推しを喰らうのを必死で止めたい   作:1年5ミリ

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祝!
祝祝祝!!!
切ちゃんハッピーバスデ―――――イ!!!

去年はこの日に投稿できなくて懺悔してたのがつい昨日のことのようですよ。
あれ?というかもう連載開始から1年経ったの...?

ヤバい、はよ完結させんとあかんぞこれ

というわけで!
何とか完成ししました第11話!
どうぞご覧ください!



第11話 まるでお見合いじゃないですかやだー(白目)

 

 

 

やぁどうも。

 

江藤静流です。

 

「よく生きてたねお前」って、思うでしょ?

 

いやぁー実は俺もなんですねぇ(遠い目)

 

あの状況から10分息を続けられたなんて天文学的な確率の数値になりますよこれはー。

 

 

 

 

.........まぁそれはそれとして。

 

 

 

 

じーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

タ ス ケ テ

 

 

 

こんな結末になるなら「俺と推しとの物語はまだまだこれからだ!」なんて打ち切りエンドになった方がまだマシだった...

 

 

なんですか!?

俺は転んだ推しを抱きとめた天国を味わった分、

しらべぇによる恐怖の尋問を受けなきゃいけないって言うんですか!?

まだこれなら虚淵作品の方、が...

いやあれに比べりゃマシだわ()

 

だとしてもッ!(名言の間違った使い方代表例)

 

いきなり推しの嫁と対面はまずいですよ!

しかもあの瞬間を見られたなら何一つ言い逃れができねぇ!

 

ただの不倫現場だ!(自覚がある)

 

 

もう諦めた、過去を悔いても仕方がない。

現状について話をまとめよう。

 

えーと、まずですね―――

 

 

商店街のど真ん中で昼ドライダーをするのは流石にまずいので一旦近場のファミレスに避難しました。

調はギア纏いかねない勢いだったから切ちゃんが必死に静止してたよ...

そして4人席で現在、向かい側に推しを抱きしめながらこっちを睨む推しの嫁(調)がいます。

 

「......」

 

「......」

 

見ての通りマトモな会話すらしておりません。

沈黙。牽制。誰も言葉を発しない。

推しは何を言えばいいのかわからず言葉を詰まらせ、

俺は自分の死期を悟って顔がハワイアンブルー。

最後に何から問い詰めようか考えているであろう調。

以上、このメンツで話が進んでゆきます。

 

地獄だな(断言)

 

と、とりあえずこういうのは先に弁明した方が勝ちなんだから、俺から話を切り出して...

 

「えーっと、あの...ですn」

 

「これより取り調べを始めます。」

 

「へ?」

 

 

 

【第1回 切ちゃんに擦り寄る男取り調べ会】

 

担当者:月読調

 

容疑者:どこぞのクレープ店員

 

証人:暁切歌

 

 

 

なんか始まったんだけど。しかも俺容疑者て()

 

「あなたの名前を教えててださい。」

 

「え、江藤、静流です...」

 

「静流さんですね...切ちゃんそれで合ってる?

 

あ、合ってるに決まってるじゃないデスか

 

バレバレなんだよなぁ...そのボソボソ会話。

だがそれでいい(ご満悦)

 

「年齢は?」

 

「17...じゃ、ないかな...」

 

「かな?」

 

「あ、いいえ17で合ってます。」

 

いや今のあっぶな、これまで自分の年齢とか何一つ把握してなかったわ。

あれ?クレープ屋の仕事の面接...(それ以上いけない)

 

「ではまず...切ちゃんと初めて会ったのは?」

 

「先月の第3水曜です。」

 

「随分とはっきり覚えてますね?(威圧)」

 

うおっ、圧強!

そしてしまった!推しと会った日を全て記録しておいたのが仇になった!

しかもよりにもよって即答!

これはギルティですね~(他人事ではない)

 

「まぁ、はい...」

 

「あの日、私も切ちゃんと一緒に居ました...覚えてますけどあなたずっと、切ちゃんのこと見てましたよね?」

 

たりめぇだぁッ!(本音)

この世界にきて3ヶ月経ってやっとあの日推しに会えたんやぞ!

 

スゥーッ...ドウデショウカネーワタシオボエテマセンネ-」

 

「無意識でしかも仕事をこなしておいて、普通そうはならないと思うんですけど...」

 

「あの時」(ドン!)

