ナツとガジルが激突するようにアルバスとジョゼも激しい戦闘を繰り広げていた。
「デットウェーブ!」
ジョゼの放つ魔法を避け、切り込むアルバス。切り込んできたアルバスを上に飛び避け魔法で攻撃するジョゼ。それを大剣を盾にして防ぎ弾き飛ばすアルバス。
「そんな大きな剣で私の動きに対応出来てますね。流石と言った所でしょうか」
「褒めてくれるなんて。ありがとうとでも言っとこうか?」
「ですが!これまでです!」
幽兵を作り出し、数の優位をジョゼは作り出す。そして
「魔導巨人ファントムMk-Ⅱの腕を吹き飛ばした攻撃には溜めが必要です。幽兵を薙ぎ払ったは攻撃にも、多少なりとも隙が生まれる。ならば、数で攻めるのも有効とは思いましてね。さらに、私が直接強化を施せば」
幽兵の双眸が怪しく輝きおぞましい声を出す。
「先程より強くすることも可能です」
「さっきやられた雑兵出すとはねぇ!」
「減らず口もどこまで持つか……見ものだな、行け!」
幽兵はジョゼの指示が下るとアルバスに襲いかかる。先程ギルド前で掃討した時よりも速く頑丈な幽兵だが、
「そらぁ!」
アルバスの斬撃の前では為す術なく塵となる。だが、意識がそっちにむく。
「隙ありだ、クソガキ!!」
ジョゼの魔法を避け損ない、被弾する。背中にまともに貰い転がり壁に激突する。
「ぐっ!やるじゃねぇか!」
すぐに立ち上がり、大剣を構える。
「ほう、まともに入ったと言うのに中々にタフですね。いや、ここまで勝負になるとは思いもしませんでしたが。このまま続ければ、私の勝利は確実です」
勝ち誇ったように言うジョゼにアルバスは大剣を消し、
「おいおい、大技しか撃てないなんて思われてるのか?そんなことないんだぜ?」
大剣から少し大きめの片手剣に持ち替え、さらに周りに10を超える武器を展開する。
「小規模でも展開すれば多数の相手は困ることは無い。さて、勝利宣言無駄にさせて貰おうか…!」
複数の武器を従え再びジョゼに接近戦を仕掛ける。間に幽兵が入るが、展開されている武器が幽兵を貫き消滅させる。
ジョゼは魔法を使い二方向から攻撃する。アルバスは片方は剣で受け止め、もう一方は腕で受ける。
「武器を展開したところで……!」
「破光斬!」
ジョゼの魔力をそのまま上乗せした魔力の斬撃を飛ばす。ジョゼは避け着ることが出来ず肩に斬撃を受ける。
「くっ!」
再び互いに距離を取り睨み合う。
「これで互いに被弾は1回だな」
アルバスは大きく息を吐き、ジョゼを見据えて
展開していた武器を全て消し去る。現在のアルバスの周りの武器はもう一本も無い。
「どういうつもりだ?」
「決着をつけるんだよ、遊びはこれまでだ。アンタには過ぎた力だろうが、冥土の土産に見せてやる……!!」
そう告げると同時にアルバスの魔力が変化する。立ちのぼる魔力が赤黒、青白と明滅する。魔力の端々には赤い稲妻が迸る。外では嵐が来たように大気が荒れる。
「なんだ!?嵐か!?」
「空が!?」
外では大騒ぎ、波は高く打け、雷が走り、竜巻も起こる。それはまさに天災と言うに相応しい。それはナツ達も感じ取る
「な、何!?いきなり嵐!?」
「こんな魔力初めてだ……!何をしてんだアルバスの奴!」
対峙しているジョゼですら目を見開く。
「な、なんだ!?その魔力!その魔法は!」
さっきと異なる魔力と雰囲気に驚いているのだ。アルバスの魔力が赤黒色で落ち着く。それと同時に構えた。
「煌黒龍の……!」
赤い稲妻を纏い今魔法が放たれようとした瞬間
「そこまでじゃ、アルバス」
アルバスに声がかけられる。魔法を止めてその声の主を見る。
「っ!マスター!」
倒れたと聞いたマカロフが立っていたのだ。そしてアルバスの肩を叩き
「ほれ!その魔力を抑えろ。周りに影響が出ておる」
「あ、あぁ!ふぅ……」
アルバスの魔力は先程の状態へと落ち着くように戻る。
(な、なんだ!?今の奴の魔力は……!何か得体の知れないこの感覚は!?)
