理由は後書きに……
シュバルトside
更に層が進んで二十層。
僕達、龍歴院は誰1人欠ける事なくアインクラッドを攻略することができた。
「ようやく5分の1か……」
「まだ80もある……」
「でも誰も死なずにここまで来れたんだ。このまま行こう!」
ソーキ達がそう言う。
確かにクリアまで遠いが、誰1人攻略組から脱落者が出ていない。
しかしその事に攻略組の空気感が緩んでしまっていると、僕は感じている。勿論僕のギルドメンバーには引き締めるように伝えているが故に、彼らは街中では楽しく会話をしてたりするが、フィールドでは常に気を引き締めている。
「とりあえずはフィールドの特色とか把握したいね」
「……見た感じ中南米っぽいね」
「階層直通の階段から出た所も中南米にある遺跡みたいだったわね」
「出てくる敵もそれに因んだものなのかもな」
「なら早速、情報を集めましょう!」
ソーキが先に突っ走ろうと草原を走ろうとし、一歩目を踏み出そうとしたそのとき、ジークが彼の足を払って足止めをする。
ソーキは頭から転び、そのまま顔面を打ちつけてしまった。
「いてぇじゃねぇか!」
「危険なところに突っ込もうとしたお前は止めたんだ感謝して欲しいな」
「なら首根っこ掴むで良いだろ!」
「……で、団長どうしますか」
「無視すんな眼鏡!」
「うーん。とりあえずは辺りの散策かな? あとは主街区までの移動だね」
「団長まで!?」
ショックを受けているソーキを放置して、これからの方針を決める。
出てくる敵mobは序盤のものだからかそこまで強い訳ではなかった為、サクサク、進み主街区ソチミルコに辿り着いた。
転移門を有効化し、今日一日は自由時間にする事とした。
ユウキとミトを何とか説得して僕は一人で出歩くことができた。
何というか心配しすぎなのではないかと思う。
「さてと……久しぶりにゆっくりするとしますか」
僕は足りなくなってきた食材を買う為にマーケットをがある場所を探す事にした。
「と言っても水上都市だからなぁ……」
第四層のような船が必要なほどではないが、移動が少々手間だ。
「お、ここか」
僕は目当てのマーケットを見つけ、店員NPCに話しかける。
品揃えはどこでも売られている物が多い。だが、ソチライスという初めて見るアイテムが目に止まる。
足りなくなった食材とその米を買う。
ソチライス
水分の吸水性が高くない米。
味付けには気をつけるべし。
「……バターライスとかに合うのかな?」
そんなことを考えて他の店を覗こうとしたその時、見覚えのある後ろ姿を目にする。
「あれ? ラヴィナス?」
「? シュバルトさん?」
「君も来てたんだね」
「はい。新しい層に来た時に真っ先にこちらへ」
「君も料理スキル持ってるの?」
「いえ、実は祖父母の家が農家で、その影響もあって作物を見るのが好きなんです」
「へー……それでこう言った食材アイテムを見てたんだ」
「ええ。何というか畑から採れたような物を見てると、リアルの自分を忘れずにいられる感じがして」
「そっか……」
それからは彼女と色々見て周り、目利きが効くようでどの食材アイテムがオススメか教えてもらいながら、僕は不足分とこれから先の食材アイテムを購入した。
「今日はありがとう」
「私も楽しかったです」
「お礼と言っちゃなんだけど、ギルドで宿を取ったから、そこで料理するつもりなんだけど、一緒にどう?」
「良いんですか?」
「もちろんさ」
「なら、お邪魔します」
僕は彼女と共に長期で利用予約をした宿へと向かう。
暗がりの道を歩き、既に明かりが灯った宿屋に辿り着く。
「ただいま〜」
「おかえりシュバルト…? あれ? ラヴィナスも一緒なんだ」
「うん。彼女を誘ったんだよ」
本日はユウキがメインで調理を進め、出来上がった料理を全員で食べ終える。
「ボクが片付けておくからシュバルトはゆっくりしてていいよ」
「なら……お言葉に甘えて」
僕は椅子に座ったままメニューを開き、所持アイテムの整理とまだ使っていないスキルポイントをどう振り分けるか考える。
モンハンスキルの熟練度も上がり、新しい狩技を覚えて、選択肢に幅が広がった。
こうして自分のステータスを見るのは、やはりゲーマーとしてのワクワクを思い出す。
「あの……シュバルトさん」
「……ん? どうかしたのラヴィナス」
「実は……」
そう言ってラヴィナスは可視化状態にしたメニューを僕に見せ、聞きたいことであろう物を指差している。
「どれどれ……」
その文字を見て僕は目を見開き、驚く。
「な……! このスキルは……!」
「し、知ってるんですか…!?」
「……うん」
まさか彼女も持っていたとは。
「どうしたらいいのかわからなくて……」
「使い熟せれば本当に強い……けど、下手すれば前よりもダメージ効率が落ちる」
「……シュバルトさんはそれを使い熟せるんですか…?」
「ああ。と言うより僕の本来のメイン武器だからね」
僕がそう言うと、ラヴィナスは数分ほど悩み、答えを出した。
「……私にその武器の使い方を教えて下さい」
彼女の目は、悩んでいた先ほどの目と違い、新しい物を覚える事に対して決意を抱いたものへと変わっていた。
「わかった。ちょいとスパルタになるけど、しっかり着いてきてね」
僕はこの事は誰にも言わない事を約束させ、ユウキ達には内緒でスキルの練習をすることとなったのだった。
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テリーside
そんなこんなで二十層に来てから1週間、事件が起きてしまった。
俺達が色々な所を散策したり、クエストを受けたりしていた日の事だった。
かつて第五層のフロアボス討伐作戦に参加してくれた、キバオウ達のグループに所属している、リーテンからの報告により判明した。
