サンマリーノにあるカジノ跡地でゲームをしたレック達は、今の状態では到底キラーマジンガが倒せないことをはっきりと知ることになった。
「こうなったら、しばらくはレベルと熟練度を上げて、先の場所に行くことにしよう。」
レックの提案によって、7人はひとまず海底宝物庫をあきらめ、魔術師の塔に向かうことにした。
現地で彼らはピエールをはじめとするモンスター達とトレーニングを重ね、熟練度を上げていった。
その結果、ミレーユは遊び人の熟練度が8になり、いよいよこの職業から卒業することになった。
それから間もなく、レックとバーバラもそれぞれ魔法使いと戦士を卒業することになった。
レックはこの時点で7人そろって塔を出発しようとしたが、ハッサンが「俺が武闘家を卒業するまで待ってくれ。」と言い出したため、上記の3人以外はここにとどまることになった。
一方、レック、ミレーユ、バーバラの3人は転職で僧侶、踊り子、武闘家に転職した後、再びサンマリーノに行ってキュウジと合流した。
現地で彼は自身が作詞した歌を歌ったり、ゲームや神経衰弱をしながら、みんなで盛り上がっていた。
翌日。今度こそ魔術師の塔を後にした一行は、次のアドバイスをもらうためにマーズの館にやってきた。
「それなら沈没船に再度行ってみてはどうじゃ?」
バーバラ「えっ?何で?あたし達、もうすでに行ってきたのに。」
「そこにはまだ取っていないアイテムがある。それにモンスターがまた体勢を立て直してきたから、乗組員の霊を慰めるためにも、行ってみてくれんかの。」
ミレーユ「分かったわ。じゃあ、早速行くことにします。」
グランマーズの提案を受けて、一行は現地に向かうことにした。
船内ではグランマーズの言ったとおり、一度はバーバラ達に退治されたモンスター達が傷をいやした上で再び体勢を立て直しており、戦う気満々だった。
「本当に懲りないですね。」
「とにかくやるしかないわ。」
「望むところです。」
すでに彼らの特徴を知っているターニア、ミレーユ、チャモロに加えてバーバラの4人は、おたけび、メダパニダンス、ラリホー、メラミ、イオラ、せいけん突き(オンディーナを除く)が有効であることを伝えた。
そしてメンバーの負担を減らすために、戦闘の度にスタメンをこまめに入れ替えていくことにした。
なお、きせきの剣や力のルビー、星降る腕輪などの有用アイテムを装備していた人が控えにまわる場合は、入れ替わりで入る人に手渡すことにした。
最初の戦闘でスタメンに入ったチャモロ(星降る腕輪を装備)はおたけび、レックとミレーユはダブルイオラ、きせきの剣と力のルビーを装備したバーバラははやぶさぎりを駆使して戦った。
次の戦闘ではハッサンがバーバラの装備品を受け取った上で入れ替わり、さらにアモスとターニアが加わった。
そしてチャモロがおたけびをした後、ターニアがイオラ、ハッサンがばくれつけん、まじんの鎧を身に付けたアモスがせいけん突きやしっぷう突きで攻撃した。
相変わらずちょっと歩くだけで戦闘になったため、気が休まらない状況が続いたが、それでも一行は聖水を使いながら前に進んでいき、ガラスのくつや、あつでの鎧などを手に入れた。
するとここでバーバラ、ミレーユ、レックが続けざまにバトルマスター、スーパースター、賢者の条件を満たしたため、ここで7人は撤退を決意し、ダーマ神殿に向かっていった。
「わーーい!これであたしのHPが大きく上昇したわ!もうあたしをHPの低いキャラだなんて言わせないからね!」
「私もこれでHP不足が多少は解消されたわ。これまで活躍出来なかった分を少しでも取り返していくわよ。」
「僕もこれで能力の低下が緩やかになったから、スタメンで忙しくなる。絶対に攻撃や回復、補助で活躍してやるぞ。」
3人は待望の上級職になれたこともあって、さらなる意気込みを見せていた。
7人が次にやってきたのは下の世界のライフコッドだった。
「何だか懐かしい感じのするところだね。」
「そうね。多分あの場所に『アレ』があるでしょうね。」
レックとターニアが会話をしながら歩いていると、彼らは自分達が住んでいたのとそっくりな家を見つけた。
(もしかしたら、ここに…。)
(もう一人の私達がいるはず。)
2人が家に入ると、そこには予想通りレックとターニアがいた。
「おおっ!君は僕じゃないか!」
「やっと巡り会えたわね!」
彼らは満面の笑みを浮かべて話しかけようとした。
しかしもう一人のレックとターニアは驚いた末に逃げてしまい、ハッサンのように融合することは出来なかった。
「ちょっと!どうしたんだよ!」
「話ぐらい聞いてよ。もおっ!」
「とにかく後を追いましょう。」
ハッサン、バーバラ、ミレーユはそう言うと家を飛び出して行った。
それに続いてレックとターニアも後を続き、村を飛び出していった。
村に残ったチャモロとアモスは現地にいた人達に話を聞き、さらに店をまわることにした。
「僕はもう2度と戦わない。」
「そんなこと言わないでくれ。世界は今、大変なことになっているんだ。このままでは世界は魔王に征服されてしまう。それを阻止するために、僕達は旅をしているんだ。」
「そんなの僕には関係の無いことだ。君達だけでやってくれ。」
もう一人のレックはいくら説得を受けても融合に同意しようとはしなかった。
一方、現実世界のターニアは気持ちが揺れ動いている状況で、ハッサン、ミレーユ、バーバラは何度も説得を繰り返した。
そうしていると、村の方角からチャモロとアモスが急ぎ足でやってきた。
「2人とも、どうしたの?」
夢の世界のターニアが問いかけると、彼らは村にモンスター達がやってきたことを伝えた。
「それは大変なことになったわね。」
「村人達が危ないぜ。」
「すぐに行きましょう。」
バーバラ、ハッサン、ミレーユに加えてチャモロとアモスは一斉に走り出していった。
「どうしましょう。このままでは…。」
「ここで立っていても仕方ないわ。行きましょう。一緒に。」
「一緒に?」
「ええ、そうよ。とにかく時間が無いわ!急いで!」
「わ、分かったわ…。」
現実世界のターニアは、もう一人の自分から懸命の説得を受けた。
(もし同意したら自分がどうなってしまうのかは分からない…。でも今は迷っている場合ではない!ここで生き延びなければ未来は無いんだから!)
