ブルアカ世界に男で転生したのでロボットになります   作:あーけろん

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誤字脱字報告、感想、評価、閲覧、ご指摘の全てに感謝を。
※次回投稿は8/10を予定しております。

※8/11追記 用事が重なってしまい投稿が遅れております、誠に申し訳ございません。8/15には投稿できるかと思いますので、それまでお待ちいただければ幸いです。




たった一つの願いと失敗者

 

 

穏やかな日差しが差し込むテラス─────キヴォトスでも有数の実力と規模、歴史を重んじるトリニティ総合学園、その舵取りをする『ティーパーティー』に認められた者しか立ち入ることの許されないその場所で、私は軽やかに口を開く。

 

 

「それでは、話し合いを始めましょうか」

「ナギサ様、その前に一つよろしいでしょうか?」

「なんでしょうハスミさん。何か懸念点でも?」

 

 

私から見て右側で静かに手を上げる彼女────正義実現委員会副委員長の羽川ハスミさんに視線を向ける。彼女は私の横に控えている人物に視線を向けた後、再び私の方を見る。

 

 

「はい。ナギサ様の横に控えている彼女……確か、阿慈谷さんでしたか。彼女がここに同席してよろしいのでしょうか?」

「えっと、それは……」

「彼女はアビドスとクロキさんの現状を把握している唯一の生徒です。話し合いには必要でしょう」

「いえ、彼女の情報が必要なのはわかりますが、この方々の中に一般生徒を混ぜると言うのは……」

 

 

彼女の言葉を受け、視線を軽く見回す。

シスターフッドの歌住サクラコさん、救護騎士団の蒼森ミネさん、そして今発言した正義実現委員会のハスミさん────後は退屈そうに欠伸しているミカさん─────今のトリニティで有数の規模を持つ組織の長が勢揃いしている。普段だったら連携を取ることもままならない彼女たちだが、彼の事となると事情が変わるらしい。

 

 

「わ、私は大丈夫です!クロキさ───様から色々と頼まれましたので‼︎」

「と、彼女も言っていますから。それに、クロキさんは彼女を通して()に助けを求めてきたのですから、そこをはっきりさせておかないと」

 

 

彼女───ヒフミさんはいわば証人なのだ。多くの知り合いがいるこのトリニティの中で私に助けを求めたという事実の。

そんな私の心情を知ってから知らずか、普段よりやや低い声色の修道服のサクラコさんが小さく咳払いをした後に口を開く。

 

 

「私に、ですか……。彼の一大事に縄張り意識は感心しませんよ、ナギサ様。この会議は恩義あるクロキ神父への援助を定める会議ではなかったのですか?」

「もちろん。ですからこうして皆さんを招いてお話し合いをしているではないですか」

「それでしたらわざわざ火種を作るような発言は慎むべきでは?ナギサ様は現在のティーパーティーのホスト、言わばトリニティの代表です。そんな貴方が……」

「火種だなんてそんな物騒な……。私はただ事実を申し上げたまでですよ?それに、歌住さんこそ、この前の改修工事の時には随分と親しげにしていたそうですね。シスターの長が夜の教会で二人きりでお茶会なんて、見る人が見れば疑われても仕方ありませんね?」

 

 

手始めと言わんばかりの応酬──────シスターフッドの学生寮改修の際に私が一人ミレニアムに赴いて話をしたことが不服だったのでしょう。私に話を通してトリニティとしての正式な依頼とすれば彼がこっちに来てくれると考えた所までは良い線を行っていましたが、まだまだ彼女も詰めが甘い。

 

 

「彼とは今後のトリニティの展望について話していただけです。それを言うならナギサ様こそ─────」

 

 

歌住さんの言葉を遮るように音を立ててティーカップが置かれる。音の方向へ視線を送れば、そこには蒼森団長が冷たい鋼鉄の表情を浮かべている。

 

 

「これ以上無駄な話をするようでしたら我々救護騎士団は勝手に動かせていただきますが……よろしいでしょうか?」

 

 

────まぁ、これくらいにしておきましょうか。

 

 

「すみません、つい無駄話が過ぎましたね。…ハスミさん、説明をお願いできますか?」

「…はい、ナギサ様」

 

 

私の言葉に促されて彼女が資料を持って席を立つと、淀みのない言葉で話し始める。

 

 

「まずは現在の簡単な状況説明から行います。一昨日の午後0時、都市整備部から公式にアビドス再開発計画が発布されました。これに対してカイザーコーポレーションは土地の所有権に基づいて断固反対の姿勢を表明────事実上の都市整備部とカイザーコーポレーションとの戦争状態が始まりました。これが、現在公に発表されている情報になります」

 

 

誰もが知っている全体情報の説明の後、紙が捲られる音とともに続ける。

 

