ブルアカ世界に男で転生したのでロボットになります   作:あーけろん

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閲覧、感想、御指摘、誤字脱字報告の全てに感謝を。

今話はクロキ君の術式開示です。

※最後に作者あとがきを記載してあります。お暇であれば一読して頂ければ幸いです。



清算の旅路の始まりと先生

 

 

 

「────はぁ」

 

 

西陽が差し込む部室でひとり、椅子の背もたれに体重をかけながら息を吐く。明星部長と途中で合流した和泉元さんとお昼を食べた後、彼女らは午後は予定があるとのことで「特異現象捜査部」の部室まで送り届けてから戻ってきた次第である。

 

 

『良いですかクロキ。今後も私のことはヒマリと呼ぶ様に。良いですね?』

 

 

部室の扉を閉める瞬間に言うものだから、反論する暇もなかった。流石は天才である、タイミングというものを熟知している。…もっとも、その態度が今の自分にとっての頭痛の種なのだが。

 

 

「穏便に引退なんてできるのか、俺?」

 

 

不安がそのまま口から溢れる。ロボット相手に友好的なのは彼女達の良いところだが、いささか入れ込みすぎではないだろうか?外見は道端にいるロボットモブと遜色ないんだぞ…。

いっそのこと引継ぎの資料だけ残して失踪するか────?いや、見つかった時のリスクが大きすぎる。第一、そんな無責任なことできるか。どれだけ彼女達のことを引っ掻き回したと思っている、用事が済んだから一方的に縁を切るなんてできるわけがない。

 

 

「───結局、俺は間違えたのか」

 

 

この世界に転生して2年─────いや、もう3年になるか。最大限持ちうる力を発揮したつもりはある。だが、そもそも先生が来る事を信じて何もしないことが正解だったのではないか?結局俺は先生の脚を引っ張ってしまったのではないか?なんて、思考が悪い方向へぐるぐると回っていく。

 

 

「────クソッ」

 

 

今の自分が置かれている状況に歯噛みし悪態を吐く。とにかく行動しかない、手始めにセミナーの2人から話を通して、それから動き出すべきだ。こうなったら完全に引退することは諦めて妥協点を探るべきだろう、現状のまま計画を進めつつメインキャラクターの登場する行政区に立ち入らない様にして─────。

 

 

『ピピピッ‼︎ピピピッ‼︎』

 

 

突然の電子音に濁流の様に流れていた思考が止まり、視線を音の主に向ける。

 

 

「…早瀬会計から?」

 

 

通信端末に光る名前に疑問符を浮かべる。連絡事項は今朝通達されたし、今週の予定はそもそも組み直したはずだ。となると、残るは緊急の連絡か。

一度大きく深呼吸して肺いっぱいに空気を入れ、それをゆっくりと吐き出してから端末を手に取る。

 

 

「はい、こちら都市整備部のクロキ」

『ちょ、待ってくださいって‼︎あっ、クロキ!ごめんね急に電話して』

「それは良いけど…なにか取り込み中?」

『取り込み中っていうか、格闘中というか…!』

「?」

 

 

珍しくユウカが狼狽している。そんな状況でわざわざ電話をかけてくるなんてよっぽど緊急の要件だろうか?

 

 

『じ、実は今急に連邦生徒会からヘリが飛んできて』

「連邦生徒会から?随分珍しいな」

『そうなんだけど、実はその中に先生が乗ってて…!』

「────はい⁉︎先生が⁉︎」

 

突然の言葉に声が大きくなってしまう。今朝の要請の件は生塩書記から話が通っているはず。にもかかわらず態々向こうから会いに来たという事は……。

 

 

「一応聞くけど、同行者に七囚人とかいる?」

『そんなのいるわけないでしょ!1人よ1人!」

「1人か、そっか…」

 

 

1人で会いに来たと言うことは俺を殺害するつもりはないのか。そうなると、先生が俺と同じ転生者であるという可能性は低いと見るべきか…。

 

 

『それで、先生外から来た人だし、無理やり止めようとしたら怪我させちゃうかもしれないから止められなくて…!』

 

 

『いま電話して聞いてますからちょっと待ってください先生‼︎』『離してユウカ!私は今会わなきゃいけないの!』なんて会話が聞こえるものだから思わず苦笑いしてしまう────そっか、本当に先生がシャーレに着任したんだ。

 

 

『で、どうする?まだ体調が良くないんだったら日を改めて貰うようお願いするけど…』

「せっかく来てくださったんだ、追い返したら悪いよ。そのまま部室まで案内─────いや」

 

 

先生が突然会いに来たんだ。きっと俺に関する何か情報を掴んだに違いない。別に隠す気なんてさらさらなかったからむしろ好都合だ、話が早くなる。

 

 

「先生に部室の場所だけ教えて、早瀬会計は職場に戻ってほしいんだ。後の対応は俺が引き継ぐからさ」

『なによそれ、私は邪魔だって言いたいの⁉︎』

「早瀬会計の事を邪魔だと思ったことなんて一度もないよ。ただちょっと込み入った話になりそうだから、今回は2人きりにして欲しいんだ。駄目かな?」

『〜〜〜!わかったわよもう‼︎』

 

 

ブツン!と音を立てて通話が切られて思わず耳から端末を離す。どうやら怒らせてしまったらしい、今度ご機嫌を取らないと後々大変なことになりそうだ。

端末を充電ポートに戻し、部室の中を見渡す。特に散らかっている部屋ではないのだが、一点だけ目を覆う惨状の箇所がある。

 

 

「…机どうすっかな」

 

 

先生が来ると言うのにガムテープが剥き出しの机は色々と格好がつかない。しかし今から交換する時間なんて……待てよ?そういえばちょっと良いテーブルクロスがあった筈。早瀬会計達が買ってきてくれたものだが、結局使ってなかったやつだ。

 

 

「確かこの辺に─────お、あったあった」

 

 

流石花の女子高生が選んだものである、センスはばっちりだ。そうなると後準備しなきゃいけないものは…。

 

 

「えーと、ジャミング装置に電波遮断機、あとは監視カメラも壊しておいて…」

 

 

良い機会だ。今日を最期と思って、色々と懺悔させてもらおう。

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

 

 

「────全く、人の気持ちも知らないで…!」

 

 

何が駄目かな、よ。あんな言い方されたら断れないじゃない。わざとあんな言葉遣いをしているんだったら、あいつは一度刺された方が世のためよ!