 

「なんで」(ドン!!)

 

「そうしてたんですか?」(ドン!!!)

 

そんな圧で来られたら心臓砕け散るて()

俺心臓やられたら終わりなんやぞ。

やばいどうしよう、出会いの日に関しては全てが事実すぎるんですが?

 

「あー...うーん、なんでしょうかね〜」

 

ヤバイヤバイヤバイ、ほんとに言い訳が思いつかねぇ...

こんなんいつ聖詠が飛んできてもおかしくねぇぞぉ。

 

「えーと...」

 

一言でいいんだ、捻り出せ捻り出せ...!

 

 

 

「―――多分、切歌さんがあまりにも綺麗で見とれてしまったからでしょうかね。」

 

 

 

...本能に従ってしまった。

ということは、俺は自ら死を選んだと。

だってしょうがないじゃん。紛れもなく事実なんだもん。

 

 

 

 

「デッ...!?!?!?!?!?」

 

わぁすごーい。推しの顔が見る見る赤くなってゆくー…

大丈夫かなーこんなこと言って今後もいつも通りに接してくれるかな〜

 

まぁその前に俺が生きてるかどうかが問題ですね(白目)

 

「............」

 

おや?調の様子が...

ちょい待てこっから「おめでとう!調はギア装着状態(XV)に進化した!」とか言わないよね...?

 

思いっきり切歌に惚れたって言ったも同然だけどさぁ。

まぁ出会う前から惚れてたんですけどね(ここだけ見るとクソキモ台詞)

 

こんなの調の敵ですよ敵。紛れもなく百合の間に挟まる男だよ今の俺って。

 

おかしいなぁ~昔はpi〇xivの漫画とかに「百合に挟まる男を許すな」ってよくコメントしてたんだけどなぁ...

 

まさか俺がそれになるとは思わなんだ。

 

「......フゥ――――」

 

おおっとぉ!ここで月読選手が何か動きを見せた!

一体どんな死刑宣告になるんでしょうかねー()

 

「いいですよならば戦争で...」

 

「ちょ、ちょっと待つデース!」

 

「...え?」

 

なん、だと...!?

こ、ここに来て推しが、ストップをかけた!?

 

あっと見事席から引き離されるしらべぇ!

 

この距離なら、会話は聞こえないな!(ダディアーナザァン)

 

そしてボソボソ話し始める!

 

こっからは2人の秘密会議が始まるとでも言うのか!?

 

あ、それじゃあ皆さんは三人称視点で2人の会話をお聞きください。

 

俺はどうするかって?そりゃあ推しへの愛のゴリ押し聞き取るだけですよ()

 

 

 

 

 

「いい加減にするデス調!」

 

「どうしたの切ちゃん...!まさかアイツにもう毒されて...」

 

「そーれーがー違うって言ってるんデス!静流さんは悪意なんてないデスから!」

 

「嘘だッ!(迫真)」

 

「冷静になるんデスよ調!何だかネットミームみたいデス!」

 

「だって切ちゃん、あの人に抱きつかれて...」

 

「そもそもどこまで調は見てたんデスか!」

 

「だからその瞬間。曲がり角曲がってたらあの男が切ちゃんに抱きついてた...うっ、思い出すだけで吐き気が...」

 

「あれはただのハプニングデス!アタシが転んでそれを静流さんが受け止めてくれただけデスよ!」

 

「ううん、きっとそれを狙ったに違いない。」

 

「どうやったらそんなところまで計算できる人間がいるんデスか!?」

 

「だってもう白状したよあの人!切ちゃんがあまりにも綺麗だったからって!完全にあの時惚れてたってことだよ!」

 

カァーーーーー

 

「切ちゃん...?顔が赤いよ?」

 

「ッ!きき、気のせいですよ!」

 

「そして今この瞬間も感じる。アイツの視線を...」

 

「デス!?」

 

「今から証拠を見せるよ。アイツは絶対にスケベ野郎なんだからほら2人で一斉に振り向いてッ―――」

 

「え?今デスか!?」

 

「行くよ切ちゃん、せーの!......あれ?」

 

「全然違うところ見てるじゃないデスか!」

 

「そんな...おかしい...確かにさっきまで視線を感じていたのに...!?」

 

(あっぶねぇぇぇぇぇ!会話聞いといてよかったぁぁぁぁぁ!!!)

