未来が視える元海兵が麦わらの一味について行く話   作:テロン

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その為の13年

 

 

 

 

「シャンブルズ」

「まだそんな力を! ロー!」

「何とも往生際の悪ィこって……」

 

 

 なんとでも言え、とローはシーザーを引っ掴んで駆け出した。晴れた空に雷鳴の音。サニー号が近くまで迫っているのだ。

 

 

 随分と手酷くやられたが、幸い直前までシーザーの心臓入れ替えには気付かれなかった。その辺の海兵の心臓が握り潰された隙を突いて、ドフラミンゴの誘導には成功している。

 このまま橋の辺りまでドフラミンゴを引きつけ、シーザーを能力で飛ばす。後は工場破壊まで粘ればチェックだ。

 

 

「よし、この辺りで……」

「あー、そういう事か」

 

 

 フフ、と笑ったドフラミンゴが、ローの背中を追っていた足を止めた。

 

 

「いかにもお前が考えそうな事だ」

「待てドフラミンゴ! あいつらは関係ねェんだ!」

 

 

 その足が、明確にサニー号へ向かって動き出す。幸い、距離はある。が、橋に足をかけていたローの方が遠い。

 

 

「フッフッフ、よく見てろロー! 目の前で同盟の一味が無惨に死ぬ姿!」

「ッ、シャンブルズ!」

 

 

 放り投げた木片と位置を入れ替える。それでもまだ届かない。

 

 

「トラ男、助け……」

「ROOM!」

 

 

 間に合わない。だが、球の中、その男は空を駆けてきた。

 

 

「オイ、泣いて嫌がるウチの仲間に近寄んじゃねェよ!」

「黒足屋……!」

 

 

 他の船員が間に合った。それでもドフラミンゴ相手に安心は出来ない。

 

 

「ほう……強そうなのが来たな」

悪魔風脚(ディアブルジャンブ)……一級挽き肉(プルミエール・アッシ)!」

五色糸(ゴシキート)!」

「うわ!」

 

 

 技のぶつかり合いで、サンジが一方的に傷を負う。文字通り、次元が違った。

 

 

「シャンブルズ!」

 

 

 ローを意識から飛ばしたドフラミンゴの隙を突き、位置を入れ替え、サンジを拾って甲板へと降り立つ。

 

 

「ロー、悪い!」

「黒足屋、工場破壊はどうなってる!?」

「SMILEの方なら場所は分かったが、想像以上に大仕事になるらしい」

「父上は!? カン十郎は!? サン五郎!」

「侍も工場だ、事が済めば助かるハズだ」

「まだ時間がかかるか」

 

 

 手早く行われた情報交換で、ローは大凡の状況を把握して舌打ちをした。当初の想定がいくら甘かったとしても、流石にこれで終わりにする訳にはいかないだろう。

 船室に置いておいた自身の心臓を回収し、代わりに入れていたシーザーの心臓を投げ捨てる。

 

 

「お前らとにかくコイツを連れて今すぐゾウを目指せ」

「ゾウ!?」

「次の島へのビブルカードを渡してあったハズだ」

「次の島って、ルフィさんたちはどうするんですか!?」

「工場破壊さえ終わればこの島に用はない。後から追いかける。……リオもそう言ってただろ。ここで無為に奴とぶつかる必要はねェ」

 

 

 リオの名前を出せば、ピタリと反駁の声がやんだ。納得したというより、考えているのだろう。どう動くべきか。

 

 

「分かった、船を出す」

「サンジくん!?」

 

 

 その代わり、とローに指が突きつけられた。

 

 

「リオさんのことはお前が死ぬ気で守れ。何のためにあの人が、お前との約束を破ってまでおれたちをここに連れてきたと思う……?」

 

 

 本当は自分たちがそうしたかった、と言わんばかりにその手が、握りしめられる。

 

 

「いいか、リオさんのゴールは、この国の工場に秘められた闇を暴き、ドフラミンゴを失墜させることだ。間違ってもドフラミンゴを倒すことじゃねェ! あの人がそう言った以上、おれたちはそれを信じて船を出す。……シーザーは任せろ」

