短編集(夢小説)   作:苺のタルトですが

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異世界パロディ。科学もの


魔法郵便局

はろーこんにちは。

テンプレートなごあいさつから初めまして。

ハートの郵便局勤務五年になる私。

ハートのトップである我らが社長は今日もテーブルの上に足を乗せるという非常にマナーの悪い態度で新聞を読んでいた。

ぶっちゃけこの人の事はそんなにしらないんだよね。

転生して最初、げ、なんで海賊のキャラクターがファンタジーな違う異世界でただの郵便局員なんてやってるんだと勤務した初日にどぎも抜いたもんだよ?

でもさ、何事にも慣れという最強の装備があってだな。

慣れに慣れて今では何にも思わなくなった。

この人は書類とかするだけで後は変な客を追い出す用心棒みたいなことをするだけで、暇な人間なんだ。

ファンタジーな世界だから普通に魔法とか素手でやっつけられる。

逆にマナーの可笑しい客へはやられる前にやっている郵便局。

郵便局の存在意味が混乱するけど。

いつもこの地域を見回っている担当刑事のスモーカー氏が今日も顔を出してきた。

 

「よう。トラファルガー・ローは居るか」

 

犬猿の仲らしいけど、険悪ではない。

ほのぼの展開へのスパイス見たいなもん。

慣れたからいつものことだ。

 

「いつもそれ聞きますけど、今まで居なかったことないですよね」

 

対応は先ずクッションの役割を意味する私。

突っ込みみたいになっているが、本気で毎日聞くからさあ。

 

「癖でいっちまうだけだ。最近強盗が居るらしいから気をつけろ」

 

「うちに入る命知らず居るんですか?」

 

「居るだろ。バカなら」

 

もくもくとスモーカーがタバコをふかせる。

ここは禁煙だ。

張り紙の前で堂々と吸うその図太さがローと同じ。

 

「お前はか弱いだろうから、そこの店長を盾にするんだぞ」

 

「おそれ多くてちょっとそれは」

 

苦笑して述べればスモーカーは真面目だなと笑う。

いざというときはローが吹き飛ばすと思うし、安心安心。

 

「おれが寝泊まりして警備しても良いが、ここでは不要だしな」

 

「ロビンさんのところの花屋とかはどうですか」

 

「お前はあそこが弱いと思ってんのか。ナミのとこの幼稚園だってセキュリティが銀行レベルだぞ」

 

「この地区、セキュリティ可笑しいですよねー」

 

「そもそもただの店に居る奴の強さも可笑しいけどな」

 

「ゾロくんとか警備員なのに強さがばぐってますもんね!」

 

警備員で強ければ強いほど良いみたいな人。

見るたびに筋トレしてる。

あと、ローとも手合わせしている。

郵便局と警備員が同列って世界観崩壊。

 

「この町が可笑しいってことですから」

 

「少し前からテレビの取材が煩くてやってられん」

 

普通の町出ないことが露見しだしているみたい。

 

「私も就職した時、間違えたかと思いました」

 

郵便局員達が殆ど医療資格を持っていることを知ったとき、ここは秘密組織なのかなと本気で考えて眠れなかった。

変なところに来ちゃったってね。

 

「うちの部署もそうだが、この町に自然と強いやつが集まっているみたいだ」

 

「治安は良いですけど」

 

二人で話し込んでいるとローが茶を汲むように言ってくる。

店長なので従う。

長いものに巻かれていくスタイルだから。

 

「おい、あんな牙を抜かれた犬にいつまでも構うな」

 

「そんな、犬って」

 

確かにあの人のあだ名それみたいなやつだけど、同族嫌悪丸出し。

 

「店長だってぬくぬく郵便局してるのに」

 

「おれは良いんだ」

 