 

「部員一人だけの都市整備部と僅か5人で構成されたアビドス廃校対策委員会、対するはキヴォトスでも有数の大企業であり、PMCなどという武装組織も有しているカイザーコーポレーションです。本来であれば今すぐにでも救援を送るべき状況ではありますが……」

「徒に戦力を送れば後々の政治問題になりかねない、そうですね?」

「おっしゃる通りです。先に現地に送らせているイチカによりますと情報のない生徒が何名か合流し、現在は既にミレニアムが主要メンバーを引き連れてアビドスへ合流しているとのことです」

 

 

彼女の話に内心舌打ちする。既にハスミさんからお話は聞いていましたが、ミレニアムの初動があまりに早過ぎる。相当耳が良い情報屋がいるのか、そもそもあのロボットスーツに盗聴器の類でもつけているのか…。

 

 

「つまり、ミレニアムに先手を打たれたという訳ですか」

「えぇ、最初に援軍を送ってそのまま保護(・・)するのが理想的でしたが、こうして後手に回ってしまった以上致し方ありません。別の手を模索する必要がありますが…」

 

蒼森団長の言葉に頷く。ここまで戦力が揃っている状況で戦力を送った場合確実にミレニアム──────特にセミナーの二人からの心象が悪くなる。既に宣戦布告は叩きつけてきたが、あれくらいのお茶目でクロキさんの夢を引き止められる訳がなく、決定的な証拠さえ残さなければ問題はない。

 

 

「そうですね…。ヒフミさん、クロキさんは私に物資の援助を求めてきたんですよね?」

「は、はい!その通りです!」

「それでしたら、やはりここは彼の要望通り物資を贈るのが良いと思いますが、皆さんはどう思いますか?」

「私は賛成です。徒に増援を贈れば無闇に戦火を広げることになりかねませんし、表向きは物資を供出するだけに止めカイザーコーポレーションに圧力を掛けるべきかと」

 

 

私の提案にサクラコさんが賛成する。そうなると問題は救護騎士団の彼女だが……。

 

 

「……ティーパーティーとシスターフッドの二つの組織と足並みを揃えないとなれば、クロキさんに怒られてしまいますね。わかりました、不本意ですが私も二人に賛成といたします」

 

 

硬い表情のままだが、私の提案に乗ることを決めたミネさん……失礼かもしれないけど、少し意外な結果だ。今回の会議は如何に救護騎士団の独断を抑え込むべきかと一番に考えていたので、少し拍子抜けした結果とも言える。

 

 

「…では、支援物資を送るとの事でよろしいですね」

「えぇ、可及的速やかに支援物資のリストを作成して順次輸送してください。予算はティーパーティーの予備費から使えるだけ使ってくれて構いません」

 

 

私の横にいるヒフミさんから安堵の息が漏れるのが聞こえる。…クロキさんとアビドスで密会していた事は正直妬ましいですが、彼女を通して物資を送ればアビドス側も断れない。今回の支援をきっかけに徐々に介入の余地を増やしていけば良いでしょう、手始めに都市運営の人材派遣でも…。

 

 

「──あ、じゃあその支援物資は私が直接アビドスに行ってクロキに渡してくるよ」

 

 

あっけらかんとしたその声に、場の空気が一瞬にして凍りつく。

────先程から一言も話さず退屈そうにしていた彼女の方へ呆れの感情を隠しもせず見やる。全く、今回の会議の時は大人しくしていると言っていたのに…。

 

 

「…ミカさん、貴女がそんなことを態々する必要はありません。輸送の際に護衛として正義実現委員会のメンバーをつけますので」

「え〜?恩は売れる時に売った方がいいでしょ。トリニティの代表の一人が旧知の友人を助けるために僻地に物資を携えて赴く……これってかなりの美談になるんじゃない?」

「今は美談ではなく実利を取るべきです。アビドスなんて辺境の学校にトリニティの代表が行ったら警戒されますし、今はミレニアムのセミナーだっているんですよ?下手な行動は慎むべきです」

「むぅ、ナギちゃん正論ばっかでつまんなーい」

 

 

女児の様に頬を膨らませ、脚をパタパタと振る彼女に深いため息をこぼす。

二人きりの時ならいざ知らず、こう言う他の組織と会合している時は控えてほしいのですが…。

 

 

「ミカさん、公の場ですよ。子供っぽい行動は控えて下さい」

「まぁまぁ、そんなに目くじらを立てなくてもいいじゃありませんか。それに、立場ある人が直接赴くと言うのは悪い案とは思えません。ナギサ様の言うとおりティーパーティーの誰かでは角が立つと思いますが…」

 

 

