で……我が弟子がお待ちしています」

 

 そう言って薬師は去っていった。

 

 僕達は善は急げということですぐにその滝の中へ向かう。

 

「ここで間違いないな。クエストログも更新されて《魔物の群れから儀式を守れ》に変わっている」

 

 ジークがそう言うと後ろから遅れてクライン達も到着する。

 

「おめーら早いな。やっと追いついたぜ……」

 

「敏捷値の違いだから気にしなくていいかと」

 

「……というか、森の方から地響きの音が聞こえるんだけど」

 

 ユナがそう言うので森の方に向き直る。

 

「…うわぁ」

 

 僕が目にしたのはキノコの着ぐるみを着た薬師の弟子を追いかける大量のmobだった。

 

「うわぁ……」

 

 リクが苦い顔をしながら引いた声を漏らす。

 

 確かにこの光景は嫌な物だ。一体一体はさほど強くはないが、この量で群れられると、流石にキツい。

 

「あー……この場合……モンスタートレインになるのか?」

 

「そうですね……クラインさんは大丈夫ですか?」

 

「おうとも、天下無双の侍集団、クライン様達がこの程度でやられねぇさ」

 

「それじゃあ……防衛戦行くぞ!」

 

 別れて行動する際に、団長であるシュバルトにギルドメンバーの指揮権を持たされている。

 リクとジークにもその事は説明済みである。そして合流したクライン達にもその事は説明し、お互いのギルドメンバーにはそれぞれの現トップが指示を出す事となっている。

 

「まずはキノコのmobからだ! 胞子を出されてこれ以上mobを集められたら壊滅するのはこちらだ!」

 

「「了解!」」

 

「オレ達は他のmobをやるぞ! 龍歴院のメンバーの邪魔をさせるなよ!」

 

「「「「「応!」」」」」

 

 僕達は手分けして襲いくるmobを倒していく。

 キノコを優先的に倒していたお陰で、襲いくるmobの量が爆発的に増える事はなく、儀式が終わるまで無尽蔵にも思えるほど現れるmobを狩り尽くした。

 その結果、僕達のレベルが2つUPし、その上、色々な素材アイテムがドロップした。団長の調合素材としてお土産が貰えた。

 

「なんとか倒したな……」

 

「ああ……戦車(ザ・チャリオット)の正位置……終わりみたいだな……」

 

 ジークが流石にくたびれたのか、タロットで結果を判断していた。

 

 そんな疲れ切った僕達の前に、キノコの着ぐるみを着た薬師の弟子が近付いてきた。

 

「流石旅人さんだ! 俺の見込んだ通り、いい腕だったな!」

 

「……儀式は無事に終わったのか?」

 

「ああ! 滞りなく終わったさ。薬師様が特別なお礼を用意しているから、会いに行ってやってくれ」

 

 そう言って薬師の弟子は再びキノコの着ぐるみを着て薬師のところまで向かって行った。

 

 その後、僕達は薬師の元は行き、クエストの報酬と第十四層のフロアボスの情報を聞くことができた。

 どうやら大規模な薬師のクエストは森の王たる、フロアボスを鎮めるためのものだったようで、不思議な力を抑えるために、今回の儀式をしたと言うことだ。

 そしてそのフロアボスは巨大な大剣を使っており、その大剣に斬られると動きを封じられてしまうと言った。

 報酬のアイテムに関してはボス戦で役に立つようなものではなかった。

 

「アイテムは期待したものじゃなかったね、ノー君」

 

「ああ。そんな美味い話じゃないか……」

 

「まぁまぁ、スタン攻撃が来るってわかっただけでもデカいじゃねぇか」

 

「そうだね。クラインさんの言う通りだ」

 

「んでこの後はどうする? 俺達は一旦主街区に戻って団長達と合流するが、アンタらは?」

 

「俺達も戻るが、別の街で他に受けてたクエストの報告もあるから行き先は別になるな」

 

「なら、また今度ですね」

 

「おう! んじゃ元気でな!」

 

 クラインが5人のメンバーと共に別の街へ向かうのを見送り、僕達も主街区へと戻るのだった。

 

─────────────────────────

 

シュバルトside

 

 僕達は武器を作ってもらった後、クエストを報告の為に再び最前線の第十四層に戻ってきていた。

 クエストNPCである男性を探していると、クエストを受けた場所に立っているのを見つけた。

 

「どうも。言われたモンスターを倒してきましたよ」

 

