ブルアカ世界に男で転生したのでロボットになります   作:あーけろん

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閲覧、感想、御指摘、誤字脱字報告の全てに感謝を。


※次回投稿はお時間をいただきます。8月中旬を予定しておりますので、気長にお待ちいただければ幸いです。





覚醒と末娘

 

 

 

─────ふと、唐突に意識が目覚めた。

 

ぱっちりと、微睡に揺蕩う様な感覚の一つも覚える事がなく、最新機種のPCを立ち上げた様な軽快さで意識が覚醒する。

 

 

「ここは……?」

 

 

画面を通さず映る視界を回す。世間一般に言うところの病室であることは間違い無いと思うのだが、いかんせん雰囲気が高貴なように感じる。

高そうな花瓶に備えられた花々、木目調で洗練された内装。極め付けはトリニティ第二楽園区画の風景が切り取られた大きな絵画────まず間違いなくトリニティの病室で間違いない。

 

 

「ロボットスーツは……流石に脱がされたか」

 

 

布団を捲り上げ、白い右手を眺めてぼんやりとつぶやく。しかし、そうなると…。

 

 

「問題はこっちの腕かぁ……」

 

 

肘から先がなくなった左腕を持ち上げ、しげしげとそれを見る。しかしながら、見事に吹き飛ばされたものだと他人事のように感心してしまう。

そもそもこのキヴォトスで五体満足で居られると思うほど自惚れていないので左腕がなくなった事自体は問題では無い。むしろ人体よりよほど高性能な義手を取り付ける理由にもなるのだから助かるくらいだ。最近腕が4本あれば良いと本気で思っていたので僥倖と言えるだろう……と、前までの俺ならば呑気に考えたのだろう。

 

 

「生徒達になんて説明すれば良いんだろう…」

 

 

そう、目下最大の懸念点はそこである。現状、俺はほんの数名の生徒達にとって地雷のような存在になっている。自惚れを隠さず言うならば好意を抱かれているのだ。

そんな存在が左腕を吹き飛ばされたと知ったらどうなるだろうか────決まっている。吹き飛ばした相手を地獄の底まで追いかける事だろう。仮に先生の腕を吹き飛ばした輩がいたのなら、俺はソイツに産まれた事を後悔させる程に凄惨で熾烈な仕返しをするので多分間違いない。

 

 

「でもそれだと困るんだよな…」

 

 

この下手人がいつも通り楽園設立を邪魔する大人連中であれば好きにしてくれの一言で片付くのだが、生憎今回は事情が事情なのである。生徒達と領域支配機の血みどろの闘争など死んでも見たくない。

 

そうなるとまずは行動しかないわけで。取り敢えず義手はともかく早急にロボットスーツを用意する必要が出てくる。

 

 

「飛鳥馬さんは今トリニティにいるし、誰に頼むのがベストか…」

 

 

口が固く、事情通で俺の目的に協力してくれる人物──────何だろう、脳裏に怪しげに笑う黒い異形が浮かんだ気がする。

 

 

「いやいや、それは不味いだろう。誰か他に…?」

 

 

一人で過ごすには広すぎる病室でうろうろと歩き回りながら思考を巡らせていると、どこからか視線を感じる。首を回してどこから視線を感じるのか探すと、つい先程まで自分がいたベッドの下から伸びる蜥蜴の尻尾の様な物体を見つける。

 

 

 

「……メル?」

 

 

俺の声にガタッとベッドが動く。それからするすると尻尾がベッドの下へ消えていき、代わりにひょっこりと顔が覗く。

 

 

「呼びましたか、お父様」

「いや、うん。確かに呼んだけど…なんでベッドの下に居るの?」

「護衛です。決してお父様の鼓動を感じていたわけではありませんので誤解なきよう」

「…アッ、ウン」

 

 

護衛ならベッドの下に居るのは不味いのではと思ったがあえて口には出さない。娘の事情に深く口を出さないのが良い父親の条件なのだ。

 

 

「…そ、それでメル。一つ頼みがあるんだけど」

「はい、予備のスーツですね。黒服の叔父様からお預かりしておりました」

 

 

ベッドの下からからぬるりと立ち上がると一緒にベッド下へ隠していたスーツケースに格納されたそれをを持ち出す。何故だろう、非常に助かるのに釈然としないのは。

 

 

