寒くて毛布にくるまってぬくぬくしてたら寝てしまいました。
シュバルトside
ラヴィナスのう◯こ採取依頼&ギルド加入から数日が経過した。その数日でたむの技能が少し増えた。まず笛の技能《回復笛》、《鬼人笛》、《硬化笛》の技能が攻撃技能として、《ネコまっしぐらの技》、《巨大ブーメランの技》の5つだ。便利な物ばかりだ。
遂に迷宮区の最奥部、フロアボスの前にまで辿り着いたとディアベルから報告があった。
そう言うわけで、僕達も当然そのフロアボス攻略戦に参加するが、このギルドに加入したばかりのラヴィナスを参加させるかどうか悩んでいる。
直接本人に聞けば良いのだろうが、彼女は今までフロアボスと闘うためにこのデスゲームを生きていたわけではないはずだ。クライン達のようにスタートダッシュが遅れてからも、追いつく為に諦めずに戦った訳ではないのだ。
仮に参加すると言われた時、彼女には例のスキルは使わせないようにするつもりだ。
あのスキルを使った彼女に、JWのプレイヤーが押しかけるのは想像に難くない。同じスキルを持つ僕が先に使えば良いと思うだろう。このスキルの使いづらさは、開発者である僕がよくわかっている。
他の開発スタッフに使ってもらったのだが、大体の人が使い熟すことができなかったのだ。
正直、ラヴィナスが使い熟している事に僕は驚かされた。
「悩んでも仕方ない。直接本人に聞こう」
僕はラヴィナスにメッセージを飛ばして確認する。
すぐに返事が来る。
『シュバルトさんがよろしければ、私も参加させてください』
と、書かれていた。
「そっか……ならその意思は汲み取らないとね」
あのスキルが使えるのだ、センスは問題ないはずだ。
僕は参加メンバーのパーティ編成を考える事にした。
今回のボス《ザ・ワンアイド・ビースト》はSSを使わないとまともにダメージを与えられない防御力に、攻撃は近遠対応可能と言う。
僕達のメンバーでSSを喰らわせるタイミングが上手い、ソーキは前衛になるだろう。彼のサポートと連携ができるリクとジークは固定で同じパーティになる。そうすると今回は連携を重視した方がいいのかも知れない。
なら編成するメンバーも自ずと決まってくるだろう。
まず僕はよくパーティを組むユウキとミト、テリーとフィリアもギルドメンバーの中では付き合いが長いが、スキルアップの為にお互いに隠れてパーティを組んでいたラヴィナスは今回は僕のパーティメンバーに入れておきたい。
そうすると、テリーとフィリア、キリトとアスナ、ノーチラスとユナの6人でパーティを組む事になる。
余った1人と、ソーキ達のトリオをどうするかだ。
「ディアベルと相談かな……」
僕はディアベルにフレンドメッセージを送る。
少ししてから、彼から返信が来る。
『わかった。こっちもパーティメンバーで悩んでいたところだった。俺達の方で4人考えておく。後で連絡する』
ディアベルからの連絡を待つこととなった。
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フロアボス攻略当日。
ディアベルから連絡を受け、攻略前に彼に紹介されたメンバーと顔合わせする事となった。
「で、ディアベルさんから連絡を受けて俺達が選ばれた訳だが……」
「第五層のフロアボスを思い出しますね」
と、ハフナーとオコタンの2人が顔を見合わせながら懐かしむようにそう言う。
オコタンの言う通り、ディアベルが僕達に会わせてくれた4人は第五層でJWの抜け駆けを阻止する為にFWKのメンバーで手を貸してくれた人達だった。
僕はディアベルに感謝した。なんと言うベストメンバーを選んでくれたんだと。
ハフナーは僕達5人メンバーで一撃の重いアタッカーを熟せる両手剣使い。リク達のトリオにはタンクとして防御ができるシヴァタとリーテン。そして長物の武器でサポートをするオコタン。
「あの時みたいに犠牲者ゼロで倒せるように頑張ろうぜ」
「ああ」
そうして、彼等にメンバー編成を伝え、迷宮区前に既に集まっている攻略組と合流する。
JWのリーダーであるドライアは此方を一瞥した後、すぐにそっぽを向く。
相変わらず嫌われているな……
僕は彼等を気にせず、青と緑を半々に分けた鎧を身につけたディアベルに声をかける。
「お待たせディアベル」
「やぁシュバルト。俺達も今着いた所だよ」
「今回のボス戦の情報……中々めぼしいものが見つからなかったね」
「ああ……シュバルト達が見つけられないんだ。今回はそうなのかも知れない……」
「シヴァタとリーテンに渡したベルトがボス戦で何か起きるのを少し期待してるくらいだ」
「……クエスト報酬のやつか」
そこで話は打ち切り、僕のギルドメンバーの所まで向かう。
その後、クライン達の風林火山やエギルのツーハンデットビルダーズの面々、ソロプレイヤーのサーニャも迷宮区前に集まる。
ディアベルが迷宮区突入の音頭を取り、攻略組の全員が突入する。
内部の敵mobは特に強いと言うわけでもなく、安定して倒すことが出来ている。
ポーションも使うことはなく、たむの薬草笛で完全回復できる程度のダメージしか受けなかった。
いつものように、誰1人脱落することなくフロアボスの扉前まで辿り着く。周囲のレイドメンバーにも疲労の様子はない。
小休憩を挟み、HPの減っていたプレイヤーも全快し、それを確認したディアベルは扉の前に立つ。その両隣にはいつものようにリンドとキバオウが立つ。
「みんな! 準備はいいか?」
それに対してレイドメンバーは勇ましい声を上げて答える。
