女神様。
女神、女神様。
私は確かにあの日、アナタに転生させるので願いを叶えましょうを言われ、それを言いました。
ムッチムッチの体でダイナマイトボディ美女にしてくださいといいました。
かぶりつきたくなるような、という言葉も追記しましたね。
転生してから私はびっくり仰天ぷらなわけですよ。
今、男たちに囲まれて目の色を変えた様子でこちらを舐めるように品定めされていて、とてもではないが動くことが出来ない。
死角も防がれており、逃げられない。
助けて、誰か助けて。
震えるのが止められない。
びちゃりと動く度に周りにある海水が跳ねる。
「おい、どうする」
「勿論今夜の獲物だからやることは決まってるだろ」
(ひいいいい!)
叫びは届かない。
襲われるのは変えられない。
男達は私を乱暴に持ち上げて気遣い もなく連れて行かれる。
廊下らしきところを進み、部屋へ入る。
「おーい、生きの良いやつが取れたぞ」
「お、そりゃ良いや。ん?こりゃァ」
コック帽と白い制服に身を包む男はセルをわし掴む。
痛みはないけど優しもない。
じっくり見られてしまう。
「なんてデカいエビなんだ!」
……女神様。
お前手ぇ抜いただろ?
誰がエビになりたいって言った?
ムチムチの美女と望んだの、に!
なんで中身がむっちり詰まったぷりぷりになるんだよ。
仕事が雑で結果的に最悪。
こんな女神即首を勧告されても可笑しくないのに。
流石に首になってくれたよね?
なってなかったら来世の前に突撃しに行くわ。
かぶり付きたいとか追加で頼んだのが悪かったのだろうか。
女神は一見普通だったけど実は徹夜明けだったとかないか?
「うまそうだ!今夜は船長に出そう」
怨念を呟く間にレシピを考案され、晩餐にされようとする中、今まで話したくても話す相手がいなかったから意味がなかった会話をするときが来た。
「私は食用じゃありませんッ」
「へ」
「おいおい、腹話術とか急にどうした」
手渡した男がおちゃらけた顔で笑う。
コックの顔は驚愕一色。
いや、なにも言ってないと辛うじて伝えたのに軽く流される。
そんなことにはさせん!
「私は!人間!だ──ー!」
あらん限り叫ぶ。
「「うわあああ!」」
おばけを見た叫びを返されドタドタドタと二人共厨房から去っていく。
今のうちに逃げるよ!
ビチビチさせながら跳ねていく。
「で──だ──お願──!」
なにか聞こえる。
援軍でも呼ばれたか。
密航ではないので捕らえられるなんてごめんだ。
ビチビチしているとそれを足で踏みつける悪魔が居た。
「いた!?」
「オマール海老が話すなんて言われて来てみれば……喋るエビとは」
踏みつけられているので己の主張を言わせてもらう。
「わ、私は決して釣って欲しいなんて言ってないです。この場所に連れてきたのは私の意思に反しております!」
正論は通るのか、と様子を見ていると足を退けられてわし掴まれた。
無体な。
「能力者か?」
「なにを言ってるのか全く分かりませんが、サイキックという類でしたら違いますよ」
「なにを言ってんだこいつは」
「能力者なら元は人間だろ」
あの2人のうち1人が聞く。
戻ってきていたのか。
「戻れ……もしかして、戻り方を知ってるんですか!?それなら是非教えてく──」
言い終える前にまな板の上に置かれた。
「ちょっとこいつを捌け」
「ひ!船長!それだけは勘弁してくれッ」
「笑えないですよ!」
私を尋問していたのは船長だったらしい。
この世界がどんな世界が知らないけど、この男は悪魔だと分かる。
周りの人もドン引きしてんでしょうが。
鬼畜だろ。
「命の危機を感じたら流石に元に戻るだろ」
「船長の天然がここで出るとは」
「おれは包丁入れたくねーよ」
3人でなにやら揉めているが私を早く開放してほしい。
戻り方なんてどうでもいい。
捌かれるなんて嫌である。
「離して!海に帰る!」
「バカ言うな。能力者を手放すわけねェよ」
「なにが能力者よ、ど畜生!オマール海老になにが出来るっていうんだッ」
「その前に人になってもらうが、な」
──ドン!
目の前で包丁が振られる。
「いやあ──!ころされるううう!」
抵抗激しくシェイクしていくとぽよんと揺れて男の手からエビが離れた。
「ん?」
男は疑問を吐いて追いかける。
「オマール海老なめんなあ!」
凄い勢いで逃げ出すエビに一同呆けた。
しかし、ローの命令により追いかけ出す2名。
エビの捕獲に本気でとりにかかっている。
でも、男の言葉を感じるならば私は人に戻れるってこと?
今度こそムチムチ美女に!?
しかし、なにか飛んできた後に海老裸体に直撃する。
と、砥石!?
包丁ではないだけ良かったのか。
砥石だって分厚いし痛い。
こ、この野郎……。
「今日から退屈せずに済みそうだ」
悪魔の声が聞こえ……た……。