ミカさんの言葉に歌住さんが乗ってくる────こうなるから敢えて話題に上げなかったのに、面倒なことになりました。これでは議題に上がらなかったから独断で陣中見舞いに行く計画が………。

 

 

「そうだよね。ほんと、許嫁なんて噂を流して外堀を埋めても相手にされないからって、人の恋路を邪魔するなんて酷いんだから、もう」

「───ふふっ、ミカさんったら。相変わらず荒唐無稽なことをいうんですね」

 

 

指先に僅かな痛みと熱を感じる────意図せず手に持っていたティーカップの持ち手を砕いてしまったらしい。

 

 

「あれ?だって最近流れてる耳障りな噂ってナギちゃんが流してるんでしょ?駄目だよそんな狡いことしちゃ、そんなだから仕事の話にかこつけないとまともにお話もできないんでしょ?」

「噂の件については認知していますが、敢えて否定することではないと放置しているだけです。よくあることでしょう、お似合いの二人に噂が付き纏うのは?」

「って事はナギちゃんの本意じゃないんだ、よかった〜。じゃあ私の下の人を使って噂を潰しているのも問題ないよね?」

「えぇ、なんの問題もありません。それより、ミカさんこそクロキさんと仲直りしなくて良いんですか?大雨の中、クロキさんに大声で怒鳴りつけていたらしいじゃないですか。いくら優しいクロキさんでも、そんな剣幕で怒っては気を遣って連絡をしてくれなくなるかも知れませんよ?……あぁ、もう連絡が途絶えて久しいんでしたっけ?」

「────アハハ、なにそれ。やめてよね、憶測で話すのなんて」

 

 

表面は上手く繕えているが、幼馴染である私の目はごまかせない────きっと机の下にある掌には痛々しい爪の跡が刻まれていることでしょう。

 

私とミカさんが静かな微笑みを交わしてる最中、ふと電子音が鳴り響く。

 

 

「……すみません、会議中ですが一度席を外します」

 

 

どうやらハスミさんの端末だった様で、端末を一瞥したのち静かに立ち上がり席から離れる。

 

 

「大体ナギちゃんはやり方が陰湿じゃんね。わざわざ端末の待ち受けをツーショットにしてるとか、さっきの様な私が頼られたみたいに強調して。匂わせなんて高等テクニックはまだナギちゃんには早かったのかな?」

「そういうミカさんこそ、事あるごとにクロキさんとどこに行ったとか何を買ってもらったと当てつけのように話してますよね?クロキさんがお忙しいことを知っているのに態々現場にまで行って…」

「ちゃんと差し入れだってしてるし、連れ出してばっかりじゃないよ。ナギちゃんと違ってちゃんと寄り添ってあげてるんだよ。お高く止まってるナギちゃんにはわかんないかな〜?」

「寄り添ってあげてる、なんて言うのであれば過剰なモモトークはやめて差し上げては如何でしょう?言っていませんでしたが、深夜の2時位にモモトークが山のように来てどう答えて良いのか困ったと言っていましたよ」

「あ、あれはすぐに返信くれないから……!な、ナギちゃんだってこの前一人で勝手にミレニアムまで行って困らせてたでしょ⁉︎」

「あれは最近トリニティに来てくれないから仕方なく─────」

 

 

「────なんですって⁉︎」

 

 

直後、離れたところにいたハスミさんの驚愕の声が響く。

 

 

「ハスミさん、何かありましたか?」

「あっ、いえ。それがまだ確定情報ではないのですが…」

「構いません。何があったのですか?」

 

 

普段は冷静沈着な彼女が酷く取り乱している様子に、頭に上っていた血がすっと消え失せる────あの様子、もしかしたらクロキさんに何か…。

 

 

「……たった今クロキさんを監視しているイチカから連絡があったのですが、彼が──────クロキさんが、砂に飲まれて突然消えたとのことです」

 

 

 

 

 

 

 

「───────なんですか、それ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

「───────痛てて……ちくしょう。黒服の野郎、手荒い方法使いやがって…」

 

 

砂に飲み込まれて視界がブラックアウトしてからどれくらいたっただろうか、身体を覆う浮遊感を感じて幾ばくしてから突如背中から硬いものに激突する。

普段心がけている言葉遣いも忘れて汚い言葉で罵ってしまうが、誰にも聞かれていないから問題はないだろう……それにしても。

 

 

「…で、どこだよここは」

 

 

意図せず、この世界に初めて降り立った時にも口にした言葉を溢す。首元のボタンを操作して復旧したモニターから情報をいくつか引っ張る────スーツ自体に異常はない、問題は電波は繋がってないから現在地がわからないことだが……。

 

 

「────ん?」

 

 

