海底宝物庫でキラとグリンガムとの勝負を終えた後、レック、ハッサン、ミレーユ、バーバラの4人は彼らと一緒に海底宝物庫を後にした。
6人は海中を旅した後、やがてある場所に着岸した。
彼らが船を降りると、そこには何やら見張りのようなモンスターが2匹いた。
「お主達、何者だ!?」
「ここを通りたいのか!?」
その正体はいどまねきで、彼らは6人の前に立ちはだかった。
「あっ、はい。通してくれますでしょうか?」
「ならば、この私達を倒していくがよい。」
いどまねきAはレックの頼みをあっさりと断り、戦闘態勢に入った。
「何よもう。あたし達はただここを通りかかっただけなのに!」
「どうやら彼らは魔王とは関係なしに、ただ戦いが好きなようね。」
「俺達だって戦いたくて戦っているわけじゃねえんだけどな。」
バーバラ、ミレーユ、ハッサンが不満げな表情を浮かべていると、そこにグリンガムとキラが割って入ってきた。
「では、お望み通り、あなた達を倒していくことにしましょう。」
「仮に痛い目にあっても後悔しないでくださいね。」
2人はやってやると言わんばかりに身構え、戦闘が始まった。
「大丈夫かな?いざとなったら助太刀するつもりだけれど…。」
レックは彼らの実力を知っているとはいえ、不安を感じずにはいられなかった。
先制で行動したグリンガムは早速バイキルトを唱え、キラの攻撃力を上げた。
いどまねきはどちらもキラに通常攻撃を浴びせた。
それでも彼はひるむことなくせいけん突きを浴びせ、Aを一撃でKOさせた。
「ええっ?何だ、その攻撃は!」
「あの強敵をたった一撃で!?」
「人間業とは思えないわね。」
「これがバイキルトの効果なのね。」
レック、ハッサン、バーバラ、ミレーユは今まで見たことも無いほどのダメージを目の当たりにして、思わずビックリだった。
次のターンでグリンガムはムチでの通常攻撃をヒットさせた後、いどまねきBはおたけびをあげ、彼女をひるませた。
続けざまにキラは再度せいけん突きを仕掛け、一旦は外れてしまったが、次のターンで見事にヒットさせたため、戦闘はキラ達に軍配が上がった。
勝負に負けた2匹は悔しそうな表情をしながら奥の方へと撤退をしていった。
戦闘が終わるとグリンガムはベホマをかけてキラのHPを全回復させた。
一方、レック達4人はバイキルトとせいけん突きの威力にまだ驚いたままだった。
キラ「君達、これがそんなにすごいことだったのかい?」
レック「はい。もし僕達がそれを受けていたら間違いなく一発KOでしたから。」
ミレーユ「ただでさえあれだけ強かったのに、さらに強くなれるんですね。」
バーバラ「あの時本気を出されたら、あたし達はあっという間に負けていたわ。」
ハッサン「俺達はまだ誰もバイキルトを使えないし、あんた達にあこがれちまうぜ。」
グリンガム「あらそう。じゃあ、誰かこの呪文を使えるようになりたい?」
「はい。僕は賢者ですし、是非使えるようになりたいです。」
「レック君、分かったわ。じゃあ、後で教えてあげるわね。」
「ありがとうございます。よろしくお願いします!」
彼は勢いよくお辞儀をした。
その後、いどまねきはブラッディハンド5匹とストロングアニマル2匹を呼び出してきた。
ハッサン「ここは俺達も助太刀するぜ。」
キラ「いや、私達だけで大丈夫です。」
ミレーユ「本当にいいんですか?」
グリンガム「はい。任せてください。」
2人の意気込みを受けて、レック達4人は後ろで様子を見ることにした。
戦闘が始まると、グリンガムは風神の盾を道具使用し、ブラッディハンドA、C、EとストロングアニマルBを退場させた。
残ったブラッディハンド2匹は仲間を呼び、Fとトロルが加わった。
ストロングアニマルは噛みつきをしてきて、キラにダメージを与えた。
そのキラはしんくうはを使って全体にダメージを与えた。
次のターンでグリンガムはもう一度風神の盾を道具使用し、加わったばかりの2匹を早々に退場させた。
続いてキラはせいけん突きをストロングアニマルにヒットさせ、残りはブラッディハンド2匹になった。
その2匹はしぶとく仲間を呼び、GとHが加わった。
「本当にこいつらはしつこいな。」
「一気にカタをつけてやるわ。」
キラとグリンガムは次のターンでしんくうはとムチによる強烈なグループ攻撃を浴びせ、戦闘を終了させた。
しかし、間髪入れずに今度はフロストギズモ4匹が現れた。
するとグリンガムとキラはそれぞれムチでの通常攻撃とまわし蹴りをくらわせ、一瞬で戦闘を終わらせた。
彼らが最後のカギで開ける扉のところまでやって来ると、そこには門番とばかりにオンディーナとアイアンタートル2匹ずつと戦闘になった。
「これらは確か厄介な敵だったな。」
「だったら、私はあの切り札を使うわ。」
「いいのか?体にかかる負担も大きいぞ。」
「1日1回だけなら大丈夫よ。やってみるわ。」