 

 

 航路を、ナミさん。と振り返った背中は少し震えていた。彼らとはさほど長い付き合いでは無い。信頼関係など築けていない。けれど、リオが結んだから。

 

 

「……そうね」

 

 

 頷いたナミが、ローが預けたビブルカードを取り出した。ゾウで待つ、ローの仲間のビブルカード。

 

 

「必ずリオを連れてゾウまで来なさい。……そうじゃ無いと、あの子、いつまでたっても荷を解かないのよ」

 

 

 彼女の視線が女子部屋へと向いた。

 それでか、と嘆息する。女性陣がローを見る目に妙な温度があったのは。

 ウソップは抱き込まれたのか、自分から首を突っ込んだのか。

 

 

「雲のない場所を探して進め。奴はイトイトの実の能力者。雲に糸を引っ掛けて海の上を移動している。雲のない場所は追ってこれねェ」

 

 

 ナミの言葉には答えず、ローは転がっていたジョーラの首に刃を当てた。薄焦げているのは、ナミの雷だろう。迫るドフラミンゴを見据えて、唇を噛み締める。

 

 

「ロー! あーた、何て事!」

風来(クー・ド・)バーストいくぞー!」

 

 

 ボン、と射出されていく船から飛び降りて、ローは一人、橋の上まで戻った。

 

 

「麦わらの一味を半分逃して何の意味がある……! もう半分はドレスローザにいる……! あいつら全員人質にすりゃシーザーなんてすぐ返しに来る」

「残念だが、おれと麦わらの一味との海賊同盟はここまでだ」

 

 

 そう、工場さえ破壊すればいいのだ。後のことは、先に離脱したリオが何とかする。彼女の一味だ、それくらいはするだろう。

 

 

「もしこの戦いでおれがお前を討てなくても、SMILEを失ったお前はカイドウに消される」

「成程、刺し違える覚悟か……」

 

 

 人質に持っていたジョーラを逃して、ローは浅く息を吐いた。

 そうだ、元々だ。元々、一人でだってやろうとしていた。

 

 

「お前のやってる事はただの逆恨みだ、ロー!」

「恨みじゃねェ。おれの13年はこの為にあった。コラさんの本懐を遂げる。その為だけに、生きてきたんだよ!」

 

 

『ロー!』

 

 

 チカリと、頬を煌めく雪が撫でた気がした。

 

 

 幻覚だ。笑った顔ごと切り裂くように、刀を振るう。

 弾かれて、阻まれて、それでもがむしゃらに。

 そう、()()()()1()3()()なのだから。

 

 

「メス!」

「弾糸! どうした、大口を叩いておいて限界か? 精細に欠けるな」

 

 

 放った突きは躱され、反撃は確かにローの体に傷を刻んでいく。

 

 

「五色糸!」

「ッ!」

 

 

 受けて、余波で橋が崩れ、戦場がドレスローザに近づいていく。その繰り返し。何度も、何度も。

 ダメージはあれど、こうして派手に血を流すのはロー一人。どうしてここまで届かない?

 

 

 ジャリ、と足が土を踏んだ。橋が途切れたのだ。

 背後は奴のホーム。これ以上退くわけには行かない。むしろ押し返すくらいの気概で挑まねばならない。

 

 

 ──本当にそうだろうか? 本当に、そうするべきだと思っているのだろうか。

 

 

 ここで命を使い果たして、死後にドフラミンゴが失墜することを夢見て死んでいく。

 それならば、別にここで終わってしまっても変わらないじゃないか。己が手を下さないなら、死んだ後の自分には目的が達せたかなど分からないのだから。どちらにせよ、同じことだ。

 

 

 それなのに、なぜ今ローは刀を握っているのだろう。

 

 

 ただ理由が欲しかったのではないだろうか。

 どうして、何のために、生かされたのか。生きてきたのか。どう終われば良いのか。分からないまま。

 終わっていい理由にしたかっただけじゃないのか。

 

 

「さァ、どうする……ロー」

 

 

