困惑しまくるヒメちゃん(に、転生した何か)のお話   作:上代わちき

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先に申し上げます。困惑ヒメちゃんをもっと見たいので短編書きました。ごめんなさい。
そういう内容の短編です。


困惑しまくるヒメちゃん(に、転生した何か)の話

 

 

 

 説明しよう。

 トラックに轢かれたと思ったら鳴花ヒメになった。

 

 

 ??????????????????????????????????――――

 

 

 

 え、どういうこと?

 ヒメちゃん、トラック転生してヒメちゃんになったってこと?

 あ、もう一人称が「ヒメちゃん」になってる……ここそういう世界線のヒメちゃんかぁ。

 って、いやいやいやそれよりも!

 

 外を見ろよ外を!

 このビルの下、ゾンビだらけなんだぞ!

 

 

 

 

 え、ゾンビ????????????????????????????????────

 

 ここアウトブレイクものの世界なの?

 普通こういうタイプの転生って平和な現代日本に生まれて他のボイスロイドさんとゆるふわ日常もの送る感じじゃないの?

 その普通はヒメちゃんの偏見で、世間一般の普通はこういうようなもんなの?

 そういう普通はヒメちゃん嫌だなぁ。

 

 

 

 

 

 ……と、なっていたのも今は昔。

 ゾンビたちから逃げて生存戦略しているうちにとんでもないことが発覚しました。

 

 ヒメちゃん、現実改変能力の持ち主でした。

 

 

 

 どゆこと?????????????????????????????????――――

 

 

 え、ヒメちゃんと何の関係あんの現実改変能力。

 ヒメちゃんってあくまで梅の精霊というだけでそんなチートな設定があるわけじゃないよ?

 

 というかなんだよ現実改変能力。

 いやこれあれか。

 世界観がゾンビアウトブレイクものというハードモードだから、そんな世界でもヒメちゃんが生きていけるよう神様が気を利かせてくれただけなのかな?

 

 いやでもこの能力使うととんでもなくイージーモードになっちったしな現実改変能力。

 元の世界に戻ったりとか元の姿に戻ったりとかそういう無法なことはできないけど、それ以外は何でもできるしな現実改変能力。

 何ができて何ができないのかヒメちゃんもよくわかってないけど、でも下手な転生特典よりもよほど仕事できるよ現実改変能力。

 いや普通にありがとうございます神様これ神様転生かよくわからんけど本当に助かってます現実改変能力。

 

 

 

 

 

 

 そんなわけでヒメちゃんがヒメちゃんになって一年ぐらい経ちました。

 どうやらこの世界、ミコトとか花ちゃんとかいなさそうです。

 

 

 なんで??????????????????????????????????――――

 

 あ、いやごめん。

 あくまで『いなさそう』であって、いないと決まったわけじゃない。

 ただ今の今まで見つからなかったってだけだけど……これ望み薄だなとは思うわけなのですヒメちゃん。

 

 

 この一年、現実改変能力で出したバイクとか船とか飛行機で日本一周どころか世界一周してみましたけど。

 どこにいってもそういう系統の人とは一人たりとも会いませんでした。

 スカイツリーまじで高かったし、富士山からの景色もすごかった。

 でもやっぱりフランスのエッフェル塔とあの綺麗な街並みが一番見ていて楽しかった。

 

 

 

 これ旅行楽しんでるだけじゃね????????????????????――――

 

 

 

 

 

 うーん、それはともかく。

 なんとなくゆかりさんとかマキちゃんとかいないのは仕方ないとしても、やっぱりミコトだけは流石にどっかにいるとは思うんだけどなぁ。

 

 ほらヒメちゃんってほぼ間違いなく『鳴花ヒメ』なんだと思うけど『鳴花ヒメ』って『鳴花ミコト』とセットの存在だからねぇ。

 普通ヒメちゃんがいるならミコトもいる筈なんだよ。

 

 

 

 ちょっとその辺の情報を探るべくゾンビアウトブレイクの世界を生きる生存者コミュニティに潜り込んで活動した時期もあったけど……。

 まぁ普通の人と現実改変能力者がまともに共存できるわけないよなってなって、今はもう一人で活動してます。

 エゴなのはわかっているけど、敵とはいえ子供を殺すなんてヒメちゃんには無理だったよ……。

 ちなみに別の穏当なコミュニティに預けて、今は立派な戦士として生き抜いているそうでヒメちゃんは安心してます。

 

