未来が視える元海兵が麦わらの一味について行く話   作:テロン

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新世界と喪失と溝

 

 

 

 

 出航から少し経った後、リオはナミに永久指針(エターナル・ポース)を差し出した。

 海坂を駆け下りる最中、後ろではブルックが「子羊ちゃんは回収できたんですか?」とフランキーに尋ねている。最初の上陸の時ルフィたちが乗っていたミニメリー号のことだ。サニー号を島の裏手まで連れてくる途中でフランキーが回収してくれたようだが、リオが聞いていた範囲で、似たような質問が五度は出ていた。

 

 ナミはというと、取り敢えず指針を受け取ったはいいが疑問符を浮かべている。

 

 

「これ、どこを指してるの?」

「ドレスローザ、のはず」

「ドレスローザ!?」

 

 

 視界を塞いでいるリオは指針がどこを差しているのか分からないので、回答も少し自信なさげなものになる。ところが、口にした国の名前を復唱するように錦えもんが口を挟んだ。隣のチビサムライ──モモの助も驚いている。

 

 

「どうかした?」

「いや、拙者達……いや、拙者が行きたい島というのはまさにそこにござる! おぬしらもそこに用が!?」

「うん!」

 

 

 船首から飛び降りたルフィが会話に加わってくる。リオは既に、ルフィに対してドレスローザに寄りたい旨を伝えてあった。行き先の話が出たのを察して、ローも電伝虫を置いて近寄ってくる。

 

 

「トラ男、さっき誰と喋ってたんだ?」

「ドフラミンゴだ」

「あれ、言ってなかったんだっけ」

 

 

 そうか、と頷いてリオはまずは作戦の話の共有を、とルフィを促した。もう話は動き出してるのだし、早い方がいい。さっきローはリミットを明日の朝刊に設定して、シーザーの身柄と引き換えにドフラミンゴに七武海脱退を強要した。

 

 

「そうだ、作戦教えろ! よしみんな集まれー!」

 

 

 船長の音頭で集合した一味を前に、ルフィがローと無理やり肩を組む。

 

 

「ウチとトラ男の海賊団で四皇倒すための同盟を組んだぞ! 仲良くやろう!」

 

 

 ニコニコのルフィとは反対に、一味はフラットに聞いていた。そもそも初耳なのがゾロ、サンジ、ブルックという面子なのもあるだろう。ブルックだけは「おや?」と言いながら並んで座っているナミやチョッパーの方を見て、次いで正面のウソップに視線を向けていた。

 

 

「反対しないのですか?」

「そりゃ、出来るならしたいけど……」

「リオのお願いでもあるんだ。それなら叶えてやりてェよ」

「それなら四皇相手にケンカを売るのも吝かではないというか……いや、やっぱり怖ェけどな」

「あれ、声高に反対されるよりなんだか心に来るな」

 

 

 責任を感じてペコリと頭を下げていると、サンジが横からそっとティーカップを差し出した。きっとレモンティーだろう。

 

 

「…………と、すると…………」

 

 

 受け取れば、待っていたかのようにサンジの腕が震え、片手でお盆を握り締める。

 

 

「あ」

「サンジくん、こっちにいらっしゃい」

「隣、空いてるわよ」

 

 

 すかさずナミとロビンが口を出し、サンジが連れていかれた。

 ふむ。まァいいか、放っておこう。

 

 

 リオはズビ、と紅茶を啜りながらマスト脇のベンチに腰掛けず、その前の床にそのまま座った。ローとルフィはベンチの上でまだ一方的に肩を組んでいる。

 

 

「えーっと。改めて、こちらトラファルガー・ロー。今のところまだ七武海で、私の古馴染みです」

 

 

 簡単に説明して、「まずはローから説明を」と促す。作戦を持ち込んだのは彼の方なのだから、それが筋だ。

 

 

「お前らに頼んだのはパンクハザードでのシーザーの誘拐だ。おれはその間にSADという薬品を作る装置を破壊した」

 

 

