生産者な魔王だって英雄になれる!   作:背の眼

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すみません投稿が遅くなってしまいましたm(__)m
この頃忙しくて(´д`|||)


まあ、そんなことより本編どうぞ!


三話 素晴らしき愛

ユーリ・バルトリウス

それが私達、マリア・バルトリウスとオルト・バルトリウスの子供。

子作りをはじめてから3年の月日がたって、ようやくできた、私達の最愛の子。

そんな大切な我が子だが、普通の子とは、少し違った。

 

確かに、産まれたときには泣いた。

だけれど、その泣き声は、普通の子とは違う泣き声だった。

何故、自分がここにいるのか。そんな驚きを秘めた泣き声だった。

まあ、私もオルトも気にはしていたが、あまり深くは考えなかった。

なぜなら、私達の子なのだから、どのような子でも愛そうと決めていた。

 

でも、ユーリはあまりお乳を飲みたがらなかった。

それが、すごく心配だった。

栄養失調で亡くなったりはしないか。

そんなことをいつも考えていた。

 

まあ、そんな考えも杞憂に終わり、1ヶ月が過ぎた。

栄養のことはもう離乳食になったからあまり心配はしなくなったけれど、次は、怪我の心配をすることになった。

 

ユーリは、よく動く子だ。

初めは、たった1ヶ月でよちよち歩きができるようになり、みんなで天才ではないか、と騒いだ。

 

だが、よちよち歩きでよく部屋を抜け出していた。

たまに、ドアの閉め忘れとかを見計らって、どこかに行ってしまうのだ。

オルトはそれを見て、

 

「おお、俺たちの息子は元気だなぁ!

よし! 大きくなったら剣術を教えよう!」

 

とかのんきなことを言っていたが、私は、どこかで怪我をしないか、と気が気ではなかった。

 

「リーシェ、ユーリのことをよく見張っといてね」

 

と頼んだものの

今度はリーシェの目を盗んでどこかに行くようになってしまった。

うーん、リーシェも家のメイドをさせていたから、気配には少なからず敏感なはずだけれど....。

ユーリの力は侮れない、ということだろうか。

 

 

ユーリは元々、魔力は高かった。それでも、子供にしては、だが。

それよりも、ユーリの魔力は質がとても高い。

それこそ、元聖女である私を優に越すぐらいの質なのだ。

ユーリは何かの生まれ変わりかもしれない。

それとも、先祖帰りか、どっちかだろう。

この例は、ありえない、と思うかもしれないが、別に少ないと言うだけでいないわけではない。

例えば、この国、バーミリオン王国の三大公爵家はそれぞれ、高位精霊と契約している。

精霊との契約は魂の契約(ソウル・エンゲージ)と呼ばれ、魂同士を結ぶことでパスを作り、高威力の魔法を放つことができる。

しかし、人間や獣人は、魔力と神に遣えているものが使える神力、体内のもう1つの力、気。

この3つしか使えず、

霊力、精霊独自の力が使えないため、魔力に置き換えて使う。

この技術は、相当難しいが、精霊と契約出来る者なら問題ないだろう。

まあ、それは置いておくとして。

この様に、精霊達と契約している者や先祖にその種以外の者と交えた者がいるなら、先祖帰りが産まれてもおかしくはない。

 

それに、私、マリア・バルトリウスは、元公爵家クルトサリス家の長女なのだ。

ちなみに、クルトサリス家は三大公爵家の1つである。

呼び名は、医界のクルラサス家

治癒と神聖術の魔法師を多く出しているため、こう呼ばれるようになった。

 

他には、

政治を牛耳っている。

政界のハンフリール家

 

学園などの教育機会を束ねている。

学界のシュバーラウク家

 

この3家は、そんな理由で先祖帰りが産まれやすい。

それでも少数だが。

 

 

ということはだ、ユーリは先祖帰りである可能性が高い。

 

「(また今度、実家に戻って調べて見ようかしら)」

 

 

 

 

 

 

 

実家に戻ることなく、一年が過ぎた。

 

今日は、出掛ける用があったので更衣室で着替えをしている。

 

「はあ~、なんで私も社交会に出なきゃいけないのよ~」

 

社交会は嫌いだ。

夫が居るにも関わらず、家名に釣られて、男どもがよってくる。

その相手が面倒臭いのだ。

 