んなわけあるかい。

棚上げ発言に突っ込んだけど利口だから口をつぐんだ。

それが一番の穏便な方法。

男は緩やかに笑うとスモーカーが苦労してるなとこちらに目配せしてくる。

彼も彼で苦労人だけど、それを上回るたしぎという部下を知っているのでなんとも言えん。

可哀想度が同じなライラは同情と親近感を合わして持っている。

スモーカーは今は穏やかだが追う相手が居ると捕まえるまで追いかけ続ける男。

その為、破壊行為に至る事が多い。

その尻拭いをしているのがあの部下なのだ。

 

休み時間となり同じ局員のシャチが休憩ペースに入ってきた。

 

「なァ聞いたか?怪盗マクがまた宝石を盗んだらしいぞ」

 

最近の噂というか、大きな事件で話題を集める内容にへえ、という興味のなさを提示する。

だって、そうでしょ。

関係ないもんね。

 

「おいおい、もっと興味持てよなー」

 

「うちは郵便局だし関係無さすぎるんですよ」

 

「ロマンの話をしてんだよ。ろ、ま、ん!」

 

シャチは少年の心を持ったまま今の状態ですくすく大人になったらしい。

嬉しそうに語るけど窃盗だよ?

犯罪だよ?

喜んでどうするんだろう。

 

「次はなに盗むんだろうな」

 

「あらかた有名な宝石は盗まれたから次は純粋にお金ではないでしょうか」

 

「ロマンなくなるじゃん!」

 

多分ロマンの為に盗んでないから。

ただ、スリルとかだろうさ。

でないと、売れるルートを確保できねば盗む意味もなし。

 

「闇のルートで売ってるとして、二度と帰ってこないのは嫌です」

 

「そりゃな。持ち主も元は金持ちだろうし、闇で買う奴も結局同じ感覚の奴だろうし。買うと元の持ち主から恨まれるから扱いずれーし」

 

そんなの気にしてたら盗めないよ。

次はなにを盗むかで考察していたらローも部屋に移動してきて姿を表す。

結構頻繁に休憩室を使うのだ。

 

「ローさんはなんだと思います?」

 

「綺麗な女だろう」

 

「え?」

 

シャチが聞き間違えかなという声を吹く。

ライラとてへ、と言いそうになる。

慌ててつぐんだ。

 

「人質にすりゃ現金をせびれる」

 

「そうだったら幻滅だなァ」

 

シャチが感想をもらせば、ローは笑う。

 

「怪盗にまともな価値観はない」

 

その台詞が後日、ぶち当たっていた。

新聞に宝石を盗まれた第一の被害者の娘が浚われたらしい。

娘は14歳で周りからは天使と謳われていたと書かれている。

女じゃなくて少女だったが遂にやってはいけない領域に足を突っ込んだらしい。

怪盗は娘は預かった、返して欲しくばお前の財産を全て寄越せとあったらしい。

そこにロマンを彷彿とさせた怪盗の面影はない。

幻滅したのはシャチだったが己も同じ感想だ。

この新聞を読んだ人は誰だってがっかりした筈。

 

「怪盗マク」

 

ぽつりと呟いた。

 

夜、明日は休みなのだからと外に外出し森に赴いていた。

 

――コンコン

 

音がしたので出ると扉の前には女がいた。

男は誰だろうかと考えるに至る前に女の視界からずれる。

 

「ぐぅああああ!」

 

蹴られた、殴られたのだと判断するが体が痛くて動かない。

 

「無様ですね。怪盗マク。いえ、墓管理人のドウベル」

 

「な、ぜ」

 

男を蹴り飛ばしたのはライラだった。

 

「なぜ?この世界にはないでしょうけど、指紋や耳の形などで識別しただけですよ」

 

ライラは特殊だ。

周りが鑑定して科学捜査という恩恵を知ったとき意味が分からないからと捨てられたとして、自分はこれがなにか知っていたから生きていられたと。

アホな周りは無能と差別してきたが、こちらからしたら魔法に頼りすぎて医療が大幅に遅れていることについて鼻で笑ってやった。

怪我は治せるが病気は治せない。

魔法の唯一の欠点だ。

 

「怪盗だのと世間にちやほやされて自惚れもここまで来るとただとナルシストです」

 