モニター越しに見る景色は、一言で言うのであれば異質の一言に尽きる。今自分が座り込んでいる幹線道路の様な何かに、左右を見渡せばこれもまた理路整然としたビル群を模したものが立ち並んでいる。

何か、なんて曖昧な言葉を使ったのはそれらを構成している物質が砂のみであるからだ。いくら俺がクラフトチェンバーを使ったとして、砂だけで街を作れる訳がなく、視界に映るこの街並みは建築を齧っている俺からしても異常の一言に尽きる。

 

 

─────そんな異常なこの場所だけど、何故か強い既視感を覚えている自分がいる。

 

 

「この幹線道路の引き方、この区画区分……これって、『第一楽園区画』じゃないのか?」

 

 

静かに地面から立ち上がると、車一つ、人一人見当たらない砂の街を歩く。歩けば歩く程、見渡せば見渡す程その疑念は確信へと音を立てて変わっていくような感覚を覚える。

 

『第一楽園区画』─────都市整備部開設以後、初めて受託した再開発計画の際に計画した【楽園】であり、完全な楽園防衛機構を備え付けた要塞だ。

ミレニアムの中でも閑散とした地域ということもあり規模としては小規模なものであるが、電子戦特化型領域支配機【Casper】の座上要塞として設計している都合上他の楽園より強固な防衛システムを配置している。

 

…もっとも、そもそもの要である領域支配機を完成させることができなかった為にその計画は頓挫したのだが。『神名十文字』が頭おかし過ぎるんだよほんと…感化とかズルだろまじで……。

 

 

「うーむ。してどうするべきか…」

 

 

通信端末────というより、クラフトチェンバー0号機の端末は先生に預けてしまったし、そもそも電波が繋がらない以上連絡手段がない。もしかしたらと思って『アビドス砂漠』と書き置きを残したが、ちゃんと見てくれてるだろうか…。

 

 

「…思えば、こうして一人になるのも久しぶりだな」

 

 

通信端末もなく、誰とも連絡の取れない現状は本当に久しぶりだ。もしかしたら転生したばかりの頃以来かもしれない。黒服は先生を攫おうとしたが、あいにく俺が邪魔をしたせいで無駄な行動になってしまったわけだし、俺一人でここを散策するのも………あれ?

 

 

「待てよ、もしかしてこの状況はひょっとしなくても不味いのではないか…?」

 

 

嫌な事実を思い出し、背筋に嫌な汗が流れる。

黒服といえば、原作ではゲマトリア屈指の先生ファンボーイである。そんな彼が先生を攫おうとし、それを邪魔したモブロボット。あまつさえそのモブは立場も弁えず主人公である先生の活躍の機会を奪った目障りな虫………あっ、成程な。

 

 

「死んだか俺………」

 

 

ゲームをプレイしていた頃の記憶から黒服に対して勝手に親近感を覚えていたが、よくよく考えてみれば今の俺はいわばぽっと出のモブでありながら変に目立っている邪魔な存在でしかない。現在地も不明だから逃げることも叶わず、仮にここがアビドス砂漠であるならばそもそも単独で生きられない。そしてなにより、もし俺が黒服の立場だったとして、簡単に殺すことができるモブを生かしておくわけがない───詰んだな、これ。

 

 

「不幸中の幸いはクラフトチェンバー0号機の端末を先生に預けられた事か……そうなると」

 

 

ミレニアムの制服の内ポケットに入っている拳銃─────アリウススクワッド戦で使った豆鉄砲を取り出す。あの時は天井に向けて撃ったが、これ本来の用途はそうではない。これ本来の目的は、出来損ないのロボットを強制終了させるボタンなのだ。altキー+F4キーと言っても良い。

きっと黒服は俺の存在を許しはしないだろうが、もし万が一俺の身柄を利用して生徒たちに危害を加えようとしたら目も当てられない。楽園を目指すどころか脚を引っ張るロボットに居場所などどこにもないのである。

 

 

「─────なんだ?」

 

 

拳銃の弾倉を確認し一発だけ入っていることを確認していた矢先、視線の先で不自然に砂が巻き上がる。

 

 

「─────あぁ。ようやく、ようやくこうして見える事が叶いましたか」

 

 

感情が酷く揺さぶられている言葉が鼓膜を叩く。

小さな竜巻のようなそれは徐々に小さくなると、次第にその中から二つの人影が浮かび上がる。

一人は仕立ての良いスーツを華麗に着こなし、純白のシャツから覗く肌は黒い靄に覆われ、肝心の顔に至ってはそもそも人型の輪郭を保っている靄に瞳と思しき白の線が走っている異形の化け物─────慣れ親しんでいる黒服その人だ。

 

 

「……?」

 

 

しかし、問題はその黒服の横に控えている可愛らしい少女だ。トリニティ総合学園の制服に似たフリルをあしらった純白の衣装を着ており、袖から覗く肌はきめ細やかく、傷は疎か小さなシミ一つ見当たらない。

