唯神夜行 >> シキガミクス・レヴォリューション 作:家葉 テイク
「か、
その様子を、
いや──本来それですらおかしいのだ。
傍目から見れば、今攻撃が相打ったはずのピースヘイヴンの体勢が一瞬にして変化して、
「……やはり……な……」
しかし。
致命の一撃を叩き込まれたはずの
その声色に、痛みや予定外の展開への動揺は一切存在しない。
ただただ、粛々とした冷静さがあった。
それもそのはず。
「な…………」
「何ィ!? 馬鹿なッ! この痛みは!?」
足先からじんわりと広がる痛みに、ピースヘイヴンは短く声を上げる。
「……
同時に、ピースヘイヴンはほぼ正確に現状を把握していた。
そして瞬間移動の際には転送先の物質を『押しのける』形で『女中道具』を発現するのが、
その仕様を実現する為に、取り寄せた『女中道具』は発現直後はその場に固定されることになる。
これは取り回すまでに一瞬のラグが生まれるという欠点であると同時に、咄嗟に
おそらくは、ピースヘイヴンが相打ちから『時』を書き換えてこちらを攻撃することを全て計算した上で。
──無敵に思える
それは、『一周目』の能力発動時点の知覚は何ら変わらない発動者自身の知覚によるということ。
無数のカメラを備える
「メイド
『一手』。
「からの、『
間違いなく、既に軽く突き刺さったナイフに頭突きを食らわせることでさらに深く突き立て、ピースヘイヴンの機動力を奪いにかかる作戦だ。
ピースヘイヴンは咄嗟に蹴り脚を引くことで攻撃を回避するが──
たたんっ、と。
頭突きをした勢いそのままに、
そのままハンドスプリングの要領で飛び上がり、空中で身体を一回転させ──勢いを全て足に一点集中させた踵落としを、体勢が崩れたピースヘイヴンに振り下ろす。
ピースヘイヴンはやっとの思いで両腕を交差させてこれを受け止めるが、一七〇センチ近い筋肉質の
『ターミナルスカーフェイス』を貫通してピースヘイヴンの両腕にじんじんと重く響く痛みを生み出していた。
さらに、
「
そう問いかける
(浴びせて滑りやすくすれば機動力激減!! かけた後でさらに別種の洗剤をかければ至近距離から毒ガス……!
即座にその危険性を理解したピースヘイヴンだが、全体重を乗せられている状態では即座の回避は不可能。
能力発動から、まだ一秒も経過していない。
「そう焦るな、
ゴギン、と。
ピースヘイヴンの右肩関節がひとりでに外れ、
「なッ!?」
「『ターミナルスカーフェイス』は『着用型』だが、肉体の
脱臼の痛みか、額に脂汗を流しながらピースヘイヴンは蹴りを受け流されて体勢を崩した
「……テメェ!!」
すぐさまピースヘイヴンの狙いに気付いて洗剤の『取り寄せ』を解除する
その一瞬でピースヘイヴンは拳を振るった体勢から持ち直し、そして右肩の関節も回復していた。
さらにピースヘイヴンが身を低く構えた、ちょうどその瞬間。