 シーザーという単語に、転がったまま縛られている男に視線が向く。リオの監視のもと戦闘経験を積むためにルフィにボコられ何度か気絶させられたシーザーは、海楼石の鎖でグルグル巻きにされながら一味を睨みつけていた。

 

 

「新世界では……」

「え、何」

 

 

 カツン、とリオの肩にローの刀が触れた。何か言いたげな気配にそういう事か、と頷く。

 

 

「ああ。えっと、新世界って言うのは、楽園……前半の海とはまた違って、一部の大海賊を頂点としたナワバリを形成してるのね。ルフィは、頂上戦争で白ひげが傘下の海賊たちを連れてきていたのを見たでしょう?」

「おう、あのいっぱいいた奴らだな」

「あんな感じで殆どの海賊団がどこかの海賊団の傘下にいて、さらにその海賊たちも別の海賊団の傘下に。そうして辿って行った先、頂点に君臨しているのが、新世界を統べる四皇。つまり今はカイドウ、ビッグマム、シャンクス、ティーチの四人ってわけ」

 

 

 話を分かっているのか分かっていないのか、思い思いに聞いている一味に、リオは「逆に言うと、どこの傘下にも入らない跳ねっ返りの海賊団って、海軍としては凄くやりやすいんだよね」と付け加えた。

 

 

「そういうのって放っておいても大体何処かしらの領分を侵して粛清されるし、背後を警戒しなくても捕縛作戦が取れるから、大体無所属のルーキーは数年もしないうちに淘汰されるよ」

「恐ろしい話だな……」

「とりあえずの新世界前提知識はこんなものかな」

 

 

 リオを差し置いて新世界の説明をしたくなかったのだろう。これでも10年はこの海にいたのだし。

 ローに顔を向ければ、頷きながら「とはいえ海軍を避けたいのは何処も変わらねェ。あくまで海賊のナワバリは裏社会だ。奴らに目を付けられねェよう、必要な取引は闇の中で行われている」と続けた。

 

 

「その中で最も信頼と力を持っている男がドフラミンゴだ。闇の名をジョーカー。そしてそのジョーカー最大の取引相手が、百獣のカイドウ」

「んな!」

「……!」

 

 

 声をあげた錦えもんとモモの助に、リオはそうか、と頷いた。

 

 

「君たちワノ国から来たんだっけ」

「それがどうした?」

「いや……何でもござらん! 続けてくれ!」

 

 

 ゾロが振り返った時は、驚きすぎてモモの助は小さな竜になっていた。これってもしかして……。いや、流石に違うか?

 ともかく、彼らは訳あってドレスローザを目指しているらしい。

 

 

「仲間の誰かでも捕まってる?」

「な、何故それを……!」

「何故って今ドフラミンゴとカイドウの話をしてたし……。いや、いいや。話がややこしくなるから後にしよう」

 

 

 ともかく、頷いてローは話に戻った。

 

 

「おれ達はカイドウの首を狙う。奴は今、ジョーカーから大量の果実を買い込んでいる。人造の動物系悪魔の実『SMILE』だ」

「人造って、そんなもん作れたら際限なく能力者が増えちまうじゃねぇか!」

「そういう事だ」

「世の中そんなにうまい話はないよ。というか、シーザーだし」

「何が言いたいのかね!?」

 

 

 口を挟んだシーザーに首を振る。

 

 

「どうせ不完全なんだろ。ベガパンクでさえ、未だ悪魔の実の完全再現は出来ていない筈だ。なんか失敗作なら出来たって言ってた気がするけど」

「貴様ッ! よくもその名前を!」

「実際、ベガパンクが発見した血統因子の応用だ。デメリットもでかいらしい」

 

 

 ローの追い討ちに、歯を剥いたシーザーはやんのやんのとベガパンクへの雑言を吐いた。完全に拗らせてる。

 シーザーも優秀ではあるんだろうが、同じ時代にベガパンクという大天才がいたことが運の尽きだろう。あと性格。

 

 

「SAD、シーザー、このどちらもが落ちた今、ジョーカーはもう終わりだ。あとはドレスローザのどこかにある、『SMILE』の製造工場を破壊すれば良い。…………というのがおれの案だ」