 

「調が深く考えすぎなだけデス!もう一度静流さんとキッチリ話すデスよ!」

 

「あ、ちょっと切ちゃん!」

 

 

 

 

あ、戻ってきた戻ってきた。

いや〜今のしくじってたら俺マジでギルティだったわ。

やっぱり気力が世界を救うんですね、分かります。

 

「えぇと...一旦お二人でお話は済みましたか?」

 

「オッケーバッチコイデスよ、静流さん。」

 

なんか言葉違う気がするなぁ...まぁいっか、尊いし()

 

「まぁ詳しいことを言うと、かくかくしかじか...」

 

「フムフム...ハーソウナンデスネー。話してくれてよかったー(さっきにも聞いた話)」

 

「とりあえず、調はまずは挨拶からデス!」

 

「えぇ...?ど、どうも。月読、調です...」

 

テーブル越しに俺へ、ぎこちない挨拶を決める調。

初対面となるとこうなってしまうものか...

 

「調さんですね。よろしくお願いします。切歌さんから話を聞きましたよ。とってもいい人だって。」

 

「え?」

 

よーしまずはここできりしらを肯定してゆくゥ!

これすることで攻略難易度ガクッと下がりますからねー(攻略ってなんだよ)

 

「そうですか...(切ちゃん...!)」

 

わぁーすごいなー見るだけで心の声聞き取れるような表情してるよー。

いいですねぇ。こいいうときのきりしらも。

 

「ごめんなさい。ちょっと勘違い(?)してたみたいで...」

 

「別に構いませんよ。ちょっと構図があれなだけだったんですから。」

 

「そうですね。ちょっと変な態度取ってしまって...」

 

「誤解が解けたなら十分です。ね、切歌さん?」

 

「デスデス!じゃあこっからは3人で色々お話ししていくデース!」

 

流石切ちゃん!上手くお話しを盛り上げてゆく!

元インキャの俺にできないことを平然とやってのける!そこに痺れる憧れるゥ!

 

ほんじゃあなんかいい話題ないかなー。

 

んん...?

 

あ、そうだ。

あの話...今ならいけるかな?

 

「あの...切歌さん。」

 

「はい?なんデスか?」

 

「連絡先のLI◯E、交換しませんか?」

 

「切ちゃんダメだやっぱこいつギルティだよ」(滲み出る調の殺意の波動)

 

 

あやべ終わった()

 

 

 

(その後、なんやかんやあって推しが止めてくれた。マジで天使でMVPすぎる。最高かよ。)

 

 

 

 

「...よし、これで。」

 

「交換は完了デース!」

 

 

ついに手に入れたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!(エボルト感)

 

 

ヤッタァ...やったよみんなぁ...!(涙声)

 

ようやく勝ち取ったぞぉ!推しといつでもどこでも会話できる最高のアイテムをッ!

 

勝ったぁ!計画通り(な訳がない)ぃ!

 

あり得るはずのなかった今までの俺の夢が...もしかしたらこれで叶うかもしれねぇ!

 

まぁニッコニコの推しの隣で調がすっごい不服そうな顔してるけどまぁいいでしょう。

 

さーてこっからどうしようかn...

 

「ちょっといいですか?」

 

ん?何だ何だいきなりどうしたのさ調ぇ。

 

「今日は悪意が無かったようなのでいいですけど...

 静流さん、血迷っても今後は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。約束ですよ」

 

 

 

...え?

 

あんなこと...?

 

推しとの、ハグ禁止ってことですか...?

 

―――スゥーッ

 

財布の中身は...あるな。

 

よし。

 

 

 

 

「静流さん、ちゃんと誓ってくd...」

 

「今日俺の奢りでいいんで、2人とも食べたいものありますか?

 ()()()()()()()()()()()

 

「「!!!」」

 

「パフェ!DXメガ盛りパフェがいいデース!」

 

「高級フルーツ全乗せ...スペシャルパンケーキ...!」

 

「あぁ、いけますね!」

 

(輝いた顔で2人とも渾身のガッツポーズ)

 

ヨシ!(現場猫)

まんまと誤魔化せたZE...

