こんにちは、宇宙人です。
いきなり突拍子もないこと言ってごめんなさい。
でも、でも聞いてください!
自分が宇宙人だから、これ以上驚く事はないだろうと高を括っていた私が、私が!
驚いた。
「トラファルガー!今日こそてめェを病院に送ってやるぜ!」
「フン……」
同じクラスのトラファルガーくんが数十人の不良達に囲まれていた。
助けようにも宇宙人だから無理だ。
「かかってこいよ。まとめてキザんでやる」
と、竹刀──ではなく刀を取り出したトラファルガーくん。
「か、刀!?チッ!偽物に決まってんだろーが!」
不良達も怯んだがレプリカと判断してトラファルガーに一気に飛び掛かる。
その瞬間、
──スパッ!
相手の鉄で出来た野球棒が真っ二つに、
(わわわわ割れたあああ!!!)
いくら宇宙人でも本物の刀で学生が真っ二つとは見たことがない。
いや、見るべきものではなかったのかも。
今更だが、ここは見なかった事にした方が懸命な気がする。
ほら、私何気に心臓五つしかストックしてないから。
己を納得させ、そろりと後ずさる。
「見たな?」
すると、後ろに彼がいて私を見つめていた。
「見ちまったもんは仕方ねェ」
「いや、これは不可抗力!不可抗力だよっ」
ジリジリと電信柱に追い詰められる私はトラファルガーくんに見つかった焦りでパニクる。
「あああ!UFOだああ!」
「はァ?んなもん」
怪訝に私を見るトラファルガーくんだが……甘いな君は。
私は予め待機させておいた愛車(UFO)の透明機能をオフにして出現させる。
そうすれば、ほら、トラファルガーくんも眩しさで目が眩んで。
「眩しいな」
ザシュッとUFO(愛車)を一刀両断した。
「きゃああああ!わ、私の、私の愛車があああ!!?」
「愛車?」
私は愛車の(UFO)ウホを抱きしめる。
「ウ、ウホぉおおー!!」
「ウホ?……もしかしてユーフォーをローマ字読みにしたのか。お前アホなんだな」
「アホじゃないもん!ウホだもん!ウホー!嫌ああ!修理に出さなきゃいけないぃ~!」
「出せばいいだろ」
「修理費に三万プログいるのにっ」
「プログ?通貨みてェなもんか」
トラファルガーくんの言葉に自分が宇宙人だと認識されていると感じ涙目で彼を見る。
「お前がいきなりUFO出すからだ。反省してこれからは目眩ましなんかに使うなよ」
「用途がバレてる!?」
「当たり前ェだ」
何もかもが散々な日。
彼の記憶も改ざんしなくては、と記憶ケス銃をガチャリとトラファルガーくんの体に突き付ける。
「何だ」
「アナタのキオクをケサせてイタダキます」
「いきなり宇宙人になったな」
「わ、ワタシハ!宇宙人ダ!」
発射されたビーム。
それを軽々と避けるトラファルガーくんに唖然。
こんな身体能力がある学生、に、人間じゃない!
私も人間じゃないけど……。
思い直してもう一度。
しかし、当たらない。
「へェ、宇宙人なァ?」
「実験台なんかにならない!モルモット?お断り!」
ピュンピュンと撃てども掠りもしない。
くたくたになった私はついに銃を降ろした。
視界の端に気絶した不良達が倒れている姿を写してしまい気絶したくなる。
トラファルガーくんどんだけ強いんだ。
人間とはやはり言えないんじゃ!?
ならば、宇宙人の私が勝てるのか否か。
「度胸はあるな。フフ」
「今悪寒がしたよ、トラファルガーくん」
ぶるりと震えて彼を見ると怖い微笑みがあった。
「最近退屈だったんだが、ちょうどいい玩具(宇宙人)が見つかった」
「見つかった?」
「お前」
指を差されて顔が蒼白になった。
え?
これも宇宙人の特性なんだろうって?
恐怖は宇宙共通だ!
覚えときたまえ!
「うぎゃあああ!」
「逃がすかよ」
別の意味で遊ばれそうで怖い。
けど、捕まりそうだ。
「いやー!」
もう、宇宙人でも火星人でもいいから……人間から私を救って欲しい!