女の子の声が聞こえないから扉のどれかにいる。

怪盗をもう一度転がし、女の子の所在を確認すると無名の電話をかけた。

直ぐにやってきた警察から隠れるように家に帰るとお風呂にのんびり浸る。

翌朝の新聞で見出しいっぱいに怪盗が逮捕され、女の子が見つかった記事を見つけた。

それを眺めてお茶を啜ればローに呼ばれ首だけ動かす。

 

「怪盗は墓の管理人だったらしいな」

 

コーヒーを飲む男が無表情でとう。

ライラは便乗して頷くに留める。

 

「見つかってよかったですよねぇ」

 

「フフ……面白いな」

 

会話が噛み合ってないですよ、もしもし?

怪訝な態度でローを見る。

 

「会話を振ってきたんですから会話して下さい」

 

「くくく。あくまでも無関心を貫くか」

 

なにが言いたいのかわからん。

 

「今日はまた一段と独り言がでかいです」

 

「そうだな」

 

ローはときおり鋭い思考をもってなにかを言うから、いつの間にかぶつぶつ言う。

 

「前にあった子供が狙われた通り魔あっただろ」

 

「ええ」

 

覚えている。

その時がこの町に来て初めて捜査した事件。

あのときボコボコにしたけど。

子供に手を出す寸前だった。

私刑とか間違っているといった他の世間など、今この瞬間は子供を助けてくれないから。

 

「怖い事件が起こりましたよね」

 

「その時、おれはたまたま見た」

 

ローはまっすぐこちらを見た。

 

「男を無表情で殴り付けて股間をハンマーで叩いているところを」

 

「…………暗いのにハンマーなんてわかるんですか?」

 

「おれの恩恵は野生の勘。夜目が備わってる。良く見えた」

 

「すごい場面ですね」

 

ひんやりと汗をかく。

 

「その時のことは今でも思い出す。女を見ておれは惚れたよ。絶対にものにするってな」

 

尋常でない体の汗と震えと捕まる己の姿。

いやいや、別に悪いことをしたわけでもないから捕まることはない。

なのに、大きい口を持つ怪物に喉を掴まれている感覚に晒される。

というか、今ものにするって言ったよーな。

非常に綱渡りな会話をしている中、どこから逃げようかと逃走を思考。

しかし、それよりも早くシャチが帰ってくるのが早く、冷や汗の言葉のやり取りはなくなる。

ローの雰囲気もいつものと変わらなくなる。

こうなれば夜逃げ一択だな。

ローによもや正義感というものが備わっているのかは不明だが、ばれては仕方あるまい。

ダメなことはしたつもりはないが、ローのような男にスモーカーなどにチクられては敵わないのだ。

いくらスモーカーという規律をいくつも破ることで有名な人でも、正当防衛を訴え切れないかも。

先ずは帰りかたから気を付けないと。

 

こそこそと家から左右を窺い見て、誰か見張ってないかと確認。

ゆるりゆるりと足音を立てずに明るい家のまま、なにげなくポストを見るフリをした。

ローもその仲間達も見かけない。

サーモグラフィを起動させて探知させたが、近くに居る人はいなく、見張られてないことに安堵。

どこかなにかがおかしいのは分かるが、なにが可笑しいのか分からないまま去るのは少し悔しい。

もう少し情報を集めてから逃亡の方が良いかもしれないとひっそり考え直し、ふと手荷物を見下げた。

折角お気に入りの町を見つけたのに。

残念で名残惜しく、家に戻り荷ほどきした。

ローだけに言われたからって他の者にばれている兆しもない。

うん、やっぱりなに食わぬ出戻り決定。

 

というわけで、素知らぬふりを突き通し、なにもなかった澄ましがおを晒して職場へ。

懐には退職届の封筒を忍ばせていた。

いつでも逃げることができるし、ローもこれ以上言うのなら転職しよう。

ストレス溜めるとダメだしね。

普段と同じ仕事をこなし、受付でぼんやりしていると幼稚園の園長のベルメールがやってきた。

幼稚園のナミという女先生の親らしい。

それにしてはやけに若い。

いったい何歳で生んだ子なんだ。

40過ぎには見えん。

 