 

 

「…それで、どうだって?」

 

 

目の前にいる、私より少しだけ背の高い女性─────先生が不安そうにこちらを見てくる。

 

 

「会ってくれるそうですよ。このまま部室前まで案内します」

「そっか!良かった〜…って、部室前まで?ユウカは一緒に来ないの?」

「来ないで欲しいって言われたんです!酷くないですか⁉︎案内だけさせておいて後はさよならなんて…!」

 

 

先生を前に悪態をつく。

彼は前からそう言うところがあるのだ、普段から頼りにしてるなんて口にしながら、その実大事なところには決して触れさせてくれない。自他の境界がすごくはっきりしていると言うべきか、最初はそう言うドライな部分に好感を持っていたが…最近は少し寂しいという気持ちが勝ってきている。

 

 

「────それで、先生はどうして急に来たんですか?」

 

 

しかし、目下の問題は目の前の先生だ。いきなりの来訪、警戒しない方がおかしい。

 

 

「そんなに睨まないでよユウカ。可愛い顔が台無しだよ?」

「巫山戯ないでください!いきなりの訪問なんて、大人として非常識ですよ!」

「そ、それを言われると痛いな〜…」

 

 

目尻を下げて困った顔をしているが、言葉の節々から絶対に引く気はないのだとなんとなくわかる。

 

 

「いきなり来たのは悪かったよ。けど、どうしてもクロキ君に会わないといけないって思ったんだ。ごめんなさい、詳しい事情は言えないけど」

「詳しい事情は話せないって……」

「けど、ユウカもなんとなく私(シャーレ)が来た理由はわかってるんじゃない?」

「───ッ」

 

 

先生のその言葉に口が詰まる。

 

 

「あんまり言いたくないけど、彼────クロキ君はちょっと頑張りすぎだよ。学生でありながらキヴォトスを楽園に変えようと息巻いて、それを実行し続けているなんて常軌を逸してる」

「学生だからって能力がないわけじゃありません!現にトリニティやゲヘナのような大きな都市でも学生がトップにいて─────」

「確かにそうだね。でも、彼女達とクロキ君と決定的に違う点がある。ユウカだって、それに気づいているんでしょう?」

「それは─────ッ」

 

言い返そうとして口を開き、そして言い返せる言葉がないことに気づいて口を閉じる。

彼と彼女達の明確な違い──────それは、絶対的な熱量の違いだ。

わかっている。そんなことはわかっている。外から来たばかりの先生にとって、クロキはさぞ異常に見えただろう。私だっていきなり彼の事を知ったら、多分、怖いと思ってしまうから。

 

「だからって、クロキは何も悪い事をしてません!キヴォトスの皆んなを幸せにしたいって頑張ってるだけですよ!」

「勿論。私だって彼の事を悪い人だとは微塵も思ってないよ」

「なら────!」

「──────だから聞きに来たんだよ。彼が楽園を目指している理由を」

 

 

透き通るような声だった。色々な感情でぐちゃぐちゃになってしまった感情が急速に冷えて、先生を見る。

 

 

「クロキ君の部室までまだあるだろうし、少し話さない?教えて欲しいんだ、ユウカから見たクロキ君の事を」

「…わかりました。すみませんでした先生、急に声を荒げてしまって」

「全然。悪いのはこっちだからね」

「…さ、こちらへ。都市整備部の部室まで案内します」

 

 

先生を連れ添って慣れ親しんだ廊下を歩く───思えば、なぜ私はあそこまで感情が昂ってしまったのか。クロキが外から見たらおかしな人間ということは理解している。実際、彼の事を怖がっている生徒だっていないわけじゃないから、異常な生徒の様子をいち早く確認しにくるという先生の行為は大人として正しい。

 

 

「それじゃあ、まずは2人の馴れ初めから聞いていこうかな。ユウカとクロキ君の初めての出会いはいつだったの?」

 

 

ある程度廊下を歩いた辺りで先生が切り出す。

 

 

「馴れ初めって…セクハラですよ先生」

「ごめんごめん。それで?」

「…そうですね、初めてクロキを認識したのは部活動開設依頼を受けた時でしたね」

 

 

開設者、鏑木クロキ

部活名『都市整備部』

活動目的────キヴォトスの楽園化。

 

 

「それより前は?」

「知りませんでした。というより、このミレニアムにどれだけの生徒がいると思っているんですか。一人一人の生徒を覚えてられませんよ」

「それもそっか。それで、第一印象は?」

「それはもう、またふざけた事を言い出した奴が現れたと思いましたよ」

 

 

ミレニアムで部活動を行うための原則は一定以上の人数の部員が所属していることか、もしくは一定の活動が認められることだ。そんな事はどの生徒でも知っているのに、彼は部員人数1人でなおかつ活動実績なしと堂々と書いてきた。

勿論審議にすら値しないとそれを破り捨て、メールで不許可通知を伝えてそれで終わり─────そう思っていた。

 

 

「それからミレニアムで不思議なことが起こりました。校舎のあちこちで報告されていたけれど、重要性が低いからと放置されていた故障や破損が勝手に直って行ったんです」

「…もしかして、クロキ君?」

「そうです。補修箇所のあちこちで彼の目撃情報があったので、特定に時間はかかりませんでした」

「…もしかして、わざとだったのかな?」

「そうでしょうね。態々断られるとわかっている部活動開設依頼を出したのも、自分を認識させるためだったんでしょう」

 

 

今だから思うが、彼は私たちセミナーに意識させたかったんだと思う。適当な実績で認められた数多の部活になるのではなく、開設を断られてもやり遂げるという意思をパフォーマンスするために。

 

 

「けど当時の私は部活を開くのを断られたあてつけだと思って、まんまと彼をセミナーで事情聴取をしようと提案したんです。何か悪事を企んでいるに違いないって」

「うわぁ…結構悪どいことしたね」

「い、今は反省してます」

 

 

それからセミナーの会議室で彼を呼び出して─────そして。

 

 

「────彼は楽園を作ると言いました。みんなが幸せになれるような楽園を」

「………」

「なんで彼が楽園を目指しているのかは知りませんし…知る必要もないって思います」

「それは、どうして?」

 

 

どうして?そんなの、一つに決まっている。

 

 

「だって、彼を見ていたらわかりますよ。心の底から、キヴォトスが好きなんだなってことが」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───────────────────────────

 

 

 

 

 

「────ここが、クロキの部室です。それでは私は戻りますので」

 

 

ミレニアムの本校舎の中でも辺鄙なところに、その部室はあった。

 

 

「うん。案内してくれてありがとうね」

「いえ、クロキに頼まれましたし…。それに、先生のことも嫌いではありませんので」

「ゆ、ユウカ〜!」

「な、撫でるのはやめてください!子供じゃないんですから!」

 

可愛い事を言ってくれるユウカを胸に抱き寄せ、嫌がって暴れる彼女を猫可愛がりのように頭を撫で回す。こんなに素直で良い子があそこまで慕っているんだから、きっとこの部室の主も悪い子ではないはずだ。

 

「そ、それでは!終わったら連絡してくれれば迎えに来ますので」

「わかった。それじゃあまたねユウカ」

「はい─────あの、先生」

 

 

ある程度撫でてから彼女を離すと、神妙そうな顔つきで言い放つ。

 

 

「くれぐれも気をつけて下さいね。クロキ、ちょっとした劇薬みたいなものなので」

「わかってるよ。忠告ありがとう」

 

「それでは、今度こそこれで」と踵を返して歩いてきた廊下を戻る彼女に手を振る──────さて。

 

 

「ここが、都市整備部の部室…」

 

 

てっきりもっと近未来的な外観を想像していたのだが、実際にお出しされたのは普通の学校にもありそうな部室だ。自動ドアやカードキーによる認証などあちこちに近未来感は感じるが、このキヴォトスの半分を作り替えた人間がいる場所にしては地味すぎる。

 

 

「なによりこの手書きの張り紙と木札……なんだか味がある」

 

 

『都市整備部(仮部室)』と草臥れた張り紙が自動ドアにセロハンテープで貼り付けられ、カード認証の横には木札で『在室』とかけられている。最先端を走るとさえ言われているミレニアムでこの感じは、ちょっと想定外だ。敢えてこの装飾にしているのか、あるいは自分の事には無頓着なのか……。

