スライム格闘場での事件を解決し、ピエールと別れた後、レック達は宿屋に泊まった。
翌日。HPとMPが全回復した7人はグランマーズに会いに行き、彼女からの助言で聖なるほこらに向かうことになった。
そこでは強敵と戦うことが予想されるため、体調が万全な人で臨むように勧められた。
「もちろん僕は行きます。パーティーのリーダーですから。」
「私も迷うことなく参加させていただきます。この攻撃力なら間違いなく戦力になります。」
「私も行くわ。きせきの剣と力のルビーに加えてメタルキングの盾を持たせてもらっている以上、行かないわけには。」
レックに加えてアモスとミレーユは迷うことなく参加を決意した。
しかし、残った4人に関してはバーバラが病み上がり、ハッサンはまだケガ人。チャモロは呪文と特技が全く使えず、ターニアはHPがかなり少ないため、戦力としては厳しい状態だった。
(どうしよう。3人では心細いし…。かといってむやみにお願いするのも…。)
レックが頭を悩ませていると、チャモロが彼の前にやってきて、自分を指さした。
「えっ?いいの?」
(はいっ!)
チャモロは口パクでそう言うと、ファイティングポーズでアピールをした。
「分かった。頼んだよ。」
(ありがとうございます!)
彼のやる気を受けて、現地にはこの4人で向かうことになった。
するとハッサンがアモスにまじんの鎧を渡し、バーバラがレックのところにやってきて、賢者の石を差し出してきた。
「これ、持っていって。そして回復アイテムとして役立てて。」
「えっ?いいの?君はこれが無いと体調が…。」
「夢の世界に行けば大丈夫よ。あたし、陰ながら応援しているから。」
彼女は自分が参加出来なかった悔しさやレックと一緒にいたい気持ちをこらえながら、その石を手渡した。
「バーバラ、ありがとう。遠慮なく使わせてもらうよ。」
「うん、頼んだわ。」
彼らがハグを交わした後、バーバラは館の外に出ていき、自分でルーラを唱えて飛び立っていった。
そしてレックはチャモロにその石を渡し、回復役をお願いすることにした。
4人が聖なるほこらを抜け、宙に浮かぶ城のところにやって来ると、そこには城の主となっている大柄なモンスターがその場に姿を現した。
「よくぞ来た、勇者レックよ。私の名はデュラン。この城の主である。お前は私と勝負を挑みにきたようだな。」
「はい。何としてもゼニスの城を取り戻し、次の目的地に行くための道を切り開きたいんです。」
「分かった。だが、そうやすやすと通すわけにはいかぬ。通りたければ、私に仕える者達と勝負をして、実力を証明してもらう。お前達にその覚悟があるか?」
「どんなモンスターですか?」
レックが質問をすると、デュランはあるモンスターを2人呼び出してきた。
「見た感じ、そっくりですね。」
「親戚か、兄弟でしょうか?」
ミレーユとアモスがつぶやくと、デュランは彼を紹介し、名前がサタンジェネラルであることを打ち明けた。
「それではお前達、戦ってくるがよい。」
「はっ。デュラン様の仰せのままに。」
「精一杯戦わせていただきます。」
彼らは忠誠を誓うような言い方をした後、戦闘態勢に入った。
「では、勝負を開始するぞ!」
デュランの合図の後、サタンジェネラル2人は先制攻撃でメラゾーマをアモスに集中ヒットさせたが、幸い威力が軽減されたため、ワンパンは免れた。
彼らは次のターンでも先制で通常攻撃をしてきて、レックとミレーユにヒットさせた。
このままでは危ないと思ったチャモロはすかさず賢者の石を使い、ミレーユはハッスルダンスでHPを回復させた。
そしてレックはアモスにバイキルトを唱え、アモスはAにはやぶさぎりを浴びせた。
(※以降、チャモロは賢者の石を使用しているため、彼の記述はカットさせていただきます。)
次のターンでサタンジェネラルはそろってばくれつけんを使い、レックが2回、アモスが3回、ミレーユが1回、チャモロが2回対象になった。
(うち、レックとチャモロは1回ずつ攻撃をかわした。)
そしてミレーユはすかさずハッスルダンス。レックは召喚アイテムを使い、アモスはBにはやぶさぎりを浴びせた。
呼び出されたロボットは強烈な攻撃をAとBに浴びせた。
(※以降、ミレーユはムーンサルトを使っています。)
それに勢いづいたレックとアモスはそれぞれ火柱を浴びながらも、ライデインとばくれつけんを浴びせた。
次のターンでサタンジェネラルはそろってフバーハを唱えてきたが、攻撃が1回休みになる形になったためレック達にとってはかえって好都合だった。
その隙にチャモロはHPを回復させ、ロボット、ミレーユ、レック、アモスはみんなで総攻撃をした。
アモスは次のターンでしっぷう突きを浴びせてAをKOさせ、残ったBもミレーユの攻撃で降参したため、戦闘はここで終了となった。
「デュラン様、申し訳ありません。」