 カツン、とドフラミンゴの足先が霞みかけた視界に入り込んだ。

 

 

『おい、ドフィ』

「あァ、悪い。話の途中だったな」

『ヴァイオレットが裏切りやがったんだ』

「こっちに黒足が来たんで何かあったとは思ったが」

『お陰で麦わらの作戦はわからずじまいよ』

「あァそれはいい。ラオGたちをSMILEの工場入口に配置しろ」

 

 

 言って、子電伝虫を摘んだままドフラミンゴは嫌みたらしくローを見下ろした。電話の相手は、最高幹部、ディアマンテだろう。

 

 

『バカを言え、あいつらはこれから決勝に出場して会場を沸かせて……。あァそうだ、ドフィ。先にこれを伝えねェと』

「どうした?」

 

 

 意識が逸れた隙に刀を振るう。喉元を狙った一閃は片手間に受け止められ、お返しとばかりに鞭のようにしなる糸での攻撃。

 

 

「ウッ!」

「ああ、少し待て、ディアマンテ」

 

 

 傷口を抑えて膝をつく。ローの攻撃を意にも介してない。それがただこちらの苛立ちを煽るためのポーズとわかっていても、平常心ではいられない。

 

 

「何故奴らと手を組んだ? ロー。いくらお前が時間を稼いでも、麦わらの一味が工場を破壊出来なければ終わりだ。お前が信頼するだけの理由が何処にある……? 現に、奴らはお前の思い通りには動いていない!」

「『D』はまた、必ず嵐を呼ぶ……!」

「!」

 

 

 追い討ちとばかりに、灼けつくような痛みが走った。銃弾だ。脇腹に2発。すぐに死ぬような箇所ではない。じわじわと殺すつもりだ、と言われているようだった。

 

 

「まァいい……。ディアマンテ、それで何があった?」

『それが……。どうも手違いがあったみたいでよ。あのいけすかない元海兵、いるだろう?』

「あァ、エサには食いついたんだろう?」

『いや』

 

 

 見当たらないらしい、という電伝虫越しの声と共に、ドフラミンゴはふと空を見上げた。

 

 

「私の前で…………!!」

 

 

 聞き覚えのある声。

 ガン、と飛来した何かがドフラミンゴの糸に叩き落とされた。銃声。直後、呻き声。

 たたらを踏んだドフラミンゴが、子電伝虫を投げ捨てる。

 

 

 きっと。

 ローは、この展開を想定しなければならなかった。復讐のきっかけさえ作れれば死んでもいいと嘯きながら。そうはならないと、気付かなければならなかった。

 

 

「来たな、メルリオール!!」

「よくもそいつに傷をつけたな、ドフラミンゴ!!」

 

 

 何故ならそれは『すべてを救う』為の命で。与えられた愛にただ応えようとする装置で。

 

 

 この海で最もそれを与えているのは、自分だからだ。

 

 

 どうでもいいのだ。作戦も、ここに至るまでの過程も、この戦いの結末さえ。ただ、この展開を招いてはいけなかった。

 

 

 真っ白なマントをたなびかせ、刀を振り下ろした女は、両目でしかと仇敵を見据えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時は少し遡る。

 

 

 どう考えても罠だ、との結論に達したリオは、カモフラージュとして出場申請だけを行った。ルフィはそのまま出場し、リオは棄権。幸い、振り分けられたブロックはルフィがCでリオがDだったから、Dブロックの予選が始まるまでは誤魔化せるだろう。

 

 

 それで、とおもちゃの兵隊に首を傾げる。正体と、記憶を問うた。推測通りであれば、この国のおもちゃは、全て元人間だ。そして、誰からも忘れられている。

 

 

 それでも反乱をしないのはなぜか。恐らく、何らかの縛りがあるから。であれば、彼らの声聞けるのは現状リオだけだ。

 耳からの音ではなく、声に出るほど強く『こう話そう』と考えた思考そのものを読み取って会話をしているリオであれば、心の中で念じた声を聞き取れる。

 

 

『こういったやり方で良いのかな。──メルリオール准将』

「私の名を……!」

「おい、どうした、何を聞いたんだ、リオ?」

 