 

 

「…ま、会ってみればわかるよね」

 

 

手に持っているタブレット─────シッテムの箱は起動している。まさかいきなり攻撃されるなんて事はないと思うけど、用心に越した事はない。

覚悟を決め、張り紙の少し上の部分を3回等間隔に叩く。

 

 

「─────はい。都市整備部です、何か御用ですか?」

 

 

落ち着いた声が扉の向こうから聞こえた。

 

 

「こんにちは。連邦捜査部から来ました、シャーレの先生です」

「……お待ちしていました。今鍵を開けますね」

 

 

数瞬後、カード認証の色が赤から緑になり、その扉が開かれる。

 

 

「──────はじめまして、シャーレの先生」

 

 

私が部屋に踏み入ると、座っていた椅子から立ち上がって姿勢正しく頭を下げる。話し方に淀みなど一切なく、ミレニアム特有の白を基調とした堅実な制服を着こなしているその姿から、あまり学生と言う雰囲気を受けない。

 

 

「……?」

 

 

…しかし、その話し方に違和感を感じる。彼から私に向けられるそれは初対面の人間に向ける感情ではない。敢えて分類するのなら──────安堵?なんで彼は私と会って安堵してるんだ?

 

 

「初めまして。連邦捜査部シャーレから来ました、先生です。よろしくね、クロキ君」

「はい。こちらこそよろしくお願いします」

 

 

そんな考えの最中、彼から差し出された手─────機械の手を握り返し、簡単に自己紹介する。すると彼は懐の胸ポケットから革細工の名刺入れを取り出して────って⁉︎

 

 

「名刺入れ⁉︎名刺なんて持ってるの⁉︎」

「?えぇ、マナーですから」

「マナーって、君学生だよね⁉︎」

「大人を相手取ることもありますから、舐められないように作ったんですよ」

 

 

「改めまして」と洗練された仕草で名刺を取り出すと、澱みのない動作でそれを私へ差し出す。

 

 

「ミレニアムサイエンススクール所属2年生、都市整備部部長の鏑木クロキです。どうぞよろしくお願いします」

「こ、これはご丁寧に……。申し訳ありません、今は名刺は切らしていまして…」

「気にしないでください。先生こそ、まさか生徒から名刺を渡されるとは思ってないでしょうし」

「あ、あはは…」

 

 

生徒に気を遣われてしまった…。今度リンちゃんに作ってもらおう…。

 

 

「さ、少し歩いて疲れたでしょう。どうぞ座ってください。この部室、正面玄関から些か離れた場所にありますから」

 

 

そう言われて応接用にあしらわれたソファに案内され、促されるままそこに座る。…柔らかいし、ほんのりと柑橘系の良い匂いがする。

 

 

「これは…?」

 

 

茶色を基調としたおしゃれなテーブルクロスの上に同系色のインテリアの様なものがおいてあり、良い匂いはこれから出てるらしい。

 

 

「あぁ、それはリードディフューザーですよ。シトラスの良い香りがするでしょう?」

「う、うん。そうだね」

「この前お歳暮でいただいたんですよ。もしよろしければ先生もいかがですか?」

「お、お構いなく…!」

 

 

不味い、名刺の下りで会話の主導権を握られた気がする。居心地のいい空間のはずなのに、なんだか気が休まらない。

 

 

「先生は珈琲はお飲みになりますか?実は最近新しくインスタントを仕入れたんですよ、これが中々美味しくて」

「…じゃあブラックを」

「わかりました。少々お待ちください」

 

 

給湯室の奥へと消えていく彼を目で追った後、改めて部室の中を見回す。壁面にぎっしり詰め込まれたバインダーに飾り気のない無骨な、けれども大きくて使いやすそうな机。今座っている応接用のソファに机と、ほとんどが実用性を重視しているように見える。これではまるで──────。

 

 

「会社の事務所みたいだ、なんて思いました?」

「───ッ」

 

彼のその言葉に肩を震わせる。声の方を向くとそこにはマグカップとケーキを二つずつお盆に載せた彼が立っていた。

 

 

「すみません、そんなふうに考えていると思ってしまって。違いました?」

「…ううん、当たってる」

「そうですか、それは良かった。偶には私の勘も当たるものですね」

 

 

慣れた手付きでマグカップとお皿に置かれたショートケーキを私の前に並べ、同じものを机の反対側に配膳する。

 

 

「さ、冷めないうちにどうぞ。もしよろしければケーキも」

「…じゃあ遠慮なく」

 

 

表情の読み取れない機械の顔に促され、フォークでケーキの先端に入れ、そのまま口に運ぶ─────ッ⁉︎

 

 

「お、美味しい…!」

 

 

ふわふわの生地に甘すぎないクリーム、なによりそれに引き立てられるあまーい苺の風味が口いっぱいに広がる。今まで食べてきたスーパーに売っているケーキとは比べ物にならない、いや、比較しちゃいけないものだ。

 

 

「ミレニアム近くに最近オープンしたお店のものなんですが、これが中々いけるんですよ。お口にあったなら良かった」

「これが中々⁉︎クロキ君、普段はどんなに良いものを食べてるの⁉︎」

「…い。いえ。そんなに良いものは食べてませんが。それより、先生は甘いものがお好きなんですか?」

「それはもう!甘いものには目がないよ!」

 

 

私がケーキを一心不乱に食べる姿を見て彼は珈琲を口にする────あの状態でもものは食べられるんだ、なんて場違いな考えが浮かぶ。

 

 

「────ふぅ」

 

 

瞬く間にケーキを完食し、珈琲を飲んで一息入れる。すると「落ち着きましたか?」とケーキにほとんどに手を付けていない口で話す。

 

 

「あまり緊張しないでください。貴方は先生で、私は生徒なんですから」

「…そうは言っても」

 

 

そうは言っても、そうは言ってもである。ここまで成人然とした対応を取られて、彼を生徒と見れるか、という話である。このロボットの中には立派な成人男性が入っているのではないか、なんて勘繰ってしまう。

 

 

「…ねぇクロキ君。君本当に学生なの?」

「なんですか、藪から棒に」

「だって、普通の学生ってこんなことできる?きちんとお客さんをもてなしてるし、名刺だって」

「…あぁ。それには事情があるんですよ、後でちゃんとご説明しますね」

 

 

マグカップを傾け、「──さて」と机に置くと、表情の読み取れない機械から切り出される。

 

 

「それで、先生はどうしてミレニアムまで?一応、事前の協力要請には応じたつもりでしたが」

「…それは」

「あぁ、どうか勘違いしないでください。責めてるわけじゃないんです、寧ろ感謝してるくらいなんですから」

「感謝?」

「えぇ。ですから聞かせてください、先生がなぜ私の様な一生徒に会いに来たのかを」

 

 

一生徒、と言う単語に引っ掛かりを覚えたが、敢えて触れない。きっと彼のアイデンティティでもあると思ったからだ。しかし、なんて言って切り出すべきか─────。

 

 

「────理由を聞きに来たんだ」

 

 

─────あれ?今誰が喋った?私?

