キラーマジンガが倒せない   作:地球の星

6 / 18
Quest.6 キラーマジンガが直せない

 レック、バーバラ、ミレーユがそれぞれ賢者、バトルマスター、スーパースターになってしばらくした後、ハッサンもパラディンの条件を満たしたため、転職をした。

 それを受けて、彼らは熟練度上げをしばらくの間休止して、船旅を楽しもうという話をした。

 そして、魔術師の塔にいるチャモロ、アモス、ターニアやピエール達の了解をもらった上で旅に出ていった。

 4人を乗せた船はマーメイドハープの効果で海面下に潜っていった。

 彼らが海底での旅を楽しんでいると、ふと因縁の場所の近くを通りかかった。

「ここで以前、アレにボコボコにされたんだよね。」

「ああ。思い出したくもないことだったけれどな。」

 レックとハッサンが渋い表情をしている一方、バーバラは「でも、せめて兵士のキラさんに会ってみようよ。」と提案した。

「そうね。彼はあの件を謝罪したいと言っていたから。」

「分かったぜ。お前達がそう言うのなら。」

 ハッサンはミレーユの説得を受けて、行くことに同意をしてくれた。

「じゃあ、これからその場所に船を止めるから、みんなしっかりと捕まって。」

 船を操縦しているレックの呼びかけを受けて、3人は着岸の準備をした。

 

 海底宝物庫の中に入っていくと、そこには今回もキラが見張りとして立っていた。

「君達は、あの時の…。」

 彼はレック達に気が付くと、以前のことを思い出したのか、途端に申し訳ない表情になった。

「あの時は私のせいで大変な思いをさせて、ごめんなさい。」

 彼は頭を深々と下げて謝罪をした。

「まあ、確かにあの時は大変な思いをしたけれどよ。」

「でも、治療をして僕達は元気な体になりました。」

 ハッサンとレックは気持ちを我慢しながら、丁寧な対応をした。

 その雰囲気を感じ取ったキラは再度お辞儀をした後、2人と握手をした。

「それで、君達は今日、何しに来たんですか?」

バーバラ「いやあ、たまたま近くを通りかかったから、ちょっと立ち寄っていこうかなって思って。」

ミレーユ「それにキラさんが謝りたいって言っていたことを思い出しましたので。」

「そうですか。私としてはそれを果たせてよかったです。」

 キラは心の底からほっとすると、彼らにもう一人の兵士を紹介することにした。

 そして奥に向かって歩いていき、物陰に隠れたところの扉を開けて、中に入っていった。

『おーい、君。今日はお客さんが…』

『キャーーーッ!!今は入って来ないでーーーっ!』

『わーーーっ!ごめんなさーーーいっっっ!!』

 キラは女性の悲鳴を聞くなり、慌てて部屋を飛び出して扉をバタリと閉めた。

「何だ何だ?一体何があったんだ?」

「どうやら女の人が着替え中だったようね。」

 ハッサンとミレーユをはじめ、4人はその場に立ったまま冷や汗をかいていた。

 

「諸君、先程は失礼しました。今、私のパートナー的存在の女性が装備を整えてここに来るはずなので、もう少し待ってください。」

 キラは未だにその時に見た光景が脳裏に焼き付いているのか、顔が真っ赤だった。

 すると奥から一人の女性が「あのね!ノックぐらいしなさいよ!」と言いながら、怒り顔で姿を現した。

「ごめんなさい…。」

 キラは両手を合わせて、祈るような仕草をしながら謝罪をした。

「おおっ!その格好はっ!」

「やばくね?これ。」

 レックとハッサンはその女性が天使のレオタード(4人はまだ名前を知りません)を装備していたため、思わず目を大きく見開いた。

「ちょっと!何見とれてんのよ!」

 バーバラに忠告されても、彼らは女性に注目するばかりだった。

 

 しばらくして、全員の気持ちが落ち着くと、彼らは自己紹介をした。

(※なお、女性の名前は後で発表します。)

 その中で、兵士の女性はキラがどこか抜けているせいで、迷惑をかけてしまったことを謝った。

「あの、抜けているってどういうことなんですか!」

「実際、抜けているんだから仕方ないでしょ!」

「うっ…、それは…。」

 キラは言い返すことが出来ず、タジタジだった。

 するとバーバラがまるで忍び足をするかのように彼に近づいていき、身に付けているかぶとを持ち上げた。

「ちょっと!何をしているんですか!」

「うーーん。確かに抜けている感じがするわね。」

「バーバラさん、やめてください!気にしているんですから!」

 キラはとっさにかぶとを取り返してかぶり直した。

 一方、レック、ハッサン、ミレーユは「そっち?」と言いたげな表情をしていた。

 

 その後、キラはキラーマジンガに故障が発生したため、今は参加出来ないことを打ち明けた。

「どうもすみません。修理はしているんですが、何回やっても何回やってもキラーマジンガが直せないんですよ。」

レック「あの。別に直せなくてもいいです。とにかくここは海底宝物庫という施設ですから、宝物か何かを手に入れたいんですけれど。」

「でも、ただでその宝物を差し上げるわけにはいきません。どうしても手に入れたいのであれば、まずはガーディアンと戦ってみてください。」

 女性はそう言うと、キラに召喚を依頼した。

「分かりました。」

 彼は依頼を受けて、早速ガーディアン3体を呼び出した。

 

