短編集(夢小説)   作:苺のタルトですが

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理不尽だ

私はそこら辺にいる弱い海賊団のクルーの一人だった。

 

今シャボンディ諸島という所にいる。

 

弱いながらもここまでこれたのは奇跡だろう。

 

でも新世界では確実に生きていけないと思った私は船を降りた。

 

つまり海賊を辞めた。

 

これからは一人でフラフラと自由に船旅でもしようかと思っている。

 

ほら、かの鷹の目という人もしているじゃないか。

 

そこまで強いわけではないが、一応海賊だったんだし、なんとかなるだろうと思いながらマンブローグの近くを歩いていた。

 

そこまではよかった。

 

でもこの状況はなんなのだろう?

 

目の前には目の下に隈があるモコモコ帽子を被った“死の外科医”ことトラファルガー・ローが不適な笑みで立っている。

 

なぜこんなことになったのかというと、それは数分前にさかのぼる。

 

 

 

それは、さっきまで普通に歩いていたら、オレンジ色のツナギを着た白熊がうずくまっていたのである。

 

びっくりしたが、周りを見てみると数人の男達が倒れていた。

 

その男達は明らかに賞金稼ぎで、巻き込まれてしまって怪我をしたのかと思い、白熊に近づいて声をかけた。

 

 

「君、大丈夫?」

 

「えっ?おれ?」

 

「うんうん」

 

「大丈夫だけど……」

 

「ならよかった。あっ、怪我してるよ?」

 

「あ、本当だ」

 

白熊の足にかすり傷ができていた。

 

「私絆創膏持ってるしあげるよ」

 

「!……ありがとう、おれ、ベポ」

 

ベポはそういうとニコっと笑った。

 

「ベポか……私はリーシャ、よろしくね。ところでどうしてこんな所にいたの?」

 

「えっと……迷子になっちゃって……」

 

「そっかぁ、じゃあ私も一緒に探してあげるよ!」

 

「本当!?ありがと~!」

 

 

それからベポとすっかり仲良くなった私はベポの仲間を探すことになった。

 

そして、仲間と合流出来たと思えば最初の状況になっていたということだ。

 

 

「ベポが世話になったな」

 

「別に構いませんよ」

 

なんか自分若干敬語になってるし!!

 

心の中で冷や汗を掻いていた。

 

「楽しかったねリーシャ!」

 

ベポは円満な笑みで言ってきた。

 

「うっ、うん」

 

私は早く逃げ……いや、立ち去りたくて早口に返事をした。

 

「ほぉ、リーシャと言うんだな?」

 

「はい……ベポが交流出来たので私は行きますね」

 

私はそう言って足速に立ち去ろうとした。

 

「まぁ待て」

 

──ガシッ

 

(ぎゃあァァ~!!!)

 

う、腕がつかまれたぁ~!!

 

私は内心ヤバイほど叫びながらもポーカーフェースでトラファルガー・ローの方へ向くと、彼は独自のニヤリとした笑みを浮かべていた。

 

 

「…なんでしょうか?」

 

 

「おれの船に乗らないか?」

 

彼はニヤリとした表情のまま言った。

 

 

「お断りします」

 

私はキッパリと言い切る。

 

そして私は軽く頭を下げてトラファルガー・ローとは反対側に歩き出す。

 

 

──クンッ

 

「!!」

 

一歩踏み締めようとしたがまだ私の腕を掴んでいて前に進まなかった。

 

(なにこの人、細いくせに力強っ!!)

 

「……離してもらえますか?」

 

「無理だな」

 

(なんか言い切ったよこの人!!)

 

私は捕まれている腕をブンブンと振ってみたがビクともしなかった。

 

試しに周りにいるハートの海賊団のクルー達に目で助けを求めたが全員に目を逸らされる。

 

(ベポまで!?)

 

私はため息をついた。

 

「なんだ?もう諦めたか?」

 

ニヤニヤと玩具を見つけたように見てくる目の前の男に私は同じように挑発した目でニヤリと笑って見せた。

すると、トラファルガー・ローは目を見開く。

 

 

私はその瞬間を逃さなかった。

 

トラファルガー・ロー(長いな…もう省略してトラって呼ばしてもらう)が驚いている隙をついて回し蹴りをする。

 

「っ……!」

 

さすがに避けられたが、私の腕から手を離したので、すかさず全力で走る。

 

すると後ろから「ROOM」という声が聞こえたかと思うと、周りに何故かサークルが現れた。

 

(なにこれ?)

 

その瞬間片足の感覚に違和感を覚えた。

 

「えっ!?」

 

下を見てみると……右足が無くなっていた。

 

「なっ?!」

 

よく見てみると無くなってはいるが、血は出ていなかった。

 

おまけに痛くもない。

 

でも誰かに触られている感覚がある。

 

いきなり片足が無くなったことでバランスが崩れてこけてしまった。

 

私は足をこんなふうにしたであろう人物にバッと顔を向ける。

 

向いた先には私の片足を持っているトラが口の端を上げて私を見ていた。

 

が、そんなことは今の私には関係ない。

 

私の中の何かがブチッと切れた。

 

 

 

 

 

「なに人の片足取ってくれちゃってんのォォォ!!?」

 

「そんなに叫ぶな、血圧が上がる」

 

「あんたのせいだよっ!!」

 

「まぁ、さっきは驚いたがなかなかやるな」

 

「人の話聞けよ!!」

 

ってそんなことは今はどうでもいいんだった!

 

「そんなことはどうでもいいからさっさと返してよ!」

 

「おれのクルーになるならな」

 

「ふざけないで!私は人(?)助けしただけなのに、なんで恩を痣で帰されるの?!」

 

「おれが気に入ったからだ」

 

「そんな理由で片足がなくなるなんておかしい!」

 

「クルーにするためだからな」

 

「ならないからね!私はこれから自由に旅をするんだから!」

 

「ちょうどいいじゃねぇか」

 

「よくないっ!とにかく足を返して!」

 

「おれに命令するな、それとおれの女になるならと言っただろ?」

 

「なんかクルーから女にすり替わってるんだけど!?」

 

ローはリーシャの言葉を聞くと顔を近づけた。

 

「まぁ最初から拒否権なんかないけどな」

 

そういうトラはそれはそれは楽しそうに笑った。

 

その言葉を聞いたリーシャは肩を震わせて、

 

「このおれ様があああ!!!」と叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

その後。

 

 

 

 

 

「今日からおれ達の仲間になるリーシャだ」

 

「「「「おおォォ~~!!」」」」

 

「初めてまして、貴方達の船長に無理矢理誘拐された、リーシャです」

 

「「「「誘拐!?」」」」

 

「こいつはおれの女だから手ェ出すなよ」

 

「「「「女?!」」」」

 

 

「はぁっ!?いつ貴方の女になったんですか?!」

 

「今だ」

 

 

……………。

 

 

 

「ふざけんなぁっ!ちがいますからね!!」

 

 

「フフッ……まぁ、まだ時間はたっぷりとある。なぁ?リーシャ」

 

 

「うっ……」

 

 

(初めて悪寒というものを体験しました)

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