 

 

「理由ですか。それは、何の?」

「君が楽園を作ろうとしている理由だよ」

「…成程。ちなみにですが、先生はどれくらい知っているんですか?」

「君がここ都市整備部の他にゲヘナで会社を持っていること。後は────」

 

 

彼の試すような言動に、一度立ち止まる。伝えて良いのだろうか。君の中身が人間だと知っている、と。そんな私の逡巡に気付いたのか、優しい声色で彼が話す。

 

 

「───先生。良いんですよ、覚悟はできてます」

「ッ、そっか。賢いね、クロキ君は」

「あまり褒めないでください。私はおだてられたらビルの一棟や二棟は建てちゃいますので」

「規模が大きいね⁉︎…うん、それじゃあ言うね」

「はい、どうぞ」

 

 

一度大きく息を吸い込み、静かに吐き出してから、決して聞き間違いのない様にはっきりと言い切る。

 

 

「──────君が、本当は私と同じ人間ってこと」

「──────その通りです。流石ですね先生」

 

 

彼はなぜか心底嬉しそうに、満足した様子で笑った。

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────

 

 

 

 

 

──────先生が部室に入ってきた瞬間の歓喜の感情は、きっと何にも勝ることはないだろう。先生に聞こえない様、ミュートモードで歓喜の声を上げた程だ。

 

 

一体なぜそんなに喜んだのか。そんなの、一つに決まっているだろう。

 

 

(マジか!先生男装の麗人やん‼︎これは勝ちましたわ‼︎)

 

 

黒の長めのウルフカットに凛とした顔立ち。知性の裏に暖かさを覚える目元に引き締まった頬と─────これはセンセイオンナタラシです、間違いない。連邦生徒会長これ絶対顔で先生選んでるでしょ、いや、勿論判断基準全部顔なわけはないだろうけど。

古来より女子高生は男性の先生よりかっこいい女性の先生に惹かれるもの、古事記にも書いてある。こんな先生に「私のお姫様になにするの」とか言われたら女子高生の脳みそなんて一瞬である。こんな冴えないロボットのことなんて1ヶ月もあれば忘れてくれる──────筈だよな、うん。間違いない……多分、きっと、メイビー……。

 

 

「嫌がらないんだね。てっきり知られたくないんだと思ってたけど」

「普段は嫌がりますよ。けど、ついさっき友人から結構わかりやすいと指摘されまして。それに、先生にならバレても良いかなって思っていたので」

「───随分買ってくれているようだけど、それはさっき君が言っていた【事情】に関係しているのかな?」

「そうですね。それに関係しています」

 

 

眉目秀麗で、かつ思考は明晰で大人なのに威圧感を感じない。うん、この先生になら問題なく全てを託せるだろう。────しかし、ここで話すのは難しいかもしれない。

 

 

「実はですね先生。私はつい先ほどこの部屋についている監視カメラを破壊したんです」

「───うん?」

「しかもジャミング装置や電波遮断機まで全力運用しています」

「────えっ?」

「いまここは完全な密室となっています。つまり────どう言うことかわかりますよね?」

 

あれ?なんだか先生が怖がっている?なんだろう?

 

 

「つ、つまり……わ、私のことを殺すの⁉︎」

 

 

 

────うん、これは俺の言い方が悪かったかもしれない。

 

 

 

「ち、違います!誓って先生に危害を加えるつもりはありません‼︎」

「だって!言い方はもう悪役のそれだったよ!『秘密を知ったからには』とか言い出しそうだったよ‼︎」

「そ、それは否定しませんが…!」

「そもそも楽園を目指しているなんて考えも悪役らしいよ!もうちょっと言い方はなかったの⁉︎」

「うっ、人が気にしていることを…!」

 

 

それはなんとなく自分も気づいていたことだが、敢えて指摘されると心にくるものがある。だって仕方ないだろう、他に端的でわかりやすく伝える方法がなかったんだから。

 

 

「そうではなくて!つまり、もう少ししたら異変に気がついたミレニアムの生徒達がここに駆けつけてくるんです!なので場所を変えないといけません‼︎」

「それがわかっててなんでそんなことしたの⁉︎」

「先生との会話を聞かれるわけにはいかなかったんですよ!ほんとはもっと早く本題に入ろうとしたんですが…」

 

 

自分の予想が正しければ、まず明星部長───じゃなくてヒマリさんが異変に気がつく。あの口振りからこのスーツになんらかの諜報装置をつけているはずだからジャミングの発生にはすぐ気がつく。そうしたら彼女はなんの躊躇いもなくここの監視カメラをハッキングするだろう、彼女はそう言う人間だ。

 

そうしたら頼みの綱の監視カメラも壊されて使えないことに気がつくだろう。そうなったら後はドミノ倒しだ。すぐさまセミナーのどちらかに通報が飛び、大量の警備ドローンを引き連れてこの部屋に突撃してくるはずだ。

 

 

「というわけで時間がありません。すぐに場所を変えます」

「わかったよ───ところでクロキ君。こんなことを普段からやってるの?」

「流石に初めてですよ。戻ったら始末書ものですね」

「そうだね、その時は私も一緒に謝るよ」

 

苦笑いと共に了承を得ると、外へ繋がっている窓を開け放つ。

 

 

「移動にはバイクを使います。先生、二人乗りをした経験はありますか?」

「な、ないけど…」

 

 

その後は部屋に戻って机の横にあるキャリーケースを持ち上げ────それを、窓の外へ勢いよく投げ捨てる。

 

 

「ちょ、何してるの⁉︎」

「いいから見ててください」

 

 

慌てて窓から下を見下ろす先生。放り出されたキャリーケースはそのまま重力にしたがって地面へとぶつかる────前に、側面に付けられた衝撃緩和ブースターが起動する。

地面に落ちたキャリーケースは瞬く間に姿を変え、数秒もしたら元の面影などわからないほど立派なバイクへと変貌する。よし、問題なさそうだな。

 

 

「すごい!なにあれ欲しい!」

「いいから急ぎますよ!さ、私たちも跳びます!」

「え、ここから飛び降りるの⁉︎ここ三階だよ⁉︎」

「おちおち階段なんて使って誰かと鉢合わせたら面倒なことになりますからね!ちょっと失礼しますよ‼︎」

 

 

申し訳ないがあまり時間がなさそうだ。先程から集音マイクが複数のドローンの駆動音を検知している。ここでまごついていたら誰かに捕捉されてしまう。

慌てる先生をお姫様抱っこの要領で抱き上げ、なんの逡巡もなくそのまま窓から飛び降りる。

 

 

「きゃーー⁉︎」

 

 

先生の悲鳴を聞きながら自由落下し、地面へと着地する。着地の衝撃が足から腰にかけて響くが、活動に支障はない───というより、これくらいで壊れていたら弾薬や爆風飛び交うキヴォトスで生きていけない。

 

 

「だ、大丈夫なの⁉︎足から行ったみたいだけど⁉︎」

「この程度問題にもなりません。それより先生、シートの後ろに」

「え、えぇと…」

 

 

バイクの近くに先生を降ろし、自分はバイクへと跨る。そのまま後のシートを叩いて先生を誘導する───が、やはり二人乗りをした事がないためか、少し怖がっている様子だ。

 

 

「先生、信じてください。私は絶対に、あなたのことを落としませんから」

「う、うん…」

 

 

おずおずとした様子で先生が後ろへと乗る。

 

 

「それと先生はこちらを」

 

 

バイクのポケットから鉄の板を取り出し、それを先生へ手渡す。

 

 

「これは?」

「ヘルメットです、横にある赤いボタンを押してください」

「これかな?…うわっ!」

 

 