「ありがとう、助かるよ。それで、メル。何点か聞きたい事があるんだけど…」

「現状の把握について、ですね」

「うん。まず、俺が倒れてから何日が経過した?」

「約3日ですね。正確に示すのであれば、73時間と32分18秒です」

「3日間か…」

 

 

正直一月単位での昏倒も予測していたから、ここは不幸中の幸いと言えるだろう。3日と言う短い間であれば事態収拾も容易にできる。

 

 

「次なんだけど、今先生はどちらに?一緒に居たと思ったんだけど…」

「先生は今トリニティ、ミレニアム、連邦生徒会合同の会議に出席されています。昨日の状況を鑑みるに、おそらくここに戻られるのは3時間ほど後になるかと存じます」

「……合同会議?なんだそれ、どう言う事だ?」

 

 

トリニティとミレニアムが会議を行うこと自体は懸念はあるにしても筋は通っている。仮にもセミナー所属となった俺が襲われたのだ、何らかの話し合いはあって然るべきだろう。だが解せないのは連邦生徒会の存在だ。何故トリニティとミレニアムの2校間の話なのに連邦生徒会が出張ってくるのか。

そんな俺の疑問を解消するように、メルが続けて口を開く。

 

 

「現在、ミレニアムはトリニティに対して即時に今回のテロ首謀者を引き渡すよう要求しています。この要求が呑めないのであれば、トリニティをテロ首謀者を匿う敵性校と見做すという通告も合わせて、です」

「────────────はい??」

 

 

ミレニアムが、トリニティを敵性校と見做す???何故???

 

 

「……あー、えっ、と。テロ首謀者ってのはアレだよね、領域支配機バルタザールの事を指しているんだよね」

「そうです」

「何故彼女を捕まえないと敵性校と見做すん────あぁ、そうか」

 

 

会議2時間前に突然行われた会場変更と、それに伴う今回の襲撃……相関性を疑われても不思議じゃない。

 

 

「聖園さんの気まぐれが意図せず最悪な展開に繋がった訳か、運が無いなぁ…」

「運がない、と言うのは?」

「いや、どうせなら襲われるのが全く無関係な、それこそ路地だったら変な勘違いも起こらなかったと思ってさ。面倒な事だよほんと」

 

 

僅か3日しか寝ていなかったにも関わらず目まぐるしく動く現状に辟易として息を吐く。現状だと穏便な火消しの方法がまるで頭に浮かんでこないのも含めて憂鬱という他にない。

 

 

「…聖園ミカが、領域支配機に情報をリークしたとは考えないのですか?」

「えっ。聖園さんが?」

「はい。状況的にはそう考えるのが自然かと。だって彼女は、現にトリニティで……」

 

 

聖園ミカ────トリニティの内部情報を漏洩しているちょっとお茶目な少女。確かに彼女なら領域支配機に情報を流しても不思議では無い、ないのだが…。

 

 

「いや、少なくとも今回の件について彼女は白だと思うよ?だって彼女には俺を殺そうとする動機がない訳だし」

「それはそうですが、他に考えられる要素がありません。断定するわけではありませんが、彼女は黒寄りで判断するべきかと」

「そ、そうかなぁ?」

「えぇ。間違いなく」

 

 

非常に強い口調で頷くメルにやや困惑気味に同意する。一体聖園さんの何が彼女をここまで警戒させるのかわからないが、おそらく俺の様な常人ではわからない違和感に気づいたのだろう。あえて強く否定することもない。

 

 

「しかし、そうなるとティーパーティーへの連絡は控えた方が良いな。できれば桐藤さんとは密に連絡を取りたいんだけど…」

「現状はやめておいた方が良いでしょう。目覚めたことすら伏せておいた方が良いです」

「徹底してるね」

「一度襲われているのです、考えすぎと言う事はありません」

「…それもそうか」

 

 

病院着の上からスーツケース型のロボットスーツを起動し、生身の身体からいつものロボット姿に早変わりする。やっぱりこっちの方が落ち着く。

 

 

「プラナちゃんは……居ないのか」

 

 

視界の端にちんまり映っていた白髪の少女の姿が見えない。声も聞こえない事からおそらく今はここにいないのだろう。どこに行ったのか気になるところではあるが、それを気にしていられるほど事態はゆっくり進行していないだろう。

 

 

