キラーマジンガが倒せない   作:地球の星

2 / 18
Quest.2 最後のカギ

 レック、ハッサン、アモスの3人は海底宝物庫に出現したキラーマジンガによってコテンパンにされてしまった。

(お願いっ!早く海上に出て!)

(一秒でも早くマーズの館へ!)

 バーバラとターニアは彼らのそばにいてあげたい気持ちを懸命に抑えながら船を操縦していた。

 そしてようやく海の上に姿を現すと、彼女達はレック達のところにやってきた。

「それじゃ、今からルーラを唱えるわ。」

「頼んだわ。お願いね。」

 ミレーユの要請を受けてバーバラは風の帽子を使い、傷ついた3人とともに飛び立っていった。

 

「ねえ、ミレーユのおばあちゃん。レック達は大丈夫なの?」

「安心せい。みんな命に別状はないぞい。」

「ホント?良かった。」

「じゃが、今の状態ではわしが夢見のしずくや薬草、アモールの水、魔法の聖水などを調合して作った薬を使用しても、日常生活が精一杯じゃろう。もちろん戦闘は到底無理じゃ。しばらくの間は彼ら抜きで活動することになるぞい。」

「ええっ?そんなあ…。」

 一瞬安どの表情を見せたバーバラは、グランマーズの忠告を聞いて再びショックを受けてしまった。

「それじゃ、レックが復帰するまで、あたしもここにいようかな…。」

「いてどうするんじゃ?」

「そばにいてあげたい…。あたし、レックと離れて旅なんて出来ない…。」

「本当にそれでいいのか?」

「だって…あたし…。」

 バーバラはレックと離れ離れになることがどうしても受け入れられなかった。

「そうか。分かった。じゃが、その前にお前さんには薬草や食材の買い出しに行ってきてほしい。そうしたら、気が済むまでレック達のそばにいてやりなさい。」

「はい…。分かりました…。」

 バーバラは同意をすると、早速グランマーズに言われた通りに行動をした。

 

 彼女が買い出しから帰ってくると、館の入口にはターニアがいた。

「バーバラさんお帰りなさい。それでは、私が今から食事の支度をします。」

「ありがとう。じゃあ、お願いね。」

「分かりました。」

 ターニアは食材を受け取ると、バーバラと一緒に館に入っていった。

 中ではチャモロが治療をしており、ミレーユはHPとMPを回復させるために、一足先にベッドの中で眠りに入っていた。

 その後、食事が出来上がると、バーバラ、チャモロ、ターニアは療養中の3人のところに食べ物を持っていった。

「ありがとう。助かったよ。」

「ありがたくいただくことにします。」

「これできっと元気が出るぜ。」

 レック、アモス、ハッサンはまだ体のあちこちに包帯が巻かれており、ばんそうこうだらけということもあって、痛みをこらえながらだったが、それでもターニアの手料理をおいしそうに食べてくれた。

 バーバラ達3人は自分達も食べ物を持ってくると、その後はみんなで一緒に食事をした。

 

 それから時間が過ぎ、辺りがすっかり暗くなった後、ミレーユがある程度MPが回復した状態で起きてきた。

 そして自身も食事をとった後、交代でレック達を見守り続けた。

 

 その後。ミレーユ、バーバラ、チャモロ、ターニアはすっかりHPとMPが回復し、旅に出られる状態になった。

「それじゃ、レック達の面倒はわしが見るから、お前さん達は最後のカギを手に入れるために頑張ってきなさい。」

「分かったわ、おばあちゃん。頑張ってきます。」

「きっと目的を果たして帰ってきます。」

 ミレーユとチャモロが気合いを入れる一方、バーバラとターニアはレックと離れ離れになることが心細くてたまらなかった。

「まあ、お前さん達の気持ちは分からんでもない。おそらくレック本人も同じことを思っているじゃろう。じゃが、誰かに頼らないと頑張れないという心の弱さがあっても困る。今回はそれを乗り越えるいい機会と考えてみなさい。」

「うん…、分かったわ。頑張ります。」

「どうかお兄ちゃんをよろしくお願いします。」

 2人は揺れ動く心を抱えながらも、勇気を振り絞って言い切った。

 

 マーズの館を後にした4人はまずダーマ神殿に向かっていき、ミレーユは職業を解除、バーバラは武闘家に転職した。

(※チャモロとターニアはそれぞれ盗賊と僧侶のまま。)