駆動音と共に板が展開し、瞬く間にヘルメットへと早がわりする。慣れない手つきでそれを装着する姿を見て、自分はバイクのモーターを起動させる。

 

 

「それじゃあ先生、嫌だとは思うんですけどなるべく身体を密着させてください。その方が安全なので」

「こ、こう?」

 

 

腹部に先生の腕が回され、わずかに体重が背中にかかる───これじゃまだ足りないな。

 

 

「もう少しです。私は機械の体で頑丈なので、もう締め潰す勢いで」

「こ、これでどう⁉︎」

 

 

吹っ切れたのか、しっかりと体重が背中に乗ったのを感じる。これなら問題ないな。

 

 

「大丈夫です。走行中もなるべくこの姿勢を維持してくださいね、15分くらいで目的地に着くので」

「そういえば、これからどこにいくの⁉︎」

「私が個人的に管理している倉庫です。そこに、先生の知りたがっているものが全て揃っているので」

「それって────ぅわ⁉︎」

 

 

充分に温まったモーターを動かし、ミレニアムの校庭から勢いよく発進する。───遠目に警備ドローンが見えたが、この距離ならジャミングと速度で振り切れる。

 

 

「ね、ねぇクロキ君。私今、校舎の窓からすごい視線を感じたんだけど」

「視線ですか?姿は見えました?」

「えぇ、と…ごめん、詳しい姿までは…。ただこう、凄い熱量を感じたかな」

 

 

おそらくは先生のことを見ていたのだろう。彼女はサンクトゥムタワーを奪還し、行政機能を回復させたいわば時の人だ。視線を集めるのも無理はない。

 

 

「気にしなくて大丈夫ですよ。きっと先生のことが気になっているのでしょう。先生は有名人ですから」

「うーん…そんな感じじゃなかったんだけどなぁ…」

「と、言いますと?」

「なんていうか…羨望?みたいな感じ」

「羨望ですか………あっ」

 

 

あ、あかん。それ先生を見てたわけじゃない、俺のことを見てたんや。眉目秀麗の先生とバイクで二人乗り────過激派が見たら即射殺命令が出ても不思議じゃない。

 

 

「だ、大丈夫ですよ。それならきっと見ていたのは先生じゃなくて私だと思うので」

「…そうは思わないけど。それよりクロキ君、平然とバイクに乗ってるけど免許はちゃんと持ってるの?」

「持ってますよ。16歳を迎えた時にすぐに取りました。さすがに無免許で先生を後ろになんて乗せませんよ」

「そっか、なら安心」

 

 

整然と整えられたミレニアムの街並みをバイクで疾走する────すると「…ねぇ」と後ろから声が掛けられる。

 

 

「この街並みも、クロキ君が作ったんだよね」

「私1人の力じゃありませんよ。それに、まだまだ不完全ですし」

「ううん、全然不完全なんかじゃないよ。ここまで整えられた都市は今まで見たことなかったから」

「……そうですか」

 

 

ミレニアム学区の都心部を抜けると一転、商業施設が立ち並ぶ街並みから工場地帯へと様変わりを見せる。再開発を進める上で工業地帯と居住地帯を明確に区分した結果だが、こうして実際に走るとあまりの変わり様に別の国に来たのかと考えてしまうかもしれないほどだ。

 

 

「なんだか急に雰囲気が変わったね。ここが工業地帯?」

「そうです。より正確にいうのであれば、巨大な工場建設を行うことのできる工業特区ですね。ここら一帯は主にドローンやパソコン、銃火器の電装部品を製造している地域です。で、私たちが今向かっているのが生コンやセメントと言った建造資材を保管する倉庫です」

 

 

先生に解説をするなかで思わず口元が歪む。

建造資材────なんていえば聞こえは良いが、その実態は借り物の神秘を利用しているだけだ。きっと俺がどうやって楽園を作っているのかを知ったら、先生も落胆の感情は禁じ得ないだろう。

 

 

「───ここら一面は倉庫街なんだね。すごい広い」

 

 

そのまま都度先生に街並みの紹介をしながらバイクを走らせて15分程度、目的地となる倉庫付近まで到着する。

先生の言葉どおり、ここら一帯はまばらに工場が点在するのみで、あと殆どは同一の形の倉庫が立ち並んでいる。大きさにすれば大型旅客機がまるまる2台入るそれが平地一面に敷き詰められており、ここで携帯端末を落とそうものなら遭難は必至だ─────だからこそ、ここは隠し事にはもってこいの場所なのだが。

 

 

「────こちらです、先生」

 

 

本当に多くの倉庫が立ち並ぶ倉庫街、その中の一つの倉庫で壁面に『666』と銘打たれたそれの前にバイクを止め、先に先生を降ろす。ヘルメットを外した先生がその倉庫の巨大なシャッターの前に立ち、神妙な面持ちでそれを見ている。

 

 

「すみません先生。申し訳ありませんが、これから先私が喋ることは全て他言無用でお願いします」

「……わかった、約束する」

「ありがとうございます。それでは行きましょうか。入り口はこっちです」

 

 

その大きなシャッターの横。人が入れる様に立て付けられた扉を指差し、先生をそちらへ誘導する。

 

 

「それで確か、先生は私が楽園を作る理由を知りたいとおっしゃっていましたよね」

「うん、そうだね」

「まず先に結論から申し上げておきますが、別に私は悪事を働こうだとか、このキヴォトスで不動産王になろうとも考えていません。─────私が楽園を目指すのは…ただ、この世界に生きる彼女達に幸せになって欲しかったからなんです」

 

 

入り口の前に立ち、振り返って後ろで控えている先生を機械の瞳で見据える。

 

 

「ですがその必要はもうなくなりました。─────なぜなら、それは先生。貴女がこのキヴォトスに来てくれたからです」

「────私が?」

「そうです。改めまして、この世界に来てくださって、本当にありがとうございます」

 

 

機械で作られた手袋を外し、扉のドアノブへと手をかける。指紋及び静脈検証を終えたそれの鍵が開かれ、それと同時に押し開く。

 

 

「これは一体────。というより、あの機械に刺さっているのは──」

 

 

その倉庫の中には、巨大な、それこそ旅客機を二つ並べる程に大きな機械が鎮座されている。あまりに巨大すぎてその全容を把握することすら難しいその巨大─────しかし、そんな鉄の塊に似つかわしくないものが一つ、機械の上部へと突き刺さっている。

 

 

「先生は見たことがあると思います。というより、今も使っているのではないでしょうか?」

「私がこれを─────?」

「そうです。シャーレの地下に安置されている、先日失踪した【超人(連邦生徒会会長)】が残した遺物が」

 

 

そこまで言ってようやく、先生の顔に驚愕の文字が浮かぶ────さぁ、懺悔を始めよう。

 

 

「これは『クラフトチェンバー 0号機』。私が1人でキヴォトスを楽園へと作り変えるために求めた神秘であり、私の前任者が残してくれた成果物です」

「…これが、というより、前任者って─────」

 

 

右の首元にある小さな、それこそ小指ほどしかない程小さくそして異常に硬いボタンを押し込む。それは、決して誤作動を起こさぬよう作ったとあるシステムの起動ボタン。

 

 

『指紋及び意思決定プロトコル認証。装着モード終了、各種モーター点検オフ』

 

 