丁度財布が潤ってきた頃やったんよなー助かる。

やっぱ食べ物は特攻兵器だったか。

いや〜ごめんな調よ、ちょっとその約束は俺には無理ですわ()

切歌を推す者としての本能が俺の中には眠ってるんでね。

 

 

 

 

 

 

黒塗りの広い一室の中で、赤い液体を入れたワイングラスを握りしめるスーツの男が居た。

 

「どうだい?進捗は。」

 

男は呟くように言う。

その背後では、複数人の水色の作業着を身に着けた男たちが一列に並んでいた。

 

「順調です。病院以外にも含めて、我が社の製品は既に90社以上の企業で採用されています。」

 

その中の誰か1人がそう言う。

 

「そうか。」

 

報告を聞いて、男は満足そうに笑みを浮かべた。

 

「仲間は増えている...だが、問題は必要な"盟友"だ。」

 

男の視線は、斜め前へと向けられた。

その先に居るのは、銀色のジャケットを着た青年。

 

「先日のデータを拝見して、あともう少しと見た。息子であるお前になら、任せても問題ないと思っている。」

 

ワイングラスが男の手元を離れ、テーブルに置かれた。

男は、自らに首を垂れる青年の顔を覗き見るように前かがみになる。

 

「分かりました。お任せください。」

 

青年が真正面へと向き直った。

彼の手には、紫の目のようなものと2つのレバーが付いたベルトが握られている。

 

「必ずや、"ニューオメガ"を我々の傘下に。」

 

「...意気込みは上出来だ。」

 

男は立ち上がると、今度は背後へと向き直った。

 

「いいかい皆。我が『Aroma Ozone』の世界進出も目前だ。」

 

男の言葉に、作業員の者たちも一斉に姿勢を整える。

 

「―――楽園を、手にするぞ。」

 

 

 

 

この街の一角には、『ふらわー』というお好み焼き屋がある。

近所でも評判で、常連の客もその数は少なくなどは無い。

実はそんな常連客の一部が世界を救っていることなどは、ここだけの秘密である。

そんなこの店は、今日『少し新しいもの』を導入した。

 

「お届けに参りました。Aroma Ozoneです。」

 

ドアを開け、水色の作業服を着た男が2人現れた。

 

「あ、どうもどうも。」

 

店を一人で切り盛りする女性の店長が、それを迎えに出てくる。

 

「設置は、どこに?」

 

「あの奥の隅っこにお願いします。コンセントも近いので...」

 

すると店長の申し出通りに、たった数分で男たちは一台の”ウォーターサーバー”を持ち出してそれを設置し終えた。

 

「あら、まぁ随分と早いわね。」

 

「それが私たちの強みですから。」

 

「それにこの値段...本体を買うだけで毎月必要な水が届くなんていいんですか?」

 

もう何度も見たチラシを握りながら、女性は少し訝しげに言う。

 

「いいんですよ。そのサービス精神あってこその我が社です。()()()()()()()()()()()()()()。」

 

「まぁほんと?...助かるわねぇ。私も歳だから、そろそろ水はセルフサービスにしないといけなくってね。」

 

「我が社の製品で、貴方の日々が少しでも良くなることを願っています。それでは。」

 

「ありがとうございます。」

 

そうして、あっという間に業者は去っていった。

 

「知り合いが皆お得で使ってるっていうからやってみたけど、案外いいものね...あら。」

 

気づけばふらわーのテレビからは、丁度今さっきまで店に居た企業『Aroma Ozone』のCMが流れ出していた。

出演者は、社長の「礼堂(らいどう) (じゅん)」本人である。

 

『我が社の水は、まさに革命です。』

 

『安価で、簡単で、そして大容量。』

 

『今まで体感したことのなかった、新しいウォーターサーバー。』

 

『皆さんも、新たな存在に生まれ変わってみませんか...?』

 

『Aroma Ozoneは、いつでも皆さんを支えています。』

 

自らプロモーションに勤しむ献身的な社長の顔を、誰も疑おうとはしていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

場面は再び戻り―――

鈴が鳴って、1人の少年と2人の少女がファミレスから出てくる。

 

「それじゃあ...また会えたら今度。」

 

...なんということだ。

あっという間だった。

 

この1時間半は恐らく俺の人生の中で最も短い1時間半だった...

 

きりしらのてぇてぇを見ながら食うスイーツの味をお前らは知ってるか?