 そして沈没船に向かっていく途中、彼らは作戦について色々話し合った。

 その結果、次のような作戦で行くことになった。

バーバラ:きせきの剣と力のルビーを装備して攻撃役。

ミレーユ:はやてのリングを装備してイオラ、メラミ、メダパニダンスメイン。

チャモロ:星降る腕輪を装備してひたすらおたけび。

ターニア:イオラとメラミに加えていかずちの杖とゲントの杖の道具使用。

(※なお、ジャミラスから炎のツメを手に入れたため、このアイテムを2つ持っています。そして、ミレーユとターニアのメラミは道具使用によるものです。)

 

 沈没船の内部はまるでモンスター達の巣くつになっており、少し進んだだけで戦闘になった。

 最初に現れたのはアクアハンター2匹とエビラ3匹だった。

 初めて出会う敵だけに手探りで戦わなければならない状況だったが、ひとまずチャモロが先制でおたけびをあげると全員がひるんだため、このターンはノーダメージが確定した。

「よし、チャンスね。」

「では、覚えた呪文を使ってみるわ。」

 バーバラはまわし蹴りをアクアハンターに浴びせ、ミレーユはイオラを唱えて全員軽減無しでヒットさせ、アクアハンターを追い返した。

 ターニアはこれまで控えが多く、移動中のホイミタンクがメインだったため、いざ常時スタメンとなると緊張してしまい、行動が最後になってしまった。

 それでも彼女は勇気を振り絞っていかずちの杖を道具使用し、エビラを全員追い払った。

「やるじゃない、ターニア。」

「あなたも戦力になったわね。」

「あっ、はい…。何とかなりました。」

 ターニアはまだ不安を拭い去れずにいたが、バーバラとミレーユに励まされたおかげで少しではあるが自信をつけることが出来た。

 次の戦闘はフライングダックが3匹、オンディーナ、アイアンタートルが各一匹ずつだった。

 チャモロのおたけびはフライングダックA、Bとアイアンタートルには成功したが、残りは失敗だった。

 ミレーユはイオラを唱え、弱耐性のアイアンタートル以外にはまともにダメージが入った。

 するとオンディーナはベホイミを唱えてイオラのダメージをリセットしてしまい、フライングダックCは通常攻撃をバーバラにヒットさせた。

「あったま来たわ。お返しよ!」

 やけになった彼女ははやぶさぎりを浴びせてCをKOさせ、さらにHPを回復させた。

 ターニアはイオラを唱え、ミレーユの時と同等のダメージを与えた。

 次のターンでチャモロはおたけびでオンディーナ以外をひるませ、ミレーユはメダパニダンスでそのオンディーナを混乱させたため、ノーダメージが確定した。

 続いてバーバラはオンディーナにせいけん突きをしかけたが空振り。ターニアは再度イオラをヒットさせて、残りはオンディーナだけになった。

 そして次のターンでバーバラがしっぷう突きを浴びせて戦闘を無事に終了させた。

 次に出会ったしびれくらげ5匹とマリンギャング2匹はおたけびで全員ひるんだため、後はミレーユとターニアのダブルイオラで決着をつけた。

 次の相手であるオーシャンナーガ2匹はおたけびが運悪く失敗したため、ミレーユがメダパニダンスで混乱させた後、バーバラははやぶさぎり、ターニアはメラミでAに集中攻撃をした。

 するとAが正気に戻ったため、バーバラはしっぷう突きでKOさせた。

 一方のBはまだ混乱したままだったため、ミレーユ、チャモロ、ターニアはメラミ攻めでダメージを蓄積させ、次のターンでバーバラがしっぷう突きを浴びせて決着をつけた。

 今度はエビラたくさん現れたが、おたけびとメダパニダンスが確実に成功するため、無抵抗なまま返り討ちにあってしまった。

 

 バーバラはきせきの剣と力のルビーを合わせて攻撃力が120アップしている上に、せいけん突きやはやぶさぎりを使えることもあって、ここまで文句なしのエースアタッカーではあったが、次第に体に負担がかかっていった。

 チャモロはひたすらおたけびを繰り返したこともあって次第に声が枯れてしまい、成功率が段々下がっていった上に、呪文の威力も落ちていった。

 ターニアは素早さや力などの能力をいかせていないために行動が大抵最後になってしまい、通常攻撃が大の苦手なため、イオラや道具使用専門だった。

(私の実力不足が原因であなた達にこんな負担をかけてしまってごめんなさい。何とか持ちこたえてください。)

(2人とも頑張って。最後のカギさえ手に入ればいつでも撤退出来るからね。)

 ターニアとミレーユはバーバラとチャモロを心の中で懸命に励ました。

 しかしバーバラはとうとう右肩をおさえ、顔をしかめながらうずくまってしまい、チャモロはのどの痛みでせき込むようになってしまい、とうとうヒソヒソ声しか出なくなってしまった。

「痛いよお…。剣が振れないよお…。」

(ゴホッ、ゴホッ…。おたけびが…、呪文が…。)