極めて機械的な音声と共に僅かな蒸気音が首から漏れる。それを合図に頭からかぶっていたそれを取り外し、生身の視線で先生の姿を捉える。

 

 

「─────改めまして、私は鏑木クロキ。貴女と同じく、この世界の外側からこのキヴォトスにやってきた異端児です」

 

 

そうやって、多分うまく笑えてないだろう、精一杯の気持ちを込めて笑って言い放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「─────さて。どこから話しましょうか」

 

 

巨大な機械──────彼の言う【クラフトチェンバー 0号機】の前で機械の仮面を脱いだ彼は、困った様に顎に指を当てて頭を捻っている。その姿は、アロナから見せてもらった学生証の改竄前の姿と瓜二つだ。なのに、彼は私と同じく外から来たと言う。

 

 

【……アロナ、これは本当にクラフトチェンバーなの?】

【間違いありません。解析の結果、大きさ、機能、作成できるもの、その全てが大きく劣化していますが、これはシャーレ地下に安置されているものと原理はほとんど同じです。違う点を上げるなら、原材料はキーストーンではない所と、出力先を別の地点にできる所ですね】

 

私にしか聞こえない声─────アロナがこれの正体を教えてくれる。嘘は言っていないみたいだ。

 

「その前にここでは少し話しづらいでしょうから、部屋に行きましょう。地下に私の個室がありますので」

「……わかった」

 

彼─────鏑木クロキ君の先導にしたがって歩き出す。その際にクラフトチェンバーを眺めているが…本当に大きい。これが私が使っているものと同じなんてとても思えないほどだ。

 

 

「…これを使って、君はキヴォトスを作り変えているんだね」

「そうです。神秘が秘められたものは作れませんが、材料さえあればそれ以外のものは大抵作ることができます」

「これを使って建物そのものを作っているの?」

「いえ、そこまでこれも万能ではありませんよ。基礎工事や整地作業はこれの機能をそのまま使いますが、基本的には資材の輸送や加工に使います。これを使えばキヴォトスの任意の地点に、莫大な量の加工済の資材をプリントできますからね」

 

 

「後は私が陣頭指揮を取って職人さん達に組み立ててもらうだけです」と恥ずかしそうに笑う。

七神リン主席行政官曰く、クラフトチェンバーの技術はオーパーツで尚且つ私にしか使えなかったはずだ。つまりこれはクロキ君が復旧させたオーパーツと言うことになるけど……。

 

 

「もしかして、君が外から来た人間ってことも関係しているの?」

「…まぁ、広義的に捉えればそうなります。結局のところ、私もなぜこれが使えているのかはわかっていないんですから」

 

 

歩き慣れた様子で歩く彼が扉を開き、その後に続く。

 

 

「この部屋です。少し埃っぽいですけど、そこはご容赦ください」

 

 

僅かな灯りだけが灯る廊下を少し歩いた突き当たりに、木製のドアが一つだけある。彼はそれを躊躇いなく開け放つと、申し訳なさそうに私を誘う。

 

 

「…ここは?」

 

 

─────扉を潜ると、強烈な紙の匂いとインクの匂いが鼻につく。かつて入ったことのある図書館よりも濃いそれはむせてしまうほどだ。

扉から見て左右の壁にはぎっしりとバインダーが詰め込まれ、床にはそれ以上の量が積み上がっている。部屋の隅には寝袋が放り投げられ、パソコンの机には作図に使ったであろう資料が残置されている。

 

 

─────ここはまるで、夢で出来た牙城のようだった。

 

 

「ここは作図室です。大規模事業を請け負う時はここにきて、建物の作図や都市予想図を描くんですよ。材料計算はAIにやらせてますし、基本的な作図はパソコンでやりますが、都市の外観は依頼主の生徒達の意向もありますから機械任せにはできないので」

「…凄い」

 

 

感嘆の一言につきる。きっと、ここが彼の夢の最前線なのだ。

たまたま近くにあったバインダーを手に取る。『トリニティ地区古聖堂外観調整事業 3版』と銘打たれたそれを開くと、中には夥しい数の設計書が詰め込まれている。

 

 

「ありがとうございます、お世辞でも嬉しいです」

「お世辞なんかじゃない。きっと、ここにあるのは君の夢の結晶なんだね」

「────夢の結晶、ですか。たしかに、そうでしたね」

 

 

まるで、もう終わった夢のように笑うと「それより先生、座ってください。こんな椅子しかなくて恐縮ですが」と私にパイプ椅子を勧める。その言葉にしたがって腰を落ち着けると、対面に彼も椅子を置く。

 

 

「…その前に、顔だけ人間というのも格好がつかないですね。少し待ってて下さい」

 

 

なんて言うと、徐に手首に付けられたコンソールを操作する────その数秒後、凄まじい勢いで彼を覆っていた鋼の肉体が解けていき、最後はジュラルミンケース程の大きさへと収まってしまった───か、格好いい…!

 

 

「変形機構まであるなんて…!」

「とある作品を参考にしましたが、ほとんど脱ぐ機会もないのでつける必要性もなかったんですけどね」

「それを無くすなんてとんでもない!変形機構は浪漫だよ!」

「…まぁ、それには同意しますが」

 

 

鋼鉄のロボット高校生から一転、黒のインナー姿の一般男子高校生になった彼はケースを椅子の横に置くとそのまま座り、私の目を見る。

 

 

「…さて、先生。今から話す話は、何もかもを失敗した愚かな小僧の話です。お耳汚しになるかと思いますが、一生徒の懺悔を聞くと思ってお聞きください」

「…聞くよ。ううん、聞かせて欲しい。君のことを」

「ありがとうございます────それではまず初めに、先程私が外から来た人間というのはお話しましたよね」

 

 

 

【─────改めまして、私は鏑木クロキ。貴女と同じく、この世界の外側からこのキヴォトスにやってきた異端児です】

 

 

精一杯笑ったつもりだったのだろうか、不自然に上がった口元に悲しそうな目つき…極めて不自然な表情の時に宣ったことだ。

 

 

 

「うん、聞いたよ」

「そうです。先程の話をより正確に補正するのであれば、この世界にやってきたのは【私】という精神だけなんですよ」

「精神だけ?」

「つまるところは、肉体はもともとこの世界にあったもの、ということです」

 

 

肉体と一緒にこの世界にやってきたのではなく、精神だけこの世界にやってきたと彼は言う────だが、そうなると一つの疑問が生じる。

 

 

「もともとその身体にあった精神はどうしたの?」

「…わかりません。私がこの世界に転生した時に入れ替わったのか、それともなんらかの事情で精神的に死亡し、そこに私が入り込んだのか」

「じゃあさっきのクラフトチェンバーは?」

「入れ替わる前の【クロキ(前任者)】が復旧したものだと思います。なぜこれを作ったのか、その意図は分かりませんが」

「…そっか」

「疑わないんですか?私が元の人格を殺害して入れ替わったって」

「そういう見え透いた事は言わないの。第一、君がそんなことするわけないでしょ」

「……すみません、卑屈になっていました」

「それじゃあ、実際に今のクロキ君は精神的には何歳なの?」

「転生する前の年齢は詳しく覚えていないんですが……大体25歳くらいだと思います」

「……私より歳上じゃん。どうりで部室であんなに余裕ある行動が出来たわけだね」

「だから、事情があるって言ったじゃないですか」

 

 

確かに彼は事情があるとは言っていたが、まさかここまでの事情だとは思えなかった。

 