 

知らないだろぉ...?(嫌な笑み)

 

お裾分けしながら贅沢なスイーツを食べている2人の光景は絶景だったぜ(無事吐血)

 

尊い。ただひたすらにそれだけ。

"かわいい"と"尊さ"が生で視界に襲ってくる体験がここまで幸福この上ないこととは...

 

ありがとう神様。

 

特典は擁護しようのない厄ネタだったけどこの世界に俺を転生させてくれたことだけでもありがてぇぜ。

 

やっぱきりしらは神。はっきりわかんだね。

 

「はいデス!」

 

「ごちそうさまでした。初対面なのにありがとうございます。」

 

「いえいえそんな、問題ないですよ。」

 

なんか奢ったら調の態度も大人しくなってくれた...

これが金で買うってことなんですか?()

 

「俺、家が2人とは反対側なんで...じゃあ。」

 

夕暮れを知らせるチャイムが町中に鳴り響いた。

 

「じゃあこっちも、そろそろ晩御飯の準備をするので帰ります。」

 

調が俺に告げる。

そうか...こっからきりしらのてぇてぇ2人暮らしタイムが始まるのか。

率直に言うと...見てぇなぁ(犯罪者予備軍)

 

おっと正気に戻れ俺。

ただでさえ人喰いなのに犯罪者属性追加されたら大真面目にほんとに誰も擁護できんくなるぞ!

 

あれ?今度は推しの様子が...?

 

 

 

切歌が俺に向かって数歩、程距離を縮めた。

 

「あの、静流さん...」

 

「は、はい!?」

 

胸の高鳴りが一瞬にして加速する。それはもうクロックアップ並に。

あれれ〜おっかしいぞ〜ちょっと近すぎる気が

 

すると...

 

一応これから定期的に...メール送るデスね。

 

「!?!?!?!?!?!?」

 

一瞬の囁き声だった。

 

俺の脳は無事破壊された()

 

茅野ボイスは世界一ィィィィィィィィィ!!!

 

凄い凄い。脳がずっとErrorを吐き続けてる...

 

「バイバイデース!」

 

残ったのは推しの元気な別れの挨拶だけ。

 

1本取られた。見事致命傷だ。

 

ぼっ立ちののまま、俺江藤静流は無事O☆NA☆KU☆NA☆RI

したとさ...

 

 

―――さて、まずは家に帰って発狂だ。

 

今にも感情が爆発しちゃいそうなんでね。急いで帰ります。

 

そうして俺は、帰路へと顔を向ける。

 

 

そしてまた―――

 

 

違和感にも気づいた。

 

 

「あそこにあった、俺のバイクは...?」

 

 

 

 

 

 

あまりの恥ずかしさに切歌は、静流の元からから小走りで逃げていた。

調に聞かれるとちょっとまずいかもと思ってやったら、あんなことになるとは...

あれではただの恋人ごっこのようだと思うと、切歌の恥ずかしさに拍車がかかった。

いくらなんでもそんな関係になるには、今はあまりにも早すぎる。

 

や、やっちゃったデス...!

 

赤らめた顔を必死に隠さんとする切歌。

 

「ちょ、ちょっと切ちゃんいきなりどうしたの!?」

 

慌てて調はそれに追いついた。

 

「いやいや何でもないデスよー...そ、それより、今日は静流さんのおかげでお腹が満たされてるので夕ご飯は量少なめでいいデスよ。」

 

「あ、うん...確かに私も...」

 

切歌の誤魔化し方が、いつも以上に下手な気がする。

そんな彼女を見ながら、調はずっと思っていたことを口にした。

 

「ねぇ切ちゃん。あの人って特別?」

 

夕空を眺める切歌の横顔を見つめ、調は尋ねる。

 

「え?えーっとぉ...と、特別というよりデスね...」

 

一瞬、言葉が詰まったが、切歌は答えを出した。

 

「死んでほしく、ないんデス。」

 

「死んでほしくない?」

 

「そうデス。最近、色々物騒じゃないデスか。S.O.N.G.の中から、犠牲者まで出始めて...