「(いっそ、社交会で大暴れしてしまおうかしら、うふふ)」

 

マリアは黒い笑みを浮かべた。

そんなことを考えていると、

ギィィィと音をたて、扉が開く。

 

「(また、あの人かしら? いつもノックをしろと言っているのに、わからず屋ね)」

 

高速で魔法陣を組み立て

「大気を渦巻く風よ、我が敵、汝の力をもって打壊せ『ウィンド・トルネード』」

呪文を唱え、ドアに向かって放った。

ドゴォォォン

と音をたてて、ドアが吹き飛ぶ。

 

「っ!?」

 

あら?声がいつもと違う。

 

「あら! ユーちゃんじゃない。あの人かと思って思わず攻撃しちゃった。ごめんなさいね。」

 

危なかった。あの人の顔の高さを狙ってやったからよかったものの、股間だったら、ユーリに当たっていた。

ふむ、ユーちゃんが

自分の夫に対して攻撃をするな! とか考えてるわね。

 

「あの人、丈夫だから問題ないわ。勝手に人の更衣室を覗くなんて、万死に値するわ♪」

 

次は、心を読まれた!? ね。

「心なんて読んでないわよ」

 

すごく不思議そうな顔、いつもは無表情だから新鮮ね。

でも、そんなユーちゃんも、可愛いわ~。

いつも可愛いけど。

 

「顔にそう書いてあるのよ」

 

また、不思議そうな顔、うふふ

この顔癖になりそうね

 

「自分の子供ですもの。わかるわ、そのくらい。」

 

あ、いつものユーちゃんに戻った。

少し物足りない感じ。

 

「それよりも、ユーちゃん。怪我はなかった?」

 

「はい、だいじょうぶ、です」

 

「そう、ならよかった」

そう言いながら、胸を撫で下ろす。

本当によかった。

あら?ユーちゃんがこっちを見てるわ

ま、まさか!

 

「あら、ユーちゃん。そんなに見つめて。

おかーさんの下着姿に興奮しちゃった?

おませさんねぇ」

ニヤニヤしながらユーリを見る。

そうすると、

「きれい、だとは、おもいました」

「あら、ありがとう」

口に手をあて、うふふ、と笑っていた。

素直なのはいいのだけど、ちょっと面白みに欠けるわね。

まあ、嬉しかったけれど。

 

「じゃあ、もう、いきます」

 

ユーリは逃げるように出ていこうとする。

 

「あら、気を付けて戻るのよ?」

 

「はい」

 

ユーリが自室に帰るのを見送り、

 

「流れ行く風よ、汝の力をもって、爽やかな安らぎをもたらさん『ブリーズ・フロウ』」

 

魔法を巧みに操り、先ほどドアを吹き飛ばしたときに散らばった木の破片を集める。

 

次は、

 

「ああ、神よ。生活の神 キリガトスよ

我が生活に悪する物を直したまえ」

 

神聖術を発動する。

言葉自体は、ただのお祈りのようだが、神聖術が使えるものにとって、それは言霊に変わる。

 

「ふぅー、掃除も終わったし、着替えを再開しましょうか」

 

「マリア、そろそろできた....か..」

 

オルトが来てドアを開けた。

その瞬間、オルトの顔は青ざめた。

 

ドゴォォォン!

さっきと同じ魔法が放たれる。

「待ってくれマリア!その魔法はっ、ギャャャーーー!!」

ドカァァァァン!

「あなた、あれほど更衣室に入るときはノックをして、中に誰かいるか確認してから入れって、あれほど言ったわよね?」

バキャッ!

「だから、忘れてたって言って、グボラッ!」

グサッ!

「だから気を付けてって言ってるんでしょうがーーーーー!!」

ドゴォォォォォォン!!!