 

「それじゃあ、私も先輩って呼んだ方が良い?」

「勘弁してください…」

「ふふっ、冗談だよ」

 

 

ちょっと揶揄ったあたりで、私からも聞きたい事を話す。

 

 

「クロキ君、そういえば私のことを待っていたって言ってたよね。つまり、私という先生がくることがわかっていたの?」

「…そうです。といっても、その確証はなかったのですが」

「確証がなかった?どう言うこと?」

 

 

今一煮え切らない返答に聞き返す。すると露骨に顔を顰めて悩むが──やがて観念したのか諦めた様に話し始める。

 

 

「…あまり詳しくは話せませんが、私はこの世界の結末を知っているんです」

「───────未来予知ができるってこと⁉︎」

 

 

思わず椅子から立ち上がり、彼の肩を掴む。まさか、そんな神様の様なことができるなんて────。

 

 

「いえ、そこまで大層なものじゃありません。知っているのは、今後この世界に起きうる事件や事故だけで、細かい部分はわからないんです」

「─────そっか。じゃあさっきシャーレの地下にクラフトチェンバーがあるって知っていたのも…」

「そうです、それが理由です」

 

 

その言葉を聞いて、掴んでいた肩を離して椅子に座り直す。つまり、彼の中身は外から来てきて、この世界に起こりうる事件や事故をある程度知っていて、だから─────まさか。

 

 

「じゃ、じゃあ‼︎君が楽園を作ろうとしている理由って⁉︎」

「……………」

 

 

沈黙。けれども、それはもう殆ど答えを言っているようなものだった。

 

 

「嘘、でしょ───」

 

 

─────だって、彼を見ていたらわかりますよ。心の底から、キヴォトスが好きなんだなってことが。

 

─────先生は夢に向かって全力投球の生徒が大好きでしょう?

 

 

彼の事を評した2人の言葉が脳内に再生される。しかし、これはあんまりだ。未来を知っている少年が楽園を目指して奮闘するなんて、そんなの─────。

 

 

「ずっと、1人で頑張ってきたの─────?」

 

 

それは、なんの装飾も入っていない、心の底から出た単語だった。

 

 

「……いえ」

「えっ……?」

 

 

微かな声。しかし、すぐに彼の言葉が聞こえてくる。

 

 

「違うんです。私は、初志を貫けなかった軟弱な奴なんですよ」

 

 

心の底から吐き出されたそれは、まさに懺悔の声だった。

 

 

「本当は私は、誰でもないどこにでもいるロボットになりたかったんです。普通に授業を受けて、クラスメイトと駄弁って───そして、先生や生徒達との絆をちょっとでも見れれば、それで満足だったんです」

 

 

表情は苦悶に満ちていて今にも吐きそうなほど辛そうだが、けれども言葉はすらすらと出てくる。

 

 

「この世界の出来事を知っていて、それを見過ごせると思っていたんです。きっといつか来る先生───貴女がなんとかしてくれるって」

 

 

自己卑下の極みの様な口調にこっちの方が辛くなるが、それでも彼は続ける。

 

 

「…けど、実際に触れてしまったんです」

「その、触れてしまったというのは…?」

「彼女達を襲う悲劇や事故、その一例にです」

 

 

それだけ言うと彼は徐に立ち上がり、パソコンの横に立てかけられているコルクボードを手に取ると、そのままそれを私に手渡してくれる。

 

 

「これは───写真?」

「はい。この世界に来た当初、私はロボットの写真家になろうとしてたんです。誰からも個として認識されず、けれども観測できる絶好の職だと思いまして」

 

 

写真には緑色の髪とピンクの髪の2人の少女が砂に埋もれた校門の前で写っている。緑色の髪の少女は楽しそうに、ピンクの少女は嫌そうだが本気で拒絶している様には見えない。

 

 

「この時は転生して直ぐでしたね。今みたいな完全なロボットスーツじゃなくて、ハリボテの様なもので活動していました」

「うん、よく撮れてるね」

「そうでしょう?我ながらそう思います────けど、その緑色の髪の少女は今はもういないんです」

 

 

彼のその言葉に、まさか、という感情が浮き上がる。けど、そんなわけはない。だって彼ならば───。

 

 

「───それは、つまり」

「事実だけ申し上げるなら、死亡したと言うことです」

「それじゃあ、この写真は…!」

 

 

 

 

 

 

 

「───そうです。その事故が発生するとわかっていながら、それを止められなかった結果の遺影(・・)です」

「ッ‼︎」

 

頭に血が上り、思わず彼の両肩を強く掴む。

 

 

「なんで⁉︎君なら救えたでしょ⁉︎事故が起こることを知っている君なら────‼︎」

「…………」

「なんとか言ってよ!」

 

 

沈黙を貫く彼を強く見据える。だってそのはずだ、彼は1人でこのキヴォトスを作り替えられるだけの能力を持っているんだ、1人を救うことくらい────すると、彼は困った様な、降参というように笑う。

 

 

「救えなかったんですよ────。私は、あなたの様に【奇跡(大人のカード)】を持っていなかったから」

「……あっ」

 

 

彼の視線が私の胸元へと向けられる。私が持っている、奇跡の象徴を。

その瞬間、私がどれだけ酷い事を言ってしまったのかを自覚する。

 

 

「ご、ごめんなさい。私、なんて事を…」

「いえ、良いんです。全くその通りだと思いますから」

 

 

私は生徒を導くためにいるのに、絶対に言っちゃいけない事を言ってしまった。これじゃあ先生なんて言われる資格なんて、ないも同然だ。

 

 

「その一件以来、私は考えを改めました。この世界に先生────つまり貴女が来るまでの間、このキヴォトスで起こりうる悲劇をなるべく抑えようと決心したんです」

「……それが、都市整備部」

「そうです。【超人(連邦生徒会会長)】でも【先生(貴女)】でもない、ましてや【奇跡(大人のカード)】も持っていない私が誰かを助ける為には人脈が必要でしたので」

 

 

「ロボットのまま誰かを救えれば良かったんですけど、私が馬鹿なばかりに結構な生徒にバレてしまって…」と頬を掻く姿が、なぜか痛々しく感じてしまう。

 

 

「…ですが、その役割もようやく終わりです」

「終わりって…まだ楽園は作り終えてないんでしょう?」

「たしかにそうですが…そもそも先生、私にとっての楽園ってどう言うものかご存知ですか?」

「君にとっての、楽園…?」

 

 

そういえば聞いたことはなかった。てっきりみんなが幸せにいられるキヴォトスのことかと思っていたが……。

 

なんて考えていると、今度は嬉しそうに、安心した様に目尻を下げて彼は笑って言い放つ。

 

 

「そうです。私にとっての楽園─────それは、貴女を中心に生徒達みんなが笑っているキヴォトスの事なんですよ」

 

 

 

────────あっ、駄目だ。これは。

 

 

 

 

 

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

 

 

 

…なんだか湿っぽくなってしまった。

しかし、あらかた事情を説明できただろう。今思うとユメ先輩達のことは話さない方がよかったかもしれないが、まぁ終わったことは仕方ない。あとは引き継ぎの話を─────。

 

 

 

「──────うん、決めた」

 

 

……?一体何を決めたんだ?

 

 

「クロキ君──────ううん、クロキ先輩(・・)

「……はい?」

 

 

…うん?先輩?聞き間違いか?