ジョゼはアルバスを見る目が変わっていた。その表情は明らかに恐怖を帯びていた。
「よくぞ、帰ってきてくれたな。アルバス……。あとは任せて下がっておれ」
「ああ、分かったよマスター」
アルバスが幽鬼の支配者のギルドから脱出する。アーリィが向かいに来てそれでギルド前に降り立つのと同時に、妖精の法律の光が天を裂き、妖精の尻尾の勝利を告げた。
「相変わらずだなマスターは」
そう言いながら、ボロくなったギルドを見ながら溜息をつきつきそうになった。
その日はアパートに戻り、アーリィには先に眠るように言い、一人郊外の森に来ていた。そこでは、アルバスは焚き火をして鍋を回していた。
「マスターの回復が早いなと思ったら…やっぱり来ていたのかミストガン。いや、ジェラール」
「今はミストガンで通しているんだ。あまりその名で呼ばないでくれアルバス」
鍋のシチューを食べながら二人で話す。
「相変わらず魔法かけて依頼書を?」
「ああ、あんまり見られたくないからな。そう言うお前は複数の依頼を1度に受けて帰るのは度々なんだろう?」
「ああ、おかげでアーリィには苦労かけてるけどな」
「相変わらずだな」
ミストガンとアルバスは友人であり、妖精の尻尾内で唯一素顔と本名を知っている人物である。互いがミストガンがこっちに来て間もない頃に、魔物に襲われた際に偶然アルバスが吹っ飛ばした魔物が命中して出会ったのが始まり、しばらくコンビを組んで旅をしていて、互いの目的のために解散したと思ったら妖精の尻尾にて再会を果たしたと言う。そして、人目を見てこうして会い語り合っているのだ。
「それで、感じ取っていたが…久々に使おうとしたな?聖十大魔道相手なら使っても不思議じゃないが相変わらず影響力は凄まじいな」
「まぁな、これを教えてくれたやつが規格外なんだろうな」
「ドラゴンは規格外そのものなんじゃないのか?」
「違いない」
少し笑い合い、穏やかな時間を過ごす。
「そういえばウェンディに会いに行かないのか?ミストガン」
「そんな余裕は無い。それこそ、こっちのセリフだ。多少の余裕はあるんだろ?」
「オレにだってやることはあるぜ?けど、顔くらいは見せないとだ行ける時には行くようにはしてる。とは言っても……最後に行ったの1年半前だけどな。そうや猫いたな、アーリィと同じタイプの」
「っ!そうか、元気そうだったか?」
「元気そうだったよ。化猫の宿のマスターがあの時の爺さんだからな……頭が上がらねぇよ」
「ああ、そうだな」
夜も更ける。アルバスは鍋を片付けてミストガンは次の依頼の目的地に向かう準備をする。
「じゃあな、ミストガン。何かあったら手伝うから言えよ」
「ああ、その時は当てにさせてもらう」
そうして二人は別々の道を進む。アルバスはアパートに帰り、シャワーを浴びて眠りにつく。
1週間もすると落ち着きを取り戻しつつあったが、魔法評議員傘下強行検束部隊が取調べの1週間だったため、1週間でようやく落ち着いたという形だ。アルバスはその間は雲隠れしてやり過ごしていた。
10日経った時にギルドに来ると
「おー、やってるねぇ」
「取調べが面倒だからって雲隠れするのどうかと思うよ僕」
「ほぼ最後しかその場に居なかったんだから良いだろ別に」
改修工事が行われていた。アルバスとアーリィが到着するまでにギルド自体にダメージが入っていたため、一層の事改修工事しようということになり、メンバーがそれぞれ作業に取り組んでいた。
「あっ!アルバス!アーリィ!こっちこっち!」
仮設のカウンターに立っているミラが手を振りアルバスを呼ぶ。
「ルーシィ、紹介するわ!彼がアルバス・クロムウェル!エルザと同じS級魔導師よ!そしてアルバスの相棒のアーリィ!」
「貴方がアルバス!?何か思ってたよりおっかなくないというか幼い感じがする。何歳なの?」
「ああん?15だよ」
「まさかの歳下!?」
「悪かったな!歳下で!」
怒ったように言うアルバスにルーシィは慌てて
「ご、ごめんね!そういうつもりじゃなくて」
「まぁ、アルバスは異名とか活躍が独り歩きして想像と違うと言われるのはよくあるもんね」
「アーリィ、余計なこと言わなくてもいいんだよ」
「こっちの猫はハッピーと同じね。羽が生えてる」
「僕はアーリィ!よろしくねルーシィ!」
アーリィはテーブルに立ちルーシィに手を差し出す。ルーシィはその手を握る。
「よろしくねアーリィ、アルバス。私はルーシィ・ハートフィリア!」
「おう、よろしくな」
二人が自己紹介したところで、
「アルバス!オレと勝負しろ!」
「アーリィ久しぶり!」
ナツ達がやってきて騒ぎになったのは言うまでもない。
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次回バトルオブフェアリーテイル編かも