「お、今日もやってるな郵便局」

 

「一応年中無休のブラックですからね」

 

「有給あんじゃねーか」

 

隣で受付をしているベポが口を出す。

有給でも、バイトだからびっくりだ。

どんだけ待遇破格なんだってね。

 

「でも、ここのバイト面接で落とされる率が高いって有名だぞ?」

 

ベルメール情報で初めて知った。

一回で雇って貰えたけど。

随分狭い条件が設定されてるんだな。

一発合格できて幸運だ。

 

「ほい、みかん郵送な」

 

知り合いに送るものらしく準備して郵送可能だと判断すると、受け付ける。

ベポがせっせと運ぶのを見届けるとベルメールが違う話題を降ってくる。

この町の人、ここで話し込むの好きだな。

 

「聞いたか?例の怪盗マク、ぼろぼろで発見されて逮捕されたんだってな」

 

「子供を誘拐したんですし捕まりもしますよ」

 

「確かにやっちゃいけねぇことだよな」

 

ベルメールもうんうんとうなずき賛同。

だよね、やっちゃ駄目だよね。

全く許せない反抗だ。

度しがたいくらい、子供を誘拐することは人としてやってはいけない。

ベルメールからお墨付きをもらった気持ちになってローに言われて曇っていたモヤモヤが晴れた。

因みに新聞では通報した人を探しているとのこと。

 

100の確率で出ないけど。

偽物が現れても誰も相手にしない。

むしろ、出てこない方が良い。

この町の住人は後ろぐらいことをしている人だって必ず居る。

その人たちを無闇に刺激したいわけでないからこの騒動はこれ以上なにもないだろう。

ベルメールを見送ると再び受け付けになる。

からんとおとがして顔をあげると今一番会いたくない男に会う。

勿論ローだ。

どうして裏口ではなく、ここからきたのか少しだけ気になる。

 

「どこに行かれてたんですか?」

 

「野暮用でな。大したことはない」

 

そういわれても普段働かない人が動いているだけでびっくりするし、行動理由を知りたい。

衝動にかられつつも、我慢。

これ以上関係を持ちたくない。

 

「というのは嘘で、ただお見合いしてきただけだ」

 

えっと、どう応対すれば良いのか。

断ってきたがなと聞いてもないのに勝手に進んでいく会話。

いや、全く上司の恋愛については興味がないんだ。

いやまじで。

あったらそもそも同じ職場で顔を付き合わせられるか。。

それに、色々弱味を知られているなんて、そんな余裕はない。

 

「断る為に仕事があると抜けてきた」

 

「実際来てるじゃないですか」

 

「権力者の娘が店に嫌がらせしないように見に来ただけだ」

 

「なんですかその見合い。店長ってそんな相手をされるくらいの人でしたっけ?」

 

「知るか。他人の下した評価がそれらしい」

 

本当に他人事なのである。

それに、嫌がらせって酷いにも程がある女である。

それともやるのは親なのか。

潰れてしまうのは困るのだがな。

さっきから普通に話しているから先日のことを根掘り聞かれず安堵。

今度こそ匂わせられたら逃げてしまいたくなる。

折角居心地の良い土地を見つけたのだから、出来ればライラは居続けたいというのが本音。

それをこの賢い男が察してくれますよーに。

五年も働いているのだから少しくらい信用されていると良いのに。

五年の間に言えたことを今言う謎は残るけど。

 

「困惑するのは無理もない。別にお前を追い出そうとしているつもりはない。ただ、おれがお前を一方的に好いているだけだ」

 

突然の不意打ちに脳が固まる。

思考することすら出来ず、動き出した頃には男の冗談だと判断された。

そうとしか思えん。

大体、裏で動く女を好きだとか物好き。

自分だったらナイ。

裏で動いていく女を好きにならない。

疑わしくて流すことにした。

 

「なんだ?信じてねェな」

 