「おお……流石、狩人様ですね……まさかあの竜を倒してしまうとは……これで、街の薬師も薬草を取りに行けるようになるでしょう……こちらは報酬になります」

 

 そう言って彼が手渡してきたのは前の層で貰った風化したお守りだった。

 

「それでは私はこれで」

 

 そう言ってNPCは去って行った。

 

「またお守りだね」

 

「4っつ目……効果が気になるよ」

 

 楽しみが増えたことを実感し、ノーチラスからクエスト完了の報告が来たので、いつもの場所で合流することにした。

 

「ノーチラス、お疲れ様」

 

「団長達も狩猟? お疲れ様です」

 

 お互いにクエスト結果を共有する。

 

「スタンか……厄介だね」

 

 行動を阻害してくるであろうスタンは最優先で警戒すべきだ。

 武器が大剣という情報も忘れてはいけない。

 ディアベル達が集めた情報も合わせて、明後日のフロアボス攻略戦で伝えなくてはならない。

 

「それで団長の方はどうでしたか?」

 

「クエスト報酬は前にもらった風化したお守りだったけど、クエストのモンスターを倒したら、肥やしになってた素材で武器を作って貰えるようになったから、それの武器を作ったよ」

 

 泡狐の素材で作った武器はユウキ達にも見せてはいない。すまないとは思っているが、この新しい武器種を知る者は少ない方がいい。

 

 この武器種が超強いと聞かれれば、使い熟せば、僕の知る限りの武器種だとDPSは最高と言える。しかし使い熟せなければ、ただの地雷武器に成り下がる。そんな武器種だ。

 

 第一層のフロアボスが使っていた、曲刀の先にある刀スキル。あの時のように問い詰められてしまえば、ギルドメンバーにも迷惑がかかる。このスキルはモンハンスキルを獲得したことで習得難易度が下げられている。普通に習得するのはとても大変なものだ。

 通常の習得方法が変わっているのなら、僕の知識は役に立たない。

 ユウキ達がこの武器種のことを知っていて、それを問い詰められたらどうなるか。

 ならばヘイトが自身に集まる方がまだマシだ。

 

 だがそれは彼女達が望んではいない。

 

 でも望んでいなくとも、彼女達に憎悪が向けられるのは僕が望まない。

 

「団長?」

 

「……ん? 何?」

 

「暗い表情をしていたから…」

 

「ああ、フロアボスが少し不安になっただけだよ」

 

「……やっぱり、スタンですか?」

 

「うん。動けないと言うのは、ほぼ死、だからね」

 

「……そうですね」

 

 ノーチラスの顔も沈んでいる。

 

 しまった。彼のFNCのことを失念していた。

 

「あー、ごめん」

 

「いえ、気にしないでください」

 

 その後、ギルドメンバー+サーニャとラヴィナスを含めた全員で明後日のフロアボス攻略戦を迎えた。

 

─────────────────────────

 

 フロアボス攻略戦当日。

 僕達は迷宮区の前で集まっていた。僕達以外にも、二大ギルドが集まっていた。しかし血盟騎士団の姿は見られなかった。

 

「これが攻略組ですのね……参加資格が得られるよう、腕を磨いてきましたが、少し不安ですわ」

 

「問題ないだろ、自惚れるつもりはないが、少数精鋭の俺たちと対等に連携できてるんだ。実力として認められない事はないだろ」

 

「そう言って貰えると少し自信が持てますわ」

 

 ディアベルが迷宮区の扉の前に立ち、会議の開始を告げる。

 そうして各々が集めた情報を共有する。僕達もスタンの件を伝える。

 

「なるほど……1番危険な情報だな」

 

「ああ……まともに剣の攻撃は喰らえないな」

 

「壁役のメンバーは、必ず盾か武器で防御をせなアカンな」

 

「シュバルトさん、ありがとう」

 

「お礼なら僕のギルドメンバーに言ってあげて」

 

 そう言って僕は一団の中へ戻る。

 フロアボス攻略の会議が終わったその時だった。

 

「ちょっと待ってもらおうか」

 

 その声を聞いた途端、僕のギルドメンバーの過半数が顔を顰めた。

 そうドライアだ。

 

「そこの銀髪の女」

 

「私ですか?」

 

「貴様だ。貴様、今使っているその魔剣。噂の物で間違いないな?」

 

「ええ、間違いありませんわ」

 