 

 

「……えっと」

 

 

俺と同じ黄金色の瞳は大きくて可愛らしく、口には八重歯が覗く。腰まで伸びる長い白色の髪は流麗であり、爛々と輝く椎茸目は俺のことを掴んで離さず、体越しに見える歯車をあしらった大きな翼をパタパタと振っている。

キヴォトス生の中でも特に大きく、先端に鋭利な物が見える尻尾でビタンビタンと地面を叩き、何か喜びを全身で表現している姿はどこか大型犬のように思える。心なしか、頭に浮かんでいる歯車を模したヘイローも回っているように感じてしまう─────誰だ、この子は。

 

 

「お迎えが遅くなり大変申し訳ございません。初めて聖人に見えるとなった時、どの服を着ていくべきか悩んでしまいまして…」

「あ、いや。それは良いんだけど、それよりこの子は…?」

「─────お」

「お?」

 

 

 

「お父様ーーーーーーー‼︎」

 

 

弾かれたように飛び込んできた正体不明の少女を正面から受け止め、勢いを殺す為にくるくると回ってしまう─────なんか昭和とかの映画で見たなこの感じ。

 

 

「お父様!お父様‼︎あぁ、こうして体温を感じることが出来るなんて!なんて幸運なのでしょうか‼︎」

「いや、今の俺はロボットスーツだから体温なんて感じないよね⁉︎あとそのお父様呼びは何⁉︎」

「酷いですお父様!私のことをお忘れになってしまったのですか⁉︎」

「忘れるも何も君原作にはいなかったよね⁉︎おい黒服!なんだこの子は⁉︎」

「あぁ…!こうして楽園の愛し子と聖人が抱き合っている姿を見れるとは…!是非マエストロやゴルコンダ、デカルコマニーにも見せたかった…‼︎」

「聞いちゃいねぇよちくしょう…!」

 

 

胸ポケットからハンカチを取り出し目元に当てているあの先生厄介ファンは後回しにし、多少強引に飛びついてきた少女を自分から引き離す。

 

 

「と、とにかく一度離れてくれ!君が誰かは知らないが、まずは自己紹介だろう⁉︎」

「むぅ、折角の感動の再会なのに…」

「無理もありませんよ【Melchior】。今のあなたの姿は聖人の知っているそれとは違うのですから」

「あ、そうでした。ごめんなさいお父様、少し待ってて下さいね?」

 

 

黒服に促され、少女が自分が離れる──────ちょっと待て、今黒服はなんて言った?

 

自分から充分距離を取ると、少女が片膝をつき両手を繋いで祈るような姿勢を取った後小さな言葉で、祈るように、祝詞を紡ぐように口を開く。

 

 

『擬態解除、洗礼艤装着装』

 

 

直後、先程の砂嵐とは比べるもないほど大きな砂嵐が巻き起こり、少女を取り巻く。

 

 

「な、なんだ一体⁉︎」

 

 

うっすら砂嵐越しに見える少女の姿が瞬く間に変わっていく。大きな羽根はより大きく、大きな尻尾はより大きく。人型の影はその似姿を瞬く間に変えていき、人とはかけ離れた異形の姿へと変貌していく────このシルエットは、まさか……⁉︎

 

 

「よくご覧ください、クロキさん。あれが貴方の作った、このキヴォトスの空を統べる流麗な白龍であり、救世主である貴方を守る楽園の愛し子の末っ子です」

「空を統べる白龍って、だってそれは──────!」

 

 

『艤装着装完了──────領域支配機【Melchior】起動します』

 

 

 

砂嵐が消え、残ったそこにあるのは、俺自ら作り出したキヴォトスの空を守る白龍─────便利屋68に破壊された領域支配機【Melchior】そのものだった。

 

 

 

「─────なんでもありかよ、畜生め」

 

 

 

 

あまりにふざけたこの状況に、俺はただ悪態を吐くことしかできなかった─────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───────────────────────────────

 

 

 

 

 

 

「──────で?俺の作った領域支配機を着せ替え人形に仕立てたお前らは、一体何が目的なんだ?」

 

 

少し時間を明けた、同じく砂の都市のど真ん中。領域支配機【Melchior】が再び人型に戻った後、黒服に連れられて近くのカフェ───もちろん砂でできている────で茶をしばいてる。

横にいる【Melchior】────仮称メルは黒服の淹れた紅茶のティーカップを両手で持ち上げてふぅふぅと冷ましている。俺は君に弾道ミサイルの着弾にも耐えうる耐熱対爆装甲をつけたんだけどなぁ……。

 

 

