魔王城
「えーっと、この書類はここに…この議案書はあっちに…」
「グ、グリム様…今、お時間よろしいでしょうか…?」
「ん?あっ、シャドーか。どうした?」
「何か私に任務をくれませんか?」
「どうして?」
「マーマンは兵士の強化、インプは研究、ブレイクは外交、モーモンはひたすらスキルの鍛錬、モーモン以外には任務がありますが私にはなにもないのです。ですので何か任務を……あっ…ご迷惑でしたよね…私が勝手に言うことでもないですよね…すいません…」
「そういえば、シャドーには何も任せてなかったな。すまん」
「あっ…いえ…謝らないでください…」
カミさん…今、何か動きがある国とかある?
『はい、あります。』
どこ?
『北の諸国連合の中の1つの国宗教大国の"シアラス"です。』
宗教大国?
『はい、その国には国に公認されている宗教が1つ、非公認の宗教が100以上あります。』
多っ!?ただ、そんな国になんの動きが?
『あなた関連で何か動いているようです。』
よし、それの調査をシャドーに頼むか
「あ…あのー…任務がないならないでいいですが…」
「いや、ある」
「ッ!!何でしょうか?」
「お前のスキルを駆使し、北の宗教大国"シアラス"を調査してこい!!」
「は…はっ!!では、行ってまいります…」
―――――――――――――――――――――――――
宗教大国シアラス 城門前
「ん?おい、そこの爺さん止まれ!」
「なんじゃ?」
「ここから先は新宗教の承認以外では通さんぞ」
「その新宗教の承認の件で来とるんじゃが…」
「ほう…どんな宗教だ?俺が見定めてやる」
しょうもない宗教なら追い返してやる…
「わしが作った宗教は"死神"様を神としているんじゃが」
「あ?"死神"?はっ、何を崇拝してるかと思えば死神とは」
「なんじゃ?バカにしてるんか?」
「そりゃ、バカにもするだろ?頭でわかんねぇのか?"死神"なんてな所詮、邪神と変わんねぇんだよ!!その邪神を神としている宗教は宗教とは言わねぇ!!」
「じゃあ、なんなんじゃ!!」
「頭悪ぃのか?"死神"を神としてるんだろ?ならお前が言っているものは所詮、"邪教"に過ぎないんだよ!!」
「なっ!!さっきから聞いていれば…」
「ん?どうした?文句が言えるのか?言えねぇよな!!全部真実なんだからよ!!」
「言えるわい!!」
「じゃあ何?言ってみてよ。さぁ…」
「お主は知らんかもしれんが、約1年前にこの北の諸国連合をファルムス王国から救ってくれたのは正真正銘"死神"様なのじゃ!!」
「確か…それって、ファルムス王国だけを殺したわけじゃないって聞いたんだけど?」
「くっ!!」
「あれ?ちゃんとした根拠がないじゃん!!根拠が!!さぁ、帰った帰った!!そんな邪教を考える暇があるなら死ぬ前にしたいことでも書いておいたら?」
「なんじゃと!!」
「おっ!?やるか?やるなら来いよ!!老人でも手加減はしないぞ」
「ぐぐぐぐ…」
カツカツカツカツ
「何をしている…門番の仕事はどうした?」
「ッ!!将軍!?いや、この老人が変な宗教を考えては王様に承認をもらおうとしてるんですよ」
「変じゃないわい!!」
「お爺さん、あなたの考えた宗教とはどんな宗教なんですか?」
「"死神"様を神とし、1日1回のみ礼拝をするという宗教なんですが、この若造が邪教だと言うんじゃ」
「ほほう…」
「アゾル将軍!!こんな邪教を考える老人なんか放っておいて国民交流に行きましょう!!」
「爺さん…」
「なんじゃ…?」
「良い宗教だな、ここを通ってくれ」
「そうだ!!そうだ!!ってえ?何でですか!!将g」
「ふん!!」
バキッ!!
「ガッ!!」
「爺さん、すまないな俺の部下が」
「いや、いいんじゃよ」
「そういえばだが…爺さん、その宗教は何人の教徒がいるんだ?」
「……わし1人じゃ、だがわかっておる。宗教を承認して貰うには教徒が最低でも2人いることを…」
「そこで、その宗教に私が入ってもいいか?」
「将軍様がですか!?」
「あぁ、いいか?」
「はい、いいですともいいですとも。では、ついてきてくださるとありがたいのですが。」
「はい、玉座まで案内しますよ。」
「よろしく頼むよ…」
「おい!!門兵!!仕事を再開しておけ!!」
「は、はい!!」
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シアラス城 玉座
「王よ、こちらが今回の宗教考案者です。」
「おぉ、名は?」
「キョウシじゃ」
「キョウシよ、今回はどんな宗教を考案し、承認を貰いに来たのだ?」
「はい、名前は"冥教"です。」
「ほう…"冥教"とな?何を神としているんだ?」
「それは、約1年前にこの国を救ってくださった"死神"様を神としている宗教でございます。」
「死神を!?」「約1年前?なにかあったか?」「あれだ」「ファルムス王国と連合との戦争だ」「死神を神とするとか邪教じゃね?」
「静まれ!!」
「ありがとな、アゾル将軍…さて、キョウシよ。教徒は2人以上いるのか?」
「はい、ちょうど2人です。」
「誰と誰だ?」
「私、キョウシと」
「私です。」
「お〜!!そうかそうか、アゾルもか。それなら承認の判子が押せそうだ。では、書類をここに」
「はい」
バンッ!!