「メル。この部屋に盗聴器や監視カメラの類は?」

「ありましたが、すでにダミーに切り替えています」

「あるんだ…」

「そりゃあります。お父様、ご自身の価値をよく考えてみては?」

「…その手のお説教はもう懲り懲りだよ」

 

 

自分を蔑ろにする事は自分を大切に思ってくれる誰かを蔑ろにする事だと、それは身に染みるほどよくわかっている。

 

 

「ちなみに盗聴器や監視カメラの映像はどこへ繋がっているの?」

「トリニティとミレニアム、あとはゲヘナですね」

「ゲヘナもあるのか……そうなると空崎委員長も頼れないな」

 

 

ミレニアムとトリニティの対立を防ぐ為にゲヘナ……と言うより空崎委員長の威光を借りようと思ったが、ゲヘナからもアンテナが張ってあるのであればそれも難しいだろう。こちらから連絡した矢先、空崎委員長ではなくあの阿保総統が機甲部隊を引き連れてトリニティへ突撃しかねない。

 

 

「どうします?どこか他の学校へ連絡を取りますか?」

「いや、流石にトリニティとミレニアムのいざこざに首を突っ込みたがる学校なんてないでしょ。流石に頼るのはかわいそうだよ」

「アビドスは如何でしょう?あのピンクの悪魔───もとい、小鳥遊ホシノは喜んで来ると思いますが」

「武力は兎も角、外交でアビドスを頼るのは無理があるでしょ。あと、ホシノの事悪魔って呼ばない」

 

 

戦闘力で見たら悪魔も逃げ出すほど強大だが、普段の彼女はそれは可愛らしい女の子なのだ。最近は頑張って化粧も覚えているらしいし、そんな健気な子を悪魔なんて呼ぶのはあまりに酷だ。

 

 

「失礼しました。そうなると、お父様お一人でこの状況をどうにかするおつもりですか?」

「出来ればそのつもりだけど…難しいかな?」

「失礼を承知で申し上げれば。ミレニアム側は強行姿勢を崩すとは思えません、何せ態々現地に調月リオが来ているほどですから」

「調月会長が…そうか」

 

 

ミレニアムで見かけることすら珍しい彼女がトリニティに態々足を運ぶなんて、今回の事態を余程重く見たのだろう。生真面目な彼女らしいと言えばらしいが、だからと言って開戦を匂わせるのはやりすぎだ。

 

 

「メル、わかっていると思うけど、俺は────」

「ミレニアムとトリニティの開戦は絶対に阻止するのでしょう?お父様ならそうおっしゃると思っていました」

 

 

神妙に頷くメルに合わせてこちらも頷く。

生徒達が本気の殺し合いに興じるなんて全く冗談じゃない。そうなるくらいなら、俺が共通の敵になって軍事設備の悉くを破壊して回るくらいならやってみせる。

 

 

「それともう一つ。俺はバルダザールをミレニアム側に引き渡すつもりもない」

「……言うとは思っていましたが、それには大いに反対です」

「うんうん、やっぱりメルも────えっ?」

 

 

気のせいかな?今反対って聞こえた様な…?

 

 

「メル、俺はバルダザールをミレニアム側に引き渡すつもりは───」

「はい。引き渡した方が良いと思います」

 

 

どうやら気のせいではなかったらしい。おかしいな、二人は姉妹の筈だが…?

 

 

「バルタお姉様をあのまま放置するのは危険すぎます。クラフトチェンバーの機能をフルスペックで使える上、ありとあらゆる物理防壁を貫通できる質量兵器を所有しているんですよ?そんなの、核兵器が裸で歩き回っている状況となんら変わりありません」

「それは……そうなんだけど……」

「それに、お姉さまは操られていたとは言えお父様の左腕を吹き飛ばしました。その報いは受けるべきだと思いますが?」

 

 

微かに瞳が赤くなるメルに一つ嘆息を落とす。変に難しく考えているな、彼女は。

 

 

「報い、なんて言葉は不適切だよ。罪に報いを、なんて言うのならそもそもの罪がないんだから」

「罪がないって、そんな訳…」

「製造物責任って奴さ。彼女が俺を幾ら傷つけた所で、それは彼女を作った俺が悪いんだから罪にはならない。逆に、彼女が俺以外の誰かを傷つけたらそれは俺が悪いってことになる」

「意思を持ったバルダザールお姉様に、製造物責任なんて…」

「本心から思ってるわけじゃないさ。でもね、それでも俺はバルダザールが他の誰かから石を投げられる姿も、彼女へ石を投げる姿も見たくないんだよ」

 