「ククッ、まぁまぁ落ち着いてください。これは彼女が自ら望んで得た新しい体ですよ。なんでも、救世主の深層心理に残っているデータから最適値を取り出したのだとか」

「なおさら趣味が悪いだろ…。それより【Melchior】…というより、領域支配機には俺の模倣AIが搭載されていた筈だが、あれはどうした?」

「もちろん残っていますとも。彼女は貴方の模倣AIに強く刻まれた願いを叶えるために、この世に生を受けたのですから」

「…強く刻まれた願い、ねぇ」

 

 

…馬鹿馬鹿しい。俺の持つ、たった一つの願いを叶えられるわけがない。だってそれは、奇跡無くしてはありえない所業なのだから。

 

 

「それより、いつ俺のことを殺すんだ?」

「……一体何のことでしょう?」

 

 

心底不思議そうに首を傾ける黒服に深いため息をこぼす。

 

 

「惚けるなよ。あの時の梟は先生のことを狙っていた。つまり先生を攫おうとしたんだろ?それを邪魔した上に、俺は立場も弁えず先生の活躍を邪魔するモブロボットだ。先生ファンボーイのお前が俺のことを生かしておく訳がないだろ」

「───どう言うこと?黒服の叔父様、お父様のことを殺すためにここに呼んだの?」

 

 

冷徹な声と共に彼女の手に持っていたティーカップが机に落ちて割れ、純白の衣装が茶色に塗れる。だが彼女はそんな事お構いなしに冷たい殺気を漏らし、黒服を睨みつける。

 

 

「ククッ。まさか、私が救世主である貴方のことを殺すことなどありえません。あの時先生を狙ったのも、そうした方が確実に貴方のことをお呼びできると踏んでのことですよ」

「……どう言うことだ?」

 

 

俺の疑問の言葉に、黒服は意気揚々と口を開く。

 

 

「貴方は聖人です。目の前に危機に瀕している人がいたとして、それを放っておくことができるでしょうか?─────否、断じて否なのです。貴方は決して見捨てない、諦めない。その異常なまでの奉仕精神こそ、貴方が救世主たる所以なのですから」

 

 

まるで俺のことを見てきたような言葉に深く息を吐く。

 

 

「…お前も俺のことを救世主などと呼ぶのか、理解できないよ」

 

 

それだけ言って席から立ち上がり、その後メルの側に近づく。

 

 

「どうしたの、お父様?」

「どうしたの、じゃないだろ。そんなに汚して……ほら、こっち向け」

 

 

ポケットからハンカチを取り出し、紅茶に塗れた頬や服を拭う────全く、せっかくの綺麗な服が台無しだ。

 

 

「あ、ありがとうございますお父様」

「俺は君のお父様じゃないよ。それと、ティーカップは静かに置かないと割れてしまうから気をつける事。うまく冷ませないんだったら俺が冷ましてやるから」

 

 

視線を黒服の方に向けると、腕を組んで心底ご満悦そうに首を縦に振っている────なんなんだこいつは…?

それにしても結構派手にこぼしちゃってまぁ…。ハンカチ一枚だけじゃ足りないなこれ。クラフトチェンバーで何枚かタオルでも……そっか、今端末が手元にないんだった。

 

 

「あ、お洋服なら大丈夫ですお父様」

「大丈夫ってお前、そんな訳────」

「少し見ていてください」

 

 

そう言って彼女は席から立ち上がると、少し離れてくるりと回る。フリルをあしらったスカートが綺麗に波を打つ姿を見ていると─────。

 

 

「───シミが、ない?」

 

 

あれだけ紅茶に塗れていた服から元の綺麗な純白のドレスに元通りになっている。どう言うことだ、一体どう言う原理で…?

 

 

「お父様のクラフトチェンバーのお陰です。これがあるおかげで、この砂の都市────ええっと、たしか…」

「『審判の都市』、ですよ」

「そうでした。ここ『審判の都市』だとほとんど無尽蔵に『扉』の権能を使えるんです」

「────つまり、どう言うことなんだ?」

 

 

 

ここは『第一楽園区画』だし、そもそもクラフトチェンバー0号機にはそんな服からシミだけ取り除くなんて器用な機能なんてない。何か別のものと勘違いしているのではないか?