「まさかリンド達が行方不明になるとは……」
詳しく話を聞いたところ、クエストを受けていたリンドのパーティーが帰って来てない事に違和感を感じたリーテンが調べた事により発覚したようだ。
しかもその中には彼女の恋人であるシヴァタもいたのだ。
どうやら彼等も攻略に必要な情報がないか、虱潰しにクエストを受けていたようで、どんなクエストを受けているのか、ギルド内でも把握できていないようだ。
どうでもいいが、その失態を聞いたJWの連中はこれを幸いにとクエストを大規模に受け始めた。
兎も角、俺達は彼等の捜索をしなければならない。
「チーム分けはどうするんだ?」
「……何か嫌な予感がするんだよね」
シュバルトは重い表情でそう言う。
確かにこう言う時、あのPK集団が裏で暗躍している。そう考えるとJWのメンバーである、金切ジョーに疑いがかかる。
だが今回は、クエスト中に行方不明になったのだ。ジョーのやつがFWKに声をかけるのは、あり得ない。
ましてやPK集団を警戒しているリンドだ。
「とにかくメンバーを決めないとね……」
固めるとしたら普段から行動している面々で組むのが丸いだろう。
そうして決まったメンバーは、【シュバルト、ユウキ、ミト、ジーク】、【キリト、アスナ、ノーチラス、ユナ、】、【俺、フィリア、リク、ソーキ】となった。
「それじゃあ…全員、『命、大事に』で行動だよ」
「「「「「おう/うん」」」」」
俺達は、手分けしてフィールドを駆け回り、リンド達の手がかりを探すのこととなった。
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まず、フィールドに出る前にプレイヤーに聴き込みをしたが、全く進展はなかった。
「やはり、リンドさんがどこに行ったか知ってる人はいませんでしたね……」
「ま、そう簡単にわかってる人がいたら、騒ぎになってないよな」
「んじゃ……フィールドに出るか」
俺達はようやく、フィールドに出て捜索を開始するのだが、どこを探してもリンド達の手がかりを見つけることができなかった。
「情報なし……手詰まりっすね……」
当てもなく俺達はフィールドを散策する。
「ん? クラインにエギルか?」
「テリーじゃねぇか! こんな所でどうしたんだ?」
俺は2人に事情を説明し、手が空いていれば手伝ってくれないか聞くと、2人は快く引き受けてくれた。
更にフィールドを散策していると、前方に3人のプレイヤーが立っているのを見つける。彼等に聴き込みをしようと近づく。
「あら? お久しぶりですわね」
「サーニャ…! お前も来てたのか」
第十五層を共に攻略した銀髪ツインテールのサーニャだった。他にはアルゴとリーテンがいた。
「ええ、攻略組として当然ですわ。ただ今は攻略とは別件で行動していますが……」
「別件……リンドか?」
「やはり貴方達もですか。私もリーテンとアルゴに頼まれてこの層を探し回っていますが、進展はありませんでしたわ。其方は?」
「こっちもだ。リンド達がなんのクエストを受けているのすらわからん……」
「そんな……シバ……どうか……無事でいて……!」
手がかりが一向に出ない事に、不安な気持ちが隠せなくなったリーテンは、藁にもすがる想いを込めて両手で祈るように手を頭に当てる。
その時、彼女の手の隙間から青い光が漏れる。
それに気づいたアルゴが真っ先に反応する。
「リッちゃん! もしかしてソレ……!」
リーテンは握っていた手を開き、持っていた物をこちらに見せる。
「えっと……この木の実ですか? この層に来てから手に入れて……シバと分け合ったんです」
「でかしたゾ! リッちゃん! これでリンド達の居場所がわかるかもナ!」
アルゴの話によると、リーテンとシヴァタが分け合った木の実は、二十層で流行っているお守りで、持っていれば離れている所でも信号を送って相手に自分の状況を伝えることができるいわゆる通信アイテムであった。
更にリンドのパーティーの中にはリアルで船舶免許を持っているプレイヤーがいるようで、トンツー通信をかじった知識のアルゴが木の実を光らせ、やり取りをする。
そして帰ってきたのは数字で、それをマップの座標に照らし合わせる。
「この座標は……ここから少し離れた古代遺跡ダンジョンか!」
「わかったのなら急いで行きましょう! 俺はいつでも行けますから!」
「まてソーキ。行くにしたって、クラインとエギルのギルメンが揃ってないだろう!」
「ジーク、今回はソーキの意見に賛成する。どうやら時間がないみたいでな……向こうから『時間がない』の連絡から反応がない」
「それって向こうに何かあったの確定じゃない!」
「ど、どうしよう……シバに何かあったら……私……」
「俺が先頭になる。急いで遺跡ダンジョンに向かうぞ!」
Q.
同じギルドに所属している筈のアルゴが別行動してるのなんでなん?
A.
情報屋が一つのギルドに肩入れしているのを見られるのを避ける為。
ギルド所属マークが出はするが、基本パーティを組まなければそれを見られることはないので。
ステータス画面を見るとワクワクを思い出すんだ。
皆様大変お待たせしました。
夏の繁忙期に入り、仕事も忙しくなり、X(旧Twitter)で投稿した通り、メンタルがやられて、気力が0の日々が続き、ズルズルと時が過ぎてしまいました。
本当に申し訳ない。
オトモアイルー参加させる?
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はい
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いいえ
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猫ー!