短編集(夢小説)   作:苺のタルトですが

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嫉妬に欲情

「ペンギンさん!」

 

「どうしたリーシャ?」

 

「これなんですけど……」

 

「あぁ、これはこうして……こうすればいい」

 

リーシャがペンギンに海図の書き方を教えてもらっている。

 

「あ!そうだったんですね……ありがとうございました!」

 

彼女が頭を下げるとペンギンは、その頭を撫でる。

 

「頑張れよ」

 

「はい!」

 

するとリーシャは嬉しそうに返事をする。

 

(イライラする……)

 

ローはそんな二人の様子に胸がムカムカした。

 

もちろん、その原因はわかっている。

 

俺は酒を手にリーシャを見つめる。

 

「あ!船長、なにしてるんですか?」

 

さっきまでペンギンと話していたリーシャがローに気づき、駆け寄ってきた。

 

この無邪気な瞳に俺は写っているのか……?

 

ローはリーシャに恋心を抱いていた。

 

でも肝心の彼女はおそらくペンギンのことが好きだろう。

 

(ちっ、)

 

ローは余計に腹が立った。

 

どうして自分のものにならない?

 

そう思ったローは不思議そうに尋ねてきたリーシャに答えず、ぐっと彼女の腕を握る。

 

「え、せ、船長?」

 

驚きに顔を見上げるリーシャに構わずローは彼女の腕を掴んだまま自室へと向かう。

 

「どうした……きゃっ!」

 

扉を乱暴に開くと、リーシャをベッドに押し倒した。

 

「船長……何を……」

 

彼女の瞳に怯えた感情が見えた。

 

(もう限界だ……)

 

リーシャの気持ちに気づかないフリをして、自分の手を彼女の太ももに滑らせる。

 

「あっ……ふぅ……っ」

 

リーシャの声にローは欲情した。

 

「っ……リーシャ……」

 

ローは堪らなず、愛しい名を呼ぶ。

 

「船長……ロー……」

 

「……!」

 

突然名前を呼ばれたローは驚いて手を止める。

 

「船長、このまま流されてするのは嫌なんです……」

 

彼女の言葉にローはゆっくりと太ももに滑らせていた手をリーシャの頬に持っていく。

 

「流したりしねぇ。……なぁ、お前はペンギンのことが……」

 

ローが真剣な瞳でリーシャを見る。

 

(わかっている)

 

ローはそう思いながら彼女に言うと、リーシャは目を見開いた。

 

「なに言ってるんですか?……私はちゃんと船長の気持ちを知りたいんです。私は船長のことが好きだから」

 

「は?」

 

ローは自分の思っていた言葉と違った言葉を発したリーシャに目が点になった。

 

「私は酔った船長とは間違いを起こしたくありません」

 

ローが茫然としている中、更に彼女が言う。

 

(好き……こいつが、俺を?)

 

だが、先程リーシャが言った言葉がローの頭の中を巡っていたため、彼女の言葉はあまり聞こえていなかった。

 

「船長……?」

 

フリーズしたローをリーシャは怪訝そうに覗き込む。

 

すると意識を戻したローがリーシャに確かめるように尋ねる。

 

「お前は……俺が好き、なのか」

 

「っ、二度も同じことを言わせないでください!」

 

彼女は怒ったように言った。

 

いや、照れているのだろうか?

 

(今はそんなことはいい……)

 

俺はどんどん口元が緩んでいく様子を感じ、リーシャにキスをした。

 

「えっ!」

 

リーシャは驚きながら口を手で覆った。

 

「俺もだ」

 

その隙に彼女の耳で囁くと、リーシャは一瞬目を見開き、そして──。

 

 

 

嫉妬に欲情

 

 

(じゃあまずは私の上からどいてくださいね)

 

(……却下だ)

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