 

 

 コツン、とまたローが鞘でリオの肩を小突いた。

 

 

「で、そろそろお前が何を企んでんのか吐いてもらおうか、リオ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「えーっと、まずは経緯の説明を」

 

 

 背もたれ代わりにベンチのヘリに凭れて、リオは努めて振り返らないように一味の方を向いた。視線が怖いのだ。

 

 

「私はこの2年の間に、ローと一度接触してる。で、持ってる限りの情報を交換した。その中でジョーカーのビジネスについては意見が合致して、ローが潜入する事になった。パンクハザードの情報とか、海軍内での情報の取り方とかを教えたのは私。それで、予定だとこっちから連絡してもう一回得た情報を照らし合わせる、準備が整うまで接近しない、事を起こすのはルフィと合流する前……と、ローには言ったね」

「だが、そうはなってねェ」

「うん、ハイ」

 

 

 ローの冷ややかな視線に、リオは首を竦めた。

 ちょっとテンション上がってパンクハザードには寄ったけど、海賊同盟を推し進めるつもりはなかったし、ルフィが断れば一味だけでドレスローザへ向かうつもりだった。リオがしていた準備はその為のもので、決してローとの計画の為ではない。

 

 

「いや、どうせ手詰まりだったじゃん……」

「それで?」

「別に。反対する気はないよ。シーザーを誘拐してドフラミンゴに七武海を降りさせる。あとはカイドウと潰し合いをさせる。上手く行かなくても最低限、取引は中止にもってける。良いんじゃない?」

「答えになってねェな」

「シーザーをローが抑えるんなら後は協調しなくたっていいでしょ! ルフィにはドレスローザに寄りたいとは言った。新世界を旅する上で四皇との対立は避けては通れない。潰せるんなら潰しておきたいし、その点についてはこっちに特にデメリットはない。なら別に、ローが居なくたっていい。結局パンクハザードには寄ったんだから、意味のない仮定だ」

 

 

 言い切って、リオは「ロビン、ちょっと」と手招きをした。

 

 

「ま、今は協力するつもりはあるよ。同盟だって組んだんだし、もう一連托生だ。こうなったら私の持ってる情報は出来る限り共有する」

 

 

 立ち上がって近寄ってくるロビンに、リオは下敷きにしていた封筒を差し出す。受け取るようにロビンはその端を掴んだが、リオはすぐには離さなかった。

 不思議そうにするロビンに、「そもそも」と呟く。

 

 

「ドフラミンゴの基盤は何もこれから向かうドレスローザ一国に限らない」

「そりゃ、闇ブローカーってんだから、そういうもんじゃねェのか?」

「いいや、フランキー。それはあくまで裏の話。これは、ある意味表の話だ」

 

 

 言いながら、リオはゆっくりと封筒から手を離した。

 

 

「君たちを何より信頼してるから、その封筒を託す。ロビン、開けて中に書いてある事を教えてくれる?」

「っ、ええ。任せて」

 

 

 全員の視線が注がれる中、ロビンの手が封を切った。一枚、二枚と紙を抜き取って、中身を確認していく。

 

 

「これは……!」

「何だ、何が書いてある」

「ロビン、その意味が分かる?」

 

 

 リオの問いに、ロビンはまた始めからパラパラと資料を確認した。

 

 

「これ、は。機密文書の写しね。筆跡は途中で変わってるけれど、手書きで写されてる。天竜人の出生記録に、こっちはCPの出動記録。こっちの名簿は海兵のものかしら。それから、海賊のリスト。どれも聞き覚えのない名前だわ。他の束は全部、地図のようだけど……」

「天竜人、だと?」

「…………」

 

 

 問いかけには答えず、リオは天を仰いだ。当たって欲しくなかった事が当たっているのが分かったからだ。

 

 

「リオあなた、こんなものどこで……」

「後半のは私が集めたやつだよ。頂上戦争の後、本部に取りには戻れなかったんだけどね。でも、はじめの二つは……そうかァ……」

「つまり、どういう事です?」

 

 

 ブルックの言葉に、リオは唸るように「ロビン」と促した。

 

