短編集(夢小説)   作:苺のタルトですが

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アルビダの妹


あの人の妹

アルビダという女の妹にして、義理にであり血が繋がってないというのに理不尽な目に合うことになった私の話。

あの人が海賊なんてものになるので普通に村の人間から人の扱いをされなかった。

それは村の人間にも罪はあるが、己の感情だけに突き進み義理とはいえ妹の人生をめちゃくちゃにした女を恨まない訳がない。

憎しみに飲まれて泥水を啜る生活を余儀され、ふらふらとなり足を崩して崖から落ちた。

お腹が空きすぎて力が出ない。

悔しいという気持ちと元の魂は瀕死となり、新たに生まれたのがリーシャだ。

彼女の恨みは晴らしてやりたい。

どうしても、ね。

 

「アルビダ、か」

 

リーシャは前世では名のある女だった。

見た感じこの世界とは異なったところみたいだけど。

この世界には超能力がないみたい。

でも、超能力の力は失ってないみたいで良かった。

八つ裂きにしやすい。

にやり、と笑う。

念力で船を動かして新聞などの情報で東に居ることは掴んでいる。

とある男の子のにぶっ飛ばされたとか書いてあったが捕まってないらしい。

それは良かった、僭越なことだ。

 

──ダン

 

アルビダの船に静かに忍より誰にも気付かれることなく、その船の甲板部分に降り立つ影。

みーつーけたぁ。

 

「誰だい!?」

 

男の子にこてんぱんにされたばかりだからか包帯が取れないまま、女は声を震わせる。

地獄はこれからなんだよ?

 

「久しぶり」

 

肉親でもないが、義理として顔を見せてやる。

 

「リーシャ!?」

 

「良くわかったね」

 

正解と笑う。

ここになんでいるのかって?

 

「アホなの?お前の首には懸賞金。慰謝料を貰いに来たんだよ?」

 

アルビダはあの弱々しい妹の姿が回想される。

似ても似つかない顔を浮かべる妹。

背筋が凍る。

 

「死か生か、私はしあわせもん。だって、合法的にお前をやれるんだから」

 

アルビダの足は張り付いたように動かない。

念力により物理的に繋ぎ止められていた。

 

「ひぃ!姉をころすってのかい!?」

 

「……姉?ああ、姉なら死んじゃったよ?…………今日が命日なの」

 

きょとんとして嬉しそうに笑う妹は指をくるりと振った。

さよならのポーズだった。

海賊団の面々は視界が暗転した。

 

という過去を懐かしみ、今はゆるりとこの世を楽しんで居た。

エンジョイである。

船が小さいのに小うるさいのが居る。

白熊の姿をしたベポ。

獣人なんぞノベルでしか読んだことがないのに、この世界では普通に存在するんだよ。

それには至極驚いたし、ベポにもそろそろ退場して元の船へ戻ってほしいことを伝える。

 

「おれのとこの船に来いよ。全員気のいいやつらだ」

 

「ベポ、私はね海賊がね嫌いなの」

 

「他のやつらと同じにされちゃ困る」

 

「海賊は海賊。みーんな一緒よ」

 

本当は違いがあることは知っているが、興味がなくて適当に言っている。

それに、好きではないのは本当。

 

「船長も会ってみたいって」

 

それは利用できるか吟味してやるってことに決まってる。

わかっているからこそいきとーない。

 

「海賊とは会わない。ポリシー」

 

眠くなってきたので眠る。

ベポが呼ぶけど眠気を優先した。

 

「んー、ん?」

 

手がやたら不自由な感覚がしたので目を開けて下を向くとカイロウセキの腕輪。

念力でネジ切り壊していく。

なめた真似をされた。

ムカついたので最大とはならないが、船を二つに裂くくらいには腹が立った。

バキバキと下から折ってやる。

いい気味。

こういうシーンで仲間になるとか無理矢理とかあるが、現実は残酷なのさ。

 

「うわあ!?」

 