「こちらも全力は尽くしましたが…。」
「結果は残念だったが、仕方がない。よくやったぞ。」
「しかし、負けてしまっては…。」
「もうよい。次の相手を召喚することにする。お前達は下がっていろ。」
「はっ。かしこまりました。」
2人が悔しそうな表情を浮かべていると、デュランは彼らを含めて全員のHPを回復させ、次にキラーマジンガとランドアーマーを呼び出してきた。
「今度の相手はこいつらだ。心してかかるがよい。」
彼が合図をすると、次の勝負が始まった。
先制で行動したチャモロは炎のツメのメラミをランドアーマーにヒットさせ、次にミレーユはメダパニダンスでランドアーマーを混乱させた。
するとキラーマジンガの強化攻撃が飛んできて、集中攻撃を受けたチャモロはあっという間にKOになってしまった。
他の3人がショックを受ける中、レックは再びロボットを召喚した。
ロボットは即座にランドアーマーを攻撃し、守備力を打ち破って大きなダメージを与えたが、引き換えに正気に戻ってしまった。
そしてアモスはまじんぎりを仕掛けたが、運悪くミスしてしまい、ランドアーマーを仕留めそこなってしまった。
相手はその隙を逃してはくれず、レックに総攻撃をしてきたため、現在賢者で守備力が低下している彼は一気にKOされてしまった。
するとそれにつられるようにロボットも撤退してしまい、残りは2人になった。
「さあお前達、どうする?ここで降参するのであれば、これ以上攻撃はしないし、退却を許可するぞ。」
デュランは怖いような声でミレーユとアモスに忠告をした。
「ミレーユさん、どうしましょう。」
「このままいけばランドアーマーには勝てそうだけれど…。」
彼女はキラーマジンガの強さをよく知っているだけに、いさぎよく降参を提案した。
「そうですか。私はあきらめたくはないですけれど…。」
「やっぱりマダンテ無しでは勝てる気がしないわ。」
すでにミレーユはガックリと肩を落としていたため、それを見たアモスも正式に降参することにした。
「そうか。分かった。では、倒れている者も回復させてやろう。」
デュランはその言葉のとおり、レックとチャモロに回復処置を施し、どうにか立ち上がれるようにしてくれた。
「ごめんなさい。まいりました。」
レックはガックリと肩を落としたままうつむいていた。
「まあ、よかろう。私は強い者が好みだ。また来るがよい。」
「…分かりました…。」
レックはいさぎよく負けを認め、撤退をすることにした。
ルーラで城を離れる4人には悔しい表情が満ち溢れていた。
「おい、何だよあいつら。負けてしまうとは情けねえな。俺の出番がねえじゃねえか。」
キラーマジンガとランドアーマー戦の後に登場予定だったテリーは不満タラタラだった。
賢者でHPが下がっている状態では勝つのが厳しいことを認識したレックは、勇者になるまで修行を続けることにした。
その中でミレーユはスーパースターを極め、カッコよさがさらに上昇したため、ベストドレッサーコンテストの最高ランク部門に挑戦した。
結果は見事優勝となり、幸せの帽子を手に入れたため、彼女はバーバラにこれを手渡すことにした。
「えっ?あたしが装備してもいいの?」
「ええ。あなたには本当に迷惑かけたから。これで許してというわけではないけれど、せめて少しでもお詫びがしたくて…。」
「そんな言い方しないでよ。あたしは恨んでなんかいないわ。とにかく、あたしはベホイミやキアリーでMPを消費するから、ありがたく受け取るわね。」
「本当にありがとう。そのおかげで私は救われたわ。」
ミレーユはバーバラの笑顔を脳裏に焼き付けながらダーマ神殿に行き、武闘家に転職した。
その後。バーバラはまだ特技こそ許可が出ていないものの、通常攻撃の回数制限が解除されたため、グリンガムからムチを譲ってもらえることになった。
その際、彼女は自分のケアをしてくれた人を忘れないようにという思いを込めて、この武器に「グリンガムのムチ」という名前を付けた。
ハッサンはしんくうは以外の攻撃も出来るまでに回復したため、炎の剣を装備した上でターン最後の攻撃兼回復役に活路を見出した。
チャモロはおたけびや焼けつく息こそ使えないものの、何とか声が出るようになり、呪文が使えるようにもなった。
その間、レック達は熟練度上げやアイテム集めをしながらお金をためていき、水の羽衣を購入してバーバラに装備させた。
この時点での彼らの熟練度と装備(左端が現在就いている職業)
レック … 勇者:1、賢者:8、ラミアスの剣、オルゴーの鎧、スフィーダの盾、セバスのかぶと、スライムピアス
ハッサン … パラディン:5、盗賊:6、炎の剣、まじんの鎧、風神の盾、メタルキングヘルム、スライムピアス
ミレーユ … 武闘家:3、スーパースター:8、魔法使い:5、きせきの剣、水の羽衣、メタルキングの盾、風の帽子、力のルビー