 

こんなものは俺の我儘だ。

自分が苦しんで育てた娘じゃないが、それでも自分が作ったものが傷つけられる姿は見たくない。ましてや、罪があるからと進んで罪人へ石を投げる生徒達の姿なんてもっと見たくない。

 

綺麗なものだけ見ていたい、なんて理想論は持っていない。でも、それでも、誰かが汚れる姿を見たいなんて思うほどこの世界に絶望なんてしていない。

 

この世界は美しい。

あまりにありふれたキャッチフレーズとも言えないこの綺麗事を信じてきたから、俺はここまで走って来れたのだから。

 

 

 

「…いつもながら、お父様は優しすぎます。いつか痛い目を見ます」

「痛い目なら見たよ。ついこの間にね」

「そう言う意味じゃありません。生徒から襲われても私、助けませんから」

「えっ。それは助けて欲しいかも…」

 

 

少し早めの反抗期なのかな?と呑気に考えていると、深いため息を吐いたメルが「それで」と改めて向き直る。

 

 

 

「お父様の目的はわかりました。それで、具体的にどうするんですか?いつもみたいに裸一貫、土下座外交ですか?」

「それで済むならそれに越したことは無いけど…今回それは封印だね。調月会長の目的がわからない上、襲撃された人が頭を下げて回ったら下げられた側が周りから悪印象を持たれる」

 

 

いつもの様に下げる頭が俺一つで良ければ喜んでそうするのだが、今回は不幸にも俺が被害者であるため得意の謝罪外交も通じない。そうなると別のアプローチを取る必要がある。

 

 

「まずは調月会長の目的を探る事からかな。なぜ彼女がトリニティと事を構えたいのか、その背後関係を探る必要がある。開戦は脅しで慰謝料を取りたいのか、それともなにか他の事情があるのか」

 

 

淡々と頷くメルに続けて口を開く。

 

 

「…と、言っても目的を探っている内にいざ本当に開戦ってなったら目も当てられない。差し当たって、まずはすぐに開戦できない様な状態に持っていく」

「具体的な方法は?」

「手っ取り早いのは軍用資材の供出の絞り込みだけど…これは荒っぽすぎるから今回はなし。今回はもっと平和的な方法で開戦を遅らせる」

「平和的な方法って…」

「それはまだ言えない。確約はできないからね」

 

 

アイツに頭を下げる上に借りを作るのは非常に、非常に気が進まないのだがこの際はやむを得ない。今回は、アイツの推し活を利用させてもらうとしよう。

 

 

「次にバルダザールについてだけど、これは居場所を把握した上で放置するのがベストだと思う。指名手配は避けられないと思うけど…」

「お父様、それについて一つ先生から言伝が」

「先生から?」

「はい。なんでも、お姉様から去り際に言葉を残されたらしいです────『アリウスの皆さんをお借りします』、と」

「───えっ、マジ?」

「はい。確かにそう言われたそうです」

 

 

突然飛び出してきた情報に口元に手を当てる────アリウスの皆さんをお借りします。何らかの暗号じゃない、本当にただの報告だったのだろう。

 

 

「…そうなるとメル。お前バルダザールの場所についておおよそ見当はついていたんじゃないか?」

「はい。お父様から許可をいただければ、ピンクの悪……小鳥遊ホシノや空崎ヒナ、美甘ネル達に声をかけて直ぐにでも攻撃を仕掛ける予定でした」

「…スゥー」

 

 

深く、本当に深く息を吸い込み、それを吐き出す。

 

 

「……うん。まずは俺の許可を待ってくれてありがとう。それともう一つ───それは報復にしてもやり過ぎだから。絶対にやっちゃダメだからね?」

 

 

ACでクレイドルを落とした後の偽りの依頼より酷い戦力比だ。ボスラッシュよりタチが悪い。

 

 

「…はい、承知しました」

「不服そうに言わないでもらえれば良かったんだけど…。それにしてもそうか、アリウスはバルダザールが占領していたのか」

 

 

そうなるとまず間違いなくベアトリーチェは排除しているだろう。しかもクラフトチェンバーを使える彼女であれば環境の再構築は容易で、領域支配機には再開発計画の殆どが記録されている……いやぁ、そうかそうか。

 

 