 

「いいよ、まずそれで一歩前進だ」

「ええ。この資料によると、今私たちが喧嘩を売った七武海、ドンキホーテ・ドフラミンゴだけれど。彼は、元天竜人よ」

「元? 天竜人って生まれの話じゃないの?」

「理由は分からないけれど、CPが護送して、とある天竜人一家を聖地から降ろした、と読めるわね。迎えの記録が無いわ」

「置いていかれた?」

「まさか。腐っても天竜人だぞ」

 

 

 一味の話に口を挟まず、ローは考え込むように口を閉ざしていた。

 

 

「皆、そりゃ世界貴族には詳しくないよね。ドンキホーテってのは始まりの20家の中の一つでさ。元はドレスローザを治めてた一族だ。まさか、と思って調べさせてほしいってずっと言ってたんだけど、私の権限じゃ当然ながらダメで。だから、それの出所は聞かなくても分かるかな」

「それで、青雉か」

「そう」

 

 

 ドレスローザへ行く前に会っておいた方がいい人、とルフィに言ったのはローではなくクザンのことだ。

 

 

 ドンキホーテ姓の天竜人は、言葉を交せる所まではいかないまでも一応知っている。海軍大将についていれば見かける機会もあるのだ。元々海軍将校、それも高位のとなると天竜人の御用聞きみたいな任務も割とある。リオはそこまで偉くはなかったし、そもそも素行不良のため護衛任務が降ってくることは一切なかったけれど。

 

 

 顔はそこまで似ていなかったと記憶しているが、これで出生は確定した。芋づる式にドフラミンゴの弟のロシナンテの出自も知れたが。

 

 

「だとしても、元天竜人ならさほど権力はないはずだ。計画に支障はねェだろう」

「まァ、チップがなければただの人だとは思うけど、どうかな。七武海入りだって何だかおかしかった。捕縛の動きは出てたのに……。それに、いくら七武海とはいえ、世界政府加盟国を海賊が乗っ取って、めでたしめでたしじゃないでしょ。って事は世界政府が、ひいては天竜人が絡んでる、はず。多分」

 

 

 例えば、身内の誰かが地上に降りたドフラミンゴのことを気にかけていて、優遇するよう口を挟んでいるとか。

 それならロシナンテのことだって保護してくれても良かったと思うけど、天竜人の考えなんて分かるはずもない。

 

 

 海軍時代、リオは「天竜人を占うなど不遜」としてマリージョアの出入りに関しては厳しく制限を食らっていて、上司初め周囲には本気で窘められたので流石に逆らう訳にもいかなかった。というか、そもそもマリージョアについては視えたことがない。

 なので、リオが知っているのはシャボンディでアホ面を晒しているような天竜人だけだ。

 

 

 他方、ドフラミンゴについても無知と言っていい。

 ここ10年、つまり奴がドレスローザの王位についてから、リオは彼と決して鉢合わせないように動いていたし、ドレスローザ近海どころか近隣諸国にすら近寄らなかった。

 

 

 あの国は、平和なのだ。

 

 

 そんなはずがなくとも、リオにはそう視えた。

 

 

 何か、異物感のようなものがある。けれどその輪郭が掴めない。

 多分未来を視れば一瞬で解決するようなものなんだろうけど、もうリオはメルリオールではないから、知る限りの危機感を伝えるしか出来ない。

 

 

「じゃあ作戦は失敗か?」

「いや……だとしても、SMILEの製造工場の破壊はする。頭の片隅に入れて置きゃァいい。違うか?」

「……君がそれでいいならいい。じゃあ次。……地図を、ロビン」

「ええ」

 

 

 床に広げたロビンは、リオの手を取って端の方を指差した。

 

 

「この辺りが港ね。城下町に花畑……? それから、王宮。高い位置にあるのね。店の名前まで細かく書き込まれてるわ……」

「何年も前のものだからある程度は変わってるだろうけど。でも、逆に言えば細かく分かってる所は無視していいって事だ」

「それだと、相当島の中まで入り込むことになりそうね」

 

 

