sideユーリ
あれから幾度か春をむかえた。
今は、5歳だ。
それまでなにがあったかって?
まぁ、いろいろなことをしたな。
例えば魔法の練習をして、下級魔法は使えるようになった。
もともと魔法は得意分野だったこともあってそれほど時間はかからなかった。
しかし、からだ作りも忘れてはいけない。
魔法が得意だとしても接近されてしまえば負けるのは火を見るより明らかだ。
からだ作りをしていたらリーシェに見つかって父上と母上に報告された。
そのお陰で父上が稽古を付けてくれると言って今ではからだ作りの他にも剣術や武術も習っている。
父上はとても強かった。
本気を出せば魔族とだってやりあえるだろう。
まさか人間族にこれほど強い者がいたとは、と驚愕もしたほどだ。
そして、最大の収穫は、
俺の固有能力が使えるようになったことだ!
これは純粋に嬉しかった。
幾千、幾万もの時を共にしてきた能力だ。
それが少しだが使えるようになったのだ。
これが喜ばずしていられるか!
ゴホンゴホン、つい嬉しさのあまりに興奮してしまった。
まぁ、そんなこんなでここまでやって来た訳だが
未だに外に出してもらえない。
家の庭には出たことがあるが敷地の外には行ったことがないのだ。
なので今日、外に出れるように父上と母上に直談判するつもりだ。
今日の夕飯の時に頼んでみるか。
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そして、夕飯時になった。
父上と母上は雑談をしながらご飯を食べている。
俺は、ご飯を食べるのを止め、言った。
「あの父上、母上、お願いがあるのですが...」
『!?』
オルトとマリアはフォークとナイフを落とし驚愕の表情をユーリに向けた。
「ね、ねぇあなた」
「な、なぁマリア」
「も、もしかしてなのだけれど」
「も、もしかしてだが」
「ユーちゃんが...」
「ユーリが...」
『俺達(私達)にお願いをした!?』
......そんなに珍しかっただろうか。
まあ、確かに考えてみればこれまでちゃんとした頼みをしたことがなかったか。
オルトとマリアは未だ固まったままだった。
「......それで、いいのですか?」
『はっ!』
硬直がとけオルトとマリアはようやく動き出した。
「ええ!! いいわよ!! それで何が欲しいの?おもちゃ? 本? もしかして物語に出てくる聖剣かしら? ユーちゃんのためなら王宮から聖剣だって聖槍だって盗ってきてあげるわよ?」
母上がすごい形相で此方に迫ってきた。
父上も、
「おう!! いいぞ!! なんでも言え! 何が欲しい?? シーサーペントの剥製か? それともキマイラか?? いや、もしかしてドラゴンの剥製が欲しいのか!」
と意味のわからない暴走をしてきた。
母上、さすがに盗みは良くないだろう。
それに父上、何故剥製しかでてこない。
「いえ、そうではなくて...」
『なら、何が欲しいの(欲しいんだ)?』
「...外に..行ってみたいのです」
「...外に?」
マリアとオルトは首をかしげた。
お願いがまさか外に出たいだとは思わなかったのだろう。
「はい、この年になっても一度も街に行ったことがありません。なので、外の世界を見てみたいのです」
それからしばらくの沈黙が流れた。
そして、閉ざされていたマリアの口から言葉が発せられた。
「いいわよ」
マリアは、真剣な眼差しをユーリにむけた。
いつもののほほんとした口調ではなく、しっかりとした口調でだ。
「いいのですか?」
「ええ」
少し驚いた。
稽古等はつけてくれてたが、親バカ(失礼だが)である母上からこんなすぐに許可がもらえるとは思いもよらなかった。
嬉しい誤算というやつか。
「では、明日にでも行ってきてもいいのですか?」
「いいわよ。ねぇ、あなたもいいでしょう?」
「 ああ、別にいいんじゃないか?」
父上も許可を出してくれた。
これでようやく外に出られる。
そう考えると自然と頬が緩んだ。
「では、明日のために今日は早く寝ようと思います」
「ええ、わかったわ~。じゃあちゃんと寝るのよ~?」
いつもの口調に戻ったな。
少し、安心したのは気のせいだろうか。
「はい、ではお休みなさい」
そう言って、食堂を去った。
ユーリは部屋に着き明日の準備を始めた。
父上と母上の許可を得た。
なら、明日は念願の外の世界だ。
準備は、しっかりとしとかないとな。
外の世界だ。
何が起きるかわからない。
もしかしたら街に魔獣がいるかもしれない。※街に魔獣はいません。
............
よし、準備が出来た。
金に回復薬、剣にグローブ。
そして、いざというときの爆弾。
服は一応家のもので行こう。
もう一度確認をする。
「よし、忘れ物はないな」
荷物を部屋の隅に置きベッドに寝転がる。
「明日が楽しみだ」
何度言ったかわからない同じ言葉を口にした。
「寝るか」
早く寝て明日に備えよう。
ああ、楽しみだ。
ユーリsideout
マリアside
まさかユーちゃんが外に出たいって言うなんて...
「少し、縛りつけすぎたのかしら...」
そう思えざるえなかった。
何故ならこの五年間いつもユーリは自分でやって来たのだ。
それがいきなり外に出たいからといって他人を頼るだろうか。
いや、ないことはないのだがあまりに考えれることではなかった。
「ねぇオルト...」
「ん?どうした?」
マリアの呼び掛けにオルトが応じる。
「私ね、あの子が喜んでる姿を一度しか見たことないの」
「.........」
マリアは悲しそうな表情で顔を伏せた。
「その一度も私達が何かしたわけでもないのに...」
「.........」
オルトは沈黙を続けた。
それはなにを思ってそうしているかはわからないが彼なりに思うところがあるのだろうと思いマリアは話しを続けた。
「どうすればいいのかなぁ...」
「......なにもしなくていいじゃないか」
沈黙を貫いていたオルトが口を開いた。
「え?」
「俺達はオルトを信じて愛せばいいだけだ」
「でも、私はユーちゃんになにも...」
「マリア、俺達はあのとき誓ったはずだ。どんなことがあろうとユーリを愛すと」
そうだった。
あのとき誓ったじゃない。
そんな大切なことを私は忘れていた。
「私って馬鹿ね」
「ああ、大馬鹿者だ」
マリアの目から一筋の涙が零れた。
オルトはそんなマリアを抱き締める。
「私達も今日は早く寝ましょうか」
「ああ、そうだな」
二人は抱き締めながら食堂を去った。
「あれ? 私空気?」
そして、メイドのリーシェだけがその場に残された。
作者《というか、居たんだな》
「居ましたよ!!」
いきなり独り言を言うリーシェであった。
「なんかひどい!?」
リーシェぇ
キャラがなんか安定しないな~
自分の文才のなさに悲しみを感じるこの頃
どうやったらうまく書けるかなぁ
次回もよろしくお願いします!