 

 

「先輩、私のことを助けてくれませんか?」

「…た、助ける?」

 

 

急に何を言っているんだこの先生⁉︎俺は唯の生徒で先輩でもないんだが⁉︎

なんて自分の考えなど知らないと言わんばかりに彼女はドンドンと話を続ける。

 

 

「私まだこのキヴォトスにきてまだ日が浅いですし、知らないところも多くあるんです。けど、クロキ先輩なら色々と知ってますよね?」

「そ、それはまぁ多少は知ってるけど…そうじゃなくて!あの、その先輩呼びは辞めてくれませんか⁉︎俺生徒なんですけど⁉︎」

「だって、実年齢はともかく精神年齢は私より年上なんですよね?」

「それは…そうですけど……」

「なら別に問題はないですよね」

「いや、そうじゃなくて────!」

 

 

なんだ急に⁉︎今さっきの会話のどこかに地雷があったのか⁉︎

 

 

「それに、なんだか私に引継ぎさせようとしてますけど、そんな簡単にはいかないと思いますよ」

「…えっ?」

 

 

「そっか〜。だからユウカちゃんが劇薬って…確かに言えてる」と1人納得しているが、俺からしたらさっぱり意味がわからない。

 

 

「そもそも、人脈作りの最中で何人かの生徒に楽園作りの協力とかお願いしてますよね。そう言う生徒達に黙って消えるつもりなんですか?」

「…それは」

 

 

痛いところを突かれたような気分になる。確かに、夢に協力して欲しいとお願いした生徒は大勢いる。彼女達に何も言わずにいるのは流石に───。

 

 

「だから、一緒に彼女達に会いに行きましょう」

「…?」

 

 

一瞬、先生が言った言葉が理解できない。つまり…?

 

 

「だから、先輩の言う引き継ぎをやるんですよ。お世話になった生徒達に私を紹介するんです。私は生徒達とコミュニケーションが取れて、先輩は引継ぎができる。まさにWin-Winの関係だと思うんですけど」

「……成程」

 

確かに一理ある。実際に営業職の引き継ぎの際には後任を必ず紹介するものだ、ビジネスシーンとして極めて正しい選択と言える。しかし、これ以上原作に関与するのは……。

 

 

「────お別れするにしても、ちゃんとした方がいいと思いますよ」

「────そう、ですね」

 

 

……一度手を出してしまったんだ。きちんと清算はしないと、彼女達も先生も不幸にしてしまうかも、か。

 

 

「さしずめ、人間関係清算の旅と言うやつですね」

「いや、言い方……けど、確かに必要か」

「じゃあ決まりですね!それじゃあ早速先輩にはシャーレに所属して────」

「その前に、一つ条件が」

「…条件?」

 

 

話を進めようとする彼女の前に指を当て、言葉を区切る。

 

 

「…その先輩呼びと後輩ノリは辞めてください。それさえやめてくれたら、ちゃんと手伝いますから」

 

 

─────先生は結構抵抗したが、最後は了承してくれた事は明記しておく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






鏑木クロキ
うっかりユメ先輩の写真を取りに行こうとしたばっかりに自己の存在定義を変えざるを得なかった人物。全部迂闊な彼が悪い。『クラフトチェンバー 0号機』の現ホルダーであり、誰よりもそれを活用することのできる人物。【奇跡】を持たない彼にとって、あらゆる状況へ対応できるような楽園を作り上げる事こそが急務であった。【先生】の代わりとして楽園を目指したのではなく、【先生】の代わりになるために楽園を目指した哀れな舞台装置の作成者。


先生
クロキ曰く「助演女優賞を総なめしそうな美人」との事。頭脳、行動力、コミュニケーション力全てがトップクラスの正に【超人】が選んだ人にふさわしい能力を有している。ただ惜しむべき所は、ミレニアムラクエンヅクリから開幕10割コンボを決められてしまった所だろう。彼を生徒として見れなくなった以上、彼女に取ってのクロキは他の生徒とは違う意味合いを持つこととなる。


失敗者
【超人】は愚か、【先生】にも【モブ】にもなりきることのできなかった半端者。【超人】の様に全てを助けることも叶わず、【先生】の様に奇跡を起こすことも出来ず、【モブ】のような傍観者に徹することもできなかった。故にこれは、彼の失敗を清算する物語なのだ(なお、清算できるとは言ってない)。


2人の写真
緑髪の少女とピンク髪の少女が写った写真。しかし、どうやらここにもう1人写っている写真があるようで────?


前任者
クロキの前の人格。自室に『クラフトチェンバー 0号機』の使用方法を残したメモだけを残して消えた人物。当該メモの端には『神秘の再来を』と汚い走り書きがある。


クラフトチェンバー 0号機
0号機と命名されているが、その実シャーレ地下に安置されているそれとどちらが先に開発されたのかはわかっていない。前任者メモに0号機とあったことから、仮称0号機と明記されている。
莫大な電力を消費する代わりに、登録された中継ポイント各地に物質を加工して出力することのできる装置。現在は都市整備部部長鏑木クロキが所有者であり使用者。【超人】が残したシステムである以上その性能は計り知れないが、この0号機に至ってはそもそも元となる材料が基本的に同質量必要になる点と起動に莫大な電力が掛かるため、活用できる環境を整えるまでに相当な労力と金銭と時間を必要とする。それこそ1人でこのキヴォトスを変えようなんて思わなければ無用の長物だろう。












※以下作者あとがき


ここまで読了くださり感謝の極みです。

まずは2話前書きでも記載しましたが、この作品は非常に多くの方から過分な評価をいただいており非常に恐縮しております。ブルーアーカイブの原作パワーというものを直に感じた気分です。

さて、今話を閲覧いただいた方には既にご存知かと思いますが、今後クロキ君は引退できません(驚愕の真実)。また、先生によるクロキ君の完全無欠救済ルートもありません(驚愕の(ry))もしそういった方向での展開を希望していた方には残念なのですが、ここでそっとブラウザバックをして評価を取り消して頂ければ幸いです。また、今後の展開の中に一部曇らせ表現が含まれる事がありうるかもしれませんので、そこはご承知頂けたらと思います。

改めまして、日刊一位を皆様の評価のおかげで取らせて頂いたこともあり、今作は非常に多くの方に見ていただいております。そんな中で多くの感想をいただくのですが、中にはタイトルから想像していたものと内容が違ったという感想もいくつかいただいております。実際仰る通りだと思う部分も確かにありますが、作者はもう止まれませんのでそこはもうご理解ください。

ですが私といたしましても、タイトルから面白そうと見に行ったら解釈違いだった作品というものはあると心得ております。そのため、ここはあらすじ部分に一話前書きで記載しました部分『※尚、ほとんどの生徒にバレているものとする』を記載する事で手打ちとさせて下さい。

今話を持ちましてプロローグを終え、次回から『アビドス対策委員会編』へと移らせて頂きます。ファンの皆様ならもう大体察しの通りだとは思いますが、ある程度(オブラート)の湿気表現が今後も多く繰り広げられるかと思います。なので、そういった表現が苦手と思うのであれば、お手数ですがそっとブラウザバックして頂けたらと思います。

感想、ファンアート等どんどんお待ちしております。

以上を持って、後書を終わりとさせていただきます。改めまして、今後とも拙作をよろしくお願いいたします。







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