 自分で作ったものだから、リオの頭にもその地図はある程度入ってる。ロビンが示す通り、街の中心部へ向かうほど空白が目立っていた。

 

 

「リオはその、ドレスローザって国に行ったことがあるのか?」

「昔、ね。その地図は私じゃなくて、ドレスローザから帰ってきた海兵からの聞き取りで作ったんだ。だから、『帰ってこれた奴ら』が記憶してる地域は埋まってるはず」

「嫌な言い方すんなよ!」

「帰ってこれなかった奴ら、がいるって事か」

 

 

 ゾロに頷いて、「リストがあったでしょ?」とロビンの方を向く。

 

 

「ええ」

「それ、海兵は多分……私の部下だと思う」

「多分?」

「分かんないんだ」

 

 

 隊員リストには確かに含まれている。空いたポストもある。そこに誰かがいたような痕跡はある。

 

 

「だけど、誰だったか分からない」

「記憶が操作されている……?」

「多分。誰も覚えていない。ただの気のせいで、そんな奴初めからいなかったのかもしれない。けど……。何かを視たはずなんだ。私の目には、彼らが映ってたはず」

 

 

 そう思って探せば、似たような事例は他にもあった。覚えのない手配書。そりゃ、星の数ほどの手配書の名前をいちいち記憶してられない人間の方が殆どだろう。事故や事件、抗争で知らぬ間に消えていく海賊が、死亡確認も取れずに手配されっぱなし、なんてよくある話だ。

 けれど、メルリオールは。

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。生死不明ならともかく、一切記憶に無いなんて海賊が、それも新世界に到達した海賊が、いるはずがない」

 

 

 それには自信があった。未来視から出撃に至るまで、メルリオールは人相が一致する海賊や著名人を探すため、顔写真の載ったものは寝る間も惜しんでチェックしていたからだ。

 

 

「彼らが全員ドレスローザで消えたとは限らない。けれど……」

「疑うには十分。あなたはそう思った」

「そう。だから、私はドレスローザの不正を暴けば良いと考えた」

 

 

 これがローと合流しなかった場合の案だ、と言いながらトントン、と指で床を叩く。

 

 

「ドレスローザは愛と情熱とおもちゃの国。だけど……。少なくとも、ドフラミンゴが王位に就くまでは愛と情熱の国ではあっても、おもちゃの国ではなかった」

 

 

 リオの知る限り、最も大きな違いがそれだ。

 ドレスローザの新しい産業……? まさか。ドフラミンゴに、国を立て直す気はないだろう。

 立場関係なく消えた人間。国に溢れ出したおもちゃたち。政府の目を掻い潜り続けられる闇取引。

 

 

「恐らく、おもちゃ工場のような場所がある。消えた人々はそこで働かされているか、もしくはもう……。何にせよ、そこがきっとドレスローザという国の闇に繋がってる。それさえ暴けばいい」

「だがそれは、『海兵メルリオール』の案だろう。暴いてどうする? 海軍に密告するのか?」

「別に知らせる必要はないでしょ。捕われている人がいるなら解放すれば良い、彼らが伝令の任を果たす。私の想像通り、海兵が含まれているならもっと話が早い。そうじゃなくても、国民に知れれば後はなるようになる」

 

 

 甘っちょろい策だと、ローは思っているのかもしれない。事実、リオの案だとドフラミンゴは国王の座くらいは追われるかもしれないが、彼の案のようにカイドウの逆鱗に触れて消されるというところまでは行かないだろう。ただ、こちらの方がリスクは少ない。

 

 

 リオは自分の案が優れたものであるとも、練られたものであるとも、一切思っていない。

 ただ彼の案を否定する為だけに情報を集め、下手な策を立て、ルフィたちを巻き込んだ。

 そうした断絶が、いつからかリオとローの間にはあった。ずっと、目的が違うのだ。

 

 

「で、結局どうするんだ?」

 

 

 痺れを切らしたルフィに、リオは「まずは明日の朝刊を待ちましょう」と言って手を叩いた。

 

 

「少なくともそれで一つは駒が前に進む。そうでしょ?」

 

 

 

 

 

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