「……なんだか嬉しそうですね、お父様。なぜそんなに嬉しそうなのですか?」

「えっ、そんな風に見えた?」

「はい。参考までになぜ嬉しいのか聞かせてもらっても?」

「いやぁ……アハハ」

 

 

クソ野郎に支配されていた生徒達が曲がりなりにも解放されたのだ、状況が状況なら今すぐバルダザールに会いに行って千の言葉で褒めちぎるのだが…。

 

 

「ま、まぁ居場所がわかっているのならそれに越した事はない。動きについて監視はできてるの?」

「主要な出入り口には監視カメラ付きのドローンを配備しておりますが、必要であれば中にも探りを入れますよ?」

「いや、下手に刺激しない方が良い。アリウスは彼女に任せよう」

 

 

再度機械仕掛けの十字架に洗脳される可能性もなくはないが、それについてはこちらでどうこうできるわけじゃない。それにアイツは腐っても俺のオリジナルだ、進んで生徒を傷つける事はしないはずだ。

 

 

「…何だかお父様が嬉しそうでとっても不服です。お姉さまに左腕が吹き飛ばされたのに。あんなに血が流れたのに」

 

 

頰を膨らませいかにも「私、不満です」と態度で表す彼女に苦笑する。外見は女神の様に綺麗なのに、変に女児っぽい所があるのが憎めない。

 

 

「ごめんごめん。メルにはいつも助けられているよ。今回も、助けてくれてありがとう」

「…分かれば良いんです」

 

 

軽く頭を撫でると大型犬のように「むふー」とするメルの姿に、彼女は本当にキヴォトスの空を支配できるだけの性能を持っているんだよな…?と心配になる。

 

 

「…ハッ。それでお父様、私は何をすればいいんですか?」

「ん?そうだな、本当に色々とあるんだけど…」

 

 

早急に手をつけて欲しい事象を頭に浮かべる。調月会長の背後関係の調査、トリニティの動きなど本当に多岐に渡るのだが、まずやって欲しい事と言えば──────。

 

 

「…とりあえず、この病室にパソコンと紙とペンを持ってきてくれないかな?30分で義手を設計するからさ」

 

 

浪漫盛り盛りの義手は当分お預けだな、と心の中で嘆息して苦笑いのままそう宣った。

 

 

 

 

 

 

 







鏑木クロキによる各学校好感度

ミレニアム  ⭐︎⭐︎⭐︎
自身の所属する学校だが、その知名度を利用して無茶苦茶やった負目があるため居心地はあまり良いと感じていない。自身の天敵種である名もなき神々の女王の存在もしているため、他の学校とは一線を画す兵器を保有している。領域支配機が3機揃って尚且つクラフトチェンバー0号機が存在していた場合、臨戦小鳥遊ホシノと5分の勝負ができる。

「我らが愛すべき母校ではあるんだけど……やっぱり負目の方が強いかな」



ゲヘナ  ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
良くも悪くも無秩序な雰囲気を好んでいる。生徒全体の湿度が低く、銀鏡イオリや天雨アコを筆頭に真正面から自身を罵倒してくれる生徒がいるため居心地がよい。


「全部終わった後はゲヘナに移住するのも悪くないなぁ」


トリニティ  ⭐︎⭐︎
権威主義、歴史重視の価値観が肌身に合っていない。大人の下衆度も他の学校とは比較にならないほど高く、生徒はともかく学園の文化それ自体は好んでいない。同業者から飲み物をぶちまけられた回数は片手の数では足りない。

「生徒達がいなかったら関わっていないかなぁ…。街並みはきれいなんだけどね」


アビドス  ⭐︎
梔子ユメは奇跡によって蘇ったが、それによって彼女を見殺しにした罪が消えるわけではない。アビドス再興は鏑木クロキの悲願であり、小鳥遊ホシノを筆頭に対策委員会の面々とは深い友好を築いてはいるが、そのアビドスに自分の居場所があるとは思っていない。

「ここに俺の居場所はないよ。梔子先輩やホシノが笑っていられるのなら、それだけで俺は満足さ」


地図にも載っていないような小島  ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎

実家のような安心感。遥か遠き理想郷。何となく不可能だろうなと思ってはいても、憧れは止められない。


「孤島で猫を可愛がるのが、俺の夢です」



Q.鏑木クロキと相性の良い学校なんてあるの?

A.ゲマトリア



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