 まぁそんな感じで路線変更をしたけど、まぁ情報はまともに集まらないわけで。

 最終的には「もういっかぁ」となって、のんびりビーチパラソルの下でお昼寝することにしました。

 

 

 

 ここはどこかの学校の屋上。

 そこにバイクとテント一式を持ち込んで、地面にパラソルぶっ刺しつつラジオを聞きながらビーチベッドで寝転がってます。

 空は忌々しいほどに気持ちがいい青空で眩しいけど、現実改変能力で召喚したグラサンかけて気分は豪遊するお金持ちだい。

 

 世が世なら今頃この学校は青春の舞台になる平和な場所だったんだろーなーと、バッテリー無限のスマホを弄りながらヒメちゃん思うのです。

 せめて気分だけでも味わおうとここのブレザー制服を着ているのだけど、これリボンとかスカートとかかわいいよなーっとヒメちゃん思うのです。

 でもそんなかわいい制服を着てやることが、グラサンかけながら寝転がってスマホいじりなんだから無情だよねー……ってヒメちゃん思うのです。

 

 あ、新しい動画が来てる。

 こっちの小説も更新来てる。

 こういうところは元の世界と繋がる辺り、本当によくわからないよね現実改変能力。

 

 

 

 あー。

 誰かヒメちゃんの世界観についていける人が一人いてくれたら形だけでも学校生活とは名ばかりの籠城生活ごっこを楽しめたんだけどなー。

 ゾンビどもをよそに食べるカップラーメンとかエナドリとか美味しいけど、できれば誰かと一緒に食べたいもんだよなー。

 本当、ミコトはどこに行っちゃったんだろー。

 

 

 

「……ヒメ?」

 

 

 え、ミコト??????????????????????????????????――――

 

 

 

 

 

 

 ミカン箱をテーブルにしてゲーミングパソコンでアーマードコア6やってたら鳴花ミコトが現れました。

 イグアスとヴォルタのコンビがイレギュラーでした。

 

 え、いたんだミコト。

 今までいったいどこにいたのミコト。

 

 拳銃を構えておっきなバックパック背負ってぼろぼろな服着てるってことは、この地獄みたいな世界をまっとうに生き残ってきたとかそんな感じなのかな。

 

 

 

「あ、ああああああああああああああああああああああああああああ」

 

 えちょ、ミコト?!

 待って待って待って自分の脳天に拳銃向けないでそのままミコト死んじゃ――――。

 

 

 

「あ……」

 

 

 あっっっっっぶねぇ!

 現実改変能力でギリギリ阻止できた!

 

 ゲームの中の621イグアスに殺されちゃったけど、ヒメちゃんミコト救えたよ!!!!!

 今はミコト意識ないけど、息はしっかりあるから大丈夫。

 

 すぐ現実改変能力で出したテントの中に入れて、お布団で暖かくするからね。

 もちろんまた自殺を試みられても困るから、持ち物から拳銃とかナイフとかは強制没収。

 是非もないよね。

 

 

 

 

 ……ふー。

 もしかしなくても、今までずっと苦労して生きてきたんだろうね。

 こんなふざけた世界で悠々自適に遊んで暮らせるの、ヒメちゃんぐらいのもんだもんね。

 精神衛生の都合で今まで見て見ぬふりしてきたけど、ちょっと罪悪感湧いちゃうね……。

 

 でもまぁ、こうなっちまったもんは気にしても仕方ない。

 ヒメちゃんはヒメちゃんのできることをやろうっか。

 

 

 

 

 

「う、あ……」

 

 あ、起きた。

 おはよーミコト。

 

 ついさっき焚火で煮込んだタマネギスープができたところだよー。

 一緒に食べよー。

 

 

 

「ゆめじゃ、なかった……?」

 

 うん夢じゃないよー。

 だから食べよー。

 せっかくのスープが冷めちゃうよー。

 

 

 

「ヒメ……ごめん、本当にごめん……!」

 

 何言っているのかわからないけどさ。

 今は一緒にスープ食べようよ。

 その方がヒメちゃんうれしいなー。

 

 

 

「あ……おいしい……ヒメのスープ、おいしい」

 

 でしょ?