バーバラ … 僧侶:7、バトルマスター:4、グリンガムのムチ、水の羽衣、魔法の盾、幸せの帽子、星降る腕輪
チャモロ … レンジャー:5、グラコスの槍、神秘の鎧、魔法の盾、スライムメット、スライムピアス
アモス … バトルマスター:4、盗賊:8、ゾンビキラー、プラチナメイル、力の盾、プラチナヘッド
ターニア … 賢者:6、氷のやいば、光のドレス、魔法の盾、風の帽子、はやてのリング
(※ここでバーバラ、チャモロ、ターニアは職業を解除しました。)
彼らが再び聖なるほこらにやって来ると、そこには朽ちたような姿のモンスターの姿があった。
「フッフッフッ…。待っておったぞ…。」
その声はレックには聞き覚えがあるものだった。
「まさか、お前はムドー?」
「そうだ。わしはお前の伝説の装備をそろえさせないために、様々なことをしてきた。ライフコッドで魔王のつかいを派遣したのも、グレイス城でキラーマジンガの幻を見せたのも、わしの仕業だ。しかしそれでもそろえてしまった。こうなったらわしの手で直接お前達を倒す…。お前達を2度と復活出来ないようにしてやる…。」
「どうしてそこまでして倒そうとするんだ。デュランの差し金か?」
「あいつは関係ない。とにかくお前達を倒す…。それだけのために、こんなゾンビ姿になりながらも戻ってきた。後のことなど考えてはいない。お前達を倒す…。倒す!倒す!!」
そう言い放つムドーにはもはや理性というものは無く、ただ殺意だけが感じられた。
そして彼はキラージャック5匹を呼びだしてきて、戦闘態勢に入った。
(どうやらこいつを倒さないとデュランのところには行けないな。だったらやってやる!)
レックはパーティーを二手に分けて戦うことをみんなに提案にした。
結果、ムドーにはレック、ハッサン、アモスが、キラージャックには残りの4人が立ち向かうことになり、まずはキラージャック戦が始まった。
星降る腕輪を身に付けたバーバラはついに実戦でグリンガムのムチを使って通常攻撃をした。
「ぐあっ!?何だ?この威力は!?」
キラージャック達は思った以上のダメージを受けたが、すぐに体勢を立て直し、AとEがバイキルトを使い、Cが踊り封じでミレーユの踊りを封じてきた。
チャモロはかぶっていた帽子を取ると「天○飯!技を借りるぜ!」と言わんばかりにまぶしい光を浴びせた。
その効果もあってか、バーバラはBの通常攻撃をかわし、チャモロはDのはやぶさぎりのうち、1回をかわした。
そしてミレーユはムーンサルトを、ターニアはベギラゴンを使い、大ダメージを与えた。
次のターンでバーバラは再度通常攻撃を浴びせてAとBを倒した。
残りはターニアのラリホーマに続いてミレーユのムーンサルト、チャモロのバギマで決着をつけたため、彼らの被害は少しで済んだ。
それから間髪入れずに今度はムドー戦が始まった。
するとハッサンはみんなの前に立ちはだかり、仁王立ちをした。
「えっ?いいの?」
「ああ。俺にかまうな。精一杯やってくれ。」
「分かった。」
レックは彼に感謝すると、ロボットを呼び出した。
ムドーはイオラ級の稲妻を使ってハッサンに集中的にダメージを与えた後、あやしいひとみで彼を眠らせてしまった。
「ハッサン、あなたの気持ちに絶対応えてみせます!」
アモスはゾンビぎりを繰り出すと、ムドーにせいけん突きを上回るダメージを与えた。
そしてロボットは2度攻撃でダメージを蓄積させた。
次のターンでレックはベホマでハッサンのHPを全回復させた。
するとムドーは強力な氷の息と稲妻を使ってきたため、レック達は軽減込みでも3ケタのダメージを受けた。
ハッサンがまだ動くことが出来ない中で、アモスは再びゾンビぎり、ロボットは再び2度攻撃をした。
(相手のHPがいくらあるのか分からない以上、僕はひたすら回復するしかないな。)
レックは自分も攻撃に参加したい気分だったが、それをじっとこらえ、ベホマラーを唱えた。
この時、ハッサンはようやく目を覚ましたが、ほぼ同時にムドーはまぶしい光でレック達3人の目をくらませた後、体当たりのような攻撃でロボットに大ダメージを与え、動きを止めてしまった。
(このままでは危ないわ。)
(みんなやられてしまう!)
(何とかしなければ!)
危機感を感じたミレーユ、バーバラ、ターニアは交代という形で戦闘に加わり、それぞれムーンサルト、通常攻撃、ベギラゴンを浴びせた。
「くっ!こ、こんなはずでは…。む、無念だ…。こんな…はずでは…。」
ムドーは傷口を押えて苦しみだすと、キラージャックとともにヘルクラウド城に逃げていった。
「手強い相手だったけれど、勝てて良かった。さあ、みんな。行こう。」
レックは全員のHPを回復させた後、みんなに気合を入れた。
そして7人はヘルクラウド城に向かって進んでいった。