「ちょーと待った!!」
「誰だ!!」
「我ら、聖教『セイント』の教徒である!!」
「そのような邪教を受け入れようとしているのか!!王よ!!」
「なっ!!邪教じゃないわい!!」
「ん?邪教じゃないと言い張れるのなら私たちと戦ってみるか?少数宗教と多数宗教なら一目瞭然だと思うが…。爺!!よく聞け!!この国には公認宗教は1つだけでいいんだよ!!お前ら!!『セイント』に正義を!!邪教には制裁を!!行くぞ!!」
「「「「「「「うおぉぉぉぉぉーーー!!」」」」」」」
「"死神"様…私たちにどうか…どうか…加護を…」
「くっ!!数が多い!!」
「おい!!将軍!!どけ!!その爺を殺さん限り、邪教は消えないんだ!!」
「くっ!!まずい!!王よ!!逃げてください!!」
「"死神"様…私たちにどうか…どうか…加護を…」
「その願い聞き届けた!!」
「「「「「「ッ!!」」」」」」
「な、なんだ!?」
「
スパンッ!!
「なっ!!」「何でだ!?」「体が!?」「動かねぇ!!」「鎖など見つからねぇのに!!」「助けてくれ!!」
「な、何が起きたんだ…」
「危ないところでしたね。ご老人…」
「あんたは…」
「あなたの願いより駆けつけました。あなたが神として崇めている"死神"様の部下のシャドーと言います。よろしくお願いします。」
「"死神"様の…!!頼みます!!『セイント』を倒してください!!」
「お任せください…わが主を侮辱した罪は重いぞ…!!」
「はっ…部下だと?やはり邪教じゃないか!!王よ!!見ましたか!!その者の姿を!!黒い翼に黒い尾、さらに影からの登場!!死神とは邪神に過ぎないのです!!もう一度よくお考えくだs」
「うるさい…《
「がはっ!!…舐めやがって…これでも喰らえ!!《
「《
「ハーッハッハッハッ!!どうだ!!我が魔法は!!って、なんだあの黒い半球体は…」
「そのくらいの攻撃ならこれで防げる。」
「くっ!!調子に乗るんじゃねぇぞ!!お前ら!!まだ動けねぇのか!!」
「「「「「「すいません!!」」」」」」
「クソが!!」
「どうする?降参するか?」
「するわけ無いだろ!!」
「なら、お前の後ろにいる奴ら…
「は?どういう…」
「《
「なっ!!おい!!やめろ!!来るな!!よって来るな!!やめろぉぉぉーー!!」
「クックック、我が主君をバカにした罰だ!!………この死体邪魔だな…影よ、食って俺の前から消えろ…」
バクンッ!! スーーーッ
「もう大丈夫ですよ。」
「ありがとうございます…ありがとうございます…」
「私からも礼を言おう。ありがとう」
「あなたがシアラス王ですか?少し提案がしたのですが…」
「何でしょうか?シャドーさん」
「我が国と国交を結んでほしいのです。」
「良いのですか!!」
「はい。私たちからは『セイント』やファルムス王国からの進軍を止めるための兵士、シアラスからは独自の繊維を使った服飾物でよろしいですか?」
「あぁ、大丈夫だ。」
「では、この国交書と宗教承認書にサインをよろしくお願いします。」
「………これでいいかな?キョウシ殿、君の宗教も承認しておいたよ」
「ありがとうございます…」
「では、影から失礼します…」
「アゾルよ、聖教『セイント』に解体を知らせる書類を送っておけ」
「はっ!!」
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魔王城
「グリム様…戻ってきました…」
「おぉ~、おかえりシャドー。どうだった?」
「結果は…こちらにまとめていますので…これをお読みください。」
「おぉ、ありがとな。シャドー」
「な…何でしょうか?」
「帰ってきたところ申し訳ないが幹部全員をここに呼んできてくれないか?」
「わかりました…」
「頼んだぞ」
どうでしたか?