 作った甲斐があったよー。

 

 

 

「私は……ヒメを見捨てて一人で逃げたのに……ヒメは今まで生きててくれてたんだね……」

 

 

 何言ってんだ????????????????????????????????――――

 

 とは、流石に言わない。

 

 ヒメちゃんの視点だと何がどうなってるかわからないけどさ。

 流石に聞ける雰囲気じゃないからね。

 今はただ、スープのおかわりをよそうだけだ。

 

 

 

 

 

「よかった……本当に、よかった……」

 

 ヒメちゃんもスープを食べる。

 現実改変能力で最初から完成品出して食べるのとは違い、ほっとするような美味しさだ。

 調理は自分でやってるとはいえ、もとの材料が現実改変能力由来で無から生み出したものだってことには変わりないのにね。

 やっぱり、誰かと一緒に食べるっていうのが大きいのかな。

 

 あー。

 ミコトと一緒に見上げる星空、色鮮やかで綺麗だな。

 こんなにきれいな夜空、初めて見たかも。

 

 ヒメちゃんは、きっとこの月を見るために転生したのかも。

 やっぱり、ヒメちゃんとミコトは一緒じゃないとだめなのかもねー。

 

 

 

 

 

 

「これで今度こそ、ヒメの子供を産んであげられる」

 

 

 …………え??????????????????????????????????――――

 

 

 

 

 

 

「今日早速子供作ろ? やっと気づいたんだ……ヒメを見捨てて独りになった時に、私にはヒメが必要だったんだって」

 

 え、あの……。

 

 

 

「ずっと取り返しがつかなくて、わけがわからないまま生きてて、もうずっと灰色だったのに、でもヒメは生きててくれてたんだ……」

 

 え、あの、え。

 

 

 

 

 

「だから私気づいたんだ。私はヒメと同じところから生まれたんじゃなくて、ヒメの中から生まれたんだって。だから私にはヒメが必要なんだ」

 

 

 なしてそうなった??????????????????????????????????――――

 

 

 

「私はヒメの双子じゃなく、ヒメの子供だったんだ! だから私がヒメの子供を産んでヒメの子供になる!!!」

 

 

 どゆこっちゃ??????????????????????????????????――――

 

 

 

 

「大丈夫、私もヒメも女の子同士だけど愛さえあれば問題ないから」

 

 

 一体何言ってんだ?????????????????????????????????――――

 

 

 

 

 

「さぁヒメ、一緒になろ?」

 

 

 …………。

 

 どがんすっかなこれ。

 

 

 




続きません。なぜなら短編ですから。
とりあえず困惑ヒメちゃんいっぱい書けたので満足しました。
その結果ヒメちゃんに現実改変能力付与されたりミコトくんがヤンデレ属性得たりしたけど。


散々書いた通り本作のテーマは「困惑ヒメちゃん」です。この概念が思いのほか筆者にぶっ刺さったので書きました。本作はこれが基本。
が、それはそれとして昨日一日中「テント前のビーチベッドで寝転がりながら遊ぶグラサンヒメちゃん」のサバイバル世界観が脳裏に刻まれてたので、それを消化できたのもうま味。


なおミコトくんだけど、もとは「鳴花ヒメ」と姉妹同士として一緒に学生してたけど、ゾンビアウトブレイク発生で「鳴花ヒメ」を見捨てて独り生き残ってしまう経緯持ち。
それからずっと後悔して、でも死ぬこともできずに生き続けて、その末に「ヒメちゃん」と遭遇。
遭遇当初こそ「鳴花ヒメ」を見捨てた罪悪感がフラッシュバックして自殺未遂かますが、落ち着いた()後は「ヒメちゃん」と子作りすることを決意。もちろん感情が混乱してバグっているだけ。
ヒメちゃんがブレザー制服着たのはただの趣味だけど、描写の外でその姿のヒメちゃんがミコトくんの何かを刺激してぶっ刺さった疑惑がある。同じ制服着てイチャイチャ……はやりすぎとしても、正直依存気味にヒメちゃんにひっついていて欲しい。

ちなみに本作の現実改変能力持ちの「ヒメちゃん」と、ミコトくんが見捨てた「鳴花ヒメ」の関係性は不明。
当人が知らない/覚えていないだけで同一人物かもしれないし、ただ単に同じ見た目してるだけの別人同士かもしれない。

どがんすっかなこの状況。
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