 

 兵隊の心の声に、リオはふらつく足を叱咤して立ち上がった。闘技場付近の喧騒が、グッと遠くなったように感じる。

 

 

「と、ともかく人気のないところに。案内は任せてもいいか?」

 

 

 フランキーの手を引いて、先導するおもちゃの後に続く。メルリオールはドフラミンゴが王になった直後から、この島を訪れていない。つまり、この国のおもちゃとの面識はない。

 けれど、思えば一度だけおもちゃの未来を視たことがある。

 

 

「そうか、片足の兵隊……。君はひょっとして、黒い帽子に赤い制服のおもちゃだったりするのかな」

『それも含めて、私の知っていることをお話しよう、准将! 貴女が来てくれてよかった。このタイミングでなんと心強い……! だが、何処で誰に聞かれているのか分からない。万全を期し、作戦に関してはこのままの会話としたい』

 

 

 闘技場から少し離れた建物の影で、3人は向かい合った。喧騒は少し遠く、日陰のそこはいっそ肌寒いほどだ。

 

 

「つまり、私の推測は合っていた。肯定と取っていい?」

『その通り』

 

 

 コクリ、と兵隊が頷く。それを見てフランキーもリオとの会話が成り立っているのを察したのか、腕を組んで壁にもたれた。

 

 

 肯定、つまりおもちゃは全て人間だった、ということだ。そしてその過程で、おもちゃになった人間は誰の記憶からも失われる。

 メルリオールの名を知っていたこの兵隊も、かつて人間として知り合ったのだろうか。その記憶が、メルリオールの方に一方的に無いだけで。

 

 

「手段は?」

『ドフラミンゴファミリーにそのような能力者がいる。ホビホビの実と言うそうだ』

「じゃあ、他も皆、生きている?」

『恐らくは』

 

 

 保障は出来ない、と首を振られた。

 まァ仕方ないだろう。おもちゃになった時点で記憶から消えるのだ、誰が生きているかを正確に把握出来る者などいない。

 

 

「私たちはこの国に……ある『モノ』の製造を止めるために来た。その場所を、知っている?」

『その通りだ、そして、その目的ならば我々は協力出来る!』

 

 

 兵隊は手を振り回すようにして『作戦の準備は進めてきた。今日この日を決起日とし、我らはドフラミンゴを打倒する!』と宣言した。

 

 

「我()?」

『そう! この国に昔から暮らすトンタッタ族。彼らの協力の下おもちゃの能力を解除し、その混乱の隙にSMILE製造工場で不当に働かされている彼らの仲間を解放する』

「おいおい、それが今日!? すごい偶然があったものだな。私たちはそれを手伝ったらいいんだね」

「話が早くて助かる」

 

 

 今度は声に出して言ったようだ。フランキーの方を向き、「目的が同じっぽいよ」とザックリ説明する。

 

 

「協力すりゃあ良いって事か。確かに、話が早いな」

「うん。これが上手く行くなら、ローの方も、シーザーを返してしまって全然問題ない。けどこの国、もう海軍が入ってるでしょ?」

 

 

 トントン拍子に進む話に、リオは何の気なしに疑問を呈した。

 

 

「七武海を降りたドフラミンゴはもうすぐ捕縛される。あの大将ならそう手間取らないはず」

 

 

 それなら危険を犯さずとも、座して待てば良いだろう。

 

 

「心配かもしれないけど、あれ、相当腕の立つ大将だよ。サカズキさん、ちゃんと動いてくれたみたい」

「海軍大将ォ? そんなのが来てるのか!?」

「ほら、ギャンブルしてたおっさん。盲目であれだけ鍛え上げた海賊に覚えがないから、この2年で旗揚げしたって考えるより世界徴兵で入隊した海軍大将と考えるべきでしょ。白マントらしいし?」

 

 

 白イコール海兵、というのはかなり安直だし、今のリオのような例もあるが、後は直感だ。長く海軍にいた者として、市民を守る気概のある人間というのは、なんとなく分かるものだ。