 戦闘になると、星降る腕輪を身に付けたレックは先制でラリホーマを唱えてAとCを眠らせた。

 残ったBは攻撃のモーションを起こしたものの、はやてのリングを身に付けたミレーユのラリホーで集中力を乱されてしまい、バーバラのラリホーでとうとう眠ってしまった。

「よし!眠ってしまえばこっちのもんだぜ!」

 ハッサンはしてやったりの表情をしながらメラミを唱え、軽減無しでBにダメージを与えた。

 次のターンではAが目を覚ましたが、レックのラリホーマで再び眠ってしまい、続いてミレーユがイオラ、バーバラとハッサンがかまいたちで攻撃をした。

「僕達は事前に色々と研究をしてきたんだ。」

「私達はすでに弱点を知っていますからね。」

「何体来ようと、あたし達がコテンパンにしてやるわ!」

 次のターンでレックはライデイン、ミレーユはイオラを唱え、バーバラは再度かまいたちを使った。

 するとCが目を覚ます予兆を見せたため、今度はハッサンがラリホーで足止めをした。

 その後も4人はガーディアンの誰かが目を覚ますとすぐさま眠らせてしまい、隙が出来ると呪文やかまいたちで攻め続けた。

 結果、サンドバッグ同然と化してしまったガーディアンを見て、キラはここで戦闘を終了させた。

「君達、なかなかやるわね。気に入ったわ。じゃあ、次は私達と勝負をしてみない?」

 女性はうれしそうな表情をしながら4人に問いかけた。

「えっ?あなた達とですか?」

「いいのかよ。ケガするかもしれないぜ。」

 ミレーユとハッサンの懸念に対し、キラと女性は勝負する気満々だった。

 それを見たレック達4人は、男性陣と女性陣に分かれて話し合いを始めた。

 

 それから3分後。作戦がまとまったミレーユとバーバラは準備OKの合図を出した。

 一方でレックとハッサンはまだヒソヒソ声で会話をしていた。

「2人とも、一体どうしたの?」

 ミレーユが彼らの近くまで行くと、レックとハッサンがそれぞれ「踊り子の服だと思う。」「いやバニースーツだろ。」と言っていたため、彼女は思わず顔をしかめた。

「ちょっと!何を話し合っているのよ!」

ハッサン「いやあ。あのちゃんねーが何を着たら似合うのかなって。」

「コラコラ!こんな時に何を考えているんですか!」

 キラがこちらに歩み寄ってくると、レックは「ちなみにキラさんは何だと思いますか?」と問いかけた。

「私は『とても言えないもの』だと…。」

 彼がそう答えると、女性は思わずビンタを入れた。

「あんたまで何を言っているのよ!このドえっちいっ!」

「ぐおっ!効くねえ、これはっ!!」

 キラはかなりのダメージを受けたため、勝負の前に薬草を使う羽目になった。

 

 少しゴタゴタはあったものの、レック達は準備が整ったため、いよいよ勝負が始まることになった。

(あの赤毛の女の子。一見すると魔法使いっぽいけれど、きせきの剣と星降る腕輪を装備している以上、かなり期待されている存在ね。)

(あの時はその金髪の女性の作戦に引っかかってなす術なく負けてしまったが、今度はそうはいかない。こちらも全力で行くぞ!)

 女性とキラはバーバラとミレーユを特に警戒していた。

 勝負が始まると、バーバラははやぶさぎりを浴びせてキラにダメージを与え、さらにかぶとを弾き飛ばした。

「ちょっと!頭はやめてくださいよ!」

 彼が思わず動揺する一方で、女性はまふうじの杖を道具使用し、バーバラとレックの呪文を封じ込めた。

 続いてミレーユはスクルトを唱え、レックはライデインを取り止めて炎のツメを道具使用し、ハッサンはメラミを唱えた。

 すると2つの火の玉はキラの頭目掛けて飛んでいき、見事にヒットした。

「うおおおっ!熱っっっ!!」

 彼は大慌てで炎を振り払った。

「ちょっと!私に何てことを!って、あれっ?あれっ!?」

 キラが頭を確認すると、彼が一番恐れていたことが現実になっていた。

「アハハハ。何だかスッキリしたじゃない。似合っているわよ。」

「確かに。これで頭一つ抜けた存在になったってわけだな。」

 女性に続いて、ハッサンもキラにツッコミを入れた。

 一方、キラは頭の中でデロデロした音を響かせながらその場にひざまずき、すっかり戦意を喪失してしまった。

「ねえねえ、大丈夫?そんなにショックなの?」

「ショックなんだよ!お嬢ちゃんには分からんだろうけれどな!」

「ふうん。そんなに大切なものだったのね。」

 すっかり顔が青ざめているキラに対し、バーバラはのん気だった。

 