廊下だったところから男らの悲鳴が聞こえる。

知るかよ、ってね。

船が割れて浸水している間に自分の船に戻り近くの町に寄った。

ハート達も近くに寄らざるおえないだろうね。

あ、ここって海賊が集まる島か。

ずらりと並ぶ海賊船の様子に変なところに来てしまったなと頬を擦る。

アルビダを物理的に叩きつけて以降変なあだ名をつけられているのだ。

姿は知られてないけど。

モンスターベッネと呼ばれている。

東ではアルビダも強いとめされていて、結構暴れていたからかもね。

まぁ別に良いか。

カイロウセキは保管しているので次にベポの上司であるトラファルガー・ローが来たらこれをつけよう。

そうしようと上機嫌に散歩する。

 

5時間後、そろそろどこか宿を探すかなと宿の看板を探していると人々のざわめきによりトラファルガー・ロー達が近くに居る事を知る。

船を修理する為にぶらついているのだろう。

丁度良いとカイロウセキを嵌めた。

鍵の部分をネジ切っているので取れない仕組み。

向こうから男が崩れ落ちるのと船長船長と叫ぶ男達の声が聞こえた。

友達枠として勝手に招待しておいての腕輪という待遇を見れば当然の報復。

そんなこともわからなかったのかな。

宿を探しあてて、漸く休めた。

 

翌日、ハートの部下から女を探しているという噂が蔓延していた。

そんなあやふさやでは探せないだろうに。

この島にも普通に居るからさ、いっぱい。

諦めて故郷に帰れば良いのにって純粋に思う。

 

町をリンゴを食べながら歩いていると横から男が走ってきてふらついて倒れた。

船長船長と煩い奴等も付属してきた。

 

「……?」

 

「お前、だな!」

 

「……リーシャっ」

 

「おお、ベポ」

 

ベポが来て漸く目の前のぜぇぜぇいう人が誰かわかった。

手配書でしか見たことないもんでね。

 

「船長戻せ!」

 

「……?……なんで?」

 

横から同じ服を着た男が叫ぶ。

 

「なんでだぁ!?」

 

「目が覚めたら手錠をはめられてたら、お前は抵抗せずに死ぬの?怒らないの?恨まないの?悔しくないの?それでもお前は感情を持つ人間か?」

 

男は憤怒の顔のままぴしりと固まった。

 

「はァ、はァ……これを、外せ」

 

「なんで?一言も謝罪貰ってないけど……私が外す理由ってあるの?」

 

男は尚も苦しそうにぜぇぜぇいう。

外したら首取りに来そうだもん。

やだよ。

普通に断固拒否です。

 

「た、た、頼む!謝るから!」

 

「ふーん?じゃあ誰か一人でも私に悪意を向けたら連帯責任として滅んでね?」

 

この世界の人達は滅ぶべき存在と深層心理に刻み込まれているので、滅ばせられる。

とても残酷な笑みを携えて彼女はまわりを見渡して一言一句、間違わずに約束させる。

まさかまさか、敵うだなんて思ってないよね。

もしも勝機を感じるのなら訓練をやり直した方が良い。

この世界には後天的に能力を得られるという実があるらしいが、そんな努力して得られてない力を振り回したとして、それはこちらの力とは比べ物にならない。

悪魔の実は海に関したものに弱いという明白な弱点を持っている。

が、超能力に関しては弱点はない。

どちらが上かなどわかりきっている。

鼻で笑いつつ、腕輪を取ってやった。

反撃してきた時点でこの者達の采配は決定するのだが、どうだろうか。

様子を見ていると特に反撃してくる様子はないので部下を抹殺する事態に発展しなくて良かったねと声をかけて、お優しいお優しいリーシャはくふくふと笑いそうになるのを堪えた。

直ぐに他の用事を思い出したのでじゃーね、と手を振って去る。

あの悔しそうな顔、また見てみたいなー。

これを発端として彼に追われるようになるのはまた別であった。

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