「このままではまずいわね。」

「こうなったら、役割を変更しましょう。」

 ターニアとミレーユはバーバラが星降る腕輪を装備して先制メダパニとゲントの杖による回復役、チャモロがきせきの剣と力のルビーを装備して通常攻撃をすることを提案した。

 それに同意した2人は早速アイテムを持ち替えた。

 そしてその後の戦闘は頻繁にダメージを受けながらも、バーバラのゲントの杖、ミレーユとターニアのダブルイオラやダブルメラミを有効活用してどうにか切り抜けた。

 戦闘の合間には薬草やバーバラのホイミ、ミレーユとターニアのベホイミでHPが満タンに近い状態を維持出来るようにした。

 一方のチャモロは声が出ない影響で呪文が唱えられないため、きせきの剣で攻撃をしながら自身の回復をした。

 

 目の前に宝箱が見えてきた時、4人はアイアンタートル、オンディーナ、オーシャンナーガ、フライングダック一匹ずつに出会った。

「ここはまずみんなで足止めをしましょう。」

「分かったわ。」

 ミレーユの提案を受けてバーバラは左肩にも走る痛みをこらえながら最後のMPを使ってメダパニを唱え、素早さの最も高いオーシャンナーガを混乱させた。

 次にミレーユがメダパニダンスでオンディーナを混乱させ、チャモロは攻撃を受けながらも突き飛ばしでフライングダックを退場させた。

 最後に行動したターニアはHPを減らされながらもラリホーでアイアンタートルを眠らせたため、少しは安心出来る状況になった。

「バーバラ。あなたは休んでいて。」

「うん…。後は頼んだわ。」

 ミレーユの提案を受けて、彼女は両腕をだらりと下ろしたまま後ずさりをしていった。

 残った3人のうち、ミレーユとターニアはメラミ攻めでアイアンタートルを退場させた。

(その間にチャモロが通常攻撃をしましたが、かわされています。)

 次のターンではメラミ攻めとチャモロの半端ない通常攻撃でオーシャンナーガを追い返し、残ったオンディーナも同じやり方で決着をつけた。

(この時キメラの翼を入手。)

 4人はついに宝箱のところに行き、目的にアイテムである最後のカギを手に入れた。

 するとモンスター達がまるでピラミッド内で黄金のツメを手に入れた時のように、一斉にわっとやってきたため、ミレーユとターニアが我先にとばかりにリレミトを唱えて沈没船を脱出した。

 そして手に入れたばかりのキメラの翼で飛び立っていった。

 

「ミレーユ、よくぞカギを手に入れた上で無事で戻ったのう。」

「うん…。でもみんなギリギリの状態だったわ。私は職業解除のおかげで何とか元気だけれど、バーバラは両肩を痛めたせいで治療が必要になってしまったし、チャモロはのどが真っ赤にはれ上がったせいで会話すら出来なくなってしまったわ。それにターニアは戻ってくるなり緊張の糸が切れたのか、倒れ込むように寝込んでしまったから…。」

「まあ、レック達もケガ人の状態だし、ここはしばらくの間活動休止になるじゃろうのう。しかし、今はまだ急ぐ状況でもないし、元気になれば扉を開けてアイテム集めに行けるようになるから、それまでゆっくりと休むがよい。」

「そうね。でも、私は沈没船にいる間熟練度が上がらなかったし、その分を取り返せたらと思っているんだけれど…。」

「それならスライムナイトのピエールのところに修行しに行くかの?」

「ピエール君と修行?」

「そうじゃ。彼はスライム格闘場のために頑張っておるからのう。彼と稽古をすればお互い熟練度が上がるぞい。」

「分かったわ。」

 ミレーユはこの日はゆっくり休み、明日になったらピエールのところに行くことにした。

 

 その頃、別室にいるバーバラはレックにベホマを唱えてもらっていた。

「ごめんね。僕が同行出来なかったせいで、君をこんな目にあわせてしまって。」

「レックのせいじゃないわ。とにかく会いたかったよお。」

「僕も早く君に会いたかったよ。お互い元気になったら、一緒に色んなところをまわろうね。」

「うん。色んなアイテムを見つけて、一緒に強くなろうね。」

 2人はお互いを見つめ合いながら優しく微笑んでいた。

 




 今回はキラーマジンガとは無関係な内容になりました。
 これは以前発表した「You Are There」で、沈没船のシーンがダイジェストだったことが心残りだったことや、「エアーマンが倒せない」でも終始エアーマンの内容ばかりではないことを参考にしたためです。

 なお、今作ではピエールがスライム格闘場に向けて終始別行動をしているため、レック達とは一緒に戦いません。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。