 それから勝負はしばらくの間中断してしまったが、キラがようやく気持ちを切り替えたため、HPを回復させた上で再開になった。

 すると、先手を取った女性は持っている盾を道具使用し、強烈な風を起こした。

 ターゲットになったバーバラは強風オールバックの状態になり、前に進めなくなった。

「きゃああっ!」

 小柄な彼女はたちまち風に耐えられなくなり、後ろに飛ばされていった。

(悪いわね。女の子と言えども、きせきの剣で特技を使われたらかなりの痛手になるだろうから、この手を使わせてもらったわ。)

 女性は壁に叩きつけられて気を失ってしまったバーバラに対し、心の中で謝った。

「よくもバーバラを!」

 思わぬ光景を目の当たりにしたレックは思わず我を忘れながら女性に向かって通常攻撃を仕掛けた。

 しかし、賢者路線を進んでいた影響で攻撃力が下がっている上に、天使のレオタードの守備力に阻まれたこともあって、マグマの杖では大したダメージにはならなかった。

 次にキラはルカナンを唱えてミレーユのスクルトを打ち消し、ハッサンは氷のやいばでの通常攻撃と追加攻撃をキラにヒットさせた。

 次のターンでミレーユはメダパニダンスを踊り、キラを混乱させたが、女性には失敗してしまった。

 その女性は持っている武器でグループ攻撃をしてきて、3人にヒットさせた。

「ぐわあっ!一体何だあの武器は!」

「ムチャクチャいてえじゃねえか!」

「どうやらもの凄い攻撃力のようね。」

 思わぬ大ダメージを受けたレック、ハッサン、ミレーユは思わずビックリ仰天してしまい、男性陣2人はそのターンで行動が出来なくなってしまった。

 一方のキラはどうすれば分からずに無駄行動をしてしまった。

 次のターンで女性はレック達3人だけでなくキラにも通常攻撃を加え、彼を正気に戻した。

(悔しいけれど、ここは回復ね。)

 ミレーユはHPが危険ゾーンに入っていたこともあって攻撃を取りやめ、自分にベホイミを唱えた。

 それにつられるようにレックはゲントの杖を使い、ハッサンはベホマでHPを回復させた。

 すると、女性はグループ攻撃でミレーユ、レック、ハッサンの順に通常攻撃を当ててきた。

 ミレーユは再度ベホイミを唱えたが、きせきの剣を装備しているキラの通常攻撃を受けてHPが底をついたため、痛がりながらその場にうずくまってしまった。

(この2人、強いじゃねえか!)

(このままでは負けてしまう!)

 ハッサンとレックは残りが自分達しかいないだけに、焦りの表情が浮かんでいた。

 しかもキラは攻撃と同時に回復をしてくる上に、女性はまふうじの杖を再度道具使用して、ハッサンの呪文も封じ込めてしまった。

 回復手段がゲントの杖のみになったレックとハッサンは、2人の猛攻を防ぎきることが不可能になったため、もはや降参するしか術はなかった。

 結局勝負はレック達の敗北という形で終わってしまった。

 

「悔しいよおっ!もっと行動したかったのにいっ!」

「ごめんね。私だって本当はこの盾を使いたくなかったの。」

 女性はジタバタするバーバラに平謝りだった。

「あなた達、本当に強いですね。まいりました。」

「上級職になったとはいえ、まだまだだな、俺達は。」

「結局、お宝を獲得出来ませんでしたね。」

 レック、ハッサン、ミレーユはキラとグリンガムという女性に対して頭が上がらなかった。

 

 その後、レック達4人はキラと水の羽衣に着替えてきたグリンガムと意気投合したため、色々会話が出来る関係になった。

 その中でグリンガムは、レックとハッサンがレオタード姿だった自分に注目していたことが気になった。

「あの天使のレオタード、そんなに気になったの?」

「い、いやあ…。その…。」

「メチャ気になったぜ…。」

 レックとハッサンはそのせいで多少なりともステータスが下がっていたため、図星の状態だった。

 さらにミレーユとバーバラはお互いの顔をジロジロ見ていた。

「あら。あなた達、興味がありそうね。良かったら装備してみますか?」

「えっ?わ、私より、バーバラに似合うかも…。」

「ミレーユの方が似合うんじゃないかな。」

 彼女達はどちらも拒否する態度を見せたため、レック、ハッサン、キラは思わず(そんなに着るのが嫌か!)と心の中でツッコミを入れていた。

「あらそう。見た目に反して防御力はあるし、役に立つと思ったけれど…。」

 グリンガムは自分が堂々と装備していただけに、このような結果になって残念そうな表情を浮かべていた。

 一方で、キラはガーディアンだけではだめだということをはっきりと自覚したため、次回までにキラーマジンガを修理しておくことを告げた。

「だから、アレは直せないままでいいってば!」

「俺達はアレの攻撃力を忘れてねえんだからよ!」

 レックとハッサンは以前より強くなったとはいえ、やはりあの経験はトラウマとなっており、名前さえも避けるようになっていた。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。