「その魔剣、言い値で買い取ると言ったらどうする」

 

「申し訳ありませんが、私はこの剣を売るつもりはありませんわ」

 

 サーニャがそう言うと、ドライアの後ろから赤髪長髪の男──カーロスが現れる。

 

「しかしですね、その魔剣はユニークウェポンなのですよ。どこで手に入れたのか、教えていただくだけませんか?」

 

「いいですわよ。と言っても特別なクエスをクリアした訳ではありませんわ。シュルーマンからのドロップですわ」

 

 手に入れた理由を聞いたJWのメンバーはどよめきだす。それだけで済めばよかったのだが、彼らは止まらなかった。

 こうなった時、いつも聞く金切り声が響く。

 

「なんだよそれ……汚ねぇぞ! ネコババじゃねぇか!」

 

 この声を皮切りに、JW側からどんどん声が上がっていく。

 

「死んだ人から奪い取った武器を使って、強くなって……それで、いい気になってたのかよ!?」

 

「そいつに申し訳ないとか思わねえのかよ! この冷血女!」

 

「髪色見たく血も涙もねえ奴だな!」

 

「み、見殺しにしたんだ! 元の持ち主にMPKを仕掛けて……それで奪い取ったんだ!」

 

 流石に最後のセリフにカチンと来たのかサーニャは、

 

「……今、発言をしたのはどなたですの?私を人殺しだとおっしゃいましたわね。あまりに愚劣な濡れ衣ですわ」

 

 と、言い張った。

 

「何が濡れ衣だよ! ビーター達とつるんでるんだ! 仲良くなる理由に卑怯な性格があるんだろ!」

 

 遂にフィリアもキレたのか、サーニャの前に立ち、叫ぶ。

 

「いい加減にしてよ! 毎回毎回! いい歳した人が恥ずかしくないの!」

 

「人の命が関わってるんだ! 歳の差なんて知るかよ!」

 

 ますますヒートアップしていく。

 

 こうなるとヘイトを別に移さないと止まる事はない。

 

 仕方ない。ユウキ達には怒られるかもしれないが、引き受けるしかないようだ。

 

 僕は態とらしくため息を吐いて、彼らの前に出ようとした時だった。

 こちらの考えを読んだか、同じ事を考えたのかわからないが、テリーが僕よりも早くため息を吐いてJWとサーニャの間に割って入った。

 

「くだらない嫉妬で会議を中断しやがって……お前らいい加減にしろよ」

 

「な、なんだと!」

 

「何が下らないだ! MPK女を問い詰める事の何が悪いんだよ!」

 

 それに対して彼は、気にも留めないように口を開く。

 

「そもそもシュルーマンの本来のドロップ品がわかってないんだよ。シュルーマンによく似たmobが第一層に出てきたんだが、そいつのドロップ品は《ウィンドフルーレ》だった。似たようなモンスターならば、似ている武器の強いものを落とすかもしれないだろ? ましてや盗むmobだ。サーニャの魔剣も相手のHPを吸い取り強くなる。HPを盗んでいると考えたスタッフがいるかもしれないだろう」

 

「だ、だがそれは攻略本には載ってないだろうが! 何を言ってんだよ!」

 

「ああ載ってないな。だが載ってないからと言って確定とも言えないだろう。同じようにサーニャがMPKをしたなんて、誰も見てないんだ。要するに決めつけるんなら、ちゃんとその現場をみてから報告するんだな。単細胞共が」

 

 完全にヘイトがテリーに向いたのか、サーニャには目もくれずに、彼に向けて騒ぎ始めた。

 

「じゃあそれを調べろよ!」

 

「はぁ? なんで俺がお前達を納得させるために時間を割く必要があるんだよ。そもそもお前達が会議中にこんな事を言わなかったら、もっと早くフロアボスに挑めてたんだ。時間を無駄にさせた責任は、お前らが取って自ら調べに行けばいいだろ」

 

 そう言ってテリーは僕達の集まりに戻ってくる。

 これ以上、問い詰めると立場が悪くなるのは向こうだと分かったのか、以降は何も言う事はなかった

 

「あ、貴方……もしかして馬鹿なのですか!?」

 

「そ、そうだよ! これで逆恨みを買って闇討ちされたりでもしたら!」

 

 戻ってきたテリーに対して、サーニャは問い詰めるように彼の肩を掴み、フィリアも彼女の隣で問い詰める。

 