今度も先手を取ったグリンガムは切り札として自身にバイキルトをかけ、攻撃力を大きく上げた。
続いてキラはしんくうはを使ったが、効果はいまいちだった。
一方、アイアンタートルAとBはそれぞれマホカンタと体当たりを使用してきた。
攻撃のターゲットになったキラはかなりのダメージを受けながらも踏みとどまった。
オンディーナ2匹はグリンガムに集中攻撃をしてきて、彼女はAの攻撃をかわしたが、Bからダメージを受けた。
次のターンでグリンガムは攻撃力2倍の状態でオンディーナをグループ攻撃し、一気に追い返した。
アイアンタートル2匹はキラに通常攻撃をしてきたが、彼はダメージを受ける直前に力の盾を道具使用し、間一髪で間に合ったため、危険ゾーンに入りながらも何とかダウンを免れた。
次のターンでグリンガムはベホマを唱えて彼のHPを全回復させ、キラはしんくうはを使った。
するとアイアンタートルAがグリンガムに体当たりをしてきて、今度は彼女が大ダメージを受けた。
(Bはマホカンタ。)
「大丈夫か?」
「大丈夫よ。それより速く相手を!」
「分かった。」
キラは素早く気持ちを切り替え、軽減覚悟で再びしんくうはを使った。
そしてグリンガムは相手から攻撃される前に通常攻撃をヒットさせて、相手の守備力を打ち破るダメージを与え、どうにか戦闘を終了させた。
「本当にかなりの強敵だったな。」
「でも勝てて良かったわ。」
2人は心の底からほっとし、そしてグリンガムは自身のHPを全回復させた。
「すげえな。ここまでの実力の持ち主だとは。」
「あたし達では4人がかりでも勝てたかどうか…。」
「そう考えると、本当にあこがれてしまうわね。」
ハッサン、バーバラ、ミレーユは彼らに頭が上がらず、うっとりするばかりだった。
「確かに現時点でキラさんとグリンガムさんは僕達のあこがれの存在だ。でも、いつまでもあこがれるのはやめましょう。僕達はいずれ彼らを超えていかなければいけないから。」
「ほう。レック君は私達を超えていきたいのか。」
「ハイ、キラさん。そうでなければ魔王討伐なんて出来ませんから。」
「なるほど、分かった。では、その気持ちを忘れないようにするために、これを君に渡すことにしよう。」
彼はそう言って自分が装備していた力の盾を外し、レックに差し出してきた。
「えっ?いいんですか?大事な防具なのに。」
「いいんです。私にはきせきの剣で回復が出来ますから。」
「それに私がベホマを使えますし、回復面は心配ありません。」
「ありがとうございます。それではこの盾、大切に使わせていただきます。」
「よろしく頼む。そして、私達を超えた時に返しに来なさい。立派な勇者になってな。」
「はいっ!分かりました!」
レックは深く感謝をしながら力の盾を受け取った。
「確かにそうだな。あこがれていては超えられないよな。」
「そのためには今よりさらに強くなっていくしかないわね。」
「いずれ、胸を張ってその盾を返却しに来たいわね。」
ハッサン、ミレーユ、バーバラもレックの姿を見て、気合を入れた。
そして彼らは扉を開けて先に進んでいった。
その頃、ちょうど下の世界のレイドックに来ていたアモス、チャモロ、ターニアは、レック達6人が井戸から外に出てきたのを目撃した。
「あっ、お兄ちゃん達、こんにちは。」
ターニアは真っ先に彼らに声をかけた。
そして、兄達が海底を旅した後、井戸経由でここにやってきたことを知った。
「それなら、今度は私達が旅をしてもいいですか?」
「うん、いいよ。井戸の中にいたモンスターも退治したから。」
「ありがとう、お兄ちゃん!」
彼女は満面の笑みで喜んでくれた。
そしてチャモロとアモスを加えた3人はきせきの剣や力の盾、星降る腕輪、力のルビー、最後のカギなどを受け取り、最強装備の状態で井戸の中に入っていった。
一方、レック達はレイドック王とシェーラに会い、この日はここでゆっくりと過ごすことにした。
井戸経由で船に乗り込んでいったチャモロ達は海上に浮上した後、途中で立ち寄った場所でテリーに再び出会った。
3人では心細いと思っていた彼らは、お金を払って一時的にテリーに加わってもらうことにした。
アモス「レックさん達がキラさんと一緒だったってことは、現在、海底宝物庫では見張り役が不在なんですよね。」
チャモロ「確かにそうなりますね。ということは、宝物を手に入れるチャンスなのでは?」
テリー「まあ、そういうことになるだろうな。さっさと手に入れて退散するぜ。」
その一方、ターニアはそんな簡単にアイテムが手に入ればいいけれどという気持ちだった。
現地に到着すると、4人は中に入っていった。
すると道が分かれたところに2体のロボットが待ち構えていた。
「一体何なんだ、こいつら。」
「戦わないといけないんですかねえ。」
「出来れば回避したいですけれど…。」
「でも、今動き始めましたよ。」