「ギャャャャャャャーーーー!!!」

ピチューーン

 

オルト・バルトリウス

享年25歳

 

「まだ死んどらんわ!!!」

 

にはならなかった。

 

 

 

 

 

 

 

社交会

 

~~~~~~~~♪

 

クラッシックの音楽が流れる中

貴族達がダンスを踊ったり雑談をしたりしている。

その中でマリア達は隅で食事をとっていた。

 

「ねぇ、あなた」

 

「ん?どうした?マリア」

 

「やっぱり、私、ここ嫌いだわ」

 

マリアは、とても嫌そうな顔をする

オルトは、それに同意しているかのように、頷いた。

 

「まあ、ここは、汚い、ゴミの溜まり場だからな」

 

オルトは、他の貴族を見て言う。

 

「ええ、そうね」

 

マリアの顔は晴れない。

そこに独りの男がよってきた。

 

「こんばんは、マリア嬢」

 

「ええ、こんばんは、カルトリア卿」

満面な笑みの男に、マリアは苦笑いを返す。

オルトはその男に呆れた表情を浮かべる

そんなオルトに男は、睨み付けて、マリアに視線を向ける。

 

「相変わらず、お美しいですね」

 

「当たり前だ、俺の嫁なんだからな」

男の言葉に、オルトが返す。

 

「うるさい。黙っていろ。この平民上がりが」

男は、オルトを再度睨み付ける。

オルトは、気にした様子もなく、そっぽを向く。

 

「まあまあ、その辺で」

 

マリアがあわてて仲介に入る。

 

「ふん、マリア嬢に感謝しろ。平民上がり」

 

「ヘイヘイ」

 

男は、オルトの態度にイラつくが今度は我慢したようだ。

 

「そういえばマリア嬢、ご出産おめでとうございます」

 

「ええ、ありがとうございます」

 

そのあと少し会話が続き

 

「マリア嬢、ご提案なのですが、私のところに来ませんか? ご子息も一緒が良ければそれでも構いませんが」

 

「はい?」

 

この男は、マリアを自分の側室にしようとしているのだ。

まあ、子供は別にいらないが、どうしてもと言うなら。

とも言っている。

こんなに馬鹿げた話があるだろうか。

彼女には夫がいて、子供もいるのに自分の物にならないか。そんなこと許されるはずがない。

 

特にオルトが

 

「おい、てめぇ、人の嫁に手ぇ出そうとしてんじゃねぇよ」

 

「ふん、わざわざ、不気味な子供と一緒に私がもらってやると言っているんだ。ありがたく思え」

 

今、こいつ何て言った?

不気味な子?

私達の子が?

 

「それで、マリア嬢、どうですかな?」

 

「--よ」

 

「え?今、なんと?」

 

「嫌って言ったのよ!」

 

男はその言葉に同様した。

 

「いや、私のところにくれば、もっといい暮らしを「いらないわ」っ!?」

 

「別にいい暮らし何ていらない。私は今が幸せなの。

愛する夫がいて、信頼出来るメイドや執事がいて、そして、最愛の息子がいるのだから....」

 

「もう一度考えて下さい。今、返事を変えるならまだ間に合いますよ?」

 

男は粘ろうとする。

 

「くどいですよ。私は貴方なんかいらないって言っているのです」

 

「っ!「それに」....それに?」

 

「貴方のその醜い顔なんか2度と見たくない。早く何処かへいっていまえ」

 

私は口調を変え、男に言い放つ。

 

「っ!!?......もう、どうなっても知りませんよ。なんせ、大公家を敵にまわすんですからね」

 

男は、そう、言い捨てて帰っていった。

 

「マリア....」

 

オルトが心配そうにこっちを見ている。

 

「あなた、私達も帰りましょう」

 

マリアは、先に出口へ向かい。

 

「お、おう」

 

オルトは、マリアを追いかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰りの馬車の中

 

「マリア」

 

「なに?あなた」

 

なんだろう。

マリアは、オルトがいつになく真剣な顔に驚きながら聞き返す。

 

「お前らは、絶対に俺が守ってやる。心配するな」

 

オルトは、安心させるように笑った。

 

「っ!?」

 

そう、そんなに顔に出ちゃってたのね。

さすがは、私が惚れた男....。

 

「ありがとう、なら、私があなたの傷を癒すわ」

 

「おう!そのときは頼むぜ」

 

そして、だんだんと、顔を近づけ、

唇を重ねた。

 

 

 

 

私達の息子は不気味なんかじゃない。

だって、私とこの人の最愛の息子だもの。

生まれ変わりかもしれなくても、

先祖帰りかもしれなくても、

たとえ、魔王だったとしても愛して見せる。

そう、今までも、そしてこれからも、ずっと....ずっと....

 

 

愛してるわ、ユーちゃん。




マリアさーーん!
かっけぇす!

ということで次回もお楽しみに!
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