村の一大事を何とかしたいと思った彼女はついに覚悟を決め、夢の世界のターニアと融合することに同意した。
5人が村に戻ってきた時にはすでに複数のモンスターが暴れており、村人達は悲鳴をあげながら逃げ回っていた。
「これは見るからに強そうな敵ですね。」
「でも、やるしかありません。頑張りましょう。」
チャモロとアモスは真っ先に戦闘態勢に入り、ボストロールに挑んだ。
彼らは2人がかりで突き飛ばしを仕掛け、何とか成功したため、あっさりと戦闘が終了した。
一方、ハッサンはてっこうまじん、ミレーユはバーサクオーク、バーバラはずしおうまると1対1の勝負に挑んだ。
ハッサンはきせきの剣と力のルビーを身に着け、相手のいなずまぎりを受けながらもばくれつけんと捨て身で攻撃した。
ミレーユはメダパニダンスで相手を混乱させた後、炎のツメのメラミを繰り返し使用した。
バーバラはハッサンからきせきの剣と力のルビーを受け取り、はやぶさぎりで受けたダメージを回復させながら攻撃をした。
これらの敵は今まで戦ってきたどのザコキャラよりも強かったが、それでも3人はそろって勝利を収めた。
するとそこに融合済みのターニアがやってきた。
「みんな、大丈夫?」
「安心してください。倒しましたよ。」
アモスはこういう場面でもユーモアを忘れてはいなかった。
「でも、レックさんはどうしたんですか?」
チャモロが問いかけると、間もなくまだ融合していない2人のレックがやってきた。
「みんな、大丈夫か?」
「うん。何とかね。」
バーバラが返事をすると、ふとどこからか「そこにいたか!ついに見つけたぞ!レイドック王子!」という、不気味な声が聞こえ、魔王のつかいが姿を現した。
「こいつはかなり強そうだ。」
「果たして勝てるかしらね。」
「では、私は助っ人を呼んできます。」
ハッサンとミレーユがその姿に圧倒される中、チャモロは一旦その場を後にしていった。
「もうおしまいだ。降参するしかないか…。」
「僕ならあきらめるんじゃない!」
レックはもう一人の自分を懸命に励ました。
しかし彼はかたくなに融合を拒むばかりだった。
そうしていると、魔王のつかいがしびれを切らしたのか、ついに襲い掛かってきたため、融合も出来ないまま戦闘が開始してしまった。
「みなさん、助っ人を呼んできましたよ!」
「フンッ!こんな奴、やっつけてやるぜ!」
新たに加わった少年はテリーで、らいめいの剣を装備していた。
そして彼は早速先制でライデインを使い、ダメージを与えた。
続いてミレーユはメダパニダンスを、チャモロはおたけびを使ったが、どちらも失敗だった。
魔王のつかいはレックに強烈な通常攻撃をした後、ルカナンを唱えた。
レックはラリホーマ、バーバラはせいけん突きを使ったがいずれも失敗してしまい、ハッサン(まじんの鎧を装備)はターンの最後にベホマでレックの回復をした。
(※アモスは気合ため。)
次のターンでチャモロはマホトーンを唱えたがこれも失敗。ミレーユとレックはスクルトで全員の守備力を上げた。
その後はテリーのライデイン、バーバラのはやぶさぎり(1回ミス)、アモスの強力な通常攻撃で続けざまにダメージを与えた後 魔王のつかいは再度ルカナンで守備力を下げ、マヒャドを使用してきた。
「みなさん、大丈夫ですか?」
ターニアはみんなのところにやって来ると、ベホマラーを唱えた。
「えっ?いつの間にそんな呪文覚えたの?」
「融合した時に覚えました。だからみなさん、回復は私に任せてください。」
「分かった。頼んだよ。」
「はいっ!」
彼女は兄の後押しを受けて、自信をつけることが出来た。
そしてハッサンはばくれつけんを使用した(2回ミス)。
ターンの合間になると、レックはもう一人の自分を懸命に説得した。
「お願いだ!村を、みんなを救うために力を貸してくれ!ターニアだって力を貸してくれたんだ!」
「…分かった…。」
下の世界のレックはターニアの姿に即発されたこともあって、やっと融合に同意をしてくれた。
次のターンは魔王のつかいがハッサンに斬りつけと全員にベギラゴンを浴びせたため、彼は今にも倒れそうな状態になった。