テリー、アモス、ターニアはこれらをスルーしようとしたが、最後尾にいたチャモロがそう言って立ち止まった。
「キミタチ、サキニススムツモリデスカ?」
「ススムノデアレバ、ショウブシテクダサイ。」
「ヒキカエスノデアレバ、ミノガシテヤル。」
「キミタチハ、ドチラヲエラビマスカ?」
ロボット達は交互に話しかけながら、アモス達に決断を迫った。
「フンッ!誰が引き返すものか!俺達は宝を頂いて帰るまでだ。」
「ちょうど見張りの人もキラーマジンガも不在だそうですからねえ。」
「ですから、このチャンスを逃すわけにはいきません。勝負します。」
「あの…、私は辞退します。何だか嫌な予感がするんです…。」
テリー、アモス、チャモロは勝負を受けて立つことにした一方、ターニアは後ずさりをしていった。
「ヨロシイ。オレノナハ、エールマン。」
「ワタシハ、ウードマントモウシマス。」
ロボット達はそれぞれ自分の名前を名乗ると、身構えて勝負に備えた。
「フンッ!上等だ。コテンパンにしてやるぜ。」
「私も手加減はしません。全力でいきますよ。」
テリーとアモスは立ち向かう気満々だった。
戦闘になると、星降る腕輪を装備したチャモロはおたけびをあげたが失敗。
続いてテリーはらいめいの剣を道具使用し、2体にダメージを与えた。
その直後、ウードマンはたくさんの木の葉で身を隠し、エールマンは様子を見た。
まじんの鎧を装備しているアモスはきせきの剣でウードマンを攻撃したが、ダメージを与えられなかった。
次のターンでチャモロはエールマンに突き飛ばしを仕掛けたが、これも失敗した。
テリーは力のルビーを身に付けた状態でエールマンにはやぶさぎりをヒットさせた。
一方、ウードマンはここで木の葉のかたまりを投げつけてきて、動きの鈍いアモスにヒットさせた。
そしてエールマンは竜巻を起こし、テリーをターゲットにしてきた。
「な、何だこれは!」
竜巻に巻き込まれた彼は何とかそこから出ようとしたが、強風オールバックの状態になった上に後ろへと大きく飛ばされてしまい、戦闘から離脱となってしまった。
最後に行動したアモスは、大きく息を吸い込んだ。
「これはまずいですね。何とかして早く決着をつけなければ。」
焦ったチャモロはターニアに加わってもらえるように要請をしたが、彼女は恐れおののくばかりで、結局戦闘に加わってくれなかった。
そしてウードマンは木の葉のかたまりを身にまとって無敵状態になり、エールマンは再び竜巻を発生させた。
「私がターゲットになってはまずいです。早く攻撃をしなければ。」
アモスは急いで4倍せいけん突きを浴びせようとしたが、鎧の影響で思うように体が動かず、行動が遅れてしまった。
そしてなす術なく竜巻に巻き込まれ、結果的に戦闘離脱となってしまった。
一人残ったチャモロは強力な攻撃手段がメラミしかなく、明らかに火力不足の状態だった。
それでもウードマンが木の葉を放ってきた後にその呪文を放ち、自身のHPを減らしながらも相手にダメージを与えた。
(よし。どうやらこれが弱点のようですね。つまり炎系の攻撃をすれば勝てるかもしれません。)
彼は一瞬安どの表情をしたが、次の瞬間、エールマンがまたまた竜巻を発生させたため、嫌な予感を感じずにはいられなかった。
その予感は見事に当たってしまい、3人とも戦闘から離脱となってしまったため、無情にも勝負は決してしまった。
「まいりました。私達の敗北です。」
「どうか『命』だけはお助け下さい!」
「そのリアクション、要りますか?」
ターニアが頭を下げる一方、アモスは漫才のようなことをしたため、チャモロからツッコミを受けていた。
(チッ!今日はついてねえぜ。こんな形で返り討ちにあうなんてよ。まあ、そのハゲメガネ野郎から賃金はもらえたわけだから、これで良しとしよう。)
テリーは無言のまま、負けた悔しさを懸命にこらえていた。
エールマンとウードマンに返り討ちにされた彼らは、失意のまま海底宝物庫を後にした。
そして船が海上に出ると、テリーは「それは俺が同行するのはここまでだ。あばよ!」と捨て台詞のようなことを言い残し、風の帽子を道具使用して飛び去っていった。
「どうやら世の中にはまだまだ強い敵がいるんですね。」
「でもいずれ超えていかなければならないですよね。」
「そうですね。私達はまだお兄ちゃん達にも及ばないし。」
船上にいるチャモロ、アモス、ターニアは未だに悔しさと闘い続けていた。
なお、グリンガムのムチと風神の盾は地上にいるグリンガムが所持していたため、仮に彼らが勝っていたとしても、小さなメダルしか手に入れられなかったということを、彼らは知る由も無かった。
今回登場したエールマンとウードマンですが、「エールフランス」のつづりとMOODの発音を参考にすれば誰か分かると思います。
それ以前に、攻撃でバレバレかもしれませんが。