 アタシが初めて会った人で、あそこまで親切な人居なかったデス...今までは、学校とか、S.O.N.G.のみんなとしか親密に話したことなかったデスから。」

 

「...ニューオメガのこと、心配してるの?」

 

「そっちじゃないデス。銀ピカの方デス。アイツもしかしたら、街に潜んでるかもしれないって...」

 

「それであれに、静流さんが殺されるかもってこと?」

 

「デス。そうなってないか、時々心配になるんデスよ。」

 

切歌はゆっくりと頷いた。

 

「静流さん、怪物の事とかアタシたちが装者だなんてこと何も知らないんデスよ?それなのにアイツらにやられて亡くなったりするなんて、そんなの嫌だって思うデスから...」

 

「もっと話したいの?あの人と。」

 

「さいデスよ...アタシ、あの人の好物すらまだ知らないんデス。少しずつでいいんデスよ。それで、もっといろんな人と仲良くなってみたいから...」

 

そう語る切歌を見て、調は静流への気持ちのことを深く聞こうとは思わなくなった。

 

「...そっか。それじゃあ、私たちで怪物を倒そうね。」

 

彼女はそっと、大好きな友達の手を握る。

 

「デスデス!そしたらまた静流さんに会うデスよ!」

 

「あ、でもまずは絶対、2人で無事でいることだね。」

 

「当たり前デスよ!アタシにとっての第一はやっぱり調デスから!」

 

2人の少女は、相変わらず笑顔だった。

 

 

 

 

 

 

 

飯は後回しに、俺は辺り一面を探し周り始めた。

 

だがどこにも見当たらない。

 

すっかり暗くなってしまった。腹は相変わらず空いている。

 

ナンバープレートは覚えてるから、あればすぐに見つかるはず―――なのに。

 

キーは俺が持っている。

 

だから向こうは走ることはできないはずだ。

 

まさかどこぞのゴミ山に捨てられたりしてないだろうな...

しっかり駐車場に停めといたんだぞ!?

 

「奥まで行くか...」

 

飯なんて後のまた後だ!

とりあえず路地裏までしっかり探し出すぞ。

ついでに盗んだ奴らはEAT KILL ALLじゃい!

 

 

そしてまた走ること、数分。

 

 

何だかよく知らない3、4階ほどの建物に囲まれた謎の空間に出た。

 

「んだここ...妙にだだっ広いな。」

 

何だか気味が悪い。

夜の闇も相まってかホラゲー感がすげぇぞコレ。

やだなー俺ホラー苦手なんだけど...

 

 

だがその瞬間だった。

 

 

 

「待っていたよ。」

 

「!」

 

俺とは別の人の声が後ろからして、俺はすぐさま振り返った。

 

するとその先には...俺のバイク!俺のバイクじゃないか!

 

「やったあっ...た...」

 

だがその喜びも、すぐさま失せる。

 

すっかりバイクに夢中になっていた俺は、それよりも前に佇む銀のジャケットを羽織った男に数秒遅れで気づいた。

駆け寄ろうとしていた足を、すぐさま停止させる。

 

「おいおい、人様のバイク盗むとはいい度胸だ。それは俺の大切な宝なんでな、早速返せ。」

 

「返すぅ...?何を冗談を。」

 

俺の言葉に、男は嘲り笑うような態度を取った。

 

「お前...舐めてるとこっちだっt」

 

 

「そもそも人間じゃないじゃないか、君は。」

 

 

その言葉を聞いた瞬間、俺の身体が危機を感じて身震いした。

 

「お前、まさか...」

 

後ろに飛び跳ね、距離を取る。

そしてすぐさま、俺はベルトを身につけた。

こいつはヤバい。

まさかとは思うが...

 

「答え合わせは要らないよ。」

 

男もそれを見て、またベルトを取り出した。

紫の瞳のついた『アマゾンズドライバー』を。

 

「もう装者(邪魔者)は居ない。リベンジマッチだ。」

 

「お前が、シグマ...!」

 

正直こいつがあれの正体なのかよとか思うところはあるけれど、

まずは話し合いより、殺し合いかららしい。

 

目と目が会った瞬間、互いに構えをとった。

 

男がベルトのグリップを握る。

 

俺がインジェクターをセットし、そのスイッチを押す。

 

「「アマゾン」」

 

緑と紫。

二色の火柱が、夜空の雲すら切り裂かんとばかりに立った。

 

 




ヤバかった...ギリギリで、間に合った...

今日当日にほとんど仕上げました。
それまで予定が詰め混んでありまして...

次こそは時間をかけずに投稿したいと思ってます。
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