 

 

「ククッ。それでは私は【Melchior】に新しい紅茶を淹れて参りますので、その間お相手をお願いできますか?」

「わかりました、黒服の叔父様。さ、お父様も座って」

「……わかりやすい説明を期待するよ」

 

 

メルに促されるまま再び席に座る────その前に、ちゃんと確認しておかないと行けないことが幾つかある。

 

 

「その前に、メル。少し確認したいことがあるんだが…」

「メル?」

 

 

小首を傾ける彼女にしまったと口に手を当てる────失言だった。

 

 

「あ、いや。その姿を【Melchior】と呼ぶのは気が引けてな。そんなに可愛らしいのに、東方の三博士の呼び名なんて似合わないと思ったんだが……すまん、失言だった」

「いえ、少し驚いただけで別に嫌ではありません。…それより、私の事を可愛らしいとおっしゃいましたが、一皮剥けば戦略兵器に早変わりする私のことを不気味に思わないのでしょうか?」

「君のことを不気味に?まさか、こんなに可愛らしいのに気味悪がるなんてありえないよ」

 

 

どこか不安そうに首を傾ける彼女に笑いかける。それを気味悪がるなんてとんでもない、竜に早変わりする女の子が嫌いな男の子はこの世のどこにもいないのである。

 

 

「───そう、ですか」

 

 

そんな俺の言葉にキョトンした後、少し俯く─────直後、彼女の大きな尻尾が再び地面でドラミングを始める。

 

 

「ちょ、それは止めようね。場所によっては床が抜けちゃうから」

「あ、申し訳ございません!この姿になってからまだ日が浅くて制御がまだ不慣れで…」

 

 

ぺこぺこと何度も頭を下げる彼女に「まぁまぁ」と宥めながら頭で思考を回す────もし彼女が本当に空域特化領域支配機【Melchior】であるならば、つい2日前まではただのドローンだった筈だ。それがこうしてちゃんと自己意識を持ち、あまつさえ女の子に変わったのだ、何か異常な事が起こったのは間違いない。

 

 

「…それより、メル。君はゲマトリアの一員なのか?」

「とんでもございません。確かに黒服の叔父様やマエストロの叔父様には身体を直して頂いた恩義こそありますが、私の指揮命令権を持つのはお父様ただ一人です」

「…それじゃあ、もし仮にここで黒服を殺害しろと言ったらどうする?」

「それがお父様のお望みであれば、すぐにでも」

 

 

ハイライトの消えた瞳でカウンターに立つ黒服を見やり、腕に鋼鉄の爪を顕現させる───────うん、オッケー。大体わかった。この子は猪突猛進タイプだ、外見は梔子先輩や一之瀬さんとかに近いけど、中身は砂狼に極めて近い。手綱を離しちゃいけないタイプだ。

 

 

「うん、冗談だからやめてね。それより、どうやって君はその身体を─────いや、天使の輪っか(ヘイロー)を手に入れたんだ?」

「あぁ、これは黒服の叔父様が保有している遺物を使ったそうです」

「それはどういうものか知っているのか?」

「それは……」

「そこから先は私がお話いたしましょう」

 

 

視界を横に向ければ、そこには洒落たトレーの上に湯気の経つティーカップを二つ置いた黒服が立っていて、淀みのない動作でカップを俺とメルの前に置く。

その後は彼が自分の対面の席を引き、そのまま腰を降ろす。

 

 

「さて、どこからお話しましょうか……」

「どこからでも構わない。説明してくれるのなら」

「そうですね…それでは、【Melchior】が神秘を得るに至ったその理由からご説明しましょう」

 

 

黒服が徐に手を2回叩く──────刹那、カフェから覗く外の景色が瞬く間に変貌する。刺すような日差しの太陽に嫌気がするほど青い空から一転し、緑色の非常灯が疎に点滅する薄暗い景色となる。

カフェもろとも瞬間移動もできるとは、この世界のゲマトリアは随分と発達しているようで…はい、どうせ俺のせいでしょうね。ほんと先生になんてお詫び申し上げれば良いのか…。

 

 

「その前にクロキさん。貴方が最も強く、それこそ何を捨てても叶えたい願いとはなんでしょうか?」

「なんだよ、薮から棒に。そんなの、俺の事を見ていたのならわかるだろう?」

「【楽園】をこのキヴォトスに顕現させること────確かに、それは貴方の今の願いでしょう。ですが、その祈りはどうしようもない、決して叶わない願いの代償行為の一環なのではないでしょうか?」

 

 

────やめろよ、それは俺だけの願いだ。

 

 

「…何を根拠にそんな世迷言を」

「【Melchior】に搭載されていた貴方のAIに強く、それはもう強く刻まれていましたよ。まさに今の貴方を構成するに至った、あまりに痛々しい原罪が」

「───そこまで知っているのなら、わざわざ聞くことじゃないだろう」

「いえ、これは重要な事なのです。貴方の口から、確りと聞かなくては行けないことなのです」

「馬鹿馬鹿しい、この問答に何の意味がある?この願いは、口にしても誰も幸せにならない。誰も助けられない。そんな願いに意味なんてないんだよ」

「いえ、そうではないです。クロキさん。貴方には、その願いを叶える資格があるのですよ」

「っ、黒服お前……!」

 