「…いや? うるさい奴らを黙らすんにはこれくらいしないとダメだろ。闇討ちなら、そんな事した瞬間、疑われるのは奴らだからな。そんなリスクを負ってこれ以上、攻略組での立場が危なくなるのは向こうも避けるだろうさ。それにウチの団長様が、痺れを切らして同じ事をしそうだったからな」

 

「やっぱり同じこと考えてたんだね」

 

「ああ、お前ならこうすると思ったからな。気に病むなよ? 俺も覚悟はしてる」

 

 そう言ってテリーは掴まれたサーニャの手を払い、僕の隣に立った。

 

 その後のフロアボス討伐戦は、誰1人犠牲者を出す事なく、あぶない場面もなく、ディアベルの指示とそれを支える僕達攻略組によって完遂された。

 ただ、JWのメンバーが第五層で僕が渡したフラッグの効果に頼り切りだったのか、攻撃の回避がワンテンポ遅れた者が何人かいたことが気がかりだった。

 

 それはそれとして、今回のLABは僕が獲得し、フロアボスが使っていた大剣と似たデザインの大剣だった。

 

「今回も犠牲者が出なくてよかったね」

 

「うん。これからもそうだと良いんだけど……」

 

 ユウキと話していると、テリー、フィリア、サーニャの3人が当たりを見渡していた。

 

「どうしたの? 3人して」

 

「いやなに、言いがかりをつけてきたレザーマスクの男を探してたんだがな……姿が見えなかった」

 

「どうせ口だけの男だったのでしょう。ボス攻略には参加させられずに部屋の前で待ちぼうけをさせられた…と考えるのがよろしいかと」

 

「……そう…なのかなぁ……私はわざと参加しなかったんじゃないかな……」

 

「ま、ここで考えても意味はないだろ」

 

「そうですわね。私は先にサーシャのホームに帰らせていただきますわ。龍歴院の皆様、お世話になりましたわ До встречи(また会いしましょう)

 

 ひとまずこの件は後にし、上の層へ向かおうとしたその時だった。

 

「シュバルト、テリー。ちょっと良いか?」

 

 キリトが真剣な表情で僕達を呼び止める。

 なにやら重要な話があるようだ。

 

「ユウキ、ギルドメンバーを連れて先に行ってて」

 

「? わかった。でも早めに来てよ」

 

 ユウキ達が先に行ったのを見送り、僕達はボス部屋でキリトに連れられて、その場に残ったディアベル、リンド、キバオウとキリトの話を聞くこととなった。

 

「集まったな……5人に話す事はこれからあまり公言しないで欲しい」

 

 それに対して僕達は頷く。

 それを見たキリトが言葉を続ける。

 

「俺達の敵はフロアボスや茅場だけじゃない……それは薄々気づいているか?」

 

「ああ、モルテがスパイをしている時に最悪の想定をしていた」

 

 ディアベルが言うには、JWは隠れ蓑で、ごく一部のメンバーが攻略自体を妨害している可能性があると。ドライアは祭り上げられたスケープゴートの可能性。

 僕自身も、ネズハに強化詐欺の方法を伝えた眼帯マスク男にちょっかいをかけられた。

 

「……やはり、か」

 

「生きて帰ること諦めた奴らんかね……そないな奴らに負けるんわ、ワイは嫌やで」

 

「とにかく、JWのメンバーで明確に注意するのはレザーマスクの《ジョー》って男だな」

 

「ああ、ただ下手に刺激するのはダメだ。逆にこちらが糾弾されかねない」

 

「ああ、何かあればすぐ、この5人の誰かに報告だな」

 

 と、話は一度これでまとまり、上の層へと僕達も向かうのだった。

 

 

 

 




今作初めてのノーチラス視点。口調大丈夫かなあ……
キリト達はこの間、別のクエストを進めてます。
出番が少なくてすまない……この層、基本的にキリアスはあまり出てこないんや……

そして長くなった……
ノーチラス
実は指揮権を渡されるくらいにはシュバルトに信頼されている。

ジーク
実はタロット占いができる。
前にも書いた通り、キャラコンセプトの中にダンボール戦機に登場する、箱の中の魔術師こと仙道ダイキがあるので、それの占い設定です。
対するソーキには地獄の破壊神、郷田ハンゾウがあったりします。

JW
ここまで来るともはやアレです。
しかし、こんな集団になったのも理由があるのです……なのでもうしばらくお時間を……
まぁ大した理由じゃないかもですが……

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