続いてテリーがライデイン、ミレーユがスクルト、チャモロがハッサンにベホマ、バーバラとアモスは気合ため、ハッサンがばくれつけん(1回ミス)をした。
(※レックは融合のために1回休み。ターニアは再度ベホマラー。)
次のターンではテリーがまじんぎりで会心の一撃を出し、チャモロは突き飛ばし(失敗)、ミレーユは受け流し(1回は魔王のつかいの攻撃をはね返したが、次は失敗してしまい、HPが危険ゾーンに突入。)、レックがライデイン、バーバラとアモスが強烈な攻撃を浴びせた。
そしてハッサンはミレーユにベホマを唱えた。
「あと少しだ。頑張ろう!」
レックの激励を受けてハッサンが捨て身、バーバラ、テリー、アモスがしっぷう突きで先制攻撃し、レックがライデインを浴びせると、ついに魔王のつかいを打倒した。
「こ…、こんな…はずでは…。無念だ…。」
彼はその場にうずくまり、その場に倒れ込んだ。
すると傷をいやした家来のモンスター達が一斉にやってきて、キメラの翼を使って一斉に撤退をしていった。
「みなさん、ありがとうございます。これでこの村が救われました。」
ターニアは深々とお辞儀をしながら満面の笑みで仲間達をねぎらった。
「それから君、助っ人として加わってくれてありがとう。なかなか強いね。」
「フンッ!俺はただそのハゲメガネ野郎から2000ゴールドを恵んでもらったから協力したまでだ。」
テリーはレックに褒められても、不愛想な表情だった。
「あ、あの…。2000ゴールドって、薬草いくつ分でしょうか?」
アモスの思わぬ発言に、一行は「そっち!?」と言いたげな表情をしたが、チャモロだけは頭に血がのぼっていた。
「ちょっと!そんな言い方は無いじゃないですか!」
「だがそれが事実だろ。それにな、こんなに強い敵だとは聞いてねえぞ。追加料金をよこせ。」
「あのですね!」
「分かった。じゃあこれだけ渡すことにするよ。」
レックはチャモロを制止すると、自分の判断で1000ゴールドを差し出した。
「分かった。確かに受け取ったぜ。じゃあな。あばよ。」
テリーはお金を袋に入れると、足早にその場を立ち去っていった。
「それにしてもあの人、これまで何度か会ってきたわね。」
「今回は協力してくれたけれど、感じ悪い奴だよな。」
「もし仲間になったら、うまくやっていけるんでしょうか?」
「実力は確かなものを持っていそうなんですがねえ。」
バーバラ、ハッサン、チャモロ、アモスが話し合っている中で、ミレーユは何も言えないままわなわなと震えていた。
(ああっ、テリー。また声をかけられなかった…。すっかり荒れすさんでしまったその心、私がいやしてあげたかった…。)
レックとターニアはその様子に気づいていたものの、何を言えばいいのか分からなかったため、結局何も出来ないまま現地を後にしていった。
「さて、思わぬ戦闘に巻き込まれちまったが、これでかなりの大金が手に入った。これでまた装備を更新することにしよう。とはいえ、武器はらいめいの剣で当分の間は足りそうだから、防具重視になるだろうな。それにさっきの敵は強力な呪文を使ってきたから、出来ることならそれを軽減出来ればな。」
テリーはそう考えながら風の帽子を使い、町を飛び回りながら色々な店を見て回った。
今回は主人公のレックに加えてターニアが融合をしましたが、実はこれがどうしても描きたいシーンでした。
もしレックだけでなく彼女も融合すれば、ゲームのエンディングであんな思いをしなくて済んだのにという思いがずっとあり、作中で形にしました。
今作でターニアがパーティーメンバーに加わったのも、これが理由です。
なお今回、キュウジが作詞して歌った曲の歌詞は次の通りです。
タイトル:ラブユー宝物庫
きせきの剣 せいけん突き スクルト
アレは入ってないわ 今の時点では
2度攻撃で 一発KO
勝てる気がしない
キラーマジンガ
涙の宝物庫
戦闘開始時に マホカンタかかる
知らずに メラミ イオラ 被ダメ新記録
明日からは 呪文なしで
挑んでいくのね
キラーマジンガ
涙の宝物庫
バーバラのアレの アレのすごさが
なぜか無理なく分かる うp主の涙
おバカさんね こんなレベルで
挑んだ うp主
キラーマジンガ
涙の宝物庫
涙の宝物庫