かがみ川女子高校スクールアイドル部   作:記録部

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Side:深夜


幕間②
2024/06/16:夜に想うこと


あしたは学校か……

 

 深夜はひとりベッドに寝転んで、ぼーっとしながら天井を見上げる。

 

「あー、なんであんなにうまくいかんかったがやろう」

 

 自然と独り言が口をつく。深夜は昨日の失敗から何度同じフレーズを繰り返したか分からない。本番が終わって冷静に振り返ってみると、なんであんなに舞台上で緊張したのか、不思議で仕方が無かった。

 

昼休みミニライブのときは、全然緊張せんかったのに……

 

 会場のホーム感とアウェイ感の違いなのか、それともステージという特殊な環境が作り出した魔物なのか。その両方なのか。それとも他の理由なのか。

 今の深夜にはまったくわからなかった。

 

 そもそも、深夜はこれまでにこういう大きな失敗をしたことがなかった。

 むしろ、勉強も、スポーツも、人間関係も、なんでも卒なくこなせるタイプだという自負がある。小さい頃の習い事の発表会や体育祭の競技、文化祭の出し物なんかでも、むしろ実力以上の力を発揮してきたという実績もある。

 

本番には強いタイプやと思ってたけどねぇ……

 

 深夜はまた大きなため息をつく。

 

 大会が終わったあと、乃々羽や御代をはじめとするセン学の面々から、たくさんの励ましの連絡が入っていた。舞台からはけたあの瞬間は恥ずかしくてもう辞めてしまいたいような気持ちにはなったものの、もらった連絡にひとつひとつ対応していくうちに、そういう負の気持ちはいつの間にか薄れていた。

 

 その一方で、「どうして失敗したのか」という疑問は、ずーっと頭の中で渦巻いている。たしかにパフォーマンスの実力や練習量自体はセン学の面々などと比べればまだまだ全然足りてない。一方で、会場で見たセン学以外の学校と比べて、明らかに劣るという印象もなかったのだ。

 単に初回の舞台で緊張しただけであれば、次はたぶん普段通りできるだろうし、またイチから頑張ってステージを目指せば良いだけだ。ただ、もし、そうじゃなかったら、と深夜は思う。

 

次もまた、おんなじにならんっていう保証はないがよね……

審査員の先生が言いよったみたいに、とにかくアウェイの場数を踏むしかないがかねぇ。

 

 次のステージはラブライブ!県予選だ。もしかしたら乃々羽と一緒にかがみ川女子高校スクールアイドル部として立てる最後の舞台になるかもしれない。そんな舞台で、全ス選予選みたいに練習してきた実力を出し切れずに後悔して終わるのだけは、深夜は嫌だった。

 

 そのためにどうすればよいのか。

 答えのない問いをもんもんと考えているうちに、いつの間にか深夜の意識は夢の中に潜り込んでいた。

 

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