短編集(夢小説)   作:苺のタルトですが

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パペット海賊世界はときめかない

皆様、ご機嫌よう。

いかがおすごしでしょうか?

私はトリップしました。

助けてください。

 

普通は、ね?

ね?

かっこいいイケメンとか、渋いイケおじとか居るわけなんだけども。

酷い話がありましてねえ?

詐欺でしょこんなの。

 

トリップして初めて見た人間(??)が、まさかの人形、パペットだった。

この世界、人間型がパペットなの。

かっこいいセリフでさ、ドンってなるわけだけどさ?

みーんなパペットだから緩いんだよね。

緩いのはパペット部分だけじゃなくて、武器も。

剣も銃も、覇気もパペット仕様。

私、布で死なないから無敵なんだけど、剣を受け取った時、こう、なんとなく心地悪くて。

敵の攻撃を受けてもフニャッて感触で終わる。

銃もフニャ。

雷もフニャ。

雷とかエフェクトとかなの。

フェルトなんだわ。

 

友達とか必死に危ない!とか言ってくれるんだけど、申し訳なくて申し訳なくて。

お前凄いな、強いな、タフだなって褒められても一ミクロンも嬉しくないの。

ねえ、助けて?

地獄だよ。

パペット世界だって必死にみんな生きてるんだけど、私から見たら人形劇場にしか見えなくて、シリアスにいまいち入り込めない。

人が倒れても血が糸とか、赤い布。

緊迫感を抱けない。

いつ心配すればいいの?

布だから出血量が分かりにくいし、今が大怪我なのか、小さいのか、かすり傷なのかさっぱり。

 

かっこいいセリフを言う人が居てもなんかこう、盛り上がる気がしない。

周りはヒューってなるんだ。

 

「この間、磔にされてる人形居たんだけど、酷いのか、ゴミ捨て場から拾ってきたのか判断出来なくてさ」

 

「お前、いつ聞いても酷いな」

 

私の保護者的な男に毎回相談するんだけど、どうにも非難を受ける。

 

「仕方ないよ。ボロボロで、いらないなら捨てるべきってくらい泥だらけなんだから」

 

「パペット、ね」

 

信じてくれる人はほぼ居ない。

パペット世界は海もフェルト。

大きい波でもフェルト。

物理的に手で掴めるから流されない。

溺れない。

私無敵。

ワーイ(棒)。

 

「目の病気は難しい」

 

病気じゃないんだ。

確信がある。

 

「このままで良いかなって」

 

リアルになったら生きていけなさそう。

攻撃が通るようになったら瞬時にあの世行き。

ただでさえ最強って思われ出してるし。

 

「必ず治してやる」

 

かっこいいこと言うけど。

 

「目がボタンなんだよなあ」

 

上を見上げたら、フェルトの星や月がこちらを見ていた。

そのままベリベリと剥がしたくなる。

剥がしたら誰か怒るかな。

 

「ねえ、あの月、剥がして良い?」

 

「お前はどこの修羅だ。許可したら、おれは全世界から命を狙われるだろうが!」

 

怒られた。

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