「今回のフロアボス《ザ・ワンアイド・ビースト》は前にも確認した通り、広い攻撃範囲に、高い防御力を持っている! しっかりと攻撃と防御のローテーションを回せば脱落者が出ることはないはずだ!」
「一つの油断がレイドを総崩れにする。ボスの一挙一動に目を離すなよ!」
「ええか! 高い防御力と言ってもSSが通らへんわけやない! しっかりと壁役が踏ん張って、攻撃役を守るんや! そしたら必ず倒せる!」
「行くぞ!」
ディアベルを先頭にレイドメンバーはボス部屋に突撃する。
全員が部屋に入ると、扉が閉まり、それと同時に暗いかった部屋は明るくなったが、それでも薄暗い。
そして部屋の最奥には全身が黒いゴリラのようなモンスターが鎮座しており、凶悪な顔付きに額には緑色の宝石のような目、武器を右手に持っており、それは杖のようなメイスだが三叉の槍のようでもあり、棘が至る所から生えていて、まともに喰らえば致命傷は避けられないだろう。
鳩尾や腹部にも目があり、とても不気味だ。
「総員! 抜刀! 突撃!」
僕達はボスへ向かって、組んだパーティメンバーと共に走り出す。
「たむ! 君は硬化笛を頼む!」
『了解にゃ!』
『パ〜プ〜』と2回繰り返す。するとレイドメンバー全員に防御力アップのバフが付与される。
このバフに効果時間は3分間。リキャストはないが、上昇率は1.5倍と高い。だがフロアボスの発狂攻撃をモロに喰らえば致命傷、若しくはワンパンもあり得る。
「うぉぉぉ!」
攻撃役のプレイヤーが単発SSで黒ゴリラを攻撃する。
「減ったには減ったけど……」
「ちょびっとか……」
武器の振り下ろし攻撃がSSを使った攻撃役に向けられる。
「させん!」
「おお!」
壁役のプレイヤーが受け止める。彼等のHPは目に見える量で減ったが、たむの効果笛の防御力上昇バフもあり、減ったのは1割〜2割弱程だ。笛バフ抜きなら3割程度と、パーティ単位でローテーションを回せば回復が間に合わなくなることはないだろう。
ついでに言えば、JWの壁役なら1割も減らないだろう。あの旗のバフはたむの笛のバフと重複する。
「これくらいならしっかりローテーションを回せば脱落者は出ない! 行くぞ!」
攻略レイドメンバーの声が響く。
不安は拭えたようだ。
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テリーside
あれから2時間が経っただろうか、パーティ単位でのローテーションにより、誰1人
「よし……着実に減らしている…!」
「この調子で頑張ろう!」
「ええ! 私達が押していることは明白ですわ!」
俺達はこの調子で攻め続けようとした時だった。
同じパーティのキリトが何かに感づいたのか、声を上げる。
「まて! 奴の様子がおかしいぞ!」
彼の言う通り、黒ゴリラは身体を突然震わせながらうずくまる。
「遂にビビりやがったんだ!」
JWの攻撃役がフロアボスに連続SSを繰り出す。
「どーだこのゴリラ!」
自慢げに叫ぶ姿は、完全に油断していた。
「早く離れろ!」
どこかで誰かが叫ぶので、そのプレイヤーは渋々と言った感じで後ろに下がる。
その時だった。
『グルボォアアアアァ!』
うずくまっていた身体を起こし、顔を上に向けて、咆哮を上げる。
あまりな威力に思わず全員が怯んでしまう。
「ぐっ……!」
「頭が……ノー君……大丈…夫…?」
全身がビリビリと痺れるような咆哮に、身体がこわばる。
こういう時は、大抵デバフとかが撒かれるのが定石なので、俺は自身のHPゲージを確認する。
そこにはシュバルトのオトモがかけた笛バフの隣にかなり危険な色合いをした防御力低下のデバフマークが点灯していた。
「やっぱりか…!」
「これは不味いわね……」
そしてレイドメンバーの壁役の数人が盾でメイスによる攻撃を受け止める。
そう、盾でしっかりと受け止めたのだ。彼等のHPゲージは前に受け止めた時は7、8割が残ったのだが、今回は違った。一気に5、6割まで減っていた。
その事実は恐怖に変わり、そしてレイドメンバー全員に伝播していき、中には死を想像した者もいたのだろう。
「い、嫌だあ…!」
「し死にたくねぇーー!」
「こんな事してくるなんて聞いてねぇよ!」
前線に立っていたプレイヤー達が、恐怖に負け、逃げ惑う。
陣形が崩れ、レイドが崩壊し始める。
「落ち着け! しっかりと受け止めれば一撃死はない! 一人だけでなく複数人で受け止めれば、最初のように戦える!」
ディアベルが呼びかけるが、恐怖に負けた者達の耳には届かず逃げる足は止まらなかった。
そんな隙だらけの姿を黒ゴリラは見逃す筈もなくメイスを横殴りに振り回す。
「危ねぇ!」
エギルの叫び声が響く。
メイスは逃げるプレイヤーの背中へと向かう。
「後ろだ!」
そう叫んで背中を狙われたプレイヤーを突き飛ばしたのはシヴァタだった。
突き飛ばした彼は満足に防御姿勢をとることができず殴り飛ばされてしまった。
「シバーーーー!」
シュバルト
久しぶりに第五層のフロアボスメンバーと同じチームになった。
なんだか懐かしい。
オトモアイルー参加させる?
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はい
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いいえ
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猫ー!