 

 

 話しているリオとフランキーの脇で、押し黙った兵隊はカタカタと震えているようだった。

 

 

「それが本当であったならば、どれだけ良かったか……!」

「…………何か、あった?」

 

 

 勿論、想定していなかったわけじゃない。ドフラミンゴ自体が世界政府に連なる権力を持っていて、高飛びだとか、表向き真っ白な名代を立てるだとか、根回しを狙っている可能性は大いにある。

 けれど、恐らくそれをさせないための大将派遣だろうとも思っていた。直後に首元を抑えてしまえば、裏工作をする暇もない。それを狙って、リオも自分の名前を使ってまでサカズキさんへ報告させたのだし。

 

 

 だからこの時までは、リオもまだ楽観的に捉えていたのだろう。

 

 

「今朝の朝刊で奴の七武海脱退と退位が報じられた時、我々は心底歓喜した……! 積年の願いがようやく叶ったのだと! ……世界政府の使者により、それが誤報だと知らされるまでは、本当に……!」

「なんだって!?」

 

 

 言葉に詰まった。誤報……? 誤報だと? こちらを騙すためだけに? いやまさか、そんなやり方をサカズキさんが許すはずがない。そんなことをすれば、海軍の信頼は失墜する。知っていたら止めるだろう。じゃあ元帥を飛び越えて、政府の──。

 

 

 いやいや、あの楽観的で愚鈍な天竜人が? いくらなんでも動きが早すぎる。代価に差し出せるものがそうあるか? いくら元同胞とはいえ、下界に降りた人間との取引に応じるなら、それなりの代価と根気が必要だろう。七武海、ドレスローザの王位、と勝ち取ってきて、次は海軍の面子。

 

 

「また、失敗した……?」

 

 

 天竜人の認証チップが回収済みなのは間違いない。サニー号で話題に出したのだって、皆の危機感を煽りたかったたけで、ここまでは想定していなかった。

 けど、事実そうなった。

 

 

 ガン、と壁を思い切り殴りつけて、リオは叫んだ。

 

 

「北はどっちだ!?」

「准将!?」

 

 

 ピョン、と飛び上がった兵隊に構わず、リオは「今の時間は?」と怒鳴り返した。

 

 

「お、おうそうだな、他の連中もだが、ドフラミンゴとの取引に向かったトラ男たちが一番危ねェ。取引は中止にした方がいい」

「フランキー、後は任せた。私はグリーンビットに向かう!」

「待て待て、あっちも電伝虫持ってるはずだ、まずは連絡が先だ!」

 

 

 フランキーが慌てて子電伝虫を取り出した。けれど、そんなものは待っていられない。

 

 

「兵隊さん、悪い、君らの幸運を祈ってる……!」

 

 

 踵を返して、リオは唇を噛み締めた。

 メルリオールを頼ってくれたであろう事は素直に嬉しい。出来るなら応えたいと思う。メルリオールならきっとそうしていたし、普段のリオでも同じだ。

 けれども、今のリオには何より優先すべきものがある。

 

 

「私は正直、()()()()()()()()()()()()()!」

「リオ!」

 

 

 空中に飛び出たリオの背中に、フランキーからの制止の声が飛んだ。

 

 

「お前は今冷静じゃねェ! それでも行くなら、これだけ覚えとけ!」

 

 

 同時に投げられたものを後ろ手にキャッチする。多分、リオのマントだ。

 

 

「パンクハザードでお前は『走り続けるだけなら誰にでも出来る』と言ったがなァ、おれはそうは思わねェ! それはお前の長所だ。失敗なんかしてねェよ、ただちっとばかし、遠回りしただけだろう?」

「……うん! ありがとう、フランキー!」

 

 

 頷いて、バサリとマントを羽織った。

 

 

 そうだ、リオは確かにドレスローザのことばかり調べて、対ドフラミンゴの作戦を練って、あわよくばローすら出し抜いて、この国の闇を暴こうとしていた。それが何のためか、なんて。

 

 

 今のリオには良くわかっていた。

 

 

 

 

 

 

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