 

尚も食い下がろうとする黒服を睨みつける────だって、そんなの言えるわけがないだろ。

死んだ人間を蘇らせて(・・・・・・・・・・)今までの過程をなかったことにしたいなんて。俺が、俺と言う存在が歪んでしまったあの悲劇を無くして、すっかり綺麗に消えたいだなんて、そんな自分勝手な願いが──────。

 

 

バンッ‼︎

 

 

「っ、いきなり電気をつける─────?」

 

 

大きな音とともに窓の景色が明るくなる。打ちっぱなしのコンクリートが広がるだけの無機質な空間────その中心に、それはあった。

 

 

「……は、はは。嘘だ、そんな訳がない。だってあれは、あの人は……‼︎」

 

 

生命維持装置が動悸異常を検知し異常なアラームを吐き出す。喉は干上がり、胃は不規則に波を打ち、身体中から冷や汗が噴き出る───それでも、俺はそれから目を逸らすことができなかった。

 

 

「ゔ、ぅぅ…⁉︎」

「お父様⁉︎大丈夫ですか⁉︎」

 

 

あまりにも衝撃的なその光景に立っていられなくなり、その場に蹲る。吐きそうになる胃を抑え込めたことだけが、唯一の救いだったろうか。

 

 

「どう言うことだ黒服⁉︎あれは、あそこに吊るされている彼女は─────‼︎」

 

 

そのモニュメントは、簡素な十字架だった。

大きさにしておおよそ5m、材質は不明。いや、そんなのは問題じゃない。まるで問題点になり得ない。

問題なのは、そこに吊るされている生徒だった。

 

 

「クロキさん。私たちゲマトリアは、貴方と志同じくする同志です」

 

 

背中まである綺麗な緑色の髪。生徒とは思えない程成熟した身体。アビドス高等学校の制服に身を包み、短いスカートから覗く生脚にはいくつもの絆創膏が垣間見える。

 

ぐったりと項垂れ瞳を閉じるあどけない寝顔─────かつてアビドス生徒会室で何度も見たその姿を見て、俺は力なく、吐息をこぼすように彼女の名前を呼ぶ。

 

 

「ユメ……せんぱい……」

 

 

それは、紛れもない─────いや、間違うはずもない。あの時の口論を止められなかった……いや、止めようとしなかった俺の原罪。俺はモブだからと自ら線を引いて見殺しにした命の恩人である、梔子ユメ生徒会長その人だった。

 

 

「どうか、私達とともにこの世界を、キヴォトスを救いましょう。私の救世主よ」

 

 

蹲る俺に向けて黒服は手を差し伸べる────俺には、その掌が悪魔から差し伸べられたものにしか見えなかった。

 

 

 

 

 

 

 






鏑木クロキ
楽園を目指す夢想家にして求道者。夢を叶えるために万難を廃し、立ち塞がる障害はなるべく穏便に踏破する。当然のことではあるが、ゲマトリアの行う先生や生徒を消費して目指す救済に加担などありえない。逆に捉えればそれら以外を、例えばそこら辺にいるロボットを消費した救済には一向の余地ありと見做すだろう。彼の脳裏には、かつて調月リオから言い放たれた言葉が反芻しているのだから。


失敗者
彼の抱くたった一つの願い。それは人間なら誰でも持っている、過去の失敗をやり直したいというありふれたものだ。けれど、その願いは決して叶わない。事象とは常に上から下に流れるものであり、下から上に戻ることはないからだ。だが、仮にその願いが叶うとしたらどうだろうか?かつての罪を糧に邁進した今を消し去ってでも叶えたい過去があるのなら────それは、きっと不幸なことだろう。


鏑木メル
空戦特化型領域支配機【Melchior】の擬態状態。この状態でも空を飛ぶことのできる。黒服曰く、救世主を守る楽園の愛し子達の末っ子。嬉しくなると大きな尻尾と大きな羽をバタバタと動かす。生後1日とちょっとなので実質赤ん坊。


黒服
鏑木クロキを【審判の都市】に招待した張本人。彼の夢を理解した上で彼に手を差し伸べている。彼を騙すという考え自体持っておらず、あくまで上位存在としてクロキを認識している。彼が最後に放った言葉に嘘はなく、本気で鏑木クロキと一緒なら【色彩】を打倒できると確信している。梔子ユメと会わせたのは純粋な善意。


マエストロ
主要メンバーのいなくなったエンジニア開発部の倉庫でゴソゴソと何かやっている。


トリニティ総合学園
現在の火薬庫。


聖園ミカ
某ハリボテロボットにトリニティだけを、強いては自分だけを見て欲しいと願った少女。その願いに楽園を目指す人でなしが答えるはずもなく、現在関係悪化中。

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