短編集(夢小説)   作:苺のタルトですが

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僕の少しズレた恋愛論/愛の反対は憎しみではなく無関心である

彼女はフカフカなものが大好きだ。

 

「ベポー!」

 

だからおれの船の船員である白クマにメロメロである。

きゃっきゃっとベポに抱き着く女、リーシャに自分の顔が引き攣るのを感じた。

 

「あ、キャプテーン!」

 

「キャプテン……!」

 

おれを視界に見つけ手を振るリーシャに変わり、ベポは殺気に震えた。

 

「よォ。何話してんだ?」

 

「今いる島が冬島だから一緒に回ろうねって言ってたところなんですよ!ね?」

 

「ア、アイアイ!」

 

嬉しそうに笑う彼女におれは「へェ」と口元を上げる。

そしてベポに目で「あっちへ行け」と威圧した。

 

「リーシャっ!おれちょっと用事思い出したから行けなくなっちゃった!」

 

「えー!そんな突然すぎるよ……私楽しみにしてたのに!」

 

悔しそうに俯くリーシャにおれは肩に手を置く。

 

「ベポとなんでそんなに行きてェんだ?」

 

「ベポと行くと楽しいし、なにより暖かいからですよ……はぁ」

 

ため息をつくリーシャにおれは少し考え、彼女の顎を指先で上に向かせた。

 

「キャプテン……?」

 

「暖かいのがいいんだろ?」

 

「まぁ、はい」

 

その言葉におれはフッと笑い彼女の耳元に唇を寄せて──。

 

「じゃあおれと暖かくなることするか?」

 

「……!!」

 

驚きの表情を浮かべるリーシャにおれはニヤリと笑うと真っ赤な顔になる。

 

「キャプ、テン……そ、それって……」

 

「そのままの意味だが?」

 

「っ……!」

 

下を向いたリーシャに確かな手応えを感じ、おれはその小さな少し冷たい手を引いて歩き出した。

 

(キャプテン……)

 

(なんだ)

 

(やっぱり熱いです)

 

(フフ……)

 

***

 

無名の海賊団が攻めて来たのでいつもと変わらず能力を発動させて身体をバラバラにした。幾分気分が良くなり敵の船に宝を探しに行こうと先陣を切る。その時、子供―二、三歳の子供が気絶した男を揺さ振っているのが見えたので思わず足を止めた。どこからどう見ても海賊には不釣り合いの子供に無言で視線を送っていると向こうもこちらを見てくる。ベポが驚きの声で子供が居ると言って近くに寄り抱き上げた。子供は怖がる事なんてことはなく無表情にベポを見ていた。ペンギンが敵の船の部屋に女が隠れていたと此処へ連れてくる。女は怯えた様子だったが子供の姿を見た途端立場を忘れたように叫んだ。

 

「この餓鬼がっ!あんたなんてさっさと捨てればよかった!」

 

疫病神だとか死神だとか散々喚いて最後に産まなければよかったとローですら眉を潜める言葉を幼い子供に投げつけた。自分の子供だというのに散々な言い方だ。女に命乞いは終わったかと言うと今状況を思い出したように顔を青ざめた。恐らくローの顔は今までよりも遥かに恐ろしい冷酷な表情をしているかもしれない。

 

「あ?何だガキ。今立て込んでるんだ。相手ならベポにしてもらえ」

 

クイッとボアコートを摘んで引っ張る子供に追い払う仕草をすると、性別は恐らく女であろう幼児がか細い声で弁解した。

 

「そのひとを、いじめないでください」

 

「……お前、自分がどれ程キツい言葉を言われてるか知ってんのか」

 

「は、い。しってます……おかーさんは、わたしがきらいだから。でも、かたなでたたかないであげてくだ、さい」

 

「庇う理由は一体何だ?」

 

嫌われていると自覚しているくせに、何故そこまで言えるのか。

 

「ふねにおいてくれたから。すてないでくれたから」

 

子供はたどたどしい言葉遣いで親の身を心配する。さっき、残酷な台詞を吐いていた女は口を半開きにして子供を見ていた。よく見ると華奢な身体にところどころ傷や青痣があったのでこの船にいた男にやられたのだろうと想像でき、それと同時に子供の言葉から窺える扱いにローは暫し幼児に目を向け溜息をつく。

 

「ベポ。そのガキを船に連れてこい」

 

その言葉にきょとんと目を丸くする子供にローはフッと笑みを浮かべた。

 

愛の反対は憎しみではなく無関心である

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