くつくつと笑う人のどこに信用出来る箇所があるのか。

ああやっぱり冗談だったか。

安堵しつつ、作業に戻る。

ベポは空気を読める熊らしく、既にこの空間に居ない。

いや読まなくていーから。

 

「そんなことよりおれに構え」

 

この郵便局のトップが一番やっちゃいけない妨害しだしたよ。

作業止めたらいかんでしょうが。

じろりと見た。

 

「どうしました?店長。急に私なんかに興味持って」

 

いろいろ聞きたいことはあれど、それが気になる。

いままで特に会話が多かったわけでもなく、長年働いていても盛り上がることもなく。

至って普通の付き合いだ。

それなのに今さらなにをどう変化したのか。

 

「お前を採用した時からずっと興味はあったが?」

 

「初耳」

 

「そもそも採用しただろ」

 

採用しただけでしょ。

 

「私は確かに女ですが、特に目を引くことをしてませんでしたよ」

 

「一般人ではない雰囲気があったぜ?」

 

まじか、そんなもの出している意識もない。

至って平凡、品行は良いのだが。

ただの町娘だ。

あの犯行時に見ていたとして、惚れるなんて。

冗談冗談と己に言い聞かせて、まかり間違ってもローが好意を寄せていることを忘れることに。

しかし、一度口に出したからか、幾度も言うようになった。

一人の時があったので周りに秘密にしているのかと思いきや、別に隠しているわけでもなく、堂々と人が居るのに、局員も居る前で言うようになったので冷や汗ものだ。

 

晒し者みたいになってきた。

これはいづれ町に知れ渡るのでないかと危惧していたら、現実になったことで絶望。

ルフィでさえ、ローと恋人なんだろと言われた時は砂になった。

恋人じゃないし、そもそもデマだし。

と、言い聞かせている途中でローがやってきて、何故か見せつけるように腰に手を回し、体を寄せられる。

 

「え、なに?」

 

「やっぱり仲良しなんだな。なんで違っていったんだ?」

 

仲良しの中に恋人という単語も含まれているぞ。

こちらが戸惑っている間にルフィはローにトラ男に頼みたいことがあるんだと話しかける。

ちょ、待って、この体勢で話すの可笑しいから。

斜め横で作業していたペンギンが「なんだ、くっついたのか」と悟った顔で宣う。

引っ付いてない!

 

ルフィが去ってローも腰を離して自室へ戻っていこうとするので早歩きで彼の後についていく。

扉を閉められる前に体を滑り込ませて問いかけた。

どうしてああいうことをしたのかと。

お断りしたよね。

 

「言っただろ、ものにすると」

 

それを言われると言葉に詰まる。

はくはくと声を出せずなにかを言わねばと思考する。

 

「私はなりません。ものにはなりませんから」

 

「なにが嫌なんだ、言ってみろ。少しは考えてやる」

 

ドエスだな相変わらず。

やる気のないドエスっていうジャンル。

漫画かよー。

肩を掴まれて他の方向に向けられなくなる。

困った挙げ句、言葉も見つけねば。

難易度が高い。

 

「なにもかもです!私はただ普通に暮らしたいのに、好きとか告白されたくないです」

 

「普通に暮らしたいのにあんなことをするなんて矛盾してる」

 

「貴方以外にばれてないのならないのと同じなんですよ」

 

ローは納得いかない顔をする。

勝手に目撃しておいて。

咳払いをして、この話は終わりですと告げた。

彼の気持ちを受け取れないからだ。

 

「いずれお前はおれのものになる」

 

ローは預言者のようにニヤリと笑った。

ないない、と内心荒ぶった。

通常業務に戻るとベポが狙ったように帰ってくる。

薄情ものめぇ、恨みがましく見ておいた。

彼の視線を浴びながら書類を制していく。

 

「既に五割もお前と恋人だと認識させたんだ、あとは転がり落ちるだけ」

 

その台詞に先程のルフィの台詞がよみがえる。

本当だ、埋められている。

逃げ時を失ったかもしれない。

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